2005年石田日記-7月

7月3日 神奈川フィル第217回定期演奏会@KH
7月23日 明日への架け橋For未来の大人たち@藤沢市民会館
7月28日 題名のない音楽会21公開録画@MMH
7月29日 フェスタサマーミューザ川崎・夜のオーケストラ@MK
7月31日 石田泰尚ソロコンサート&トリオ・リベルタ@ひじり館


2005年7月3日 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第217回定期演奏会
 『スコットランド幻想』

場所:神奈川県民ホール 大ホール
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:漆原朝子
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」作品26
ブルッフ/スコットランド幻想曲 作品46
メンデルスゾーン/交響曲第3番 イ短調「スコットランド」作品56
アンコール/アイルランド民謡 ロンドンデリーの歌

★本日の演奏会はひと月ぶりの定期演奏会。定期会員にはリハーサルも公開されていて、ちょっと お得感。勿論館風も聴きにいきました。
 本日のリハは確認だけだったのか、殆ど止める事も無く、一回通した後に現田氏がいくつか指示を飛ばしただけで、滑らかに終了。 リハーサルを音楽を造る過程を見られるものと思えばちょっと物足りないかもしれないが、本日の館風の座席は音はイマイチな席なので3階センターの良い 音で聴けたので嬉しかったです。

 さて本番。
 全てスコットランドをイメージして作曲された曲が並ぶ本日の演奏会、なんだか重々しいのっそりとした立ち上がりの曲が多い。 もしかしてスコットランドって暗いイメージなのか……。

 ブルッフのスコットランド幻想曲はヴァイオリンソロがあり、その後ろ(つまり指揮者の前辺り)にハープが配置されると言う 変則的な並び。ハープとヴァイオリンの美しい絡みがあったり、中々多彩な音色を見せてくれた。
 漆原嬢の音は確固とした存在を示し輝くような音で、オケに負けること無く、ホールの隅々に響き渡った。オケはオケで ソリストを支えるべくしっかりとした音なのだが、惹き立てる様な繊細な音色の変化を見せた。2楽章のガシガシとした野性味溢れる音とメロディックで甘い旋律が 入り乱れる所では2つの音色をきっちり弾きわけて、とても面白かった。石田様の際立つピチカートにちょっとびっくりしましたが、その後の 3楽章ではいろいろなパートでピチカートがあったのでいろいろなピチカートが見られて面白かったです。

 メインのメンデルスゾーンの交響曲第3番は、やっぱり暗いオープニング。しかし1stヴァイオリンが入った瞬間に音ががらりと変わった気がしました。 なんと言うか、輝く陽光が差したみたいな感じでしょうか。
 気に入ったのは2楽章冒頭のクラリネットソロ。この可愛らしく、美しいメロディはクラリネットの暖かくまろやかな音にぴったりで、とても良かったです。 また、今回の曲目ではホルンやトランペットと言った金管楽器が纏まってハーモニーを奏でる部分がいくつか出てきたのですが、どの部分も綺麗に纏まっていて、美しい ハーモニーを聴かせてくれました。

 久々に石田様の演奏を生で聴いたせいか、ショックのあまり聴いている時の記憶が余りありません。音が凛として優雅だったのは 覚えているのですが。。。(汗)。次の演奏会はまた約ひと月後の29日なので、またショックを受けないように頑張りたいと思います(笑)。













2005年7月23日 明日への架け橋
オーケストラ・コンサート
 For
未来のおとなたちU

指揮・お話:現田茂夫
オーケストラ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 藤沢ジュニアオーケストラ
コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:第1部:オーケストラ・ワンダーランド
ヴェルディ/歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「あし笛の踊り」
チャイコフスキー/バレエ「白鳥の湖」より「情景」
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「アラビアの踊り」
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「中国の踊り」
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「行進曲」
チャイコフスキー/バレエ「くるみ割り人形」より「花のワルツ」
ハチャトゥリアン/「剣の舞」より
ベルリオーズ/幻想交響曲より第5楽章「ワルプルギスの夜の夢」
 (攻勢台本 新井鴎子)
第2部:レッツ・オーケストラ
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界から」(全楽章)
 (神奈川フィルと藤沢ジュニアオケの共演)
アンコール
 ラデツキー行進曲

★本日の演奏会は石田様の古巣、藤沢ジュニアオケと神奈川フィルの共演をメインとする、子どもたちに見てもらいたいと言うコンセプトのコンサート。
 第2回目の今回は、前回の弦楽器に変わり、管楽器が主役。管楽器のそれぞれの音色の違いや特色を紹介しながらの前半は、チャイコフスキーを中心にオムニバスの様な構成。 普段よく知っている曲でも、紹介された楽器を聴こうとするので今までの印象と違う印象を受けたりして面白い。

