★この合唱団は、ハンガリーはニーレジハ―ザ(トカイワインで有名なトカイの隣くらいにある)市のコダーイ音楽小学校の
直属合唱団「カンテムス少年少女合唱団」の卒業生で作られた合唱団。ハンガリー系の合唱団の特徴としては
奇跡の様に美しいピッチと和音、ノンビブラートの清潔な音は合唱をやっている人間にとっては感動ものだ。
先日、この合唱団の音楽批評が朝日新聞に載っていたのだが、それがベタ誉めでどうしようかと思っていたのだが、いや、
もう、ベタ誉めでしょう。これは。凄いです。清潔感のある美しい和音がピチリと嵌る瞬間は感動的。
女声しか居ないにも関わらず倍音が鳴るし、もしかしたら下音も鳴ってたかも。意識して聴かなかったから良くわからないけれど。
その記事では「清潔すぎて音圧が感じられない」とあったのですが、私の座っていた席の真正面にバルバラ嬢(今回来日している中で一番上手いんじゃないかなー)が
居たせいか、音が直に飛んできて凄い音圧でした。
特に音圧を感じたのは日本初演のコチャールの「レクイエム」。これは昨年三月に亡くなった、この合唱団を日本へ紹介した後藤田純生氏を偲んで作曲された曲。
合唱団も彼を思って歌っているのか、とても音が密になった演奏だったと思います。
久々に綺麗な音程の合唱を聴いて耳が洗われました。歓迎演奏の合唱団もそれぞれ結構上手かったし。
でも30分って話だったのに、1時間はあった気がするのだけれど……(<気のせいじゃないから)。それがちょっと
長かったかなーってくらい。でもこの歓迎演奏でお客さん引っ張ってるんだから仕方ないかぁ……。
場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:下野竜也
管弦楽:札幌交響楽団
曲目:ベートーヴェン/交響曲第5番ハ短調「運命」
エロール/歌劇「ザンパ」序曲
フォーレ/シシリエンヌ
マスネ/タイスの瞑想曲
オッフェンバック/喜歌劇「天国と地獄」序曲
アンコール:バッハ/Air
★文化庁の本物の舞台芸術体験事業。そう、小学生とその親を対象とした演奏会である。それなのに
いい歳した館風が何故行っているのか。大逆転、小学生の弟を持つ後輩が行けなくなったとチケットをくれたのである。
札響は聴いた事が無かったし、注目の石川祐支氏が居るし!是非聴いてみたい、と言う事で行ってきました。
今日の館風の座席はかなり高い位置で、なんと目の前が反響板。むむむ、と思っていたら案の定、反響板の下側で音が回るのが見える様でした。
うう。こっちまで音が飛んでこない。。。このホールでこんな高い位置で聴いたのは初めて(4階C)だったのでちょっとびっくりしました。
石川氏も凄く遠いし!!オペラグラスを持っていって正解でした。
いきなりベートーヴェンの第5番をズドンとやって小学生へのインパクトは充分。後半はバラエティ豊かな作品をフランス物で4曲。
シシリエンヌのしっとりとした雰囲気など、とても素敵でした。でもシシリエンヌとタイスはしっとり美しすぎて子どもたちは夢の世界へ……(笑)。
タイスのソロはコンマスの菅野まゆみ嬢。チェロの石川氏もソロがありましたね。うーん、音が渋い。こんなに音が素敵だと石川氏もファンが多そうだ。
真ん中にあった「指揮者体験コーナ」が最高に面白かったのが印象的。曲目はビゼーのカルメンから。
一番始めに見本と称してコントラバス首席の助川龍氏が指揮をしたのですけれど、これがめちゃめちゃ面白い。もう、やりたい放題、拍が合わなかろうが何だろうが完全に無視!!
でも曲想をつけることだけはオーバなくらいにやって、大事な所だけは押さえているなぁ。と大笑いしながら拝見させて頂きました。
石川氏も助川氏の指揮に大笑いしていました。おぉ、なかなかチャーミングな笑顔です。Beeは笑顔が素敵な3人のトリオなんですね!!
