2005年石田日記-1月

12月31日〜1月1日 みなとみらいホールジルヴェスターコンサート@MMH
1月9日 團伊玖磨メモリアル@KH
1月15日 ほどがやクラシックコンサート@AH
1月22日 シュナイト音楽堂シリーズX@県立音楽堂



2004年12月31日〜2005年1月1日
横浜みなとみらいホール
ジルヴェスターコンサート


場所:横浜みなとみらいホール
司会:朝岡聡
指揮:飯森範親
オーケストラ:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスター・オーケストラ
合唱:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスター合唱団
合唱指揮:宇野徹哉
モダンダンス:TOMS FACTORY
振付:杉原ともじ

曲目:第1部(コンサートマスタ:石田泰尚)
池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲より 第2楽章
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104より 第1楽章
 チェロ:堤剛
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト短調より 第1楽章
 ピアノ:伊藤恵
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20
 ヴァイオリン:徳永二男
カバレフスキー:組曲「道化師」 Op.26より
 ギャロップ、エピローグ

第2部(コンサートマスタ:小森谷 巧)
クライスラー
 愛の喜び(ヴァイオリン:漆原啓子)
 愛の悲しみ(ヴァイオリン:漆原朝子)
 美しきロスマリン(ヴァイオリン:石田泰尚)
 ウィーン奇相曲(ヴァイオリン:梅津美葉)
 中国の太鼓(ヴァイオリン:藤原浜雄)
プッチーニ:オペラ「蝶々夫人」より
"ある晴れた日に"(ソプラノ:澤畑恵美)
"さらば愛の巣"(テノール:佐野成広)

カウントダウン〜新年へ(コンサートマスタ:三浦章弘)
オルフ:「カルミナ・ブラーナ」より
No.24"ああ、こよなく美しいものよ"
No.25"おお、フォルトルナ"

第3部(コンサートマスタ:藤原浜雄)
オッフェンバック:オペレッタ「天国と地獄」序曲
レハール:オペレッタ「微笑みの国」より
 "君こそわが心"(テノール:佐野成広)
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
 "ヴィリアの歌"(ソプラノ:澤畑恵美)

フィナーレへ(コンサートマスタ:藤原浜雄)
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
 "ワルツ"
 会場の皆様とご一緒に

アンコール
 ラデツキー行進曲

★今年は色々あったなぁ、と思いながら聴くジルヴェスタコンサートが最近の館風のスタンダードになりつつあります。
 04年は石田様のソロ活動も増えてきたし、石田ファンとしても益々応援していかなければ!と思う今日この頃なのです。 昨年はハチャトゥリアンの様な大作のソロも有りましたね。 だからでしょうか、本日のプログラムでは石田様がソリストの作品も!!こう言う所でも一歩一歩石田様がメジャになっていっているな・ と言うのを実感して嬉しいです。

 第1部は石田様がコンマス。曲目が濃ゆいだけにコンマスも中々大変そう。
 今年もオープニングは池辺晋一郎作曲のヨコハマ・ファンファーレ。金管楽器をずらっと並べてのオープニングは 壮麗。いよいよこれから始まると思って聴くのでドキドキしてしまいますね。

 バルトークは色々なパートがソロの様に扱われる曲で、司会の朝岡氏が曲を聴く前にどんな順番でどの楽器が出て来るかを 解説してくれたので聞きやすかったです。普通の演奏会ではパンフレットに書いてある事が多いですし、その解説すらない事もあります。 たまにはこう言う至れり尽せり系コンサートも良いかもしれません。しかも演奏者まで紹介があるし♪そこで久々に藤本氏が居るのを発見して嬉しかったですvv 藤本氏、神奈川フィルを辞めてしまったのでこう言うところでしか見られないんですよね。相変わらずカッコイイ演奏姿でした(残念ながら今年はティンパニじゃありませんでしたけど……)。
 個人的には藤本氏のスネアの次に出てきたファゴットが素敵でした。今日の管楽器は素晴らしかったなぁ。

 ドヴォルザークは神奈川フィルでも聴いた堤氏のソロで。相変わらずカッコ良いですね。チェロの音が違います。 この曲では石田様がノって来たのか凄いノリノリで、頭振りまくりの演奏でした。オケのボルテージも上がってきた模様。

