2006年演奏会日記2月

2月4日 ★神奈川フィルハーモニー管弦楽団第223回定期演奏会@MMH
2月5日 ★神奈川フィルハーモニー管弦楽団小田原名曲コンサート@小田原市民会館
2月9日 ★題名のない音楽会21公開録画@MMH
2月14日 ★Muza Winter Box 〜音楽の贈りもの〜No.2@MK



2006年2月4日
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第223回定期演奏会『永遠の安息』


場所:横浜みなとみらいホール
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:竹本節子
テノール:近藤政伸
バス:黒木純
合唱:神奈川フィル合唱団
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:モーツァルト
 アダージョとフーガ ハ短調K.546
 モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
 フリーメーソンのための葬送音楽 ハ短調K.477
 レクイエム(死者のためのミサ曲)ニ短調K.626

★1年近く練習してきた曲を歌う日が来ました。最後のほうの練習では本指揮のシュナイト先生が振りに来てくれました。この練習はとても密度の濃いもので、神奈川フィル合唱団に新しい方向性を示し、また大きく成長させてくれたと思います。
 さて、本日の演奏は1曲目には参加しない管楽器や合唱団も始めから舞台に乗っていると言うスタイル。これは舞台上を騒がせたくないシュナイト先生の意向で、こう言うスタイルになりました。舞台上待ちの人間には辛いですが、聴く方にとっては確かに良かったかも。

 「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は歌い手にとっては「何故?!」と思うほどに難しい跳躍の連続なのですが、それが更にp。ピアノってのはフォルテよりも数段難しいのです。多分優しいフォルテくらい難しい。しかも想いを込めて!と言うのですから……。もう殆ど祈る様な気持ちで歌っていました。何に祈っていたのかサッパリ解りませんが(苦笑)。

 メインのレクイエムはぴったり1時間と言う長い曲。有名な冒頭2曲は歌いながらホールが俗世とは切り離された空間である様な錯覚をおぼえました。不思議とそれまでに指導された事が自然に出来て、今までのリハやゲネプロの中でも一番良い演奏になったと思います。あれほど練習した事を出せる演奏会って言うのは奇跡的だったんじゃないかと。シュナイト先生が演奏者の120%を引き出せる指揮者・と言う事でしょうか。
 個人的に指揮者が全く!!全く!!見えなかったのが残念だった(と言うか不自由で仕方なかった)のですが、音楽に包まれた感覚では良い演奏だったのではないかなと思いました。

 そうだ!これを書いておかなくては。
 「Tuba Mirum」でのトロンボーンは素晴らしかった!!柔らかい音色で、キレも良く、感動の演奏でした。トロンボーンってあんな風に動けるんだ……中学時代トロンボーンを齧ったこともある私ですが、あんな風に素早い動きが出来るとは思っていませんでした。
 そう言えばこのレクイエムは全体的にトロンボーンに無理のある(笑)パートが割り当てられているように感じます。合唱もともすればもつれてしまいそうになるメリスマを綺麗に演奏して下さいましたね。
 この演奏で神奈川フィルの管楽器の質の高さも見れた気がしました。弦と管楽器のバランスが取れてきたかな〜と感じました。でも今日も弦は美しかった……。

 実は明日も小田原でこの曲を歌う事ができます。この機会をありがたく感じ、また更なる成長を目指して歌っていきたいと思います。










2006年2月5日
 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 


場所:小田原市民館
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:竹本節子
テノール:近藤政伸
バス:黒木純
合唱:神奈川フィル合唱団
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:モーツァルト
 アダージョとフーガ ハ短調K.546
 モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
 フリーメーソンのための葬送音楽 ハ短調K.477
 レクイエム(死者のためのミサ曲)ニ短調K.626

