場所:伝心寺
出演:YAMATO弦楽四重奏団
1stヴァイオリン:石田泰尚
2ndヴァイオリン:執行恒宏
ヴィオラ:榎戸崇浩
チェロ:阪田宏彰
曲目:ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲「四季」より、「春」ホ長調作品8-1
モーツァルト/弦楽四重奏曲第14番ト長調K,387「春」
ペーター・ハイドリッヒ/「ハッピー・バースディ」変奏曲
1.主題 2.ハイドン風 3.モーツァルト風 4.ベートーヴェン風
5.ブラームス風 6.シューマン風 7.ドヴォルザーク風
8.ポルカ 9.ワルツ 10.映画音楽のスタイルによる変奏 11.ラグタイム
12.タンゴ 13.チャールダーシュ
ボロディン/弦楽四重奏曲第2番ニ長調
アンコール
山田耕筰/からたちの花
日本民謡(幸松肇編曲)/ソーラン節
★本日の演奏会は金沢区の「響」実行委員会が主催するシリーズ「響」の第73回。
格安で素晴らしい演奏を聴けるなんて、金沢区民が羨ましい。
今日の演奏会は浜野氏が降り番で、石田様が1stに座り、2ndに執行恒宏氏が。執行氏は演奏中
時折「にま」と笑ったりしてどうやらひょうきんな人みたい。
1曲目のヴィヴァルディは「春」。どうも切羽詰ったみたいな「冬」が好きな私ですが、「春」の
ぽわ〜んと明るい1楽章と、ちょっと暗い3楽章とのギャップも面白いな・と思いました。聴きなれた
曲ですが、弦楽四重奏のバージョンで聴くとそれぞれのパートがソロみたいでとても面白かったです。
石田様のソロはやっぱり華があって良いですね〜。音が見えるなら輝いていると思う。
2曲目のモーツァルトは「春」繋がりの選曲。第一楽章もちょっと聴くと「あぁ、モーツァルトだなぁ。」
と言う音がしていて嬉しくなりました。4パートそれぞれが独立して表現をし、呼応しているので、アンサンブル好き
にはたまらなく面白い。
本日のMCは阪田様で、阪田様の人柄が出ていた素敵なMCでした。
後半の始めに、「ハッピー・バースディ」変奏曲にちなんだMCがあって、「今日が誕生日、もしくは誕生日が近い人は居ますか?」
と仰ったので館風は意気揚揚と手を上げました。いや、誕生日おとといだったもので(笑)。しかし、後ろの椅子席に座っていた
家人はMCがよく聞こえていなかったらしく「何で手を上げてるのかしら」と思ったらしい(涙)。
そしてその「ハッピー・バースディ」変奏曲。あの御馴染みのメロディが様々な作曲家風に編曲されていてとても面白い。
確かにハイドンが書いたらこんな風になるかも!みたいな編曲になっていて、演奏者も楽しんで演奏していたように見えました。
私が気に入ったのはベートーヴェン風やポルカ。後半の音楽の形式にのっとった編曲は殆どギャグみたいなノリで、
会場にも少し笑いが広がって、とってもいい雰囲気。執行氏のしてやったりと言った笑顔が印象的でした。
タンゴの部分では阪田様と石田様の本領発揮!なんか急に活き活きとした音になった気がしたのですが、気のせい??(笑)
しかも音に遊びの色をつけたりして、タンゴの部分だけとても色っぽいハッピーバースディでした。うーん、素敵。
最後の「チャールダーシュ」はチャールダーシュに乗っ取った・と言いたいところですが、明らかにモンティのチャールダーシュが
下敷になっている。私、こんなに左手が動かないチャールダーシュを初めて見ました(笑)。
今回はもう自分の為に弾いてくれていると思い込む事にしました。YAMATOの皆さん有り難う!プログラムに薦めてくれた
幸松氏も有り難う!
そしてボロディンのS.Q.の2番!これは2002年の1月に私が初めてYAMATOを聴いた時のプログラム。
とても印象的で、好きだったので演奏会の後に何度も聴き返しました。おかげで今日の演奏は予習がバッチリ☆
やっぱり曲がどんな風に動くのかを知っていると演奏が何倍も楽しいですね!しかもYAMATOの演奏は盛り上がって欲しい所で思っていたよりも
素敵なカタチで盛り上げてくれるのでかなり気持ちいい。うん、どんな感じ、と言うのが上手く表現できないのだけれど、
気持ち良い、と言うのはかなり近い気がする。そう言う演奏でした。
1楽章は懐かしい風景を眺めるような、そんな爽やかなメロディから始まって、それぞれのパートの
絡みが重層的になって懐かしいイメージに。石田様の高音も美しいし、正に至福の時・・・!!
それぞれのパートの表情がとても豊かで、2楽章の可愛らしい感じや、3楽章ののんびりした感じに、それだけではない表情が
付いていたと感じました。ピチカートはキツくなりすぎず、柔らかい音で、メロディに華を添えていました。
時折榎戸氏のヴィオラがおいしいメロディを持っていったり、阪田様のチェロの低音にシビれたり、アンサンブルならではの
聴き所が満載で嬉しかったです。これを余す所無く聴かせてくれるのはやっぱりYAMATOだけ!
アンコールは山田耕筰のからたちの花と、御馴染み幸松氏編曲の「ソーラン節」。この
ソーラン節、何度聴いても良いなぁ。全ての超絶技巧を突っ込みました!みたいな曲なのにイヤらしさを全然感じない(弾いている方は
大変かもしれないけれど)。聴いているだけでわくわくしてしまいます。
だから、早くこの曲を含めた幸松氏編曲の曲集の全曲演奏を!!YAMATOの演奏で聴きたいんです!
この演奏会、休憩時間には別室にお茶とチョコレートが用意されていたり、暑いだろうからと団扇が用意されていたり、
アットホームな雰囲気でとても良かったです。しかも、普段のYAMATOでは無いような現代曲(笑)も聴けましたし。
今から次のYAMATOの演奏会が楽しみです!期待してますよ!