 ラヴェルでは伊藤恵嬢が登場。この演奏が素晴らしい。エキセントリックでトリッキィな曲目ですが、思い切ったタッチで メリハリの効いた演奏が素敵。管楽器も変わった奏法をしているのか、変な音をさせていたりして、面白かったです。ここで気付いたのですが 後ろの方で地味にドラを叩いてるのが吉原すみれ嬢。あの人がスタンダードな楽器を演奏しているのがなんだか不思議な気がしました(笑)。
 石田様も勿論切れ味の鋭い演奏。ちょっとスパークしすぎたのか、演奏の真っ最中にカマーバンドが外れると言うトラブルも。 しかし石田様はその部分の演奏を終え、何事も無かったかのようにカマーバンドを椅子の脇に置くと1曲弾き切ってしまいました。 沈着冷静でカッコいいなぁ。

 続いてはツィゴイネルワイゼン。石田様の師匠の一人、徳永氏のソロで。石田様の師匠のはずなのですが、 音の方向性が微妙に違う。もしかしたらヴァイオリンが違うからか??徳永氏のヴァイオリンはストラディバリウスとの事で、 その辺が関係しているかも。渋味とか艶とかがある音でした。でもこれはやっぱり年齢の差が一番大きいかなぁ。
 徳永氏はコンマスの石田様と音を合わせにいったり、中々の気遣いを見せていて、オケの方もそれに応えていました。 後半部分がやたら速く、ちょっとびっくりしました。全ての音をしっかり弾ききる訳ではなくて、大きな流れで演奏して居た様に感じました。 こう言うツィゴイネルワイゼンも有りかぁ。

 カバレフスキーのギャロップは運動会でかかる曲ですね。吉原嬢のシロフォンが素晴らしかったです。 シロフォンって言うのは大きな木琴ですね。これがとってもクリアな音色でカッコイイ!!そうそう。吉原嬢には こう言うのを期待している訳ですよ。この2曲が魅せ場満載だったのでとても嬉しかったです。
 藤本氏のタンバリンも職人芸って感じでカッコ良かったし、こう言うパーカッションの元気の良い曲は好きです。我らが神奈フィル平尾氏も職人!って感じでカッコ良かったですし。 パーカッションってどうしても色んな楽器を扱うせいかプロフェッショナルって言う空気を感じますよね。

 ここで休憩。朝岡氏は「年越しの瞬間に欠席しない様にトイレはちゃんと行っておいて下さい!!」との注意を。そのせいかトイレ混んでましたね〜(笑)。
 実はこの時点で既にお腹いっぱい。だって楽しいんですもの!!石田様はカッコ良いし、演奏は素晴らしいし、言うことなし!!でもこの後石田様のソロが待ってるんです★

 第2部は2005年に生誕130年のクライスラーの曲を5曲、5人のソリストと言う豪華なプログラミングで。 オケは人数を減らして小編成。チェロには神奈フィルの山本氏や村井將氏も居ますね〜(<石田様が居ないので他の所を見る余裕が出来た)。
 飯森氏の指揮はソリストを気遣った指揮で、それでいてドハデなパフォーマンス。このスタンスがカッコ良いですね〜。

 「愛の喜び」の漆原啓子嬢は漆原シスターズのお姉さん。張りのある音で、デリケートな感じを出しつつも音量自体はかなり大きい。 なんだか不思議なバランスですね。
 一方の「愛の悲しみ」は妹の朝子嬢が。なんと彼女はヴァイオリン人生で初めてこの曲を舞台で演奏したのだとか。 とっても意外ですね〜。やっぱり有名すぎて避けてしまうんでしょうか。

 そして3番目に我らが石田様が登場。やっぱり立ち姿からしてスっとしてカッコ良いですね。「美しきロスマリン」は確かに 甘い音が多く美しい曲ではありますが、超絶技巧とはちょっと縁が無い。なのでもう少しこう、ね!ほら!分かるでしょ!(笑) 矢部氏にばっかりおいしい所持って行かせないでよ!!と言うのが個人的な要望(笑<中国の太鼓がお好みらしい)。ちなみに矢部氏は肩の故障により 今日は欠番。藤原浜雄氏がソロを代わりました。

