2004年石田日記-2月〜3月

2月6日 ★神奈川フィル第203回定期演奏会@MMH
2月28日 ★シュナイト音楽堂シリーズVol.4@神奈川県立音楽堂
3月19日 ★神奈川フィル第204回定期演奏会@MMH
3月25日 ★題名のない音楽会21公開収録@文京シビックホール


2004年2月6日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第203回定期演奏会『妙なる響き』


場所:横浜みなとみらいホール
指揮:外山雄三
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石井啓一郎
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
曲目:シューベルト
 歌劇「悪魔の別荘」序曲D.84
外山雄三
 独奏ヴァイオリンとオーケストラのための
 「悲歌」(2004年 改定初演)
レスピーギ
 交響詩「ローマの噴水」
 交響詩「ローマの祭り」

★横浜みなとみらい線が開通して初めてのみなとみらいホールでの定期である。これでお客さんもアップ…したのかな? でも、フラっと寄って聴いて帰る・なんて事も出来るようになりますね。ま。京浜東北線を使っている館風には全く関係ないですが(笑)。

 1曲目のシューベルトは今回予習なしだったのですが(っていつもやんか)、短く纏まっていたのと派手な曲だったのとでとても楽しめました。 外山氏のスッキリした指揮にオケの反応がとても良くて、見ていて楽しめました。

 指揮の外山氏作曲の「悲歌」は、ソリストの石井氏が大迫力。外山氏との息もバッチリ。初演の時もこの二人の演奏だったと言うのですからそれも納得です。
 始めの気が狂ったかのようなフルートにびっくり。フルートってあんなに大きな音が出るんですね…。
 弦楽がビシィ!と揃っていて嬉しくなりました。やっぱり石田様がコンマスだと音が違います。そう言えば黒木氏以外の弦の首席は揃っていましたね。 おそらくレスビーギでそれぞれソロがあったからでしょう。嬉しい事です。

 後、ティンパニがドラム用のスティックで思い切り叩いていてびっくりしました。確かに普通のバチ(えっと、アレ何て言うんですかね…)で叩くよりずっと 鋭く派手な音になっていました。よくよく見ていると出番が無い所でティンパニの音を調節していて、それがかなり忙しそうでした。 休んでいる間もずーっとティンパニに耳を当てて音を確かめていて、休む暇なし。普段の曲ではティンパニの出番が少なかったりして座っている姿の多い藤本氏ですが、 今日の曲はどれもティンパニが大活躍だったので大忙しでした。

 中盤ではオケが日本的なメロディを奏でて、それまでのちょっとざわめいた心を落ち着かせてくれました。外山氏の曲は いつも日本的なメロディが入っていて、どこか落ち着くんですよね。

 休憩を挟んではレスピーギを2曲。これは後「ローマの松」と合わせて「ローマ三部作」と言われるものの2曲。 今回レスピーギは予習して行ったので、かなり楽しめました。・・・と言うか、予習と称して聞いた瞬間に 「これ、金管がめちゃ難しいじゃんか…。」と思って純粋には楽しめなかったり(<超失礼)。
 ところがどっこい(<ってお前いくつだよ?)。今日の神奈フィル金管は一味違います!!凄いです。特に「ローマの祭り」の3階右に居たバンダは最高!!素晴らしいファンファーレでした。 天上から降り注ぐ太陽みたいな音がしていて、思わず上を見上げてしまいました。バンダ自体はよく見えなかったんですが。
 ホルンソロも「これが金管楽器か?!」とびっくりする様なメロディをサラリと吹いていて、うっとりでした。

