2006年7月7日 イマジン
七夕コンサート2006
場所:みなとみらいホール
ピアノ:山田武彦 加藤昌則 渡辺雄一 干野宜大 加藤洋之
ソプラノ:イヴォナ・ソボトカ
バンドネオン:小松亮太
ヴァイオリン:礒 絵里子
チェロ:水谷川優子
フルート:荒川洋
コントラバス:石川滋
ギター:西村正秀
パーカッション:萱谷亮一
ヴィオラ:御法川雄矢
特別ゲスト:石田泰尚(Vn)
司会:朝岡聡
曲目:
F.クライスラー:愛の喜び
C.ドビュッシー:月の光
W.A.モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》第2幕より第23曲
山田耕筰:赤とんぼ
渡辺雄一:Blue Aquarium
渡辺雄一:懐かしい浜辺
F.シューベルト作曲・F.リスト編曲:魔王
E.グリーグ:ソルヴェイグの歌
C.サン=サーンス:白鳥
G.D.ヴァイス/R.タイル:What a wonderful world
競作対決《加藤昌則vs.渡辺雄一》
山田武彦:ショパン&モーツァルト 迷曲大全集??
G.ヘンデル:歌劇「リナルド」より”私を泣かせて下さい”
A.ドヴォルザーク:ユモレスク
J.マスネ:タイスの瞑想曲
F.ソル:モーツァルトの歌劇「魔笛」の主題による変奏曲
S.マイヤーズ:カヴァティーナ
A.ピアソラ:リベルタンゴ
小松亮太:夢幻鉄道
J.レノン:イマジン
★正直、6時半開演だし(<間に合わない)、渡辺雄一氏絡みだし(<ヒーリングよりクラシックが聞きたい)、
結構お高いし(<特別ゲストってのはきっとイマジン所属じゃないってだけだ)、とか思ってたのですが、
「まあ、渡辺雄一氏の曲、生で聴くの3年振りくらいだし、行っとくか。」と言う事で行ってきました。
それがどうでしょう。石田様出演ギリギリ直前で滑り込めましたし、他にも面白い企画が沢山あって行って良かったです。
久々の渡辺雄一氏との共演の石田様は、「懐かしい浜辺」を演奏。相変わらず端整な音で、それでいて海辺の風景が浮かぶような優しさに満ちていました。
今回は「君は何をしに来たの。」と言う様な音を捨てた見る専の席だったので、ついつい上を向いて聴いてしまう事が多かった様に感じます。
頭の上を音が通り過ぎていくのが見える気がして。特に声楽とかはその傾向が顕著でしたね。実際響いた音は通り過ぎていってしまいました。
魔王をリスト編曲のピアノ版で演奏した干野氏はほんと、指が回る回る。あの曲はただ伴奏するだけでも難しいピアノだと言うのに、それに歌パートまで
割り込ませたとんでもなくややこしいバージョンでした。流石リストです。と言うか、この干野氏、かなり上手いと思いました。それはこの後の演奏で間違いではないと確信しました。
他にも普通は歌う曲をチェロで演奏したり、サン=サーンスの白鳥をチェロとコントラバスで演奏したり、面白いものでした。
また、前半の最後に再び石田様登場。「What a wonderful world」はフルート、ヴァイオリン2、ピアノと言う構成での演奏。礒嬢の持ち曲との事でしたが、石田様も入っての演奏でした。
後半は加藤昌則氏と渡辺雄一氏が同一テーマで曲を作って競作、からスタート。テーマは「2006年7月7日七夕コンサート」と言うことで、
まさにこの日の為の曲。加藤昌則氏は天の川をメインに据え、日本の七夕にとらわれず、世界の天の川へのイメージ等も盛り込んだ曲でした。「七月の空へ」と言う様なタイトルだったのですが、
ちょっとよく聞こえなくて(実際今日のPAはイマイチ…)語尾が曖昧……申し訳ない。
この曲が、礒嬢がヴァイオリンを弾き、加藤氏本人がピアノを弾くと言う構成だったのですが、この曲、すっごい面白かったです。
スティーヴ・ライヒを彷彿とする音と繰り返しが気にいりました。後、なんか凄い和音が聴いた事が有る様な感じで、誰かっぽい〜と思ったのですが、それが誰なのか解らず。
この和音がまたお洒落で、良い音しておりました。ちょっと後半中だるみ??と言う感じがしたのが残念でした。もう少し短くても充分だったかと(結構長い曲だったのです)。
これっきりになっちゃうのは残念な曲でした。