 石田様の演奏は聴く側を問答無用でうっとりさせる、美しい演奏でした。なんでしょうね、石田様の演奏は音そのものがもの凄く美しいのですね。 これが他のヴァイオリニストとの決定的な違いだと思うのですが、どうでしょう(<誰に言ってる?)。
 また、コンマスと二重奏の部分があり、そこの三度(だった?)がとーっても綺麗にピタァ!!と嵌って素晴らしかった!!もう、 二人の息がバッチリ合って、一人で弾いているかの如く嵌っていました。一瞬重音奏法かと思っちゃったくらいですから。しかも二人、 シンクロしすぎて動きまでバッチリ一緒。なんだかその画が可愛かったなー(<だから三十過ぎの男性に以下略)。
 演奏後石田様は一度引っ込む物の、袖中のスタッフに追い出されるようにして(館風の席から下手袖中が見えた)舞台へ舞い戻った石田様。拍手に応え、まずはP席に挨拶。これには会場が意表を突かれて 空気が和みました。それからゆったりとセンター席に向かって挨拶。うーん、お辞儀まで優雅だ。

 続いての「ウィーン奇相曲」は梅津美葉嬢。ゆったりとした部分と忙しい部分と両方のバランスが良く、聴いていて飽きない曲で、 ちょっと現代音楽ちっくな変な音の部分もまたアクセントになって面白い。梅津嬢の重音が美しく、良かった。
 トリの「中国の太鼓」は肩の故障で出られなくなった矢部達哉氏に代わって読売日響のソロ・コンサートマスタの藤原浜雄氏がソロを演奏。 元々忙しい曲なのでかなり盛り上がっていたのですが、最後には弓の毛がプチっと切れるほどの盛り上がりよう。急遽ピンチヒッターをやったなんて 思えないほどの熱演でした。

 実はこの後、オケのメンバーは一度はけて、ソリスト5人にそれぞれインタビューと言うのが有りました。でも正直 石田様の時しか覚えてない……(爆)。
 朝岡氏は石田様に「3番目はどんな感じですか?」と効かれて「ちょうど真ん中でよいです。」と言うような事を 言っていました。確かに、トップバッタ程緊張しなくて済むし、ラストランナ程プレッシャを感じませんものね(笑)。
 でも朝岡氏のインタビュー、石田様にもっと演奏の事を訊けばいいのに、と言う感じでファン的には不満。 だって髪型だってイヤカフだって趣味でやってるんだから(多分)それを突っ込まれてもなぁ。ファンは(少なくとも館風は)石田様がその曲にどう 向き合ったのかとかの方が興味有るよ。

 第2部最後は初演100年を迎えるプッチーニのオペラ「蝶々夫人」よりアリアを2曲。澤畑嬢のソプラノは安定感があって、 彼女の歌声を何度か聴いているからかも知れませんが、落ち着いて聴けました。 佐野氏の歌声は初めて聴いたのですが、これが圧倒的な声量で、このパワーが何処から出て来ているのかとびっくりしました。 甘い歌いまわしも器用にこなし、情けない歌がとてもカッコ良い歌になっていました。プッチーニマジックと同時に佐野マジックもかかっていたに違いない。

 今年のカウントダウンはオルフの「カルミナ・ブラーナ」の歌で。朝岡氏が始めに詩を朗読し、それから合唱。 そして、2曲目の詩を朗読した所で新年を迎え、迎えたと同時に2曲目が始まる・と言う趣向。これはモダンダンスも一緒に。
 実はこの曲、全く聴いた事が無かったのですが、圧倒的な存在感を誇る曲で、とても私好みの曲でした。 あああ。神奈川フィルで話が来たときに歌っておけば良かったかも。でもなぁ。。。ジルヴェスタは全部見たいし。。。(あくまで石田ファン)。 ついでに言えば今年五月の神奈川フィルのカルミナ・ブラーナも公募した時に参加しておけば……ごほっ。
 曲を聴いてぞくぞくしたのは久し振りかも知れません。これは曲勝ちかな・と言う感もあるけれど、とても素敵でした。 今年のベルリンフィルのジルヴェスタコンサートでもカルミナ・ブラーナは演奏されていたそうです。

