場所:パルテノン多摩
指揮:諸遊耕史
司会:青島広志
ヴァイオリン:石田泰尚
管弦楽:多摩ユースオーケストラ
曲目:モーツァルト
歌劇「フィガロの結婚」序曲K492
ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲
第1番ト短調 Op.26
ムソルグスキー/展覧会の絵(ラヴェル編曲)
アンコール
ラデツキー行進曲
★石田様が過去2回出演された事のある多摩ユースと再び共演。館風は多摩ユースとの共演を聴くのも初めてなら
多摩ユースの演奏を聴くのも初めて。若い、それも小学生から居るオーケストラを聴くのは神奈フィルのワークショップコンサート
以来で、日常的に訓練を積んでいる子ども達の演奏と言うのは殆ど初めてなので、少し楽しみだった。
オーケストラは左右に1stヴァイオリン、2ndヴァイオリンが来る対向配置。左奥にコントラバスが居ました。この配置だと
ステレオ効果っぽく音楽が聞こえるんですよね。
1曲目の「フィガロの結婚」序曲は聴くからに合わせるのが難しそうな曲。普段はプロオケの演奏でしか聴いた事が無いので
ユースと言うだけでドキドキしてしまいました。だって!「大丈夫?忘れ物は無い?」とかお母さんに毎朝言われてそうな子どもも
混じってるんですよ!!パイプ椅子が高すぎて地面に足が着いてないんですよ!そんな子たちが(勿論、割合大人の人もいましたが)
演奏するって言うんです。ついつい心配に(笑)。しかし、そんな心配は無用でした。
演奏が始まってみればキリっとした表情で譜面に向かう子どもたち。時折キラリと光る音がしたりして、思いのほか楽しませてくれました。
始めの蠢く弦楽器の後、鳴り響くホルンですが、1回目は失敗したものの、2回目は素晴らしく柔らかく膨らんだ音が出て、ちょっと感動しました。
他にもヴァイオリンのユニゾン等、安心して聴ける要素がたくさんありました。
1曲目の後に司会の青島氏が登場。いつも通りの軽妙なトークで会場の心を鷲掴み★タイトルに管弦楽入門とあるだけあって、
楽器に関する解説や、曲目に関する解説など、その曲を初めて聴く人でも楽しめるような解説になっていました。
青島氏はコンサートの構成にまで言及していて「2曲目はソリストを連れてきて協奏曲をやるのが普通です。」と紹介した後、
「これからカッコイイお兄さんが出てきます」と石田様を紹介。い……や、その紹介はどうよ。間違ってないけど(笑)。
ティンパニの静かな鳴動の後、管楽器が少しメロディを吹き鳴らす物の、すぐにヴァイオリンの完全なるソロに。
この部分の音がとても丁寧に奏でられていて、とても落ち着く音色でした。重音も美しく、するりとメロディが入り込んでくる感じ。
なんと言うか、音が多いのに全てが綺麗に整理されていて、すっきりと体に入ってくるのです。オケと一緒に演奏する部分も
ソロとオケが馴染んでいるのに何故かソロだけ際立って聴こえて来て、とても不思議な感覚を味わいました。石田様の音が大きい、と言うのも有ると思うのですが、
石田様が音量を落とした部分でも同じ現象が起こっていたのでひとえに音量のせいだけとは言えないと思います。やはりこれは正確無比なピッチとか、音の魅力などと言うものが関連して
くるのでしょうか。
石田様が演奏している部分と言うのはどうしても石田様の音にばかり耳が行ってしまうのですが、石田様が待機の部分では
オケも中々健闘しているのが聴いて取れました。特に第3楽章は活き活きとしていて、「あぁ、この楽章が特に好きなのだな」と伝わってきました。
本日の石田様の演奏スタイルはいつもよりも観客の見る目を意識したスタイルだったと思うのですが、その一方で、端整なスタイルであったとも思います。
思い切り派手な部分はヴァイオリンを担いだり、沈み込んだりと言う派手なパフォーマンスがあるのですが、それ以外の部分は割合仁王立ちでどっしりと構えたスタイル。
あくまで私見ですが、これはもしかしたら、ユースの子ども達に綺麗なお手本を見せようと思ったのかもしれません。石田様みたいにパフォーマンスが出来るのは
あくまで基礎がきちんと出来てから・ですからね。
さて、後半は青島氏の解説を挟みながらの「展覧会の絵」。この演奏、先日神奈川フィルで聴いたばかりなので館風の耳はちょっと厳しくなっていました。
しかし、プログラムノートの丁寧な解説や、青島氏の面白トーク等で、全く違った角度で演奏を楽しむ事が出来ました。
