2005年石田日記-4月

4月16日 神奈川フィル第215回定期演奏会@KH
4月28日 トリオ・リベルタSpecial Live@Blue Jay Way



2005年4月16日
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第215回定期演奏会『ドイツ音楽の王道』


場所:神奈川県民ホール
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ピアノ:小菅優
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番ハ長調
ピアニストアンコール:ショパン/ノクターン「遺作」
ブラームス/交響曲第1番ハ短調

★2005年シーズンの幕開けとなる今回のコンサートはシュナイト氏による、ベートーヴェンとブラームス。ブラームスの 第1番はベートーヴェンの第10番と呼ばれるほどの曲。この2人の曲をセットで聴かせると言うのはシュナイト氏らしい、 正統派な選曲と言えよう。だってタイトルも「ドイツ音楽の王道」だもんね。

 ベートーヴェンのピアノは若手ピアニストの小菅優嬢。シンプルだけれどインパクトのある真っ赤なドレスで、笑顔で登場したが、 ピアノに向かうと表情が一変した。眉を寄せ、表情から笑顔が消え、真剣な表情になった。ソロ部では特に厳しい表情で鍵盤を叩いていた。 その後ろでピアノのメロディに合わせて楽しそうに体を揺らしていた石田様との画が対照的でした。集中するのも良いけど遊びの部分もないとね〜。

 今回の演奏会、石田様は全体的にとても楽しそう。やけにノリノリで、自分が弾いていない所はウキウキで体を揺らしていました。 後、自分が弾いている所でも他のパートへの合図を出したりして、コンマスのお仕事もやってます。と言うか、体を揺らす事で 合図を出したりする事こそがコンマスのお仕事なのかも。

 今年度の県民ホールの私の席はオーケストラを聞くと言う点では間違っている席なので今回はバランスについては何も言えず。 ただ、舞台の奥に位置する管楽器群の元気が良くて、しっかりと響かせて居たのが印象的だった。
 ベートーヴェンの3楽章では弦楽器の音の色がコロコロ変わるのが面白く、 楽しませてくれた。神秘的に綺麗な音かと思えば、粗雑に、荒々しい感じのガシガシとした音まで、この音色の 使い分けにメリハリが効いていて流石神奈川フィル。最近の神奈川フィルはこう言う所が上手いんだよナァ。

 さてブラームス。もう、出だしからしてぞくぞくする音色。この一瞬が幸せの瞬間だなぁ……と思う。また、 アレグロになってからの音の表情の変化も体が震えるような感動があった。2楽章のクラリネットとオーボエのメロディも良くて、久々に目が離せない演奏だった。
 そしてそして!!ラストのコンマスソロッ!!妙に弦の音が静かになったな〜と思ったら石田様だけ弾いてない。 コレは!と思ったらコンマスソロです。もう口が開きっぱなしになっちゃうくらい綺麗なソロ。ホルンがしくならければそのまま夢の世界に 旅立っていたかも(笑)。ほんの少しでしたが、とても心が洗われました。

 そして3楽章を経て4楽章。バラエティに富んだメロディや手法で、次は何がくるかと楽しみにさせる。弦楽器がピチカートオンリーになる部分があるのだけれど、 そのピチカートが段々大きくなっていったりする所の表情がとても面白かった。
 この曲はメロディが豊かで、ベートーヴェンの第九に通ずる所があると言われているけれど、なんと言うか、第九よりも ドラマティックな感じがする。なんと言うか、テレビドラマで盛り上がった時にかかる音楽みたいなのだ。 それは決して安っぽいと言う意味ではなくて、生々しい、と言う意味で捉えていただけると幸い。第九はちょっと神懸ってると思うのは私の偏見?(笑)
 後半に至ってからの木管のメロディや弦楽器のメロディがそう感じました。今か今かとラストへ向かう進行も期待を良い感じに裏切ってくれて面白い。 いつまででも楽しめる曲である。
 そしてとうとうラストだな!と言う部分へ至るともう、演奏から目が離せません。終わりの一音が響き渡ると同時に 今日は体に電流が走りました。こんなにドキドキしたのは久し振りかもしれません。いつも新しい感動を与えてくれるオケが神奈川フィルなんだなぁ。

 私も今日は足をバタバタさせながら拍手してしまったので言えた事じゃないのですが、今日のブラボーはちょっと下品だったかなぁ……と思いました。体育会系の飲み会じゃないんだから(笑)。













2005年4月28日 Trio Lebertad Special Live

場所:原宿Blue Jay Way
出演:Trio Lebertad
ヴァイオリン:石田泰尚
サックス:松原孝政
ピアノ:中岡太志
曲目:
ミケランジェロ'70
天使のミロンガ
ブエノスアイレス午前0時
ブエノスアイレスの夏
レヴィラート
悪魔のタンゴ
悪魔のロマンス
タンガータ
 休憩
デカリシモ
タンゴアパショナート
三人の為のミロンガ
ミロンガ・ピカレスク
孤独のサイリス(Sax&pf)
チキリン・デ・バツィン(Vn&pf)
タンゲリアV
アディオス・ノニーノ
リベルタンゴ
 アンコール

ミロンガ・ピカレスク

★先行発売で売り切れたら一般発売無しと言う強気のスペシャルライヴ。チケットは売り切れとの話だったけれど、 演奏中に大きな声で喋るような普通の人も混じってたから(リベルタファンなら黙ってるはずだし)案外先行発売 だけでは売り切れにならなかったのかも。

 さて、本日1曲目は私の大好きな「ミケランジェロ'70」。繰り返しのリズムとメロディで今日の演奏を期待させる曲目なので 幕開けにはぴったり。このわくわくする感じが大好きです。