 ダンサーは前に出てきた5人は1曲目は銀の前下がりのおかっぱみたいな鬘を付け、まっ白な衣装で登場。 この衣装、なんと袖が隣の人と繋がっているのです。ダンス自体も神秘的で不思議なダンスでした。
 そして、2曲目になるとバリッと胸から衣装を裂き、真っ赤な衣装にチェンジ。ライトが赤かったのでちょっと何色か分かり難かったのですが、真っ赤な衣装でした。 この頃になると前の5人も舞台から降りたり、客席の中からダンサーがでてきたり、かなり縦横無尽に会場を使っていました。そう言えば毎年こう言う会場じゅうを使った演出が有りますよね。 3階まで使えって言いませんから、せめて2階くらいにもダンサー出して欲しいなぁ。。。
 それにしても、どんなに頭を振っても取れないあの鬘がどうなっているのか気になります(笑)。

 さて、年を越しただけで終わらないのが横浜のジルヴェスタコンサート。
  オッフェンバックのオペレッタ「天国と地獄」の序曲から。あの運動会で超有名なあの曲です。石田様は1stヴァイオリンの1プルト裏で 参加。おおお。珍しく譜めくりするお姿が!!裏で弾いている時の石田様は普段のコンマス時と違って、パフォーマンスは抑え気味で コンマスのサポートに徹していました。あの派手なパフォーマンスは後ろの方のメンバにも曲想が伝わるようにって言う配慮だったのですね!
 この曲、例の部分に至るまでに色々なパートのソロがあったり、ゆったりと美しいメロディがあったりと、かなり音楽はてんこもり。正に天国と地獄が同居する 面白い曲。チェロのソロやクラリネットのソロが有り、これがとても素敵なメロディ。石田様も他パートの音楽を楽しんでいるように見受けられました。
 そして、例の部分は運動会の如く忙しいのですが、こんなにメリハリの効いたスパイシィな「天国と地獄」は初めて聴いたかもしれません。前半部を聴かないと あの後半部も生かされてこないなぁ、と言うことも強く感じました。

 第3部はオペレッタの曲目を演奏したのですが、ソプラノとテノールのソリスト二人が本当に素晴らしかった。佐野氏の堂々とした歌いっぷりも凄かったのですが、 澤畑嬢は日本語での演奏。日本語で歌うって思うより難しい物なんですよねぇ。そうそう、この曲ではピチカートが沢山あったのですが、 石田様はピチカートすら優雅。思わず見とれてしまうのです。

 フィナーレは「メリー・ウィドウ」の"ワルツ"を客席と一緒に。と言っても澤畑嬢と佐野氏が歌う部分は指揮の飯森氏が押さえたりして、 中々器用に演奏。そう言えば、こう言うのでお決まりの「練習」が有りませんでしたね。この曲、知っているには知っているけどいきなり 歌え、と言われても難しいんじゃないかなぁ。。。後、最後いきなり音が上がるの反則(笑)。歌詞カード有るって言っても歌詞は歌詞でしかないから。 音符書いてないから!!と、これで分かるように館風はかなり頑張って歌ってきました。メロディしか分からないのでメロディ歌ってたら 明らかにソプラノ音域。。。歌える訳無いし(笑)。
 でもこうやって参加できる部分がある・と言うのはとても嬉しいですね。

 締めのアンコールはやっぱりこの曲「ラデツキー行進曲」。 この曲があると泣いても笑ってもラスト!と言う感じになりますよね。後腐れが無い終り方が出来てとても良いと思います。この曲を聴くと 「ようし、今年も頑張るか!!」と思えるのです。
 毎年1年の最初と最後にこれだけ盛り沢山のコンサートを聴けると言うのはとても嬉しいです。来年も 石田様が乗ると良いのだけど。そしてもっとカッコイイソロが増えるといい。でも コンマスもやってもらわないと一緒に年越しできないからそこの所は宜しく(笑)。池辺先生、次回も頼みましたよぅ!!(注:池辺晋一郎氏はこのコンサートの 音楽監督です)












































