2004年石田日記-12月

12月3日 神奈川フィル第212回定期演奏会@MMH
12月5日 神奈川フィル特別演奏会@MK
12月10日 中丸三千繪ソプラノリサイタル@サントリーホール
12月16日 題名のない音楽会21公開録画@タケミツメモリアル
12月17日 第24回ほどがやカジュアルコンサート第2@AH
12月26日 神奈川フィル特別演奏会「第九」@KH
 



2004年12月3日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第212回定期演奏会 『民族の祭典』


場所:みなとみらいホール
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石田泰尚
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚(ニールセン)
ゲストコンサートマスター:村井俊朗(ムソルグスキー・ハチャトゥリアン)
曲目:
ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」
ハチャトゥリアン/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ソリスト・アンコール
 モンティ/チャールダーシュ
ニールセン/交響曲第4番「不滅」 作品29

★今日は待ちに待った石田様がソロを弾く神奈川フィル定期の日!!館風は自分が弾く訳でも無いのに朝から ドキドキしていました(笑)。

 プレトークでは現田氏が想定していた曲目から大きく変わってしまったお話とか、曲の作曲された背景などを。 毎度思うけれど、現田氏、お話上手いなぁ。

 1曲目のムソルグスキーは作曲家本人はとうとう交響詩ヴァージョンを聞く事が無かったと言う「はげ山の一夜」。オケ版に 仕上げたのは「シェエラザード」のリムスキー=コルサコフ。
 8分と短い曲だが、かなり濃い内容である。ヴァイオリンのヒステリックなトレモロで始まり、チェロやコンバスの重々しいメロディが絡む。このメロディ、なんだか聴いた事が あるけれど、この曲だったんですね〜。

 こっそりヴィオラがおいしかったりします。ヴィオラの本日の首席は新星日響時代石田様と一緒に首席を張っていた成田寛氏。オールバックの 男前です。ちなみにゲストコンマスの村井氏は見た感じ凄く若い方で、どう見ても石田様より年下。 落ち着いた堅実な演奏。
 そう言えばトランペットとトロンボーンもカッコ良かったです。今日の曲目は金管楽器が活躍する曲が多かったのですね。

 最後に、はげ山の夜が明けるのですが、教会の鐘の音(チューブラーベル)が鳴り響くと段々と怖いような音楽が退いていき、夜明けを表していました。 ハープの音が夜明けを象徴するような音で、町と、その向うに見える山、そしてその向うから昇る朝日が見えました。

 さて、石田ファン限定(笑)の本日のメインはハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲。石田様が舞台へ登場すると心なしか会場の空気が ざわりとなりました。燕尾服で出てくるとばかり思っていた私は黒いドレスシャツで出てきた石田様にびっくり。 しかもそのドレスシャツがド派手でカッコイイのです!スパンコールか何かが貼り付けてあるのか、黒い部分にも濃淡があったり、光ったりしていました。 もしかしたら燕尾服だと肩パットとか演奏するのに邪魔なのかもしれませんね〜。

 演奏の方はと言うと、始めの方こそ緊張による硬さがあったものの、5分もするといつもの様な演奏を楽しむスタイルに。 石田様でも緊張するのね!!ちょっと発見(<何を今更)。

 予習していたCDでは聴こえて来なかった細かい音や、聴くだけではわからなかった一人掛け合い(館風の造語。CDで聴くと2人で弾いているように 聴こえるのに実際は1人で弾いている部分の事)とか、かなり楽しめました。やはりオケは生で聴かなきゃ駄目だね!今回は特に CDでは解り辛い装飾音などが多い曲のため、強く思いました。

 第1楽章の出だしは足元を踏み固めるように堅実な演奏。中間部のソロ部分、こんなに長かったっけ……??やっぱりこう言う部分も何かしら石田様の アレンジが入っているんでしょうか。
(追記:ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲のオーケストラスコアをチェックしたところ、第1楽章のソロ部分(一般にカデンツァと呼ばれる)は なんと3パターンあるらしい。

 まず、オリジナルのハチャトゥリアン版。これが1番長い。しかし、ハチャトゥリアンの友人であり、よき相談相手でもあったオイストラフ(ヴァイオリニスト)は これが長すぎるとし、自らのセンスで短いヴァージョンで演奏した。これがオイストラフ版。そしてそのオイストラフ版を気に入ったハチャトゥリアンがオリジナル版を短く編集した ハチャトゥリアンショート版の三つがある。

