2005年演奏会日記1月

1月27日 ★湘南信金NEW YEAR CONCERT@湘南しんきんホール
1月29日 ★神奈川フィル第213回定期演奏会@KH
 



2005年1月27日 18th New Year Concert 2005


場所:湘南しんきん ホールくりはま
1stヴァイオリン:石田泰尚
2ndヴァイオリン:田島朗子
ヴィオラ:金谷理絵
チェロ:蒲谷克典
司会:秋山雅子
第1部:
ミュージカル 「CATS」より「メモリー」
映画 ニューシネマパラダイスより「トトとアルフレード」
映画 追憶のテーマ
映画 ピノキオ より「星に願いを」
グレンミラー/ムーンライトセレナーデ
ロドリゲス/ラ・クンパルシータ
日本民謡から
「会津磐梯山」「おてもやん」「ソーラン節」
第2部:
日本の名曲から
「ふるさと」「浜辺の歌」「赤とんぼ」「花」
クライスラー
「愛の悲しみ」「愛の喜び」「美しきロスマリン」
モンティ/チャールダーシュ
アンコール
 川の流れのように
 ソーラン節

★本日のコンサートは湘南信金プレゼンツ!倍率10倍の応募だったらしい。石田様大好きの理事長のお陰で毎年石田様をメインとしたアンサンブルを聞く事ができるのである。理事長に感謝★

 第1部は映画音楽を中心に。初っ端の「メモリー」はコンサートの頭だったからか、アンサンブルに若干の違和感があったものの、すぐに馴染んでいった。モリコーネの「ニューシネマパラダイス」では伴奏のチェロとヴィオラに石田様が身体を揺する場面もありました。
 「星に願いを」は独創的な前奏で、技巧的なものも織り込んであって、聴きなれたものと違うのが面白かった。勿論あのメロディは石田様の音なので美しくないはずが有りません。
 前半に石田様が一番楽しそうに演奏していたのは「ムーンライトセレナーデ」。始終笑顔で、聴いているこちらも楽しくなりました。

 しかし、第1部で一番素晴らしかったのはラスト三つの日本民謡。最後の「ソーラン節」はYAMATO S.Q.の演奏で聴いた事がある編曲でした(おそらくこの3曲ともYAMATOのレパートリーだと思われる)。編曲者は幸松肇氏。

 「会津磐梯山」も「おてもやん」もとにかくgood。「会津〜」は予想通りの訳の分からない(褒めてます)現代曲チックな編曲で、聴いていて笑い出したくなっちゃうくらいわくわくして面白い(館風は興奮すると笑ってしまうのです)。石田様のソロ部分もかけあい部分もとにかく音のキレが良くてカッコ良かったです。また、キレが良いだけではなく、わざと崩したりして音に色気があるんですよねぇ。こう言う演奏はきっと日本人にしかできないんだろうなぁ。

 また、2曲目の「おてもやん」は一転全員が弓を置いてのピチカートによる曲。何故に石田様はピチカートにも関わらず音に色気があるのか!!ピチカートって弾(ハジ)いているだけではないのですねぇ〜。
 具体的に言えばわざと少しだけ音程をズラしていると言う事なのですけれど、一歩間違えればイヤらしく聴こえてしまうだけに、そのギリギリのラインを狙ってくるセンスには感服。素晴らしい演奏に関するカンと、狙った所をきっちり狙える技術、それが石田様の演奏を支えているのですね。

 「ソーラン節」は石田様のソロから。ちょっと緊張した面持ちでしたが、トゥッティ部になるとノリにノッて、激しいボウイングで演奏を引っ張っていました。この曲はYAMATOで聴きなれているだけあって低音部に物足りなさを感じましたが、それは較べちゃいけませんよね(苦笑)。しかし、やはり良い編曲には違い有りません。是非次はYAMATOの演奏で聴きたいですね。そしてYAMATOでこの編曲の日本民謡集みたいなCDを出してくれると嬉しいです(どさくさ)。

 さて第2部。石田様大好きの理事長が出て来て湘南信金の宣伝を少し。うーん、理事長の石田様好きが伝わってくるトークでした。第2部は日本の名曲とクライスラー、そしてモンティのチャールダーシュ。

 日本の名曲では「ふるさと」と「赤とんぼ」が気に入りました。「ふるさと」はモダンで明るい編曲で、「赤とんぼ」は不思議な転調が秀逸。おっと思わせる面白い編曲でしたね。特に「ふるさと」は石田様の華やかな音が相応しい。

 クライスラーはジルヴェスタで聴いた「美しきロスマリン」を含む3曲。「愛の悲しみ」は始まりこそ暗い雰囲気が漂いますが、その後の明るいメロディに重点を置いた新たな視点の「愛の悲しみ」でした。フィニッシュも割合アッサリめで粘っこい演奏に聴きなれた耳には新鮮かも。「愛の喜び」は一つひとつの音を誠実に演奏していく、石田様ならではの演奏。風が吹き抜けるような爽やかさでした。今まで聴いた演奏とは全く違う「愛の喜び」でした。