 続く「天使のミロンガ」では冒頭のヴァイオリンがわざと音を歪ませてずり上げたりしてあって、音に色が付いていて とっても雰囲気が良いです。石田様の音って色気があるんですよね。

 ブエノスアイレスのシリーズからは「午前0時」と「夏」の2曲。どちらも情景が思い浮かぶ様な雰囲気をもった曲で、聴いているだけでひきこまれてしまいました。 うねるグリッサンド、盛り上がった所の躍動感、めちゃめちゃカッコ良いです。

 今回も石田様はマイクの位置が気になった模様。たまに弓が当ってしまうんですよね。前半はそれでマイクを気にする シーンが何度か。音が入るより何より弓が傷つかないかが私は心配でした(<大きなお世話)。
 これ、なんとかならないんですかね。前の方の席だとスピーカが近すぎて大音量になってしまって五月蝿いと感じるし、 後ろの方だとマイクが無いとライヴハウスの様な場所だと音が飲み込まれてしまうのでマイクは必要不可欠。演奏者にとっては邪魔以外の何ものでもありませんからね。 もっと画期的なマイクが出れば良いのに〜と思います。

 「レヴィラート」はサックスとヴァイオリンのメロディの差が面白い曲。サックスのポップな躍動感溢れるメロディとヴァイオリンの哀切漂うメロディの入れ替わりが面白く、 そのギャップが激しいのはやっぱりリベルタだから?全てのベースになるピアノがしっかりしているから上に乗るメロディが引き立つんですよね。

 本日は新曲の嵐!もしかして最近のアンケートで「新曲が聴きたい」と書き続けたからかなぁ??(笑)。
 ただ、やっぱり聴いた事が無い曲もあるので(勿論リベルタでは初めてだし)感想が上手く書けません。これからのライヴで何度も出てきて定着させて欲しいです。

 後半の「タンゴアパショナート」、「三人の為のミロンガ」、「ミロンガ・ピカレスク」はどれも良い曲で、好きになりました。
 先日リリースされた石田様の2ndアルバムですが、そちらにリベルタの演奏でピアソラの曲が4曲(この3曲では無いですが)入っているのですね。 改めてライヴを聴くとリベルタのCDが欲しいナァ……と思ってしまいます。まあ、毎日聴ける環境に!と言うのもあるんですが、館風的には やっぱりライヴでより楽しむ為に!と言う観点が大きいです。
 で!
 そんなリベルタのCDも計画進行中。どうも秋に録音があるみたいです。中岡氏が「トリオも秋に……」と言ったら石田様が「え?とるの?!」と言う感じの 反応でした。あれ?知らなかったのかな……?(笑)
 ちなみに松原氏の個人CDも渡辺雄一氏プロデュースで制作進行中。7月15日リリース予定★

 「孤独のサイリス」はリベルタが3人になる前のレパートリーだとか。もともとの曲はバリトンサックスで、それが歌詞をつけられ歌になって、 今回は松原氏のアルトサックスで。
 サックスが歌うようにメロディを演奏し、その盛り上がりの劇的な事と言ったら!転調が劇的で感動できる曲目でした。松原氏は今日も絶好調。松原氏の 指さばきも見ていて素晴らしく速いですよね。特殊な奏法を用いるタンゴでこれだけ素晴らしい演奏なのですから、 クラシックを演奏する松原氏も見たくなりました。どこで出演しているのかしら。。。
 今回は松原氏、石田様ともにデュオの曲は一曲ずつ。それでもそのそれぞれが素晴らしくて良かったです。
 「チキリン・デ・バツィン(タイトル、合ってます?)」では冒頭に中岡氏がスペイン語の朗読を。石田様は「なんちゃってスペイン語」と呼んだらしいのですが、 館風はスペイン語が分からないので判断できず(苦笑)。

 最後はピアノソロが美しい「アディオス・ノニーノ」と「リベルタンゴ」。これを演奏しなきゃライヴは終わりません。
 久し振り(…だよね?)の「アディオス・ノニーノ」は中岡氏のソロがパワーアップ。そして今日最もアツい演奏は「リベルタンゴ」。 いつになく大迫力の演奏で、石田様のオーラが違う!なんと言うか、演奏中の雰囲気がいつもと違うのです。それが他の2人にも伝わったのか 松原氏と中岡氏の2人も凄い集中力の演奏になりました。こう言う演奏をしてくれると観客としては大満足です。ブラボー!

 アンコールは「鮫」と「ミロンガ・ピカレスク」。
 「鮫」もリベルタの得意とする曲で、鮫を追い詰めるぞくぞく感。逃げられてしまった瞬間のあっけなさ。そう言ったものが伝わる 演奏はやっぱりリベルタだから。石田様の奇跡の様に速い運指も健在。これはもう、是非生で見て頂きたい。 おそらくCDでもこの興奮は伝わるけれど、できるならDVDが欲しい(笑)。リベルタは演奏面において「ヴィジュアル系」ですから。

 今日の演奏はどの曲もその曲の作られた背景や雰囲気を余す所無く伝える演奏ばかりでした。 リベルタの演奏の世界に引き込まれる二時間は本当に幸せでした。

 さて、このトリオ・リベルタ、なんと無料で聴く事が出来るイベントが予定されています。まぁ太っ腹!
 と言うわけで告知。8月7日夜、神奈川県民ホール前の噴水広場で無料コンサートです。雨が降ったら屋内だそう。 野外の場合ピアノをどこから持ってくるのかとても気になります(笑)。
 と言うわけで皆様8月7日は横浜へGO★







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