 私が予習に聴いていたのはオイストラフ版だったのだろう。だから石田様のカデンツァを長く感じた。楽譜を見ても頭の中で音が鳴らない館風なので、はっきりした事は わからないのだが、今回演奏されたのはオリジナル版の1番長いヴァージョンだったのではないだろうか。

 そもそも協奏曲のカデンツァ部分はソリストのセンスに任されていたものが段々と作曲者が予め作って置くようになったものである。 だからどの版を選ぶのか、と言う所にソリストのセンスが出てきたりするんじゃないだろうか。もしかしたらそこに更にアレンジ入っているかもしれない。 だってそもそも即興演奏的な色彩が強かったんだし。ま、私は元の楽譜がどんななのか分かってて聴いたわけじゃないからどうなのかよく解らないけれど(投げちゃった……投げちゃったよこの人)。
 演奏会をとことん楽しむ為に、スコアにまで手を出してみるのも面白いかもしれない。)

 石田様の演奏は速弾きの部分とゆったりした部分でかなりギャップがあるのですが、 それがまたガツンと衝撃を与えるのです。第1楽章と第2楽章を対比すると良く解りますね。2楽章はホント、気持ち良くなりますね。とても 心地よく、染み込んで来る感じでしょうか。

 第3楽章は始まる前から石田様は何故だか笑顔。凄くウキウキしているようにお見受けしました。一発目のトランペットとトロンボーン(この部分のトランペットとトロンボーン、素晴らしかったと思います。今日の金管賞。)を左手で 振るような仕種を見せたりとか、何か所かで自分の入り前にオケと一緒に身体を動かしていました。そう言えば自分が弾かない部分でも 1stヴァイオリンと同じ指の動きをさせているところとか有りましたね〜。
 この第3楽章、石田様の演奏を楽しむ姿勢がオケにも伝わったのか、とても勢いがあり、素晴らしい演奏でした。終盤のクライマックスに向けてのソロと オケの対決は激しかったです。あ、あんなに弾いていたのですね。これはもう壮絶としか言いようが無いくらいの指使いで、演奏終了後の 石田様はちょっと肩で息をするほどでした。

 初めて今年の後半の神奈川フィルの定期のチラシを読んだ時は「美音って……」とか思ったものですが、いやはや、本当に石田様の音は 美音としか言いようが無いです。石田様の高音部の音の美しさはただ儚いだけではなく、一見華奢でありながらも芯があって、強さがあり、 そして何よりピッチが正確。うーん、改めて石田様の演奏の素晴らしさを実感しました。

 しかもこの後、石田様はアンコールで「チャールダーシュ」を演奏したのです!!現田氏!!石田様はこの後もニールセンのコンマスしなきゃ いけないんだからそんなに働かせていいの?!(笑)。ファンとしてはとても嬉しいけれど、普通のソリストよりかなり負担があったのでは・と推測。 それでも「チャールダーシュ」もいつも以上にアレンジの効いたスパイシィな演奏で、ドキドキさせられました。

 ちなみにアンコールの前には現田氏が促して石田様がちょろっとお喋り。第一声は「ありがとうございました」で、その後はいつも通りシャイな石田様が 言葉少なに感謝の意を。あれだけでも言いたい事は全て伝わっていたと思います。神奈川フィルのアットホームな雰囲気が有りましたね。 オケとお客さんが近いと言うのでしょうか。とてもすばらしい事だと思います。

 本来の本日のメインこと後半のニールセンは石田様がコンマスで。いつもの燕尾服もカッコイイ〜。1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンのコンビネーションもバッチリで、 やっぱり石田&小宮のコンビじゃないとね!!たまに小宮氏が石田様の方をチラリと確認するんですよね。石田様は信頼しているのか、くっと頷いて合図するのです。
 最後のダブルのティンパニは圧巻。左右に居るティンパニが交互に掛け合ったり、片方の音に反応したり、かなり面白かったです。そう言えば 今神奈川フィルはティンパニの募集かけてますけど、平尾っちもカッコ良かったですよ〜。まあ、私個人としては平尾っちはやっぱりイロモノ(笑)担当であり続けて欲しいのですが(< これは平尾氏が好きだからこその発言ですよ)。

