2006年演奏会日記5月

5月14日 ★神奈川フィルハーモニー管弦楽団第226回定期演奏会@KH
5月19日 ★石田泰尚コンサート@栄区民文化センターリリスホール


2006年5月14日 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第226回定期演奏会『新時代の担い手』


場所:神奈川県民ホール
指揮:下野竜也
ヴァイオリン:石田泰尚
曲目
ドヴォルザーク/序曲「オセロ」作品93
グラス/ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリニストアンコール
 ピアソラ/タンゴエチュード第3番
 ドヴォルザーク/我が母の教え給いし歌
ドヴォルザーク/交響曲第7番ニ短調作品70

★石田様がオーケストラでソロを演るのは久し振りの事だ。 昨年のバーバーは私は聴けなかったのでその前のハチャトリアン以来。今回はソロが発表されてから 半年もなかったのでほとんど何の準備もしないまま当日を迎えてしまった。しかし、そこはそれ、 高2の時点でコンテンポラリーと言うよりミニマルミュージック好きだった女である(<原因は 一ノ瀬響の曲を歌ったからだ)。2度か3度の予習でバッチリ★でした。

 さて、演奏会はグラスのヴァイオリン協奏曲をドヴォルザークでサンドイッチした構成。
 序曲オセロでは、静謐な朝の森の様な静けさとその後のきっぱりと平和に訣別をしたかの様な 激しい曲調の対比が描かれた。
 下野氏の指揮はその2つを徹底的にくっきりと色分けした指揮で、え下野氏の指揮の素晴らしさが とても良く解る演奏だった。振り方自体は迷いがなく、それまでのリハや合わせできっちりと演奏の 向かう場所を示しているのだなぁ・と感じた。振り方の一つひとつに表情があるので、指揮を 観ているだけでも面白かった。

 館風的メインのグラスのヴァイオリン協奏曲は石田様のソロで。
 中々迫力のあるオケの演奏で幕を開けるこの曲、石田様のソロが入った瞬間に曲が変わったかの 様に雰囲気が変わりました。確かにオケはpになっているのですが、それだけの効果とは思えない 際立ちが見えました。背景から浮かび上がるソロは神秘的。
 予習していた時はただのゆったりとした楽章と感じた2楽章だが、石田様の演奏はそれだけでは終わらなかった。 起伏の少ないメロディにも関わらず感動のあまり涙が出ました。1・3楽章の派手な部分がカッコ良い のは当たり前なのですが、2楽章があんなにも美しいとは。石田様の美しい高音あっての演奏だったと思います。
 3楽章の石田様の演奏はどんどんテンションが加速して、音が密になっていった感じ。イメージとしては 核融合で中心から重くなっていくみたいな(<解り難い!)。

 ドヴォルザークの7番ではコンマスに石田様。疲れちゃってるのに凄い。しかしあの、ここだけの話なんですが、 オケの弦の音が変わった気がします。うう、コンマスが違うだけでこんなに違うもの?音のツヤが違います。
 中々に音の変化に富んだ曲で、音に包まれる感覚が気持ち良い曲でした。ドヴォルザークと言うと 「新世界から」くらいしか生で聴いた事無かったけれど、一筋縄でいかない感じが中々素敵。他の曲も 聴いてみたくなりました。知っている作曲家の曲でも聴いた事のない曲はまだまだたくさんあると思うと、 神奈川フィルの演奏会みたいに普段積極的には聴かない曲を聴かせてくれる演奏会って言うのは嬉しいなぁと思いました。 今回の事がなきゃきっとグラスなんて一生聴かなかったしね。ありがとうございます!