★レクイエム2日目。はっきり言って合唱団にはキツイ。前日の演奏で全力疾走してしまった感があったもので。

 しかし。しかしです。
 シュナイト先生は違いました。彼は前日のレクイエムの演奏に満足せず(と言うのも、彼はいつも上を目指すのです)、前日前半でスパークしすぎたのを反省して前半はちょっと押さえ気味で、レクイエムになった時の気迫は前日を上回っていました。
 第1曲と2曲を歌った所で歌いながら涙ぐんでしまいそうになりました。この時のシュナイト先生の表情はただ曲を振っていると言うのではなくて、祈る様に振っていたのだと思います。

 残念ながらキリエの後に拍手が入ってしまい、多少白けたのですが、それにしては中々のモチベーションのまま、演奏をする事ができました。正に『祈り』の演奏だったと思います。私は一日目を終えてちょっと気が抜けてしまっていたので、反省しました。お客さんは2日聴いている訳じゃなくて、前日のお客さんとは違うんだもんね。その人にとっての素晴らしい演奏をしないといけないなと思いました。反省反省。
 これからも精進しようと決意しました。










2006年2月9日
題名のない音楽会21
 公開録画 


場所:みなとみらいホール
司会:羽田健太郎 大木優紀
第1部:「天使の涙!イギリス美少年3人組」(放送日:3月19日)
ピアノ:アリス=紗良・オット
ボーイソプラノ:クワイヤー ボーイズ
フルート:yumi
第2部:「海を渡ったSAKURA〜Ryuとスーザンが歌う日本の心」(放送日:3月26日)
ヴォーカル:Ryu
 スーザン・オズボーン

★恒例の題名のない音楽会21の公開録画である。もう、館風これを当てるのに必死ね。それなのにみなとみらいには18時45分にしか到着できない罠。18時35分までに席に着いて下さいとある。無理。

 そんな館風ですが、3階席で無事聴く事ができました。特に「天使の涙」のクワイヤー ボーイズは素晴らしい歌声。伸びも良く染み渡るような美しい歌声がイイ!
 そんでもってトークもかなり面白く、おこちゃまな感じと、大人びている所とが混在していて、あぁ、11歳と12歳の少年なんだなーって思いました。って、12歳ってまだ小学生じゃないですか!!・・・あんなに歌が上手いって反則だなぁ。。。

 後半は「冬のソナタ」のテーマでブレイクしたRyu氏が登場。隣のお姉さんが双眼鏡でものっそい見てました。……ファンなんだね。。。(笑)。うんうん、その気持ち、解るよ。。。
 Ryu氏とスーザン嬢はそれぞれ日本民謡を歌ってきていると言うことで、持ち歌の『日本民謡』を披露。スーザン嬢は日本語の他に、英語バージョンも歌ったりして、なんと言うか「日本民謡なのに日本民謡っぽくない」のである。それが凄く面白かったし、自分と日本民謡の繋がりの話なども出た。是非本放送を楽しんで欲しい。










2006年2月14日 MUZA Winter Box
 〜音楽の贈りもの〜
 No.2 大人のバレンタインコンサート
―リチャード・ロジャーズとアストル・ピアソラの出逢い―


場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
出演
佐山雅弘トリオ M's
 ピアノ:佐山雅弘
 ベース:小井政都志
 ドラムス:大坂昌彦
  トリオ・リベルタ
 ヴァイオリン:石田泰尚
 サックス:松原孝政
 ピアノ:中岡太志
曲目
〜オープニング〜 ピアソラ/来るべきもの
 第1部 アストル・ピアソラの世界【トリオ・リベルタ】
 アディオス・ノニーノ
 ブエノスアイレスの冬
 ブエノスアイレスの春
 悪魔のロマンス
 鮫
 リベルタンゴ
アンコール:ミロンガ・ピカレスク
 第2部 リチャード・ロジャーズの世界【佐山雅弘トリオM's】
 時さえ忘れて
 リトル・ガール・ブルー
 恋に恋して
 春のごとく
 マイ・ファニー・バレンタイン(M's&石田泰尚)
 私のお気に入り(M's&トリオ・リベルタ)
アンコール
 ピアソラ/ブエノスアイレス午前零時

