2004年演奏会日記12月-2

12月17日 ★第24回ほどがやカジュアルコンサート第2@AH
12月26日 ★神奈川フィル特別演奏会「第九」@KH
12月31日 ★みなとみらいホールジルヴェスターコンサート@MMH



    



2004年12月17日 第24回カジュアルコンサート Vol.2
トリオ・リベルタ プレイズ ピアソラ
アートホールで聴く真冬のタンゴ


場所:かながわアートホール
トリオ・リベルタ
ヴァイオリン:石田泰尚
ピアノ:中岡太志
サクソフォン:松原孝政
曲目:第1部
ブエノスアイレス午前0時
デカリシモ
勝利
タンゴ・エチュード第3番
ル・グラン・タンゴ
ブエノスアイレスの冬
ブエノスアイレスの夏
 第2部
悪魔のロマンス
天使の死
スール(南):悲哀・別離
スール(南):甦る愛
アディオス・ノニーノ

タンガータ
 アンコール
ミケランジェロ'70
リベルタンゴ

★本日のコンサートはかながわアートホールが主催で全席ご招待。 頑張ってチケット当てましたー。そう言えば大分昔、カジュアルコンサートに行った時にアンケートに 「トリオ・リベルタが聴きたい」と書いた気がする。案外あのアンケート、きちんと読まれているのかも。

 さて、プログラムはいつも通りブエノスアイレス午前0時より。薄暗いホールの中に三人がぼうっと浮かび上がって幻想的な雰囲気でした。
 石田様は黒いドレスシャツで登場。あれ?昨日より髪の毛短くなってる……もしかして今朝切りました?(笑)今回の髪型、とっても似合ってて素敵です。

 タンゴ・エチュード第3番は元々はフルートの曲ですが、今回はサックスソロで。かなり技巧的に難しい、と思うのですが、 松原氏はらくらくと演奏していました。うーん、この余裕がカッコイイなぁ。
 ちなみにル・グラン・タンゴはピアノとヴァイオリンで。石田様の演奏のおいしい所を余す所なく披露した感じ。

 前半のMCではメンバーの紹介を、と言いつつ紹介されるとそれぞれ楽器をちょろっと披露。
 まずは石田様が紹介されて徐に弾きだしたのは「きよしこの夜」。後ろの中岡氏が「いつまで弾くの?」と言う表情を見せているのが お客さんにつたわって会場内がなんだか妙な雰囲気に(笑)。でも石田様はその笑いに負けず1曲分を弾き通しました。 単音でもなんだか可愛らしかったです。石田様からのクリスマスプレゼントだと思うことにします。
 ちなみに次に紹介された松原氏はタンゴ・エチュードで存分にサックスの音は聴かせたと言うことで口三味線ならぬ「サックス三味線」を。 これが中々カッコよくて変わっていて面白かったです。松原氏、色々なことをしますね〜。
 最後の中岡氏は石田様がマイクで「ピアノの中岡太志君です。」とぼそっと紹介。そして弾きだしたのは「冬のソナタ」。 何故か会場からは小さな笑いが。や、笑いたくなる気持ちは分かりますけど。そんでもって後ろ向いていましたけど石田様もこっそり笑ってましたよね(笑)。 そう言えば松原氏が吹いている後ろでこそこそ二人で楽譜見て笑ってましたよね。。。

 ブエノスアイレス2曲は雰囲気をがらりと変えて。その直前まで面白トークだっただけに聴いている方がそのギャップに驚いたのでは。この切り替えの早さは リベルタならではかも。
 やっぱりブエノスアイレスの冬の夜が明けるように冬が明けて春になる描写が好きですね。この希望に満ちたメロディが好きなんですよねぇ。