 「ローマの祭り」の方はパーカッションは10人、センターにマンドリンが入り、チューバ:1、トロンボーン:4(Basstrb含む)、トランペット:4、ホルン:5と言う 強化体制。バスクラやバスファゴット(でいいの?!アレ?)等、低音が強化されていた気がします。ピアノとパイプオルガンも入っていましたから、「ローマの噴水」に較べるとかなり音が重々しい。 「噴水」の方はチェレスタとハープ2台が居ましたから、上の方でキャラキャラ鳴っている音が目立ったんですが、「祭り」はかなりの重低音が響いていました。 神奈フィルの得意な大音量の部分もたっぷりで、以前神奈フィルの芸術監督だった外山氏の、オケの特徴を知り尽くした選曲でした。

 「祭り」は殆どのパートでソロがあるような曲で、石田様のソロも有りました。第4部の部分に当る所に石田様のソロがあるのですが、そこまでが結構長い。だからなのか何なのか、 石田様のソロが始まった所でちょっとウルッと来てしまいました。きっと待ち望んで聴けた・って言うのと石田様の奏でる切ないメロディがストーン!と来たんでしょう(<どんなだ)。
 もう、切ない系のメロディは石田様が弾く為にあるようなものですな!私、こう言うメロディを石田様がソロで弾く時はいつも泣いている気がします。 割と本当の話なので洒落になりません(苦笑)。

 ヴィオラのソロもヴィオラの深みのある音を楽しめて良かったです。ちょっとしか無かったのが残念ですね。まあ、どのソロもちょびっとずつだったんですが。 山本氏のチェロのソロもカッコ良かったなぁ。石田様と一緒に合わせて弾いたりの部分も息が合っていて流石!って感じがしましたし。 そう言えば小宮氏もちょろっとソロ(と言うかアンサンブル)が有りましたね。
 トロンボーン・ソロのユニークなメロディもとても楽しく、目で見ても楽しめました。ああいうのが突然入ってたりして想像出来ない所がいいなぁ・と思いました。

 あ、後いいなぁ・と思ったのはクラリネットの二人(森川氏と斎藤氏)が「祭り」のラストで二人揃って同じ動きをしながら楽しそうに吹いていた所ですかね。 楽しそうな演奏家と言うのはそれだけでこちらも幸せにしてくれます。
 元祖・楽しそうな演奏家(笑)石田泰尚様ですが、今日もノリノリでした。これだけ面白い曲で乗るなって方が無理ですよねぇ〜。 私は一緒にノリたいのを我慢して頭振るのは石田様にお任せいたしました(笑)。

 石田様って、もう弓捌きから指遣いまでいちいちカッコ良いんですよね。他の人には無い舞台人としての気骨を感じます。体の隅々まで神経が行き渡っているところがいいんです。
 自分のパートが無い時にはじっとヴァイオリンを伏せて顎を少し引いている。 もしかしたら目も瞑っているかもしれません(そんな所は見えるわけも無く)。背筋がピ!っと伸びていて 「きっとスラリとした音が出るんだろうなぁ」と思わせる。そう言う演出がファンには嬉しい。 それで勿論演奏は極上。これぞプロ!これぞ舞台人!
 「祭り」のフィニッシュはなんとなくファンも「くるぞくるぞ〜」と思いながら聴いている訳なのですが、それで「来た〜!!」 と言う演奏をぶつけてくれるので、聴いていてとても気持ち良い。 勿論予定調和なわけではなく、想像以上のものを運んできてくれる・そう言う演奏なのです。

 今日の神奈フィルは、と言うか最近の神奈フィルはどんどん石田様の演奏のように、期待に応えてくれる・期待以上のものをぶつけてくれるオケに なっていると思います。これぞ石田効果か?!(笑)
 とにかく今日の演奏は素晴らしかった。こう言う演奏が出来るのなら7月になっても(うわ!)大丈夫だなぁ・と 思ったのでした。
 私は神奈フィルを応援します★










