 演奏終了後、石田様と現田氏がロビーに出て来ていて、辺りは黒山の人だかりでした。私もちゃっかり握手してもらいました〜。 久々にサインも。末尾に「Thank youv(注:最後のvはハート)」と入っていて可愛かったです。
 ちなみにその大サイン会(笑)を撮影していたキャメラですが、TVKらしいです(やっぱり)。情報によると来年1月15日の 20分番組で流れるとか。むむ……どんな番組なんでしょうか。詳細情報分かったらまたご報告します〜。
























2004年12月5日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川フィル特別演奏会
『民族の祭典』


場所:ミューザ川崎 シンフォニーホール
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石田泰尚
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚(ニールセン)
ゲストコンサートマスター:村井俊朗(ムソルグスキー・ハチャトゥリアン)
曲目:
ムソルグスキー/交響詩「はげ山の一夜」
ハチャトゥリアン/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
ソリスト・アンコール
 モンティ/チャルダッシュ
ニールセン/交響曲第4番「不滅」 作品29

★中一日を置いて、同一プログラムによる特別演奏会。演奏者にとっては曲目が すんなりと自分のレパートリーになる効果があるだろうし、観客にとっては 二度聴く事で一回目では見えなかった事も見えてくると言う効果があるのではないだろうか。

 ムソルグスキーでは最後のクラリネットとフルートのソロが光っていました。静かになった部分では 木管楽器やハープの音色の優しさが際立ちますね。この部分は先日の定期演奏会よりも優しい音色になっていた気がします。

 石田様は先日よりも少しリラックスした表情で入場。第1楽章の冒頭は先日よりも少し早いテンポになっていました。 一つ一つの音が全てクリアに聴こえて来て、細かな装飾音符までがバランス良く体に飛び込んでくる。
 やっぱり高音部の音は石田様ならではの気持ち良さがあって、聴いていると気持ち良くなってきます。押し付けがましい厭らしさが 全く無いって言うのが素晴らしいですよね。

 第3楽章になるとやっぱり石田様は満面の笑みで、とても楽しそうに演奏していました。これが見ている方には 気持ちよくて、どんどん楽しくなってくるのです。一番始めのメロディの一番最後の伸ばす音でピ!と左手の指を伸ばすのが 素敵ですね。そのメロディが出て来るたびにその仕種なのでなんだか可愛かったです。見ていて楽しいって言うのは ライヴのコンサートでは重要な事でしょう。

 演奏終了後、石田様はヴァイオリンをくるりと回しました。渾身の演奏だったときに回す癖があるらしいのですが、これ、見ている方はちょっと怖かったりします(笑)。 や、絶対落としたりしないって解ってるんですけど、それでも(笑)。

 アンコールはやっぱりチャルダッシュ。そう言えば今日も石田様がご挨拶。どうも南武線で来られたのか、強風で止まった 電車に往生したようですね。私も乗る電車乗る電車が止まり、会場入りがギリギリになりましたけど……(ホント、間に合って良かった……)。
 今日の石田様は拍手があっても最後まで自分の言いたいことを言い切ったと言う感じがしました。もしかしたらハチャトゥリアン弾き終わって 機嫌が良かったのかも(<アンタ石田様を何だと思ってる)。
 チャルダッシュはなんと言うか、聴くと安心しますね。石田様のオリジナルアレンジが入ったヴァージョンを聴くと「そうそう。これなのよ。」と思ってしまうのです。 そろそろCDでチャルダッシュとかの有名曲も入れたCD作りませんか〜?(<って呼びかけてどうなるものでもない)

 ニールセンは先日の演奏よりも心なしか伸び伸びしていて、管楽器とパーカッションがグッド。やはりティンパニが秀逸。 弦楽器は石田様がコンマスなだけあって、コンビネーションはバッチリです。現田氏も後ろの方にばかり指示を飛ばして、弦楽器はお任せ状態。 それはやっぱり石田様にお任せって事なのでしょうか。石田様と現田氏の信頼関係が見えるようですよね。