2005年1月9日 團伊玖磨メモリアル
 神奈川県民ホール
開館30周年記念コンサート
 〜つづく未来へ〜


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
ヴァイオリン:小林武史
ソプラノ:足立さつき
バリトン:勝部太
ピアノ:小谷彩子
合唱:神奈川フィル合唱団
 團伊玖磨メモリアル特別記念合唱団
児童合唱:赤い靴ジュニアコーラス
 (指揮:川辺晶子 ピアノ:般若須美子)
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
司会:八塩圭子
合唱団音楽監督:近藤政伸
合唱指導:上野正博 岩本達明 藤井美紀(ピアノ)
児童合唱指導:川辺晶子 般若須美子(ピアノ)
曲目:團伊玖磨 作曲
 第1部
・新・祝典行進曲
・ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジアNo.1
・オペラ「夕鶴」より(台本:木下順二)
『私の大事な与ひょう』
 (ソプラノ:足立さつき)
・オペラ「ちゃんちき」より(作:水木洋子)
『おとっさまの死』
 (バリトン:勝部太)
・歌曲集「わがうた」より(作詩:北山冬一郎)
『ひぐらし』『追悼歌』
 (バリトン:勝部太 ピアノ:小谷彩子)
・「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」(作詞:まどみちお)
「おつかいありさん」(作詞:関根榮一)
「一年生はいいな」(作詞:まどみちお)
「子守うた」(作詩:野上彰)
 (指揮:川辺晶子 ピアノ:般若須美子 児童合唱:赤い靴ジュニアコーラス)
 第2部
合唱とオーケストラのための組曲
「筑紫讃歌」 (作詩:犬塚尭)
 アンコール
花の街

★今回の演奏会は神奈川県民ホール30周年記念のコンサート。神奈川県に縁のある團伊玖磨の曲だけを 演奏すると言うかなりハードなコンサートだ。特に最後の「筑紫讃歌」は九州以外に演奏された事が無いと言うレアな 曲で、合唱団は八月から練習を積んで来た。県民ホールの公募合唱団と神奈川フィル合唱団の合同合唱団による演奏である。 館風も神奈川フィル合唱団として参加しました。つまり、何が言いたいって、前半は一曲も聞けませんでした……。なので 今回の感想は第2部のみ。悪しからず。

 今回は合同合唱団だけあって、合唱団の人数も半端ではない。300人居たと言う話だが、バックルームはいつもの第九公演の比ではない 混乱具合(合唱団が)。ゲネプロ前、大混乱中の合唱団の脇を石田様が颯爽と通り過ぎてゆきました。今回もゲストが多いので石田様と現田先生の 控え室は一緒。

 ゲネプロは合唱団が軽く混乱した物の(何しろ人数が多いので後ろの方では現田先生の指揮が見えない人も居た。でも館風はこの前現田先生の左手しか見えなくても第九歌ったんだけどなー)、 つつがなく終了。しっかし、現田先生はゲネプロからこんなに熱くて大丈夫だろうか。と思う様な熱の入った指揮っぷり。本気の演奏なのです。 合唱団はうっかり本気で歌わされてしまうと言う(笑)指揮で、私は本番の為に声をセーヴするのが大変でした。何しろ現田先生がよく見える位置なので……。

 本番は現田先生の指揮もパワーアップ。あれより更にパワーアップしますか!!と言う驚異の演奏。あのゲネプロ、本気ではあるものの、パワーは セーヴされていたのですね。。。それが驚きです。石田様もそれを見越していたのか、本番の演奏はリハやゲネプロとは比較になら無い白熱した演奏でした。 そう言えば心なしか演奏スタイルも違う様な気が……おそらく「魅せ」る演奏を意識しているからこうなるんでしょうね(ゲネプロはお客さん居ないから)。

 今回は館風も演奏側なので演奏中は指揮者に集中している為に演奏中の石田様を見る事は出来ず。今回は男性が上手側と言う配置だったために、私の位置から 石田様を見ているととても不自然(現田先生と一直線に並ばない)なのです(笑)。しかも石田様を見ていると現田先生の指揮が見えなくなってしまう為に そう言うわけにもいかず。なんだか非常に悔しかったです(笑)。