 休憩後は悪魔のロマンスから。これ、ソプラノサックスでの演奏なんですが、かなりカッコ良い。うーん、改めて聴くとサックスはオイシイなぁ。次の天使の死もかなりサックスオイシイし。
 スールのシリーズは石田様と松原氏のアイコンタクトに注目!!ピ!と確認し合うのが良いんです。ファンはなんだか嬉しいのです(少々マニアック)。そう言えばスールはヴァイオリンソロも素敵なんですよねぇ。

 最終曲のタンガータは石田様がノリノリ。なんだか凄く幸せそうで此方が幸せになってきます。これこれ、石田様ならではの効果ですよね。
 後、これぐらい圧倒的な曲だと何も考えずに楽しめるので好きです。聴くだけでスカっとできるって言うか。気持ち良い。

 アンコールは館風の大好きなミケランジェロ'70。自分でパンフレットにメモろうとして「キリマンジャロ」と書きそうになった自分に少し嗤いました。馬鹿だ。
 短い曲、と紹介がありましたが、かなり内容が濃い曲なので短くても短い気がしません。と言うか、私はしなかった!やっぱりこれ好きです。
 最後はピアソラと言えばこれ、リベルタンゴ。リベルタの名前の由来だけあって流石にこの曲は圧巻。〆にピッタリの曲ですね。ただ、盛り上がりに盛り上がって終わるって言うのは 此方としては「もっと聴きたい!!」と煽られて終わるような気もしないでもありません(苦笑)。

 今日はかなりハイテンション・ハイクオリティな演奏だったと思います。うーん、石田様は昨日もお仕事だったと言うのに……(<だってそれが仕事だもの)。 これだけの演奏を持続するって言うのも大変な能力だと思います。でも欲張りなファンは「新曲は!」とか思ってしまう訳です。次の関東での演奏は3月ですね。 その時の演奏では新曲を楽しみにしておきます。

























2004年12月26日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 特別演奏会
ベートーヴェン「第九」
〜天まで響け、歓喜の歌声〜


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
ピアノ:寿明義和★
ソプラノ:木下美穂子
メゾ・ソプラノ:井戸靖子
テノール:小貫岩夫
バリトン:大島幾雄
ソプラノ:田上知穂★
テノール:谷川佳幸★
合唱団音楽監督:近藤政伸
合唱:神奈川フィル合唱団
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
(★は合唱幻想曲のみ出演)
曲目:ベートーヴェン
ピアノ、合唱、管弦楽のための幻想曲 ハ短調
 「合唱幻想曲」作品80
交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付」

★毎年恒例神奈川フィルの「第九」特別演奏会です。例によって例の如く 神奈川フィル合唱団の館風は舞台に乗ったので第九の第1楽章と第2楽章、そして客観的な感想は書けません。 悪しからず。

 合唱幻想曲は寿明氏のピアノから。タッチのはっきりとした音色で、キビキビとした印象。 トリルは滑らかで指の動きがしなやかで綺麗(って、私の位置からは見えなくてソプラノのお姉さんの話だけど)。ちょっと危ない部分も機敏な対応力で立て直し、乗り切ってくれました。
 ソリスト6人のハーモニーも素晴らしく、合唱団は気持ち良く歌えました。現田氏の指揮は歌い手として見るととても 歌いやすく、気持ち良く歌わせてくれる指揮なので、やっぱり大好きです。こちらから見ていると分かるのですが、現田氏は合唱団だけではなく オケの各パートにも濃やかに指示を出しているのですね。そしてその指示に呼応してオケが音楽を盛り上げるわけですよ。 こう目に見えるのは気持ちいいなぁ。いつも演奏を聴いている時は石田様ばっかり見ているのでこう、指揮者をじっくり見るって言う 聴き方も面白いと実感。まあ、今日も石田様ばっかり見てたんですけどね!!(や、不可抗力ですよ。だって私の位置から現田氏見えないんだもん<それはいいのか??)