 弓を置いてのピチカートもあって、石田様の色々な演奏を見る事が出来る曲でした。弓を置いてのピチカートは 右手の自由度が高くて指が綺麗に見えて好きです。石田様のピチカートは二種類有るようだけど、周りの人はあまり変わらなかったりするんですよね。 アレは何故なのでしょう。使い分けしているって言うのはそれだけ演奏にこだわりがあるって事なのでしょうか。もっとヴァイオリンの勉強しないといけませんね。

 本日も演奏終了後には石田様と現田氏が仲良くエントランスに登場。今日も石田ファンのお姉さまが集まっていました。う〜ん、気持ちは解る(笑)。

 今回の一連の演奏会で、私はコンマスとしての石田様と、ソリストとしての石田様の両方を感じる事が出来ました。 石田様はコンマスとして弾いている時はコンマスのお仕事をしているけれど、そこでも滲み出てくる石田様のソリスト的要素と言うのは あるわけです。そして、それがストレートに出て来るソリストと言う場は、石田様の演奏の一番芯となる物が出て来ているのではないだろうか。 だから私個人としては石田様の魅力が存分に出るソリストと言う立場でもっともっと露出して欲しいなと思います。 来年は石田様がソリストとしても飛躍する年であって欲しいですね。
 あ、でもでも、石田様のコンマスって言うのも凄く良いので、コンマスのお仕事も続けて欲しいです。あれだけ弦が ビタ!と纏まるのはやっぱり石田様だけ☆ですもんね。



















2004年12月10日 Starry X'mas
中丸三千繪 ソプラノ・リサイタル


場所:サントリーホール
ソプラノ:中丸三千繪
ピアノ:菊池真美
弦楽四重奏:
1stヴァイオリン:石田泰尚
2ndヴァイオリン:吉田智子
ヴィオラ:成田 寛
チェロ:阪田宏彰
ピアノ:小林研一郎(友情出演)
曲目:第1部(アレルヤのみピアノ伴奏のみ。他はS.Q.とピアノによる伴奏)
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
カッチーニ/アヴェ・マリア
ヘンデル/歌曲「リナルド」より
 私を泣かせてください
モーツァルト/アレルヤ
モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」K.165より
ロイド・ウェッバー/「レクイエム」より
 ピエ・イエス
モリコーネ/映画「ニュー・シネマ・パラダイス」より
 チネマ・パラディーゾ
バッハ=グノー/アヴェ・マリア
マスカーニ/アヴェ・マリア
第2部:with小林研一郎(ピアノ)
作曲:小林研一郎
東海の小鳥
かんなのお花
ねんねんねむの木
母となる日を数えつつ
妹が生まれて
藤棚の下に
第3部(菊池嬢によるピアノ伴奏)
ヴェルディ/歌劇「椿姫」より
 さようなら、過ぎ去った日よ
プッチーニ/歌劇「つばめ」より
 ドレッタのすばらしい夢
ヴェルディ/歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より
 ありがとう、愛する友よ
ベルリーニ/歌劇「ノルマ」より
 清らかな女神よ
アンコール
カタラーニ/歌劇「ラ・サワー」より☆
 ああ、わがふるさと
シャルバンティエ/歌劇「ルイーズ」より☆
 その日から
越谷達之助「初恋」☆
プッチーニ/歌劇「ジャンニスキッキ」より
 私のお父さん
ヘンデル/オブラ・マイ・フ★
ドヴォルザーク/わが母の教えたまいし歌★
ショパン/別れの曲
冬のソナタより/マイメモリー
★:S.Q.とピアノによる伴奏
☆:小林研一郎氏による伴奏

★本日は中丸三千繪嬢のリサイタル。実はチケットが高すぎて手が出ない 貧乏学生館風は当初から諦めていたのだが、ひょんなことから石田ファンの方にチケットを頂いてしまいました。本当に有難うございました。

 さて、本日は前半から弦楽四重奏が登場。頭から石田様のお姿を拝めます。私の席は舞台の真横だった為に、 阪田様はお背中拝見になってしまいましたが、石田様はバッチリ☆。流石石田ファンの取ったチケット(笑)。

