2005年演奏会日記11月

11月3日 ★第54回神奈川文化賞・スポーツ賞贈呈式・祝賀音楽会@KH
11月23日 神奈川フィル第220回定期演奏会@KH




2005年11月3日 第54回神奈川文化賞・スポーツ賞
贈呈式・祝賀音楽会

場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
バリトン:宮本益光
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:レハール/ワルツ「金と銀」作品79
レハール/喜歌劇「メリー・ウィドウ」より「ダニロ登場の歌」
モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲
 「フィガロの結婚」より「勝ちと決まっただと」
モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲
 「魔笛」より「おいらは鳥刺し」
ビゼー/歌劇「カルメン」より「前奏曲」
 「第一幕への前奏曲」
 「アラゴネーズ」
 「闘牛士の歌」
アンコール
武満徹/小さな空

★今年もこの文化賞・スポーツ賞の祝賀音楽会がやってきました。本日のゲストは今一番光る(と勝手に館風が思っている)バリトン、宮本益光氏。
 オペラの日本語訳を手がけるだけあって、1曲目の「ダニロ登場の歌」はなんと日本語で披露。また、「魔笛」の「鳥刺し」では頭に鳥の羽を付けて登場し、可愛らしい笛を披露して下さいました。歌詞に合わせるように(ドイツ語だから殆どの人が分からないはずなのに!!)体を大きく動かし、とても表現力豊か。しかもそれなのに音が全くブレない。どう言うバランス感覚なのでしょうか。素晴らしい声の安定でした。そう言えば、あんなに上半身が動いていたにも関わらず、下半身は全く動いていなかったと思います。凄い。
 アンコールの「小さな空」ではハーモニカを披露。なんて才能豊かな人・・・!!しかもトークも面白いし・・・!!

 我らが石田様は今日もノリノリ。もう、暴れたくて仕方が無い・と言う様な演奏。現田氏がソリストを慮ってオケを押さえる物だから、石田様は音量は上げずに弾きっぷりだけがどんどん派手になっていく(笑)。アラゴネーズとかめちゃめちゃ面白かったです(<何か間違っている)

 2400人のホールは満杯でした。宮本氏も言っているように、普段の演奏会にもこれくらい来てくれればなぁ……。




2005年11月23日 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第220回 定期演奏会
 『名手たちの饗宴』

場所:神奈川県民ホール
指揮:篠崎靖男
ピアノ:横山 幸雄
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ゲスト・コンサートマスター:松野弘明
曲目
シューベルト/劇音楽「ロザムンデ」序曲 作品26
ブラームス/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83
バルトーク/管弦楽のための協奏曲

★今日の定期演奏会は大入り満員。指揮者を見に来たのかピアニストを見に来たのか……ピアニストかな。両脇のお姉さんたちはピアコンになると目がキラキラしてました(笑)。しかも前の人はピアコン終わったら帰っちゃったし。それはオケマンが可哀想だからやめてあげて!とこっそり叫んでみたりとか。でも今日姿を見ない石田ファンのお姉さんとか居たしね。どっから降り番情報つかんだか知らないけどそれはどうよ。神奈フィルが盛り上がらないと石田様もここに居てはくれないんじゃないの・とか。彼女がここを見ていないのを良い事に書いてみたり。どっちにしてもオケファンにしてみれば寂しい。

 本日の指揮は篠崎氏。かなり体をダイナミックに動かす指揮で、目に楽しい。曲が止ると動きもピタリと止るので、ロックンフラワーみたいだと友人は言っておりました。なるほど。
 1曲目は冒頭の重々しい短調と後半の伸びやかなアレグロの対比が面白い。キビキビした演奏で、キレが良く、金管の冴えが良い。今日の神奈川フィルは調子が良い。

 2曲目のピアノコンチェルトは、出だしのホルンがノーミスだったのには感動。素晴らしいメロディのリレーになった。
 横山氏のピアノは音が華やかで爽やか。だけれど軽いわけではなく、色々な雰囲気を内包する懐の深い演奏でした。月並みな言い方で申し訳ないですがカッコイイ音です。がつがつせず、スマートで洗練されている感じと言えばよいでしょうか。
 第3楽章はチェロ・山本氏のソロから。相変わらずシブイ音だ!!!木管楽器群のメロディリレーもナチュラルでよいし、トリのピアノがその流れを汲んでしっとり入るのが良いです。しかも段々と雰囲気を変えて行く過程が面白い。
 約50分と言う長い曲ですが、色々な要素がちりばめられていて、楽しめました。

 そしてメイン……??(笑)のバルトーク。1943年と言うと、もう現代ですね。たくさんの美しいメロディはあるものの、時折現代音楽っぽい部分も見せつつ変容して行くのでなんだかとても不思議な感じ。色んな楽器が活躍するのでこれは全体を俯瞰しながら聴くのがほんとうかも(<前の方で聴いたせいで何が鳴っているのか解らなかった時がある人)。
 ハープが2台あって、時折面白い使われ方をしているのが聴こえた。また、今日は本当に金管の調子が良い。1楽章の、息が止ったかの様な終わり方も鮮烈だった。
 5楽章まであるが、この5楽章がまたエネルギッシュでカッコイイフィナーレ。最後へ向かう金管楽器の高まりは素晴らしかった。

 本日の演奏は金管の素晴らしさが際立った演奏だった。弦楽器の音はどんどん深みを増し、プルの表と裏で別れて演奏するシーンなどもあったが、その際の連携も良かった。段々とオケの基礎レヴェルが上がっているのを感じる。
 最近の神奈川フィルはちょっと一地方オケと言ってしまうのは軽率なんじゃないかと思うくらいの『凄み』がある。神奈川フィルをここ数年見守ってきたファンとしてかなり嬉しいです。




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