 今年のカルテットの部分は美しいハーモニーで完璧。思わず石田様の音色にうっとりしてしまいました。自分はこの後暫くしたらソロが入ると思っていたのですが、 案外ここからが長かったなぁ(笑)。現田先生が見えないのを良い事にずっと石田様を見ていましたが。。。
 石田様は後半になると段々とスパークしてきて、演奏が派手になっていきました。盛り上がるとアクションも派手になるんですね。 フィナーレでは合唱の絶叫(笑)に応える様に激しい弓捌き。終了後袖に引っ込む現田先生に切れた弓の毛をからかわれていました。
 なんかこの二人、仲が良くて良いですね(や、見た感じ、ですよ。勿論実際にどーなのか知りません)。音楽面でのコンビネーションが良い秘訣はこの辺りでしょうか。 神奈川フィルの第九は合唱幻想曲とセットなので楽屋が足りなくなる(ソリスト6人、ピアニスト1名が居る為、県民ホールの楽屋は足りない)のですが、 今日は石田様と現田氏は仲良く一緒の楽屋でした。

 第九では今年は第3楽章の前に合唱団とソリストが入場。ソリスト4人は昨年と同じ顔ぶれですね。
 普通に聴いていると気にならないのに合唱団として1楽章待つ、と言うのは案外辛い事だと気が付きました。待ち時間って結構キツイ。歌っているよりも きついかもしれない。案外じっとしているのって言うのは苦痛で、良い姿勢で待っていても悪い姿勢で待っていてもキツイ物なのだけれど、 それを毎回の演奏会でやってる石田様は凄い・と実感しました。しかも背筋の伸びた凄く綺麗な姿勢で。微動だにしないって言うのは本当にすごい事なんですよ!!(<アナタが威張るなよ)

 合唱のほうは本番が一番上手く行った……と思います。現田先生の指揮に乗せられて思い切り歌ってしまった……。こう、気付かないうちに乗せちゃうって言うのが現田マジック。
 今回一番印象的だった指揮はアルトの音量が欲しい部分での仕種でしょうか。同じ音を弾いている2ndヴァイオリンを指差し「ここ!」と言う感じで指揮をするのですが、 これがとても効果的。思わず声を張ってしまいましたよ。合唱は大抵同じパートを演奏しているパートがオケにあるのでそれを意識しながら歌うととても気持ち良いです。楽しかったです。 やっぱり演奏者が楽しめなきゃ駄目ですよ。ええ。<言い訳がましい。

 今回の公演では段々と合唱団もこの第九公演が「お仕事」として慣れてきた感がありました。時間がズレたりしても 臨機応変に対応してたし。ただ、慣れきらずに程よい緊張感も必要かな・と思ったり。
 この公演は毎年やっているのですが、段々とステップアップしていくのも実感できる演奏会で、とても良いと思います。 段々と客席が埋まるようにもなって来ましたし。毎年同じ演奏会があるのにお客様の数が増えていくのは嬉しいものですね。
 これからは神奈川フィルの第九を聴かなきゃ年が終わらないと思われるような演奏を目指して頑張っていきたいと思います。
















2004年12月31日〜2005年1月1日
横浜みなとみらいホール
ジルヴェスターコンサート


場所:横浜みなとみらいホール
司会:朝岡聡
指揮:飯森範親
オーケストラ:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスター・オーケストラ
合唱:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスター合唱団
合唱指揮:宇野徹哉
モダンダンス:TOMS FACTORY
振付:杉原ともじ

曲目:第1部(コンサートマスタ:石田泰尚)
池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ
バルトーク:管弦楽のための協奏曲より 第2楽章
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104より 第1楽章
 チェロ:堤剛
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト短調より 第1楽章
 ピアノ:伊藤恵
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op.20
 ヴァイオリン:徳永二男
カバレフスキー:組曲「道化師」 Op.26より
 ギャロップ、エピローグ