 しっかし、プログラムはこれだけですか……昨年は石田様のお顔もバッチリ★なステキなプログラムが配られただけにコピー用紙一枚の プログラムにちょっと不満。でもまぁ、ヨーヨー・マなんてプログラムは有料のやつのみ、2000円、とかですからね。それに較べればあるだけマシ……と ヨーヨー・マファンに言われました。そうか……。

 石田様は時折ソロの様な、主要なメロディを弾く場面が度々あり、見事な高音で、やっぱりうっとり。特にオブリガードの部分なんてステキでしたね〜。 阪田様と二人で掛け合いのように弾いたりする所もあったので、YAMATOファンには嬉しい所。

 プログラムにウェッバーのピエ・イエスが入っていたのですが、そもそもの原曲にヴァイオリンが入っていない曲なのにどうするの?!と思っていたのですが、 ピアノを伴奏に、弦楽器を人の声に見立てたヴァージョンになっていて、面白かったです。ヴァイオリンでソプラノとかテナーとかのパートを なぞる訳です。これが清潔な音程を保っていて良かったです。人の声もこれくらい音程が綺麗ならいいんだけどなぁ(笑<合唱で歌った事が有る人)。

 後半はコバケンが小学生の時に作った曲から、高校生に作った曲まで、幅広くそろえて。個人的には最後の「藤棚の下に」が ステキだと思いました。どうも自分はある程度アップテンポな曲の方が好きなようです。
 コバケンは友情出演と言うよりも「押しかけ出演」らしく、このうち5曲は中丸嬢は一日で歌えるようにしたとの事。今日はそれが心配で、 前半はそのことで頭がいっぱいだったとか。確かにはじけ方が後半の方が思い切りが良かった感はありますね。
 後、「母になる日を数えつつ」もステキでしたね。なんと言うか、曲そのものが少々演歌っぽいので、中丸嬢の芯の通った しっかりとした歌声はぴったりでした。

 どうやら中丸嬢は後半になればなる程調子が上がるタイプらしく、最後の最後のベルリーニの「清らかな女神よ」が 1番素晴らしい演奏でした。音量そのものも素晴らしく大きいのですが、響きがとにかく通常の三倍ほど あって、その響きが素晴らしかったです。サントリーホールは響きが増幅されるホールなので、舞台横だと響過多になってしまうのですが、響きの海に埋没する感じで聴くのも また楽しかったです。中丸嬢は立ち姿も声も舞台映えするので良いですね。

 アンコールは見ての通り盛り沢山で、終了は21時半を過ぎていました。 サーヴィスたっぷりはとても嬉しい所。しかし、これだけ歌いとおして前半よりも後半の方が上手いってどう言う事?! 凄い喉の持ち主です。本当にお疲れ様でした。

 最後には弦楽四重奏も再登場し、一緒にアンコールを演奏。うーん、やっぱりバックにばかり目が行ってしまう……(<すいません、所詮は石田ファン)。 それにしても、石田様の優しい高音部の冴えが光りました。阪田様のチェロの低音と絡んでいい音がしていました。やっぱり勝手知ったる 何とやらでしょうか。S.Q.のまとまりも素晴らしかったです。勿体無かったのはピアノが一緒に入っていた事で弦とピアノがお互いに良い所を 潰しあってしまった感があった・と言う事でしょうか。なんだか切ない気分です。菊池嬢も心なしか後半のピアノ伴奏だけの時の方が楽しそうでしたし。 今度はピアノだけによる伴奏の曲や、S.Q.だけによる伴奏の曲を増やして欲しいと思いました。

























2004年12月16日
 題名のない音楽会21公開録画


場所:東京オペラシティ
 タケミツメモリアル
司会:羽田健太郎・大木優紀
指揮:船橋洋介
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
テノール:ジョン・健・ヌッツォ
ソプラノ:イリアナ・トンカ
バリトン:ボアズ・ダニエル
ソプラノ:森麻季
ソプラニスタ:岡本知高
ヴァイオリン:石田泰尚
曲目:第1部(1月9日放送予定)
題名のない音楽会40周年記念企画
「新春!ジョン・健・ヌッツォ」
第2部(2月13日放送予定)
「森麻季&岡本知高〜愛の歌」