★仕事で行けないかも……と凹んでチケットを手放した物の、当日行って当日券を買いました。結構当日券が出ていたのでちょっと残念。結構良い席で聴けたのですけれど、そうか……まだミューザをいっぱいにはできないか……と思ってしまいました。

 ミューザのこの企画、タンゴのトリオ・リベルタとジャズの佐山雅弘トリオM'sのコラボレートが目玉。オープニングと称し、佐山氏のピアノと石田様のヴァイオリンでピアソラの「来(きた)るべきもの」。ピアノが違うとこうも演奏が違うのかと言う印象。

 本編は若手のトリオ・リベルタが先に演奏。ピアノソロが美しいアディオス・ノニーノからなのだが、中岡氏、ちょっと調子悪い模様。うーん。
 それにしても石田様の演奏はいつも丁寧で、弾き散らすと言う事がない。どんなに速い曲でもそれは変わらない。だからしっとりとした所からアップテンポの曲調に移っても軽くならないし、むしろ凄みをもって迫ってくる。

 ブエノスアイレスの冬は四季シリーズでは1番好きなので、演奏してくれて嬉しい。この冬が春になる劇的なのに自然な変化、なんと言おうか、なるべくして春になるみたいな、そう言う音がするのが好きだ。何よりヴァイオリンが美しいのが良い。

 今日のプログラムはピアソラを初めて聴くと言う人にも入りやすい派手な曲目が大目(と言うよりもオープニングがしっとりしていたからかな?)でかなり興奮してしまいました。

 後半は佐山雅弘トリオM'sでリチャード・ロジャーズの世界。
 ジャズはよくわからないのだが、このスイング感がたまらなく気持ち良い。なんとなく聴いた事があるかもと言う曲が多いのだが、見事なアレンジ&アドリブの為に既に元曲が解らないことのほうが多かった様に思う(笑)。
 一曲一曲がかなり長く、その中で変化を楽しむ音楽だった。クラシックで言うならなんとなく変奏曲っぽい面白みがある。

 マイ・ファニー・バレンタインでは我らが石田様も参加。お客様状態での演奏かと思いきや、案外ガッツリ絡んでいくではありませんか。アグレッシブな石田様は演奏を聴いていてかなり面白いです。どうも石田様の超絶技巧パートは佐山氏が昔録音したピアノ演奏を譜面にしてヴァイオリン用にアレンジしたものなのだとか。佐山氏は譜面になっていたら弾けない事も、アドリブだと弾けるとの事。逆に石田様たちトリオ・リベルタはアドリブよりも譜面になっていた方が得意なのだとか。流石にジャズマンはアドリブが得意なんですね。面白いなあ。

 アンコールの「ブエノスアイレス午前零時」では、全員参加での演奏で、これがまた面白い。午前零時、人気の無い街角で風が吹く様子等が眼に見えるようでした。特に佐山氏が楽譜をガサガサと音をさせたのには感動。街角を捨てられた新聞などが散っていく様子がありありと目に浮かぶ演出。割と驚いた人も居たみたいだけれど、ああ言う演出、私は大好きです。
 やはり、ピアノ2台にヴァイオリン、ベース、サックス、ドラムスでの演奏と言うだけあって、音が厚くてとてもカッコイイ!!今回のピアノソロは佐山氏だったのですが、このピアノソロがめちゃめちゃカッコイイ。流石ジャズ畑!
 佐山氏にはかなり楽しませて頂きました。トークも面白いし、もっと狭いジャズバーみたいな所で聴いたらもっと面白いんじゃないかなぁ・と思いました。ミューザにも小ホールがあったらよかったのに。個人的にはミューザはよく響くホールなのでどの楽器もマイクは要らなかったんじゃないかなぁと思いました。
 またいつか、こう言うコラボレーション企画があったら面白いな・と思いました。







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