第2部(コンサートマスタ:小森谷 巧)
クライスラー
 愛の喜び(ヴァイオリン:漆原啓子)
 愛の悲しみ(ヴァイオリン:漆原朝子)
 美しきロスマリン(ヴァイオリン:石田泰尚)
 ウィーン奇相曲(ヴァイオリン:梅津美葉)
 中国の太鼓(ヴァイオリン:藤原浜雄)
プッチーニ:オペラ「蝶々夫人」より
"ある晴れた日に"(ソプラノ:澤畑恵美)
"さらば愛の巣"(テノール:佐野成広)

カウントダウン〜新年へ(コンサートマスタ:三浦章弘)
オルフ:「カルミナ・ブラーナ」より
No.24"ああ、こよなく美しいものよ"
No.25"おお、フォルトルナ"

第3部(コンサートマスタ:藤原浜雄)
オッフェンバック:オペレッタ「天国と地獄」序曲
レハール:オペレッタ「微笑みの国」より
 "君こそわが心"(テノール:佐野成広)
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
 "ヴィリアの歌"(ソプラノ:澤畑恵美)

フィナーレへ(コンサートマスタ:藤原浜雄)
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」より
 "ワルツ"
 会場の皆様とご一緒に

アンコール
 ラデツキー行進曲

★今年は色々あったなぁ、と思いながら聴くジルヴェスタコンサートが最近の館風のスタンダードになりつつあります。
 04年は石田様のソロ活動も増えてきたし、石田ファンとしても益々応援していかなければ!と思う今日この頃なのです。 だからでしょうか、本日のプログラムでは石田様がソリストの作品も!!こう言う所でも一歩一歩石田様がメジャになっていっているな・ と言うのを実感して嬉しいです。

 第1部は石田様がコンマス。曲目が濃ゆいだけにコンマスも中々大変そう。
 今年もオープニングは池辺晋一郎作曲のヨコハマ・ファンファーレ。金管楽器をずらっと並べてのオープニングは 壮麗。いよいよこれから始まると思って聴くのでドキドキしてしまいますね。

 バルトークは色々なパートがソロの様に扱われる曲で、司会の朝岡氏が曲を聴く前にどんな順番でどの楽器が出て来るかを 解説してくれたので聞きやすかったです。普通の演奏会ではパンフレットに書いてある事が多いですし、その解説すらない事もあります。 たまにはこう言う至れり尽せり系コンサートも良いかもしれません。しかも演奏者まで紹介があるし♪そこで久々に藤本氏が居るのを発見して嬉しかったですvv 藤本氏、神奈川フィルを辞めてしまったのでこう言うところでしか見られないんですよね。相変わらずカッコイイ演奏姿でした(残念ながら今年はティンパニじゃありませんでしたけど……)。
 個人的には藤本氏スネアの次に出てきたファゴットが素敵でした。今日の管楽器は素晴らしかったなぁ。

 ドヴォルザークは神奈川フィルでも聴いた堤氏のソロで。相変わらずカッコ良いですね。チェロの音が違います。 この曲では石田様がノって来たのか凄いノリノリで、頭振りまくりの演奏でした。オケのボルテージも上がってきた模様。

 ラヴェルでは伊藤恵嬢が登場。この演奏が素晴らしい。エキセントリックでトリッキィな曲目ですが、思い切ったタッチで メリハリの効いた演奏が素敵。管楽器も変わった奏法をしているのか、変な音をさせていたりして、面白かったです。ここで気付いたのですが 後ろの方で地味にドラを叩いてるのが吉原すみれ嬢。あの人がスタンダードな楽器を演奏しているのがなんだか不思議な気がしました(笑)。
 石田様も勿論切れ味の鋭い演奏。ちょっとスパークしすぎたのか、演奏の真っ最中にカマーバンドが外れると言うトラブルも。 しかし石田様はその部分の演奏を終え、何事も無かったかのようにカマーバンドを椅子の脇に置くと1曲弾き切ってしまいました。 沈着冷静でカッコいいなぁ。
 面白かったのはその後。曲が終わって朝岡氏と伊藤嬢が話をしていたのですが、その後ろで石田様は隣の方にヴァイオリンを持って貰って カマーバンドを直していました。や、そりゃいつかは直さなきゃですよ。でもでも!!石田様の前で二人が話しているから石田様スポットライト当ってますけど!! 私は石田様が気になって気になってお二人が何を話していたのかさっぱり覚えていません(爆)。