★石田ファンの友人が見事このプラチナチケット(笑)を当ててお呼ばれして行ってきました〜。石田様が出るかどうかも分からない と言うのに……(笑)。でも実際は石田様は乗り番でした。しかもソロまで!!羽田氏、流石だなぁ。
 今回の収録は新春の収録があったので神奈川フィルも総力メンバー。久々に黒木氏や山本氏が 参加していました。勿論小宮氏も一緒。嬉しいなぁ。

 第1部はジョン・健・ヌッツォ氏をメインに、ウィーン国立歌劇場の専属歌手二人もゲストに呼んで。
 殆どがモーツァルトの曲目なのですが、最後の最後にプッチーニの「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」が。馴染み深い曲なので嬉しいですね。 そして、この曲が一番ドラマティックな造りなのも関係あるでしょうが、これが素晴らしい。迫力のある演奏でした。指揮の船橋氏も石田様も スパーク!!と言う感じの激しいパフォーマンスで、見ているこちらとしても楽しめました。

 第2部はソプラノでも軽い声の森麻季嬢とソプラニスタとして高音と声量を併せ持つ岡本知高氏を特集。 岡本氏の声はソプラノの中ではまあ、重めのしっかりした声、と言うことになるのでしょうが、森嬢との二重唱は 上手い事声が絡まりあってとてもステキでした。私の好きなロイド・ウェッバーの「レクイエム」の「ピエ・イエズ」があって、 それが本当に良かった。本来はソプラノとボーイ・ソプラノの曲ですが、この二人の演奏もバッチリ嵌ってました。

 そして、岡本氏のオリジナル楽曲(作曲:筒美京平、作詞:井上陽水)の「E-I-E-N」では石田様がヴァイオリンソロを。 これがヴァイオリンの聴かせどころをよく分かっている曲で、本当にカッコ良かったです。石田様、これ全国ネットで流れるんですよね〜??なんかこれって すごい事なんじゃないでしょうか。羽田氏が石田様の紹介を色々としていましたが、これ放送では勿論カットですよね……残念。

 ちなみにこのソロは石田様はスタンディングでの演奏で、ジャケットをいつもの白ジャケットから黒いロングのジャケットにお着替え。 このロングジャケットめちゃめちゃカッコ良かったです。

 と。言うわけで、1月9日と2月13日の放送は必!見!です。

























2004年12月17日 第24回カジュアルコンサート Vol.2
トリオ・リベルタ プレイズ ピアソラ
アートホールで聴く真冬のタンゴ


場所:かながわアートホール
トリオ・リベルタ
ヴァイオリン:石田泰尚
ピアノ:中岡太志
サクソフォン:松原孝政
曲目:第1部
ブエノスアイレス午前0時
デカリシモ
勝利
タンゴ・エチュード第3番
ル・グラン・タンゴ
ブエノスアイレスの冬
ブエノスアイレスの夏
 第2部
悪魔のロマンス
天使の死
スール(南):悲哀・別離
スール(南):甦る愛
アディオス・ノニーノ

タンガータ
 アンコール
ミケランジェロ'70
リベルタンゴ

★本日のコンサートはかながわアートホールが主催で全席ご招待。 頑張ってチケット当てましたー。そう言えば大分昔、カジュアルコンサートに行った時にアンケートに 「トリオ・リベルタが聴きたい」と書いた気がする。案外あのアンケート、きちんと読まれているのかも。

 さて、プログラムはいつも通りブエノスアイレス午前0時より。薄暗いホールの中に三人がぼうっと浮かび上がって幻想的な雰囲気でした。
 石田様は黒いドレスシャツで登場。あれ?昨日より髪の毛短くなってる……もしかして今朝切りました?(笑)今回の髪型、とっても似合ってて素敵です。

 タンゴ・エチュード第3番は元々はフルートの曲ですが、今回はサックスソロで。かなり技巧的に難しい、と思うのですが、 松原氏はらくらくと演奏していました。うーん、この余裕がカッコイイなぁ。
 ちなみにル・グラン・タンゴはピアノとヴァイオリンで。石田様の演奏のおいしい所を余す所なく披露した感じ。