2004年2月28日
神奈川フィルハーモニ―管弦楽団
特別演奏会
 シュナイト音楽堂シリーズ
「古典派の偉人達 Vol.W」


場所:神奈川県立音楽堂
指揮・チェンバロ:
 ハンス=マルティン・シュナイト
ヴィオラ:秋山俊行
コンサートマスター:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:ハイドン
交響曲第83番 ト短調「牝鶏」Hob T.83
ツェルター/ヴィオラ協奏曲 変ホ長調
モーツァルト/交響曲第41番
 ハ長調 「ジュピター」
アンコール
 モーツァルト/交響曲第1番より 第3楽章

★前回の演奏会から早22日(語呂悪!)。久し振りの神奈川フィルである(言下に言いたい事は察して頂きたい)。
 シュナイト音楽堂シリーズは毎回毎回ハズレのない名曲をこれでもか!と言うほどの素晴らしい演奏でぶつけてきて くれるので、とても楽しみにしている。

 今日の石田様はいつも通りのダブルのスーツにツートンネクタイ。いつもと違うのはスーツの右襟にちょこんと小さいヴァイオリンの ピンバッジが付いている所。左胸のチーフのすぐ下にも同じくらいの小さなヴァイオリンのバッジ。ちょっとアレンジが効いていてお洒落です。
 更に髪の毛を切ったのかライトの加減か、バシ!と立てた髪の毛が金髪に近い茶髪に見えました。髪、切っちゃったのかな〜?? なんと言うか、ヴァイオリニストと言うよりサッカー選手みたい…(カッコイイから良いけど…<結局それ)。

 こほん。さて、音楽の事。

 ハイドンの「牝鶏(めんどり)」は明るく華やかな曲。毎度の事ですが弦が綺麗に纏まっていて、1stVn.なんてまるで 石田様が一人で弾いているよう。距離が近かったって言うのもあると思いますが、やはり弦の纏まり方は素晴らしいです。
 1楽章では石田様と2ndVn.の小宮氏がアイコンタクトを取っていて、アンサンブルの精密さはこう言う所から来ているのね・と勝手に思っていました。
 特に気に入ったのは3楽章で、ヴァイオリンのメロディがとても可愛らしく軽快で良かったです。パンフの解説によると多分これが「優美なロココ風の旋律」って 事なのでしょうが…(勉強不足)。

 ツェルターのヴィオラ協奏曲ではチェンバロが登場。弦もぐっと人数を減らして来ました。こうなるともう殆ど室内アンサンブルの様な雰囲気。
 チェンバロが入るのでチェンバロでチューニング。石田様がチェンバロをポーン。そうか…チェンバロって鍵盤楽器だったんだ…(音が音だけに鍵盤楽器と言うイメージが無かった人)。
 秋山氏が登場すると石田様は何やら笑顔で話し掛けていました。仲良さげです(そう言えばいつも指揮台を挟んで会話しているよね…)。

 1楽章ではメインのメロディをヴァイオリンが弾く影でこそっと(でもないか)ホルンが音を厚くしてゆくのですが、そのホルンの音がアクセントになっていて中々良かったです。
 秋山氏のソロもメロディックなパートばかりでなく、超絶技巧を駆使するようなパートが盛り沢山。全編通して忙しい曲でした。
 ヴィオラの音をそれ程まじまじと聴いた事が無かったのでどんな音なのかしら〜?と思っていたのですが、思っていたよりもずっと高い音まで出るんですね。 それなのに音色はヴァイオリンよりもチェロに近い感じで深みがある。いつもヴァイオリンとかチェロとかが目立つのでヴィオラをメインに聴く事が出来て新鮮でした。
 全編ソロが満載なので周りのオケはちょっと暇な所も。その間も石田様はノリっぱなし。ずるいです(笑)。お客さんはおろか、シュナイト氏もノルの我慢しているのに!! 弾いている時さながら頭も振るし指揮も振るし…アレは絶対脳内演奏してたね(笑)。秋山氏と一緒に弾いていたに違いありません。 でも、そこまで曲に入り込めるって言うのはいい事だよなぁ。