 唯一石田様を注目できたのは5曲目「女神の独唱」のコンマスソロ。 この美音で「おお?!」と舞台を見た人も多いのでは。石田様の演奏する部分と合唱団のハミングが重なる部分もあったのですが、圧倒的に 石田様の勝利(笑)。コンマスソロはこの部分だけですが、とても印象深い音色でしたね。(ちなみにこの部分館風はハミングの無いパートなので石田様をゆっくり見れた・笑)

 演奏のほうは現田先生に注目したおかげで(館風個人的には)大きなミスも無く出来たと思います。合唱団としても、最後の最後まで間違えていた部分、本番だけは 間違えずに入れましたしね。ただ、聴いていた方に訊いてみた所、やはり人数が多いからか、言葉がはっきり伝わってこなかったとの事で、その辺りはこれからの課題だな・と感じました。 オケ付合唱曲で日本語、と言うのはかなり少ないのでこれから歌う機会があるかどうかはわかりませんが(<外国語なら少々分からなくても問題がないと思っている人。や、それじゃ ダメなんだけどね)、チャレンジする機会が有ったら次はきちんと言葉が伝わる歌にしたいな・と思いました。折角日本語なのですからね。

 まあ、今回言葉が伝わらなかった原因は他にも、そもそも言葉の意味がわかりにくい曲だった・とか、300人と言う大合唱だった・とか 色々有りますが、それでもお金を払って聴きに来て頂いているわけですから、良い演奏をお届けしなきゃいけなかったと思います。 その辺り、もう少し徹底できたのではないか、と合唱団としては反省しなければなりませんね。
 全体の演奏としては合唱団が多いだけあって迫力は凄かったみたいです。オケのボルテージも高かったですからねぇ。
 演奏後は現田先生に声を絞り出されてへとへとでした。現田先生も大汗をかいていました。玉の様な汗。オケの後ろに居ても見えるぐらい。 それだけ白熱した演奏だったと言うことでしょうか。
 現田先生は今回、合唱団に対してかなり細かい指示や合図を飛ばして下さって、とても歌いやすかったです。 やはり合唱団はお客さん的な部分がまだありますから、細かく合図を出してくださったのでしょう。まあ、今回は本当のお客さんですから仕方ないのですが、 次に現田先生の指揮で歌う時には現田先生が安心して指揮を振れる様な合唱団になっていたいな・と思いました。





































2005年1月15日
ほどがやクラシック・コンサート


場所:かながわアートホール
指揮:上野正博
ヴァイオリン:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集
 「四季」作品8
チャイコフスキー/弦楽セレナード
 ハ長調 作品48
アンコール
チャイコフスキー/アンダンテ・カンタービレ

★明日の藤野芸術の家での演奏会と同プログラム。ヴィヴァルディのソリストが我らが石田様である。残念な事に、と言うか当たり前だが、後半のチャイコフスキーは石田様は降り番。

 ヴィヴァルディの「四季」は「春」の第一楽章がとてつもなく有名であるが、その他の部分はあまり「これ」と思って聴く事が少ない。しかし、例のメロディが流れた後のソロは本当に小鳥の鳴声の様で、春を感じさせる。ソロに被せるように2ndヴァイオリンの首席(と言っても2ndヴァイオリン自体3人しかいないのだが)とコンマスのソロが入り混じり、そこかしこに小鳥が囀っているようだった。3人で合わせなければならないため、石田様は時折大きく身体を捩り、2ndの小宮氏の方を大きく振り返っていました。あからさまに後ろを向いて合わせた事もありましたね。
 また、ストップモーションが一瞬しかないにも関わらずピタ!と止って、それがまた一瞬の事だからカッコ良い。その一瞬があるから他の流れるようなメロディが生きるんですよね。

 ハーモニクストーンがまた綺麗で、石田様の音だけ際立って澄んで聴こえるんです。石田様の音だけ他の音に埋没せずに観客の所へ届くのです。まるで石田様の所から私の所へ、真直ぐ音の通り道があるみたいにストンと気持ち良く音が落ち着くのです。多分これは私だけじゃなくて会場中の人が感じた事なのでは。
 音が際立って聴こえる、と言う事は少なからず音量は大きいはずなのですが、それが決して厭な感じに煩くなる事はなく、むしろそれがとても自然で、心地よいのです。オケとのバランスがとても良いのですね。やっぱりいつも一緒に演奏している神奈川フィルと一緒だからでしょうかね、とてもコンビネーションが良いです。