 前半のMCではメンバーの紹介を、と言いつつ紹介されるとそれぞれ楽器をちょろっと披露。
 まずは石田様が紹介されて徐に弾きだしたのは「きよしこの夜」。後ろの中岡氏が「いつまで弾くの?」と言う表情を見せているのが お客さんにつたわって会場内がなんだか妙な雰囲気に(笑)。でも石田様はその笑いに負けず1曲分を弾き通しました。 単音でもなんだか可愛らしかったです。石田様からのクリスマスプレゼントだと思うことにします。
 ちなみに次に紹介された松原氏はタンゴ・エチュードで存分にサックスの音は聴かせたと言うことで口三味線ならぬ「サックス三味線」を。 これが中々カッコよくて変わっていて面白かったです。松原氏、色々なことをしますね〜。
 最後の中岡氏は石田様がマイクで「ピアノの中岡太志君です。」とぼそっと紹介。そして弾きだしたのは「冬のソナタ」。 何故か会場からは小さな笑いが。や、笑いたくなる気持ちは分かりますけど。そんでもって後ろ向いていましたけど石田様もこっそり笑ってましたよね(笑)。 そう言えば松原氏が吹いている後ろでこそこそ二人で楽譜見て笑ってましたよね。。。

 ブエノスアイレス2曲は雰囲気をがらりと変えて。その直前まで面白トークだっただけに聴いている方がそのギャップに驚いたのでは。この切り替えの早さは リベルタならではかも。
 やっぱりブエノスアイレスの冬の夜が明けるように冬が明けて春になる描写が好きですね。この希望に満ちたメロディが好きなんですよねぇ。

 休憩後は悪魔のロマンスから。これ、ソプラノサックスでの演奏なんですが、かなりカッコ良い。うーん、改めて聴くとサックスはオイシイなぁ。次の天使の死もかなりサックスオイシイし。
 スールのシリーズは石田様と松原氏のアイコンタクトに注目!!ピ!と確認し合うのが良いんです。ファンはなんだか嬉しいのです(少々マニアック)。そう言えばスールはヴァイオリンソロも素敵なんですよねぇ。

 最終曲のタンガータは石田様がノリノリ。なんだか凄く幸せそうで此方が幸せになってきます。これこれ、石田様ならではの効果ですよね。
 後、これぐらい圧倒的な曲だと何も考えずに楽しめるので好きです。聴くだけでスカっとできるって言うか。気持ち良い。

 アンコールは館風の大好きなミケランジェロ'70。自分でパンフレットにメモろうとして「キリマンジャロ」と書きそうになった自分に少し嗤いました。馬鹿だ。
 短い曲、と紹介がありましたが、かなり内容が濃い曲なので短くても短い気がしません。と言うか、私はしなかった!やっぱりこれ好きです。
 最後はピアソラと言えばこれ、リベルタンゴ。リベルタの名前の由来だけあって流石にこの曲は圧巻。〆にピッタリの曲ですね。ただ、盛り上がりに盛り上がって終わるって言うのは 此方としては「もっと聴きたい!!」と煽られて終わるような気もしないでもありません(苦笑)。

 今日はかなりハイテンション・ハイクオリティな演奏だったと思います。うーん、石田様は昨日もお仕事だったと言うのに……(<だってそれが仕事だもの)。 これだけの演奏を持続するって言うのも大変な能力だと思います。でも欲張りなファンは「新曲は!」とか思ってしまう訳です。次の関東での演奏は3月ですね。 その時の演奏では新曲を楽しみにしておきます。

























2004年12月26日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 特別演奏会
ベートーヴェン「第九」
〜天まで響け、歓喜の歌声〜


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
ピアノ:寿明義和★
ソプラノ:木下美穂子
メゾ・ソプラノ:井戸靖子
テノール:小貫岩夫
バリトン:大島幾雄
ソプラノ:田上知穂★
テノール:谷川佳幸★
合唱団音楽監督:近藤政伸
合唱:神奈川フィル合唱団
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
(★は合唱幻想曲のみ出演)
曲目:ベートーヴェン
ピアノ、合唱、管弦楽のための幻想曲 ハ短調
 「合唱幻想曲」作品80
交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付」

★毎年恒例神奈川フィルの「第九」特別演奏会です。例によって例の如く 神奈川フィル合唱団の館風は舞台に乗ったので第九の第1楽章と第2楽章、そして客観的な感想は書けません。 悪しからず。