 本日のメイン・モーツァルトは後期三大交響曲の最後の1曲「ジュピター」。
 始まってまず思った事は「速い!!!」とにかくスピーディ。予習していたCDとは勢いが違います。流れるように留まらずそれでいて焦っている様には感じさせない演奏でした。 堅実と言うよりは挑戦的な演奏と言う感じかなぁ。
 抽象的過ぎて申し訳ないのですが、他の曲とは「音圧」が違いましたね。演奏者から感じる気迫・気合とでも言いましょうか。それと一緒に紡ぎだされる音楽の勢いが違いました。 なんと言うか、前二曲が「良い」「良い」だったとするとモーツァルトは「すごく良い」だった 感じ。オケの皆様、モーツァルトに何か思い入れでもあるのでしょうか(笑)。この曲はティンパニも入り、 大幅に人数も増強されたのでそう言う事もあるかもしれませんが、それだけでは無いと感じました。

 この勢いは4楽章まで衰える事無く持続し、2楽章等ではきっちり抑制されていたのですが、4楽章になると爆発。 ラストだし行ったるかぁ!と言う感じでオケ全体が活き活きとしていたように感じました。石田様も大スパーク。椅子から腰を浮かすし、足が「タン!」 と床を踏むし、見た目も派手で凄かったです。
 演奏終了後もあまりの迫力にぼぅっとして拍手して衝撃を緩和していた感じでした(笑)。

 今回もアンコール前にシュナイト氏が曲解説をやってくれたのですが、7割程しか解らず。ああああ。自分の馬鹿さ加減が露呈された瞬間でした。
 モーツァルトの最後の交響曲を聴いたから今度は一番始めの交響曲を聴こうって事だったと思うのですが…。ちなみにモーツァルト、初めて交響曲を作曲したのは 8つの時らしいです。ああいった時代は音楽界に天才がゴロゴロいたようですが、そんな中でもやっぱりモーツァルトは天才だったと思います。 だって8つで作曲て……(汗)。
 さて、そんな訳でアンコールのモーツァルトは交響曲第1番。軽く華やかなメロディが印象的。そうですね、その前に41番を聴いてしまっているのでそれと較べてしまって 申し訳ないのですが、やっぱり音に厚さが無いかも。それでもこれ、8歳が作曲ですか…凄いなぁ…(<さっきからそればっか)。

 今回も選曲がとても良くて、大満足でした。このシリーズは統一感があっていいですよねぇ。シュナイト氏のセンスもありますが、それに食いついていくオケの面々 の勢いも素晴らしいと思います。こう、ぶつかり合う音楽、感性、素晴らしいですよね!(<体育会系な物言いだなぁ…)
 もう次回は来年ですかー。遠いなぁ(笑)。と言うか、このシリーズって確か全6回ですよね…。と言う事は来年でお終い?なんだか名残惜しいなぁ。











































2004年3月19日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第204回定期演奏会
『新古典主義〜変容の妙』


場所:横浜みなとみらいホール
指揮:現田茂夫
ヴァイオリン:竹澤恭子
チェロ:堤剛
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
曲目:ブラームス
 ハイドンの主題による変奏曲op.56a

 交響曲第3番ヘ長調op.90

 ヴァイオリンとチェロのための
 二重協奏曲 イ短調op.102

★今日は定期会員にはリハーサルを公開。現田氏が指揮の時はこのサーヴィスがあるから嬉しいです。 やっぱり音楽の作る過程を見れるって言うのは面白いです。 まあ、実際にはこの時にはほとんど確認作業だけなのですが、本番の時にリハとの違いとかを気付けて面白かったりします。

 さて本番。ブラームス効果か、竹澤恭子効果か、堤剛効果か今日はホールの入りも上々。 人がいっぱい入っていると響きも違ってきますしね。ファンとしてもお客さんがいっぱいなのは嬉しいです。 プレトークで現田氏が「これからもよろしくお願い致します」と言っていたのが切実に響きましたね。