 また、管楽器をメインに紹介しつつもそれを下支えする神奈川フィルの弦は本当に見事としか言いようがない。弦が美しいのは当たり前の様なのだけれど、それって本当は凄い重要な ことなんじゃないかなぁ、と私は思います。弦が綺麗じゃなきゃ管楽器のメロディが映えないし。

 今日はホルンやトロンボーンと言った金管楽器全般が活躍。冒頭のアイーダではアイーダトランペット(ラッパの部分までが凄く長いスマートなトランペット)が 下手と上手に3本ずつ花道に並び、オケとバンダの対比が面白かった。このアイーダトランペットは昔は音が出るだけマシといった風情の楽器だったのだとか。 デリケートな音程を綺麗に吹ききったのは賞賛に値するだろう。

 面白かったのはクラリネットの紹介の時に斎藤氏が名探偵コナンのテーマを吹いた事。子供向けコンサートだからと思ったのだろうけれど、案外ウケず。私は凄く面白いと 思ったんだけれどなぁ。残念。

 後半のドヴォルザークは神奈川フィルと藤沢ジュニアオケが一緒に演奏。隣にプロの演奏家に楽譜をめくってもらって演奏なんて、もの凄くラッキィですよね。 この経験を大事にして、未来のクラシック界を背負うオケマンになって欲しいなぁ。
 さて、演奏の方ですが、半分近くが藤沢ジュニアオケのメンバーが入っているにも関わらず、神奈川フィルの音楽は変わらず。 やっぱり確固とした音楽を持っているオケって言うのは違うなぁ。どっしりとした音楽を聴かせてくれました。
 1楽章はカッコ良かったのだけれど、2楽章でちょっと際どいところがあった(いつもの神奈川フィルらしくないなぁ)けれど、持ち直しました。この部分、クラリネットの斎藤氏、 凄かったなー。。。よく合わせたって感じで。。。館風の好きな 4楽章はとにかく音がカッコ良くて、ううん、と唸ってしまいました。石田様の弓捌きもカッコ良く、思わず見とれてしまいました。

 いつも書いている事ですけれど、子ども向けコンサートだからって手を抜かないって言う神奈川フィルのスタイルはとても好感が持てて好きです。
 そう言えば今回の演奏会、石田様がよく笑っていたと思います。現田先生のトークにも笑っていましたけれど、演奏中、何かアイコンタクトでも笑っていた 様な……。
 また、子どもたちと一緒に演奏する時は1プルトの裏だったのですが、さり気なくサポートしている姿がいつもコンマスで弾いている時と違ってちょっと新鮮でした。 サポートに徹して居たはずなのに、4楽章の中ごろからちょっとそれを忘れていつも通りのド派手パフォーマンスになっていた所も◎。やっぱり音楽に対しては アツイなぁ。久々に譜めくりする石田様を見ました。ほぁ〜ん。










2005年7月28日 題名のない音楽会21
公開録画

司会:羽田健太郎 下平さやか
指揮:現田茂夫
オーケストラ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:第1部[未来の大器](10月9日放送予定)
ゲスト
 ピアノ:高木竜馬
 ギター:藤元高輝
 ヴァイオリン:弓新
 ジャズピアノ:YUMA
第2部[40周年記念企画
 ポスト3大テノール来日!
〜輝く歌声ラ・スコーラ](10月2日放送予定)
ゲスト
 ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ

★御馴染み題名のない音楽会の公開録画。最近はものすごーくチケットが当てにくくなりました。何なんでしょうか。。。 しかも、チケット引き換えシステムも始めに言っていた事と違う感じだし、なんだかなぁ。と言う感じ。

 さて、曲目の方は放送をお楽しみに、と言うことで全体的な印象なんぞを。

 第1部はシリーズ[未来の大器]。これはこれから輝くのではないかと言う子どもたちをゲストに、協奏曲等を演奏すると言う、本人達にとってもいい経験に なるであろう、素敵なシリーズ。
 今回はピアノ、クラシックギター、ヴァイオリンと、割合スタンダードな楽器が並ぶだけに、それぞれのレヴェルが高い。 特にピアノの高木氏は中学一年生にしてホロビッツ記念国際ピアノコンクールのジュニア部門で第1位を取った経験の持ち主。 凄いらしい。確かにこれからが期待できそうな力強い演奏で、楽しめました。
 ギターの藤元氏の時に、石田様のソロがありました。ギターのソリストを飲まないように丁寧に弾いて居たのが印象的でした。 ヴァイオリンの弓氏は石を回すのが趣味と言う結構謎少年。だけれどヴァイオリンはやはりなかなかのもの。これから頑張って行ってほしいなぁ。
 ジャズピアノのYUMA氏は中国人と日本人のハーフらしい。楽しそうに演奏するのが好印象。ジャズピアノはソウルが大事ですからね!そう言う所を 分かっているのはとても良いことだと思いました。