 続いてはツィゴイネルワイゼン。石田様の師匠の一人、徳永氏のソロで。石田様の師匠のはずなのですが、 音の方向性が微妙に違う。もしかしたらヴァイオリンが違うからか??徳永氏のヴァイオリンはストラディバリウスとの事で、 その辺が関係しているかも。渋味とか艶とかがある音でした。でもこれはやっぱり年齢の差が一番大きいかも。
 徳永氏はコンマスの石田様と音を合わせにいったり、中々の気遣いを見せていて、オケの方もそれに応えていました。 後半部分がやたら速く、ちょっとびっくりしました。全ての音をしっかり弾ききる訳ではなくて、大きな流れで演奏して居た様に感じました。 こう言うツィゴイネルワイゼンも有りかぁ。

 カバレフスキーのギャロップは運動会でかかる曲ですね。吉原嬢のシロフォンが素晴らしかったです。 シロフォンって言うのは大きな木琴ですね。これがとってもクリアな音色でカッコイイ!!そうそう。吉原嬢には こう言うのを期待している訳ですよ。この2曲が魅せ場満載だったのでとても嬉しかったです。
 藤本氏のタンバリンも職人芸って感じでカッコ良かったし、こう言うパーカッションの元気の良い曲は好きです。我らが神奈フィル平尾氏も職人!って感じでカッコ良かったですし。 パーカッションってどうしても色んな楽器を扱うせいかプロフェッショナルって言う空気を感じますよね。

 ここで休憩。朝岡氏は「年越しの瞬間に欠席しない様にトイレはちゃんと行っておいて下さい!!」との注意を。そのせいかトイレ混んでましたね〜(笑)。
 実はこの時点で既にお腹いっぱい。だって楽しいんですもの!!石田様はカッコ良いし、演奏は素晴らしいし、言うことなし!!でもこの後石田様のソロが待ってるんです★

 第2部は2005年に生誕130年のクライスラーの曲を5曲、5人のソリストと言う豪華なプログラミングで。 オケは人数を減らして小編成。チェロには神奈フィルの山本氏や村井將氏も居ますね〜(<石田様が居ないので他の所を見る余裕が出来た)。
 飯森氏の指揮はソリストを気遣った指揮で、それでいてドハデなパフォーマンス。このスタンスがカッコ良いですね〜。

 「愛の喜び」の漆原啓子嬢は漆原シスターズのお姉さん。張りのある音で、デリケートな感じを出しつつも音量自体はかなり大きい。 なんだか不思議なバランスですね。
 一方の「愛の悲しみ」は妹の朝子嬢が。なんと彼女はヴァイオリン人生で初めてこの曲を舞台で演奏したのだとか。 とっても意外ですね〜。やっぱり有名すぎて避けてしまうんでしょうか。

