場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:タチヤーナ・ヴァシリエヴァ
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
曲目:ブラームス/大学祝典序曲 作品80
プロコフィエフ/交響的協奏曲 ホ短調作品125
ブラームス/交響曲第4番 ホ短調作品98
★本日のプログラムはブラームスでプロコフィエフをサンドイッチ。
大学祝典序曲は演奏会の幕開けに相応しい立ち上がり。久々に弦の首席奏者が揃い、
充実した音を聴かせてくれた。いやぁ、やっぱり弦の首席奏者が全員揃うと頼もしいなぁ。
ホルン首席の森氏が不在のものの、後ろ上手に座った茶髪のお兄さん(若い!)が中々に良いソロを聴かせてくれた。
そう言えば彼は後半の4番は降りていましたが、どう言う事なんでしょう??
本日のソリストのヴァシリエヴァ嬢はプレトークにて現田氏がベタ褒めだったのだが、演奏を聴いて納得。
見るからに難しいこの曲を軽々と、そして正確に弾きこなす。チェロの割に高い音域が多い曲で、奏法も色々な奏法を用いていて
面白い(多分演奏者にはたまったもんじゃないだろうけど)。私が一番面白かったのは、弓で弾きながらその合間に弦を指で弾(はじ)いてギターの様な
可愛らしい音を出す所で、演奏者はとても忙しそうだった。
古典を意識した曲との事だが、チェロの伸び伸びとした歌に対し、オーケストラはかなりアグレッシヴ。途中なんて現代曲っぽい所とか有りましたし。
現代、と言うよりも近代か。ま、どっちでも良いけど(<いいの?!)
そう言えばオープニングから石田様はノリノリで、ソロと一緒に遊んでやろうみたいな感じでしたね。
協奏曲はやっぱりオケvsソリスト!みたいな構図が良い。別にオーケストラがソリストに勝ったりとかするわけじゃないけれど、
ソリストの気迫に負けてはいけないと思うのだ。同じくらいの気合があって、それがぶつかり合う事でいい演奏になるんじゃないかと、私は思うのだ。
そう言えば3楽章では弦首席によるクインテットがありましたね〜。だから今日は首席が揃い踏みだったんですね!やっぱりこう言う部分があると
神奈フィル弦首席陣のファンとしては嬉しいなぁ。
そうそう。ノーマル日記の方で疑問に思っていた3楽章の鉄琴ですが、やはり生で聴いたら一発で解りました。
チェレスタです。そう、弦の後方にチェレスタが居てポロンポロンやっていたのです。あの可愛らしい音はチェレスタ
だった訳です。言われれば納得……。まあ、チェレスタも鉄琴みたいなもんですから、間違っては居なかった、と言うことで……(笑)。
とにかくヴァシリエヴァ嬢の演奏は素晴らしく、オケと現田氏のそれに負けない演奏がぶつかり合って素晴らしい演奏になった。
その証拠にヴァシリエヴァ嬢は4回以上も舞台に引っ張り出された。ちょっといつになく多い。来月が楽しみだ(ニヤリ)。
最後はブラームスの交響曲第4番。
1楽章は現田氏の指揮が躍動的で力強く、ピ!と一瞬止まる所なんかもオケがよく付いてきていて、神奈川フィルと
現田氏のコンビネーションの良さを見せ付けてくれた。現田氏の指揮は華があって良いですね。
見ていてこちらもわくわくしてきます。
2楽章はホルンソロから始まり、弦パートはみんな弓を置いてのピチカート(コンバスは弓持ってたけど)。
石田様も弓を置いてのピチカートでした。弦パートが弓で弾く部分になると段々盛り上がって来るのですが、
現田氏の音楽の創り方が本当にドラマティックで良かったです。交響曲全般で2楽章が苦手な館風ですが(<ダメな人だ……)、この曲の
2楽章は結構好きかも。
3楽章4楽章は怒濤の演奏で、弦と管のバランス感覚がバッチリでした。と言うのも今日は音的にはとても良い席
だったから、音が綺麗に聴こえたのです(笑)。そう言えば3階席は殆ど満席でした。1階席の前の方が空いていたのが気になったけれど……(3階席からだと
3階席と1階席の前5列ぐらいしか見えないのです)。
お気に入りは4楽章の歌謡曲っぽい出だしでしょうか。なんだかオーケストラっぽくないって言うか。。。好き(笑)。
最近の神奈川フィルはなんだか聴いていて気持ちがよい。オケの「やるぞ!」みたいな空気が伝わって来るんだよなぁ。
それで、それが演奏に反映されているって言うのが素晴らしい。
メキメキと実力を伸ばす神奈川フィルの今後に更に期待★である。