 全員に「将来はどんな音楽家になりたいですか?」と言う質問をしたのですが、これがまあ、みんな大きい事を言うのです。 でも、実際にその大きな夢が叶うのはほんの一握りの人ですからね。頑張って少しでも夢に近付いてほしいですね。

 そして第2部。ポスト3大テノールと呼び声高いヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ氏。 彼はイタリア人らしく、とっても陽気でお喋り好き。大抵1時間程度の収録が1時間半はあったんじゃないでしょうか。 とっても面白いひと時でした。
 曲目はオペラアリア日本民謡まで、かなり幅広く、充実した演奏でした。太陽の声と言われるのが納得のカーンと突き抜けた明るい声で、 かなりビブラートがかかっているにも関わらず、明るく聴こえました。ビブラのかけかたも上手いんですね。
 日本語の歌を歌ったとき、「二つお断りさせて頂きます。ひとつは、日本語が上手くない事。もうひとつは私も若くないので、 楽譜を見るために老眼鏡をかけさせていただくことです。」と言っていました。でも、日本語は上手とは言えませんが、 きちんと歌詞が聞き取れましたし、サビの部分などは特に自然に聴こえました。何より音がとても美しかったので言葉など どうでもよくなりました(笑)。また、老眼鏡をかけていましたけれど、メガネかけた方が男前だった気が……(<単なるメガネ好き)。

 今回も人には言えない様な枚数のはがきを出してしまいました。それでも自分の名前で当らない罠。 なんとかして神奈フィルの時だけは当てたいなぁ……と思う今日のこのごろです。
 名前貸してくれた友人、ありがとぉ!!













2005年7月29日 川崎発20時の夜
神奈川フィルメンバーによる室内楽の夕べ

ヴァイオリン:石田泰尚
チェロ:山本裕康
ピアノ:諸田由里子
曲目:チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲 イ短調
作品50「偉大な芸術家の思い出」
アンコール
 クライスラー/小さなウィーンの行進曲

★ダブルヘッダの2コマ目である。1コマ目ではソリストとしてバーバーのヴァイオリンコンチェルトを弾いた石田様と チェロ首席で出演していた山本裕康氏、そしてピアニストの諸田由里子嬢によるピアノトリオ。プログラムはチャイコフスキーのピアノトリオ「偉大な芸術家の思い出」 1曲のみだが、45分の大曲なので、聴き応えはバッチリだ。その分演奏する方にしてみれば大変なのだろうけれど。

 室内楽は規模の大きすぎないホールで演奏者の空気を感じながら聴くのが好きなので、ちょっとホールが大きすぎるなぁ、と感じたけれど、 そんなことは関係ない前の方で聴いたので私が言うべきではない。
 馬鹿みたいに前の方で聴いたせいか、見事にピアノの音は頭上を通り過ぎ、ずっと上の方で音が鳴っていた。ピアノの音はむしろ後ろから聴こえてきた ことの方が多いのではないだろうか。その代わり、ヴァイオリンとチェロは演奏者の息遣いまでが聴こえて来て、3人でタイミングを合わせる様子等、 アンサンブルの醍醐味を感じられました。

 この曲は2楽章構成で、第2楽章は延々と同じ主題を変奏してゆくのだけれど、CDで予習していた時は気付かなかった発見がたくさんできました。
 個人的に印象がガラリと変わったのは第六変奏。ピアノメインでヴァイオリンとチェロはピチカートで演奏するのですが、 CDで聴いたものよりもヴァイオリンとチェロがずっと前に出て来て、ピアノのメロディに華やかさをプラスしていました。私個人的にはこちらの方が 好きだなぁ。
 ピアノトリオでもピアノに遠慮しないこの姿勢が好きです。やっぱりアンサンブルはそれぞれのパートが全力でぶつかってこそだと思います。

 そう言えば、石田様は演奏中、弾いていない時、何度か辛そうな顔をなさいました。やはりダブルヘッダでお疲れだったのでしょう。 アンコールに出てきた時に「僕も裕康さんも昼の公演に出て、僕はソロも弾いて、これやって、非常に疲れました。」と笑い混じりでコメント。 「でももう1曲やっちゃいます。」と言ってアンコールを演奏して下さいました。
 クライスラーだったのですが、短い割りにぎゅっと音楽が詰った曲で、メロディは華やかでポップで盛り上がりました。 アンコールピースにぴったりの曲ですね。チャイコの後なのに気合の乗った演奏で、フィニッシュがとてもカッコ良かったです。もう最後だからと 華やかに派手に決めましたね(笑)。演奏後、全てが終わって安心したのか、リラックスした表情を見せていました。

 今回、バーバーのヴァイオリンコンチェルトが聴けなかったのは残念でしたが、このピアノトリオだけで満足できました。それぐらい素晴らしい演奏でした。
 でもバーバーのヴァイオリンコンチェルト、再演して欲しいなぁ。。。。










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