 そして3番目に我らが石田様が登場。やっぱり立ち姿からしてスっとしてカッコ良いですね。「美しきロスマリン」は確かに 甘い音が多く美しい曲ではありますが、超絶技巧とはちょっと縁が無い。なのでもう少しこう、ね!ほら!分かるでしょ!(笑) 矢部氏にばっかりおいしい所持って行かせないでよ!!と言うのが個人的な要望(笑<中国の太鼓がお好みらしい)。ちなみに矢部氏は肩の故障により 今日は欠番。藤原浜雄氏がソロを代わりました。
 石田様の演奏は聴く側を問答無用でうっとりさせる、美しい演奏でした。なんでしょうね、石田様の演奏は音そのものがもの凄く美しいのですね。 これが他のヴァイオリニストとの決定的な違いだと思うのですが、どうでしょう(<誰に言ってる?)。
 また、コンマスと二重奏の部分があり、そこの三度(だった?)がとーっても綺麗にピタァ!!と嵌って素晴らしかった!!もう、 二人の息がバッチリ合って、一人で弾いているかの如く嵌っていました。一瞬重音奏法かと思っちゃったくらいですから。しかも二人、 シンクロしすぎて動きまでバッチリ一緒。なんだかその画が可愛かったなー(<だから三十過ぎの男性に以下略)。
 演奏後石田様は飯森氏とコンマスの小森谷氏に握手。そう言えば、このターンでは指揮者とコンマスに握手したのは石田様が初めてだった気が……。
 一度引っ込む物の、袖中のスタッフに追い出されるようにして舞台へ舞い戻った石田様。拍手に応え、まずはP席に挨拶。これには会場が意表を突かれて 会場が和みました。それからゆったりとセンター席に向かって挨拶。うーん、お辞儀まで優雅だ。

 続いての「ウィーン奇相曲」は梅津美葉嬢。ゆったりとした部分と忙しい部分と両方のバランスが良く、聴いていて飽きない曲で、 ちょっと現代音楽ちっくな変な音の部分もまたアクセントになって面白い。梅津嬢の重音が美しく、良かった。
 トリの「中国の太鼓」は肩の故障で出られなくなった矢部達哉氏に代わって読売日響のソロ・コンサートマスタの藤原浜雄氏がソロを演奏。 元々忙しい曲なのでかなり盛り上がっていたのですが、最後には弓の毛がプチっと切れるほどの盛り上がりよう。急遽ピンチヒッターをやったなんて 思えないほどの熱演でした。

 実はこの後、オケのメンバーは一度はけて、ソリスト5人にそれぞれインタビューと言うのが有りました。でも正直 石田様の時しか覚えてない……(爆)。
 朝岡氏は石田様に「3番目はどんな感じですか?」と効かれて「ちょうど真ん中でよいです。」と言うような事を 言っていました。確かに、トップバッタ程緊張しなくて済むし、ラストランナ程プレッシャを感じませんものね(笑)。

 第2部最後は初演100年を迎えるプッチーニのオペラ「蝶々夫人」よりアリアを2曲。澤畑嬢のソプラノは安定感があって、 彼女の歌声を何度か聴いているからかも知れませんが、落ち着いて聴けました。 佐野氏の歌声は初めて聴いたのですが、これが圧倒的な声量で、このパワーが何処から出て来ているのかとびっくりしました。 甘い歌いまわしも器用にこなし、情けない歌がとてもカッコ良い歌になっていました。プッチーニマジックと同時に佐野マジックもかかっていたに違いない。

 今年のカウントダウンはオルフの「カルミナ・ブラーナ」の歌で。朝岡氏が始めに詩を朗読し、それから合唱。 そして、2曲目の詩を朗読した所で新年を迎え、迎えたと同時に2曲目が始まる・と言う趣向。これはモダンダンスも一緒に。
 実はこの曲、全く聴いた事が無かったのですが、圧倒的な存在感を誇る曲で、とても私好みの曲でした。 あああ。神奈川フィルで話が来たときに歌っておけば良かったかも。でもなぁ。。。ジルヴェスタは全部見たいし。。。(あくまで石田ファン)。 ついでに言えば今年五月の神奈川フィルのカルミナ・ブラーナも公募した時に参加しておけば……ごほっ。
 曲を聴いてぞくぞくしたのは久し振りかも知れません。これは曲勝ちかな・と言う感もあるけれど、とても素敵でした。 ベルリンフィルのジルヴェスタコンサートでもカルミナ・ブラーナは演奏されていたそうです。