 この曲、ちょっと聴いただけでソリストは大変そう!!と思うくらい指が忙しく動き回る曲なのですが、石田様はどんな小さな装飾音も一つひとつ丁寧に、優しく扱っていて、全ての音がクリアに聴こえました。かなり速い部分でも一つひとつの音が立っていましたから、これはかなりのことなのではないかと思います。私は今回割と前の方に座ったのですが(そこ、いつもじゃんとか突っ込まない!)、指板の上で指が踊るタカタカと言う音が聴こえる場面もありました。しなやかで正確な指捌きは本当に見ているだけでもうっとりなります。

 「冬」に入ると心なしか石田様のテンションが上がったような気がしました。私はこの曲集の中では「冬」が一番好きなのですが、今日の演奏も本当にカッコ良かった!!ソリストとオケが一丸になっている感じがたまらなく良いですね。オケが本当に少人数だったので一体感が高く、本当に良かったです。
 この曲の演奏中、石田様、本当に楽しそうでした。3楽章辺りでニィと笑いましたよね。石田様が楽しそうだとファンはとっても嬉しいんですよね。つられて楽しいって言うか(笑)。本当に良い演奏でした。あぁ〜、思い出したら何だか楽しくなってきたぞ。

 さて、後半。石田様が出ないと知ってテンションの落ち気味の館風でしたが、大迫力の出だしにびっくり。指揮の上野先生は私も神奈川フィル合唱団の方で何度かお世話になっていますが、ここへ来て納得しました。上野先生はオケが大好きなんだ!!(笑)上野先生、オケ振ってる時の方が活き活きしてる!!合唱を振りに来ていた時は無理してたのかなぁ……しょぼん。
 とにかく上野先生の指揮はオケとはリハまでの間でバッチリコミュニケーションを取ってあったのか、淡々とした指揮にも関わらず、オケはそれ以上の演奏で応えていました。そうそう、この曲は指揮の上野先生は暗譜。かっこいいなぁ〜!
 この曲を聴くとどうしても人材派遣会社のCFが頭に浮かんでしまいますが、2楽章、3楽章は全く違う曲想なので、そう言う所を楽しむ事も出来ました。

 これは本当に個人的な感想なのですが、何年か前に同じ曲を神奈川フィルで聴いた事があったのですが、今日聴いて、その時の事を思い出してしみじみ、神奈川フィルは上手くなったなぁ、と思いました。なんと言うか、ずっと神奈川フィルを追いかけている訳ですから、こう成長を見守っている様な気分になってしまう訳です。今日の演奏会はそう言った意味で神奈川フィルが成長を見せ付けてくれたのかな、と言う気分になりました。やっぱり神奈川フィルのファンをやっていて良かった!
























2005年1月22日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 特別演奏会
シュナイト音楽堂シリーズ
「古典派の偉人たち Vol.X


場所:神奈川県立音楽堂
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ヴァイオリン:石田泰尚
チェロ:山本裕康
オーボエ:鈴木純子
ファゴット:石井淳
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:ホフマイスター/交響曲 ニ長調「狩」
ハイドン/協奏交響曲 変ロ長調 作品84
ベートーヴェン/交響曲 第8番 ヘ長調 作品93

★シュナイト音楽堂シリーズもとうとう5回目。今回はぐっと年代が下って(と言ってもちょっとだけど)ベートーヴェンの登場。実は館風、べトベンの8って生は勿論、聴いた事すら初めてだったりして……。

 一番始めの曲はホフマイスターの「狩」。どうも狩と言うとホルンが多用される曲が多いらしいのだが、この曲もバッチリホルンが活躍する。しかし、館風が座っていた位置が関係しているのかもしれないが、ホルンがあまり自己主張せずに、同じパートを吹くフルートと重なるように寄り添って聴こえた。弦とは違う旋律が多いのでその対比も面白かった。森の中で聞こえてくるホルンの音と言う感じだろうか。と言う事は弦楽器が風景??4楽章なんかは1stヴァイオリンが跳ね回って森の小動物みたいだったかも。
 今日はコントラバスに久々に首席の黒木氏が居られ、そのせいか低音が安定していました。その黒木氏、たまにニヤリと笑顔を見せるのですが、何があったのでしょう。シュナイト氏とアイコンタクト???演奏を楽しんでいる様子でした。