 合唱幻想曲は寿明氏のピアノから。タッチのはっきりとした音色で、キビキビとした印象。 トリルは滑らかで指の動きがしなやかで綺麗(って、私の位置からは見えなくてソプラノのお姉さんの話だけど)。ちょっと危ない部分も機敏な対応力で立て直し、乗り切ってくれました。
 ソリスト6人のハーモニーも素晴らしく、合唱団は気持ち良く歌えました。現田氏の指揮は歌い手として見るととても 歌いやすく、気持ち良く歌わせてくれる指揮なので、やっぱり大好きです。こちらから見ていると分かるのですが、現田氏は合唱団だけではなく オケの各パートにも濃やかに指示を出しているのですね。そしてその指示に呼応してオケが音楽を盛り上げるわけですよ。 こう目に見えるのは気持ちいいなぁ。いつも演奏を聴いている時は石田様ばっかり見ているのでこう、指揮者をじっくり見るって言う 聴き方も面白いと実感。まあ、今日も石田様ばっかり見てたんですけどね!!(や、不可抗力ですよ。だって私の位置から現田氏見えないんだもん<それはいいのか??)

 今年のカルテットの部分は美しいハーモニーで完璧。思わず石田様の音色にうっとりしてしまいました。自分はこの後暫くしたらソロが入ると思っていたのですが、 案外ここからが長かったなぁ(笑)。現田先生が見えないのを良い事にずっと石田様を見ていましたが。。。
 石田様は後半になると段々とスパークしてきて、演奏が派手になっていきました。盛り上がるとアクションも派手になるんですね。 フィナーレでは合唱の絶叫(笑)に応える様に激しい弓捌き。終了後袖に引っ込む現田先生に切れた弓の毛をからかわれていました。
 なんかこの二人、仲が良くて良いですね(や、見た感じ、ですよ。勿論実際にどーなのか知りません)。音楽面でのコンビネーションが良い秘訣はこの辺りでしょうか。 神奈川フィルの第九は合唱幻想曲とセットなので楽屋が足りなくなる(ソリスト6人、ピアニスト1名が居る為、県民ホールの楽屋は足りない)のですが、 今日は石田様と現田氏は仲良く一緒の楽屋でした。

 第九では今年は第3楽章の前に合唱団とソリストが入場。ソリスト4人は昨年と同じ顔ぶれですね。
 普通に聴いていると気にならないのに合唱団として1楽章待つ、と言うのは案外辛い事だと気が付きました。待ち時間って結構キツイ。歌っているよりも きついかもしれない。案外じっとしているのって言うのは苦痛で、良い姿勢で待っていても悪い姿勢で待っていてもキツイ物なのだけれど、 それを毎回の演奏会でやってる石田様は凄い・と実感しました。しかも背筋の伸びた凄く綺麗な姿勢で。微動だにしないって言うのは本当にすごい事なんですよ!!(<アナタが威張るなよ)

 合唱のほうは本番が一番上手く行った……と思います。現田先生の指揮に乗せられて思い切り歌ってしまった……。こう、気付かないうちに乗せちゃうって言うのが現田マジック。
 今回一番印象的だった指揮はアルトの音量が欲しい部分での仕種でしょうか。同じ音を弾いている2ndヴァイオリンを指差し「ここ!」と言う感じで指揮をするのですが、 これがとても効果的。思わず声を張ってしまいましたよ。合唱は大抵同じパートを演奏しているパートがオケにあるのでそれを意識しながら歌うととても気持ち良いです。楽しかったです。 やっぱり演奏者が楽しめなきゃ駄目ですよ。ええ。<言い訳がましい。

 今回の公演では段々と合唱団もこの第九公演が「お仕事」として慣れてきた感がありました。時間がズレたりしても 臨機応変に対応してたし。ただ、慣れきらずに程よい緊張感も必要かな・と思ったり。
 この公演は毎年やっているのですが、段々とステップアップしていくのも実感できる演奏会で、とても良いと思います。 段々と客席が埋まるようにもなって来ましたし。毎年同じ演奏会があるのにお客様の数が増えていくのは嬉しいものですね。
 これからは神奈川フィルの第九を聴かなきゃ年が終わらないと思われるような演奏を目指して頑張っていきたいと思います。













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