 さて、1曲目。ハイドンの主題による変奏曲は何と言うか、唐突な出だし。いきなり曲の途中から始めたような音楽で、 知らないとちょっと戸惑います。
 中間部では木管パートが大健闘。忙しそうなクラリネット、オーボエ、フルート、ファゴットのトップ四氏に拍手。
 弦は相変わらずの素晴らしさで、あのまとまり方はまるでとんでもなく大きな音が出るヴァイオリンで一人が弾いているみたい。 1stヴァイオリンだけでもかなりの人数のはずなのですが、まるで一本のヴァイオリンのよう。 それは他の弦のパートにも言える事で、やはり首席奏者が揃っていると違いますね。
 あ、そうそう。今日のヴィオラのトップの方のお名前が知りたいです。秋山氏ではありませんでしたね。私の位置からはお顔が良く見えなかったので…。 誰か知っている方はご連絡をお願い致します。

 今日は久々にパーカッションの平尾氏が居ます(館風は平尾氏とティンパニ・藤本氏のファンです)。 ティンパニの横にちょこんと座っていて、どうやらトライアングル担当の様です。しかし…
 曲の最後まで出番がありません。約20分と書いてありますが、その内19分は出番がありません。 最後の最後におもむろに立ち上がってトライアングルを叩いていました。 でも、演奏を見るとトライアングルも気が抜けないんだなぁ…と思いました。 忙しい所は忙しいんですね。アレって(笑)。
 そんでもってトライアングルがいいアクセントになってるんだこれが。ヴァイオリンや木管と同じリズムで叩くのですが、 その音を聴きながら石田様を見ているととても面白かったです(何でって音と一緒に頭振るから…)。 ん〜、石田様もやっぱり大概ヴィジュアル系だなぁ(<何か意味違うだろ)。

 そして交響曲第3番。プレトークで現田氏が仰っていた「ブラームスはロマンチスト」の意味が存分に理解できる1曲でした。
 特に私が好きだったのは3楽章。月並み〜と言われてしまいそうですが、 あのキャッチーな切ない系のメロディが好きですね。石田様の表情と相まってうっとりとなってしまいますね。ああ、こう言う演出力が石田様 ですよね〜。
 それにしても、主題が親しみやすいって言うのはやっぱり強みでしょう。 このロマンチックなメロディが人を夢中にさせているのかも。
 3楽章はチェロが低めの音程でメロディを奏でる上に1stヴァイオリンがオブリガード的に同じメロディを被せるのですが、この音が響きあってまた素敵なのです。 CDで予習はしていましたが、1回生を聴いた方がずっと良いですね。今日一日でブラームスがとっても好きになりました。

 休憩を挟んで二重協奏曲。竹澤嬢は黒のパンツの上にオレンジがかったサーモンピンクの衣装で登場。薄物がヒラヒラして綺麗。 ちなみに私の位置からはソリストが二人とも背中からしか見れず。なのでしっかりした響きの音は聞いていません。残念。

 ですが、二人とも音の響きが素晴らしい。堤氏の深い、深い音色は流石、と言う感じですし、 竹澤嬢の跳ね回るような弾(はじ)ける音はホール中に響き渡る様が見えるようでした。
 後ろから聞いているのでご本人にしてみれば音はイマイチなのでしょうが、 P席でこれだけならば正面の良い席で聞いていた人には素晴らしく聞こえたでしょう。 やっぱりソリストが居る時はこの席、勿体ないなぁ…(石田様が見えるんだから文句を言ってはいけません)。

 堤氏も竹澤嬢も弾く姿はダイナミックで、パワーに溢れていました。堤氏はチェロを右に左に大きく振るし、 竹澤嬢はいつ背骨が折れるかと心配になるほどのけぞるしで、二人とも大暴れ(笑)。竹澤嬢は もう、ヴァイオリンかつぎっぱなし。何と言うか、「のだめ」の峰くんをもっと大げさにした感じ。奔放な感じでカッコ良かったです。