そして、子どもによる指揮も、個性的で面白いなぁ、と思いました。先入観が無いからですかね。しかも、オケもきっちり指揮者に合わせていて、遅くなったらちゃんと遅く、
指揮が小さくなったらちゃんと小さく弾いているのです。オケの皆様が一番凄かった気がします。。。
でも、本当に申し訳ないのですが一番素敵だったのはアンコールのAir。通称G線上のアリア。これは本当に美しく、感動しました。これだけでも
今日聴きに来た甲斐があったかな・と言う感じ。
東京に居ながらにして地方オケの演奏が聴けるのですから、東京って凄い街かも。いや、今日行ったのは川崎だけど(笑)。
いろんな都市で良い音楽をいつでも聴けるようになればベストですけれど、そう言う事って、難しいのかもしれませんね。
こうやってオケを呼んできたりしないといけないんだもんなぁ。。。自分の幸運に感謝して。。。
2005年7月19日 ブルーアイランド氏の
おしゃべりコンサート
場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮・お話:青島広志
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ゲスト・コンサートマスタ:松野弘明
曲目:第1部 特選!いま聴きたいクラシック
リヒャルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはこう語った」
ホルスト「惑星」より「ジュピター」
ラフマニノフ「ヴォカリーズ」
モーツァルト「アイネクライネ・ナハトムジーク」より第一楽章
パッヘルベル「カノン」
ストラヴィンスキー/バレエ音楽「火の鳥」より「カスチェイの踊り」、「フィナーレ」
第2部
エルガー「威風堂々」行進曲
エルガー「愛の挨拶」
チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」より「花のワルツ」、「こんぺい糖の踊り」
ハイドン「さよならシンフォニー」(交響曲45番「告別」より第4楽章)
ラヴェル「ボレロ」
アンコール
オッフェンバック/喜歌劇「天国と地獄」序曲
★毎年質の高い子ども向けコンサートをやってくれるこのシリーズ。
普段のコンサートではなかなか聴けないスタンダードな曲をやってくれるので大人のファンでも楽しめる。
この日のミューザは満席。お子さんを連れて来易い環境だからでしょうか。たくさんの子どもたちが演奏を楽しんでいました。
青島氏のトークはいつもながら絶好調。前回のトークが早口で聴きにくかったとのことでこんかいはちょっとゆっくりめにしゃべって下さいました。
曲中のソロ奏者の名前を全員きっちり紹介したり、かなり好感度が高いです。ちょっと毒っぽい所もあったりして、かなり楽しめました。
曲目は誰でも一度は聴いた事がある様なスタンダードな有名曲なので馴染みやすい。しかも、演奏前に聴き所を解説して下さるので今まで
聞き流していたような部分もしっかり聴けるので新たな発見があったりして面白い。オケもここを聴いて欲しい!と言う所を強調するような
演奏で、かなりメリハリが効いていたと思う。
特に前半最後の「火の鳥」では、カスチェイの踊りからフィナーレへ移り変わった部分のホルンがとても美しく、感動的でした。
王女が目覚めるシーンを再現しているそうで、前半とのギャップがとても良かったです。
今回は私の大好きな「こんぺい糖の踊り」もあって、楽しかったです。青島氏がチェレスタを演奏し、弾き振りでした。
個人的には青島氏のピアノが聴きたかったのでソロはこれしかなくて残念。青島氏ってピアノ上手いのになぁ。。。勿体無いなぁ。
また、ハイドンのさよならシンフォニーも聴けて良かったです。今年3月の倉敷でこの曲を元にした曲を聴いたのですが、
もともとの曲を知らなかったのでちょっと中途半端な感じになっていました。本当に弾いている最中に問答無用で出て行ってしまうと言うのが驚きでした。
演奏者が出て行ってしまうなんて、現代音楽ですよね(笑)。
そしてメインのボレロ。この曲はメロディラインを様々な楽器でリレーするので、私みたいに1階席で聴いたら勿体無い曲ですね。
俯瞰して聴きたい曲ナンバーワンでしょう。その点ではミューザは1階席が少ないので結構良いかも。
今回も子ども向けと言いつつハイクオリティのコンサートで、神奈川フィルの次世代にかける想いが伝わってきました。
いつもの定期演奏会も好きですけれど、こう言うコンサートも続けて欲しいコンサートです。