渡辺氏はベトナム(?)に行った時の夜明け前の情景に触発されて作ったと言う(七夕関係ないじゃん……)「ビフォア・サンライズ」を。やはり渡辺氏、ハートウォーミングな
曲できましたね!でも、最後のほうで「陽が昇るのかな・・・?」と思った所で結局陽が昇らないまま(笑)で、なんだか残念。あそこで陽が昇れば
ありがちだけど素敵だと思うんだ!!(<ありがちじゃだめなんだよ)
これ、競作対決となってますが、全く違うジャンルの曲なので較べようが無いです(笑)。
そして、山田武彦氏が編曲したショパンとモーツァルト。これ、もう、考える人も考える人だけど、演奏するほうも演奏するほうだ。
挨拶代わりにトルコ行進曲を2台のピアノで分散して弾き分け。これ、すっごいタイミング合わせるの難しいのでは……。2人とも凄いです。
山田氏と干野氏、出て来て「ピアノの名作曲家と言えば!」と言って「ショパン!」「モーツァルト!」と全く違う事を言い、更に「心をかきたてるリズムと言えば!」と言って
「マーチ!」「ポロネーズ!」とまた全く違う事を。結局「じゃあマーチやろうか!」と言ってショパンでマーチを、モーツァルトでポロネーズをやるのですが、
それぞれよく聴く名曲たちが全てマーチのリズムで演奏され、全てポロネーズ風に演奏されるのです。もうめちゃくちゃ。最終的にはパーカッションが入ったりして大変な事になっていました。
これは凄い面白い企画でした〜。
ヘンデルを歌ったイヴォカ嬢は結構芯の太めの声をされていて、高音部の抜けが美しいソプラノでした。前半で結構歌われた様なので、聴けなかったのはちょっと残念。
ドヴォルザークはフルートとコントラバスでジャジィに仕上げて。これ、すっごいオサレですね。2人のセンスが良いんでしょうねぇ。楽しんで演奏している感じがしました。
どこまで譜面に書いてあるんでしょうか。その辺りも気になりました。
また、ギター1本での演奏だった「魔笛」の主題による変奏曲ですが、ギターの音のよさを改めて実感させてくれました。
一つひとつの音がつぶになっていて、キラキラしているんですよね。それにしても、良く知っている曲がこんな風に変奏曲になっているとは。これはかなり発見でした。
ピアソラのリベルタンゴは小松亮太氏が登場して。どうやら私の右隣の御姉様方2人は小松氏狙いだったみたいです。
タンゴ2曲はヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ、パーカッション、バンドネオンと殆どのメンバが参加しての演奏。
フルートの荒川氏はリベルタンゴのみ参加でしたが、メインメロディを吹いたり、かなり美味しいトコ取りで、カッコ良かったです。曲が終わった後なにやら
石田様とアイコンタクトを取っていて、お知り合いかと思ってパンフを見たら国立音大御出身でした。なるほど。
個人的には小松氏の「夢幻鉄道」がよかったです。弦は列車が運行する様を現す様な音ばかりでしたが、1stを弾いていた石田様には
時折美味しいメロディが!!こう言う所での石田様はもうここぞとばかり良い音を響かせます。タンゴな石田様も聴けて大満足です。
最後のイマジンは殆どの出演メンバが参加との事で、4手ピアノが2台と言う大変な事になっていましたが、そこはそれ、それぞれタイプの違う演奏家ばかりですので、
やっている事がそれぞれ違っていて面白かったです。位置的に山田氏と干野氏が弾いているところしか見えなかったのですが、干野氏は結構色々面白いことをやっていました。
演奏が終わると、案外アッサリ拍手が終わってしまい、イマジンのお客さんはあっさりしてるなーと感じました。カテコ1回って!!!毎日やってるキャッツですら3回はカテコがあるのに!!(<違うだろ)
クラシックのお客さんとは客層が違うからでしょうか。アンコールも無いんだ……とちょっと残念でした。ちぇー。
でも時計を見たら9時20分過ぎてたし……6時半から初めて9時過ぎるって……(汗)。詰め込みすぎじゃ無いですかイマジンさん(笑)。
でもそのおかげで今日はおなかいっぱいのコンサートでした。毎年やっているようですが、来年も石田様は出るのでしょうか。
出るなら行きます(笑)。