 最後のモンティのチャールダーシュ。理事長がこの曲を味わって欲しいと言うような事を言ったので石田様も気合が入ったのか、真剣な面持ちでのオープニング。これが素晴らしい!!もう、素晴らしい以外に何を言おうか。ブリリアント!!もう、音が輝かしくて、キラキラ光ってて、心の真ん中に音楽が飛び込んでくるのです。聴いていて卒倒するかと思いました(気持ちよくて)。はぁ〜。今日の演奏会はこれだけを聴いたのだとしても大満足!な演奏会でした。

 演奏の内容の方はいつもよりも装飾音が多く、かなりデコラティヴな演奏でした。それがまた嫌味じゃないんだなぁ。どこに音を付け加えるか、と言うのが「ココ!」と思う所に来てくれるので石田様の演奏はとっても気持ち良いです。石田様の演奏は日々進化しているのですね。

 アンコールでは「何か弾けって言うんで。」とお茶目なセリフが出つつも、予定されていなかったアンコールを演奏して下さいました。260席と小さなホールなので石田様もリラックスしていた模様。最後の最後まで迫力の演奏を聴かせて下さいました。
 実は演奏会終了後、石田様はCDを買ってくれた方にサインをしていました。明日もあるのにサービス満点です。石田様、明日も頑張って!
























2005年1月29日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第213回 定期演奏会
『偉大なるロシア』


場所:神奈川県民ホール
指揮:飯守泰次郎
ピアノ:及川浩治
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:ムソルグスキー
 歌劇「ホヴァンシチーナ」前奏曲
 (「モスクワ河の夜明け」)
ラフマニノフ
 ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
チャイコフスキー
 交響曲第1番 ト短調 作品13「冬の日の幻想」

★今日のテーマは『偉大なるロシア』。ロシアの作曲家の曲ばかりを集めたプログラム。ムソルグスキー、ラフマニノフ、チャイコフスキー!!名前を聞くだけでわくわくするではないか。

 ムソルグスキーは5分と短い曲で、「モスクワ河の夜明け」と言う副題の通り、静かで繊細な曲。ヴィオラのメロディから始まり、途中クラリネットが素晴らしかった。他の旋律とバランスを取るように控え目にメロディを奏でる1stVn.の音が頭抜けて美しく、見事に一つにまとまっていたのが印象的。石田様が神奈フィルを引っ張っているのを象徴するような演奏でした。

 続いてのラフマニノフは以前合唱団とも共演した及川氏のソロが圧巻。ピアノの和音から始まりますが、オケが入った瞬間にオケの温度が違うのがわかりました。オケのメロディは石田様と黒木氏の力の籠もった演奏ぶりを見れば音を聴かなくても伝わってきそうな程。

 コンチェルトはいつもそうだけれど、今日は特にオケvsソリストと言う構図がくっきりとしていた様に思います。それでいてメロディが絡むところでは積極的にオケと指揮者に視線を向ける及川氏がいて、その場その場で違う表現を出してくるのがびっくり箱みたいで面白かったです。そう言えば及川氏、3階席でも息づかいが聞こえてきました。凄い集中力ですね。

 私は3楽章の可愛い始まりから勇壮なメロディに変わる所が気に入りました。これはとても有名な曲ですが、素晴らしいからこそ有名なのだなと実感しました。
 ラストはオケ、指揮者、ソリストが一体となった迫力の幕切れで、指揮者を振り返った及川氏のアクションが印象的。最後までアンサンブルを充実させようとする姿勢は素晴らしいと思いました。

 休憩を挟んで本日のメイン、チャイコフスキー。「冬の日の幻想」と言う題が付いていて、始めの2楽章にもそれぞれ「冬の旅の夢想」、「陰気な土地、霧の土地」と言う副題が付いている。
 1楽章は夢が途切れる様にふっと演奏が終わるのが面白い。始まりが力強くエナジィに満ち溢れていただけにこのラストには驚いた。
 2楽章はオーボエのメロディが情感豊かで馴染みやすく、それを彩るフルートとファゴットのアンサンブルが秀逸だった。また、この楽章の力強いホルンは良かった。力強いのだけれど、どこか悲しみを孕んだ様なメロディで、複雑な音色が心地よかったです。
 3楽章はアレグロだけあって格好良いメロディで、要所要所で出てくる弦楽器のピチカートが音楽にキリリとアクセントを加えてグッド。

 そしてフィナーレの4楽章は、心なしかオケ全体が生き活きとして、聴いているこちらも楽しくなりました。指揮者がものすごく楽しそうで、振っている背中が素敵でした。
 4楽章はロシアンなメロディを様々なパートが歌い継ぎ、これがとても可愛い。最後はオケ全員参加でとてつもなくカッコ良い。特にパーカッションがド派手でこれぞチャイコフスキーって感じ(館風の勝手な印象)。フィニッシュは圧巻!!でした。

 久しぶりにコンマスの石田様の演奏を聴く事ができたし、及川氏と石田様の熱い演奏のぶつかり合いも見られたし、充実した演奏会でした。
















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