 2曲目のハイドンでやっと我らが石田様の登場。冒頭はトゥッティなのですが、ソリストたちもその部分は一緒に。石田様が入ったからか??心なしか1stヴァイオリンの音まで違う音の様な気がしました。ぐっと音のまとまりが良くなったと言うか、一つに聴こえたのです。石田様はソロ曲でもソロが終わり、トゥッティの部分を弾くとあっと言う間にオケに音を馴染ませてしまいます。その切り替えの早さがメリハリが効いていてとても良いですね。
 ソロ部分の石田様は相変わらず美しい音で、オケを引っ張っていきます。4人もソロが居ましたが、石田様の音はソロ部分ではしっかり自己主張して観客の耳をそちらに惹きつけました。ハイドンと言うとどうも明るく軽やかなイメージがあるのですが、軽やかさと共に深みを感じさせてくれる演奏だったと思います。こう言うのもアリなんだなぁ、と思いました。石田様の音楽はいつも新たな可能性を開拓していきますね。勉強になるなぁ。

 他の三人も石田様に負けじと良い音を聴かせてくれましたね。私は石井氏のファゴットで「ファゴットってこんな音だったんだなー。」と思いました。どうも低音楽器と言うイメージが強かったのですが(実際低音楽器だと思いますが)、ソロ楽器として使われているだけあって割合高めの音も混じり、華やかな印象を受けました。柔らかく包み込むような音色で、ファゴットも中々良いなぁ、と思いました。
 とにかくソリストの4人はいつも首席で演奏しているだけあって、息もぴったり、オケとのコンビネーションもバッチリで、安心して聴く事ができました。やっぱり良い★

 個人的に気に入ったのは3楽章の格調高い印象のヴァイオリンソロとオケの呼応の部分。とにかく音がカッコよくて、ぞくぞくしました。今日の演奏の中ではやっぱりこの曲がナンバワンでしょう。

 最後、本日のメインはベートーヴェンの交響曲第8番。1楽章の頭から力強い始まりで、一気に曲に引き込まれます。今日のシュナイト氏は指揮台の上に椅子を置いて、それに座っての演奏だったので、いつものぷりぷりお尻を振る指揮が見られなくて残念だったのですが、一部では盛り上がるに連れて椅子から腰を浮かすシーンもありました。それに、座っていても背中の表現力は一緒でしたから、いつものシュナイト氏が楽しんで指揮を振っている様子は伝わってきました。
 プログラムノートに第4楽章の転調がポイントだと書いてあったのでそれをバッチリ聴こうと身構えていたのですが、この転調が本当にドラマティックでカッコ良かったです。なんと言うか、人生が変わるとか、そう言う劇的な感じ。演奏終了後、大きな拍手にシュナイト氏は楽譜を持ち上げ「曲が良いんだよ」と言うようなジェスチャを見せましたが、本当に、それはそうだと思いました。今日の曲は本当に良かったです。でも、曲も良かったですが、それをチョイスするのもセンスが要る事ですし、楽譜どおりに、作曲者の意図を引き出して演奏する、と言うことも大変な事だと思うのです。

 シュナイト氏のこの企画が始まってから神奈川フィルのアンサンブル感はぐんぐん良くなっていると思います。なんと言うか、各パートのまとまりだけでなく、お互いの絡み方が密接になって来た様な気がするのです。弦のアンサンブルが特に良いですよね。
 次回でこの企画もおしまい……と思っていたら、来年度の予定表にシュナイト音楽堂シリーズの文字が!!このシリーズが続いてくれるのはとても嬉しいです。古典派の曲目を集中的にやる演奏会と言うのは案外少ないですし、そう言う点でも毎年とても楽しみな演奏会の一つになっています。次回は3月。そちらも楽しみです。





















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