 ソリストが二人も居るので今回のオケはちょっと控えめ。しかし「ちょっと」でした(笑)。控えめと言っても音楽の勢いがなくなるわけじゃありません。 弦の素晴らしい統率感はそのままに、ソリストvsオケ、と言う構図が出来上がっていました。
 現田氏と石田様の間を裂く(笑)ソリスト二人を挟んで必死に1stヴァイオリンに指示を出す現田氏がちょっと注目★と言う感じでした。 ちょっと現田氏は1stヴァイオリンにばっかり指示を出している気がするのですが、贔屓ですか?(笑)。と言うよりも1stに出しておけばそれが 石田様を通して他のパートにも伝わる・と言う事なのでしょうか。
 最後の楽章ではチェロの特徴的なメロディに続いてオケもそれに対抗するのですが、 これがもう、カッコいい。このメロディが今でも頭の中をぐるぐる回っております。 全体的にピチカートで合いの手を入れたりする部分が多かったこの曲ですが、この楽章は凄い。あの音の厚みはたまりません。

 そもそもブラームスは音が厚い(by現田茂夫@プレトーク)らしいのですが、この音の厚みが1時間半聞いていると気持ちよくなってきます。 普段だとどうも音がはっきりしない、もやもやしている・と思いがち(てゆか私は思ってたんですよ)なのですが、 やはり生だからでしょう、一つ一つの音が立ってるんですよね。音の一つ一つが煌めくんです!やっぱり音楽は生ですよ!
 と言う事は、今までCDで聞いて苦手だなー、と思っていた曲も 生で聴いてみたら印象が変わるかもしれません。
 勿論、指揮者やオケによって曲の印象が変わるでしょう。 しかしそれもまた、オーケストラの魅力として楽しんでみては如何でしょう。

 ちなみに来月4月3日の205回定演は若杉弘氏の指揮でモーツァルトの「29番」と三善晃の「焉歌・波摘み」とマーラーの「巨人」。
 しかもコンマスが石田様!マーラーは石田様がお好きな作曲家ですし、若杉氏は初めて神奈川フィルで振るとの事。ちょっと足を運んでみては如何でしょうか。
 ちなみに私は三善が楽しみです。神奈フィルが演るとどんな音楽になるんでしょうか。










































2004年3月25日
 題名のない音楽会21公開録画


場所:文京シビックホール
司会:羽田健太郎(pf) 大木優紀
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
第1部ゲスト
 タップ:ザ・ストライプス
 津軽三味線:吉田兄弟
 大鼓:望月圭
 小鼓:望月正治
第2部ゲスト
 宮本亜門
 中川晃教(シンガーソングライタ)
 鵜木絵里(Sop)
 幸田浩子(Sop)
 足立さつき(Sop)
 湯川晃(Ten)
 山口英次(Gt)
曲目:第1部
 「打つべし!打つべし!打つべし!!」
 (4月25日放送予定)
第2部
 「宮本亜門・そして序曲は始まる
〜キャンディードVSウエスト・サイド物語〜」
 (4月18日放送予定)

★いつもの通り細かい曲目は秘密vv放送をお楽しみに。
 今回は折角2時から並んだのに(都合4時間待つことになりますね)センターブロックが取れなくて残念。 上手側だったので石田様がピアノとソリストに隠れて見えず。む、無念…!!。

 第1部はタイトル通り、従来のタップよりも強く足を床に叩きつけるパフォーマンスの「ザ・ストライプス」のタップダンスと 弦にバチ(って言っちゃっていいんですかね)を叩きつける津軽三味線の共演。「ザ・ストライプス」は北野武監督の「座頭市」のラストシーンのタップを振り付け・共演した グループ。これがオーケストラと合わせるわけです。

 と言っても今回、タップが主役。津軽三味線とタップの共演や羽田氏と「ザ・ストライプス」リーダHIDEBOHさんの即興対決等、 オケは結構暇。石田様がタップダンスをかなりじーっと見ていたのが印象に残っています。
 えー、今回「ソリストはどうせテレビで見れるし、石田様も時々しか見えないしそっちよく見とこう」 とか思ったせいか、なんかあんまり記憶が……(<マテ)。