 ダンサーは前に出てきた5人は1曲目は銀の前下がりのおかっぱみたいな鬘を付け、まっ白な衣装で登場。 この衣装、なんと袖が隣の人と繋がっているのです。ダンス自体も神秘的で不思議なダンスでした。
 そして、2曲目になるとバリッと胸から衣装を裂き、真っ赤な衣装にチェンジ。ライトが赤かったのでちょっと何色か分かり難かったのですが、真っ赤な衣装でした。 この頃になると前の5人も舞台から降りたり、客席の中からダンサーがでてきたり、かなり縦横無尽に会場を使っていました。そう言えば毎年こう言う会場じゅうを使った演出が有りますよね。 3階まで使えって言いませんから、せめて2階くらいにもダンサー出して欲しいなぁ。。。
 それにしても、どんなに頭を振っても取れないあの鬘がどうなっているのか気になります(笑)。

 さて、年を越しただけで終わらないのが横浜のジルヴェスタコンサート。
  オッフェンバックのオペレッタ「天国と地獄」の序曲から。あの運動会で超有名なあの曲です。石田様は1stヴァイオリンの1プルト裏で 参加。おおお。珍しく譜めくりするお姿が!!裏で弾いている時の石田様は普段のコンマス時と違って、パフォーマンスは抑え気味で コンマスのサポートに徹していました。あの派手なパフォーマンスは後ろの方のメンバにも曲想が伝わるようにって言う配慮だったのですね!
 この曲、例の部分に至るまでに色々なパートのソロがあったり、ゆったりと美しいメロディがあったりと、かなり音楽はてんこもり。正に天国と地獄が同居する 面白い曲。チェロのソロやクラリネットのソロが有り、これがとても素敵なメロディ。石田様も他パートの音楽を楽しんでいるように見受けられました。
 そして、例の部分は運動会の如く忙しいのですが、こんなにメリハリの効いたスパイシィな「天国と地獄」は初めて聴いたかもしれません。前半部を聴かないと あの後半部も生かされてこないなぁ、と言うことも強く感じました。

 第3部はオペレッタの曲目を演奏したのですが、ソプラノとテノールのソリスト二人が本当に素晴らしかった。佐野氏の堂々とした歌いっぷりも凄かったのですが、 澤畑嬢は日本語での演奏。日本語で歌うって思うより難しい物なんですよねぇ。そうそう、この曲ではピチカートが沢山あったのですが、 石田様はピチカートすら優雅。思わず見とれてしまうのです。

 フィナーレは「メリー・ウィドウ」の"ワルツ"を客席と一緒に。と言っても澤畑嬢と佐野氏が歌う部分は指揮の飯森氏が押さえたりして、 中々器用に演奏。そう言えば、こう言うのでお決まりの「練習」が有りませんでしたね。この曲、知っているには知っているけどいきなり 歌え、と言われても難しいんじゃないかなぁ。。。後、最後いきなり音が上がるの反則(笑)。歌詞カード有るって言っても歌詞は歌詞でしかないから。 音符書いてないから!!と、これで分かるように館風はかなり頑張って歌ってきました。メロディしか分からないのでメロディ歌ってたら 明らかにソプラノ音域。。。歌える訳無いし(笑)。
 でもこうやって参加できる部分がある・と言うのはとても嬉しいですね。

 締めのアンコールはやっぱりこの曲「ラデツキー行進曲」。 この曲があると泣いても笑ってもラスト!と言う感じになりますよね。後腐れが無い終り方が出来てとても良いと思います。この曲を聴くと 「ようし、今年も頑張るか!!」と思えるのです。
 毎年1年の最後にこれだけ盛り沢山のコンサートを聴けると言うのはとても嬉しいです。来年も 石田様が乗ると良いのだけど。そしてもっとカッコイイソロが増えるといい。でも コンマスもやってもらわないと一緒に年越しできないからそこの所は宜しく(笑)。池辺先生、次回も頼みましたよぅ!!(注:池辺晋一郎氏はこのコンサートの 音楽監督です)









































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