2006年5月19日 区民感謝祭
リリスフェスティバル2006春


場所:栄区民文化センター「リリス」
ヴァイオリン:石田泰尚
ピアノ(司会):中岡太志
曲目
G線上のアリア/バッハ
美しきロスマリン/クライスラー
愛の悲しみ/クライスラー
愛の喜び/クライスラー
intermezzo/坂本龍一(ピアノソロ)
Merry Christmas Mr.Lawrence/坂本龍一(ピアノソロ)
Peace/渡辺雄一
懐かしい浜辺/渡辺雄一
情熱のヴァイオリン/渡辺雄一
日本民謡より「そうらん節」
ラ・クンパルシータ/ロドリゲス
オブリビオン(忘却)/ピアソラ
鮫/ピアソラ
タイスの瞑想曲/マスネ
チャルダッシュ/モンティ
アンコール
 リベルタンゴ/ピアソラ
 情熱のヴァイオリン/渡辺雄一

★本日のコンサートは栄区文化センター「リリス」にて。区民感謝祭なのだけれど、 全然区民じゃないんだけど。。。いいのかしら。
 5月にはチケットが売り切れたみたいだし、情報を掲載したりした自分としてはお客さんがいっぱい入って 一安心でした。

 本日のコンサートは御馴染みになった感のある石田様の小品曲集的プログラム。クライスラーから民謡まで 幅が広い!!

 始めはバッハのG線上のアリアでスタンダードに。続くクライスラーも石田様の特色である高音の 美しいメロディが惜しみなく披露された。愛の喜びでは石田様の遊び心溢れるトリック(技)が織り込まれたり して、後ろのおば様方から感嘆の声が漏れておりました。

 ここで中岡氏による坂本龍一の曲でソロを。どうしてもリゲインのCM(だよね?)しか思い出せないんですけど(笑)。 そう言えば、あの曲は所謂癒し系の走りでしたね。折角癒し系の王子・渡辺雄一氏の曲をやるので、そう言う繋がりも アリかな〜と(笑)。
 そしてその次に石田様のアルバムから3曲。初披露のピアノデュオバージョンの「情熱のヴァイオリン」は やはり低音とリズム系をピアノが受け持たなければいけないのでちょっと音が密集しすぎていた気も。これは 元曲もそうだから仕方ないかなぁ。。。
 個人的に懐かしい浜辺より「少年の9月の歌」が好きだったのでそっちも聴きたかったなぁ(魅せ場がカッコいいんですvv)。

 久々に渡辺氏の曲を生で聴いたが、思っていたよりもずっと人間っぽいと言うか、タダの癒し系で終わらない曲だった。 これはやはり石田様の演奏あってこそかしら。
 そして「そうらん節」を挟んでタンゴパートへ。ラ・クンパルシータはタンゴの代名詞ともなっている曲で、 どんなアレンジになっていても解りやすく面白い。
 鮫もリベルタの十八番だけに、2人だとちと寂しい感は否めないが、石田様の音色を堪能できた。

 最後はクラシックパート。モンティのチャルダッシュはいつも通り(笑)更なるアレンジがされていた。 石田様のこう言う曲のアレンジはデコラティヴでゴチックで好きです。こう言う曲は派手好きでもいいじゃない。
 そろはこう言う風にガシガシ弾くのが好きです。ソロっぽくて。石田様の特色はなんといってもこの前の曲のマスネみたいな 美しい高音なのですが、それプラス、骨太な低音部と言うのも聴きたいですね。

 アンコールはジョン・ウィリアムズの「シンドラーのリスト」が予定されていたらしいのですが、 石田様曰く中岡氏が譜面を忘れてきてしまって断念したのだとか。私の中でベスト・オブ石田様の小品の位置付けの 「シンドラーのリスト」が聴けなかったのはとても残念です。因みに変わりの曲は「リベルタンゴ」。 時折ズレたり遅れたりって言うのはまあ、御愛敬。リベルタンゴはそう言うのを気にしなくさせるパワーがある 曲だと思います。
 そして、更なるアンコールに応えもう一度情熱のヴァイオリンを。石田様はこの時「本当はシンドラーのリストを…」と 2度目のツッコミを入れ、会場を笑わせていました。石田様ったらオチャメさん★

 今日は久々に石田様の魅力だけで攻めたコンサートでした。CDの売れ行きも中々だった様です。こうして石田ファンがどんどん 増えていって欲しいなと思いました。
 それにしても、今日CDを買うと貰えたポストカード、欲しかったなぁ……orz







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