 吉田兄弟を見るのは私初めてだったんですが、素敵ですね。どちらが兄でどちらが弟だったのかさっぱりわからなかった(笑)んですが、 二人の演奏スタイルが微妙に違ったりして面白かったです。二人ともカッコ良いですね〜。浅葱色の着物に紺色の袴でりりしい感じです。
 タップの「ザ・ストライプス」もカッコイイ!3人(4人グループで、1人はパーカッション担当)の動きが見事に 揃っているんですよね。そして、揃っているだけではない動きとか、必見。
 ラストに共演者全員で「座頭市」のラストシーンの音楽を。勿論タップ有りですよ。とっても格好良かったです。あ、この曲って鈴木慶一なんだ…。

 今回トークが面白かったせいか、収録時間がちょっと長め。トーク中石田様も何度か笑っていました。いいんだ…演奏中あんまり見えなかったけど (ピアノの陰で上下するヴァイオリンだけ見えたりとか…)笑顔の石田様が見れたからいいんだ……。

 さて第2部。第2部のが放送先なのに後に撮るのね…と思っていたら理由が解りました。中川晃教氏です。中川氏が出てきた瞬間の 拍手!すご!多!演奏終了後のカーテンコールの拍手の多さ!今回の倍率の高さが分かった気がした瞬間でした。
 ちぇっ……2部の始めに石田様が出てきたときに拍手したのはアタシ一人だったってのに……(<恥ずかしい観客である)。
 第2部のテーマはバーンスタイン。4月26日から始まる舞台「キャンディード」の宣伝も兼ねてるんでしょうね〜(<そんな所は読まなくていいから!)。 宮本亜門氏と羽田氏のトークも盛り上がり、今回も収録はちょっと押し目。

 「ウエスト・サイド物語」と「キャンディード」のおいしい所取りの演奏。「ウエスト・サイド物語」は原語(今変換したら減五って変換されたよ!アタシのPCおかしいよ!) での演奏でしたが、「キャンディード」の方は日本語。この日本語での演奏が可笑しさを増していました。 キャンディードと恋人のクネゴンデのすれ違いっぷりとかがとても面白かったです。
 鵜木絵里嬢と幸田浩子嬢は四月からの「キャンディード」でダブルキャストでクネゴンデを演じるのですが、お二人とも素晴らしい。 面白い演技を追及した鵜木嬢と超絶技巧を何でもないかのように演じきった幸田嬢。お二人とも素晴らしい演奏でした。
 石田様を始め、ヴィオラとチェロのソロがある曲もあったりしてとても素敵でした。良かった〜。石田様ソロあった〜(<ファンですから…)。 素晴らしかったです。ソリストがいたのでお姿は拝見できなかったんですけどね…。石田様の演奏って、音と、演奏している姿と合わさって完成・と言うか魅力が増幅されると思うんですよ。 なのでテレビ朝日が石田様を抜いてくれる事を期待(笑)。

 最後に演奏されたのは「キャンディード」序曲。これ、以前神奈フィル演奏しましたよね…(うろ覚え)。
 金管系が派手な曲ですが、弦の統率が素晴らしく音量の大きな金管に対抗していました。いやぁ、これ、相変わらずかっこいいなぁ。 現田氏はなんと暗譜で演奏。凄すぎです。
 「キャンディード」を五月に見に行くのが楽しみになりました。

 ところで、4月から始まる舞台「キャンディード」の話で盛り上がったトークなんですが、その間、石田様はどんな気持ちで話を 聞いているんでしょうか。だって石田様も舞台乗る(ピットに入る)んですよね???ちょっと不思議な感じがしました。
 それでは放送をお楽しみに!(石田ファンは録画必須ですよ!)
 







































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