また、一番始めのプロムナードで重要な役割を担うトランペットも、ユースとは思えない堂々とした演奏で、トランペット担当の彼女に拍手を送りたいと思いました。
他にも様々なパートの魅せ場や難しいところ等を青島氏が演奏者の名前入りで解説してくださったので、「この」演奏を楽しめました。
最後の曲に向かうに連れて、段々とボルテージを上げていくオケに好感が持てました。しかし、ちょっと盛り上がりすぎて金管楽器とドラが暴走気味になってしまい、
弦楽器の陰が薄くなってしまったのが残念。弦楽器も同じくらいテンションを上げて欲しかったな〜。ただ、どこのパートが上手いかと言われれば弦楽器だったのだが……。
しかし、本日の演奏で最も上手かったのは「ラデツキー行進曲」。おそらくこれはスタンダードナンバの一つになっているのでしょう、音が全く違います。
均整の取れたバランス、艶のある音、聴いていてプロオケと全く遜色有りません。とても活き活きしていて、頑張っているのだなと嬉しくなりました。
これからもこう言った素晴らしい活動を続けていって欲しいですね。
2005年5月5日 TOKYO CANTAT 2005
10th Anniversary
クロージング・コンサート
場所:すみだトリフォニーホール
指揮:カール・ホグセット
エルヴィン・オルトナー
エドワード・ウィッカム
合唱:Tokyo Cantat 2005 カレッジ・クワイア【公募】
女声アンサンブルJuri
女声合唱団彩
はるか
合唱団まるめろ
合唱団響
Tokyo Cantat 2005 合唱団【公募】
合唱団ゆうか
Music Tree Vocal Ensemble【公募】
曲目:
パンフレット未購入の為詳細は分からず。
★高校の先輩が出演する(オマケにチケットをくれる!!)と言うので行ってきました。
そして昨年もご招待されてしまった気が……毎年毎年ありがとうございます(感謝)。
そんな訳でビラすら持たない館風。曲目は全体的に現代の作曲家の曲ばかり。現代音楽バリバリのありーの、
綺麗なはもりありーのの素敵な曲が多い。えーと、ホント、ごめんなさい。
そして、館風、最悪な事に遅刻。そんな訳で1団体目、聴けて居ません。一応先輩が出るところは聴けたのでセーフ(って事にしてよ)。
私が見たのは2団体目の真っ黒な衣裳で登場の混声合唱から。気持ち良くなるような曲で、ちょっと夢の世界へ……(<遅刻した挙句にそれか)。
3団体目の合唱団響はマルタンの2群の合唱の為のミサを。合唱団響は歌う曲を私が知っている事もあってとても楽しみでした。
指揮者が違うとここまで曲が変わるのだなぁ・と思い知らされました。割合あっさりとした味付けで、指揮のオルトナー氏や普段指揮を振っている栗山文昭氏の
趣味が垣間見えたように感じました。
休憩を挟んで四団体目は女声合唱団。この合唱団が一番初めに歌った[アベ・レジーナ・チェロゥム」が
とても良い曲で、面白かったです。作曲は……外国人だったとしか……(汗)。
この曲はとても可愛らしくて、面白くて、ノリも良いし、女声合唱として成功している曲だと思いました。歌ってみたいとすら思いました。多分これは演奏が上手かったって言うのもあるんでしょうね。
続いての合唱団ゆうかは館風などでは名前すら聞いた事のない外国人作曲家の曲をいくつか。ダントツに難しく、ダントツに上手い!
一番始めの「マニュフィカト」などは「は?」と一瞬あっけに取られる様な構成の曲なのにも関わらず、あまりに上手いのでそれを疑問に
思わない(笑)。しかも、合唱団からソリストが出ていて、人数が少なめのゆうかは殆ど1人1パートなのではないかと思うほどでした。
それでみんなあんなにきっちり歌えているのですから、一人ひとりのレヴェルがとても高い事が窺い知れます。
最後は公募の混声合唱団で。150人超の合唱団が舞台に乗るともうこれは壮観としか言い様がありません。この合唱団はいつから練習していたのかよく
知りませんが、この人数でまとまりのある演奏を聴かせると言うのはとても難しいことだと思います。
因みに演奏曲目はブラームスの「祝辞と格言 Op.109」(多分)。
この合唱祭、今年が10周年だった様で、クロージングのインタビューで招聘指揮者の方々が揃ってお誕生日おめでとうと
お祝いしていました。即興で歌いだした「ハッピーバースデー」に合同合唱団が勝手にハモリを付ける場面も。
こんなに愛されているイベントと言うのは珍しいかもしれません。これからも合唱が広く深く広まるように続けていって欲しいですね。