2004年演奏会日記11月

11月2日 ラカトシュ・アンサンブル@タケミツメモリアル
11月3日 ★神奈川県文化賞・スポーツ賞授賞式祝賀音楽会@KH
11月5日 ★SHONAN DAN CONCERT@横須賀芸術劇場
11月6日 ★SHONAN DAN CONCERT@横須賀芸術劇場
11月13日 ★神奈川フィル第211回定期演奏会@KH
11月23日 ★彩の国ブラームスプロジェクト@埼玉会館






2004年11月2日 ラカトシュ・アンサンブル
The Best of LAKATOS, Soul of GYPSY


場所:東京オペラシティ コンサートホール
ヴァイオリン:ロビー・ラカトシュ
 ラースロー・ボーニ
ピアノ:カールマーン・チェーキ
ツィンバロム・ギター:エルネスト・バンゴー
コントラバス:オスカール・ネーメト
ギター:アッティラ・ロントー
曲目
バログ・ヨージェフ・シュハ/火の踊り
バログ・ヨージェフ・シュハ/ジプシー・タンゴ
ロビー・ラカトシュ/チャールダーシュ・ファンタジー・パラフレーズ
トーマス・ウォーラー/ハナサクル・ローズ
レオ・ウェイナー/ディベルティメント
ロビー・ラカトシュ/イントロ
ジョン・ルイス/ジャンゴ
ヴィットリオ・モンティ/チャールダーシュ
マケドニア伝統曲:シフリコ〜チック・コッリア/ゴット・ア・マッチ
ウラディーミル・コスマ/黒い靴をはいたブロンドの大男
アンコール
 ロシア民謡/アレンジインプロビゼーションbyラカトシュ
 黒い瞳/ロシア民謡
 ハンガリー狂詩曲/リスト

★始めの曲が終わると同時に割れるような拍手が会場内に響き渡った。それは耳が痛くなるくらいの 拍手で、曲が終わる毎に鳴り響いた。
 会場内の雰囲気は言うならばジャズライヴの様。全員が全ての曲を暗譜で演奏(!!)しているので、実際かなりのアレンジも入ったに違いない。 民俗音楽の匂い立つ演奏会であった。
 始めは鳴り過ぎのPA(ラカトシュのヴァイオリンばかりが大きい)が気になったのだが、後半になると バランスが調整されていた模様。後半の方がバランス良く聞こえた。

 ラカトシュ氏の演奏スタイルは何が特別と言うわけではない。まあ、よく歩き回ったりするけれど、普通の部類に入る。 双眼鏡を覗いてもソーセージの様な丸々とした指はどう動いているのか良く解らない。ただ音だけが 次々と紡がれてゆくのだが、それがとてつもなく速い。本当に不思議な光景であった。

 ツィンバロムと言うのはハンガリーの楽器で、箱に弦を張り、それをバチで叩く、と言うスタイルの楽器。中国に似た 楽器があるけど、あれより大きいし、音が柔らかい。優しく弾く時と強く弾く時とで音がかなり違うのも面白かった。
 優しく弾くとシンセサイザーで加工をかけたみたいな不思議な音がして、それがヴァイオリンソロと良く合いました。 モンティのチャールダーシュでは最後の最後にソロを貰って鋭いソロを見せたりとか、中々面白い。
 チャールダーシュと言えば、二人で弾き分けしていたのだが、それがもう、アレンジしすぎで面白い。 ラカトシュ氏とボーニ氏はお互いに「いかに難しく弾けるか」を競っていた様に感じました。

 ピアノとギターはそれぞれかなり長めのソロが有ったりして、魅せ所満載。ラカトシュ氏は意外にも 休んでいる時も多かったです。いや、一旦ラカトシュ氏の演奏が始まるとこれ以上無いくらいの注目を集めるんですけどね。

 そもそも1曲目からノリノリだった会場内、アンコールに入る頃には更に盛り上がり、奇声が上がる始末。 曲が終わると拍手だけではなく指笛も鳴るし、大盛り上がり。でも演奏者たちはあくまでクール。アツくなっちゃいけないと 思っているんでしょうか、それくらいクール。
 アンコールの2曲目は会場内に何が聴きたいのかリクエストを求めたりして、中々素敵でした。うーん、こういう事が 出来るって言うのはカッコいいなぁ。
 それにしても、招待券であそこまでノリノリで拍手したり奇声上げてたのは私だけだと思う。。。(笑)




2004年11月3日
 神奈川県文化賞・スポーツ賞
 祝賀音楽会


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
チェロ:遠藤真理
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:
ハイドン/チェロ協奏曲第1番ハ長調
モーツァルト/交響曲第41番ハ長調
「ジュピター」

アンコール
 モーツァルト/ドイツ舞曲

★今日の演奏会は神奈川県文化賞・スポーツ賞の祝賀音楽会。一般の人が考えるクラシックコンサートの 良い席と、石田ファンの考える良い席のギャップに悩まされつつ、一階のド真ん中と言うクラシックコンサートとしては最高の 席で鑑賞となった。

 ハイドンのチェロ協奏曲では石田様は流石に控えめ。しかし後半になってソリストが乗ってくると石田様も心なしかノリノリに。 メロディに合わせて頭を振るなんてシーンも。演奏が楽しくて仕方が無いと言う感じでした。
 オケが小編成だからでしょうか、オケ対ソリストと言う構図が見えやすく、かなり面白かった。特に第1楽章ではオケと ソリストのやり取りが多いので特に面白かった。

 ジュピターは思いのほかサラッとした立ち上がりで、全体的にもあまりしつこくならない味付け。
 今回の曲目はシュナイト音楽堂シリーズの様なラインナップなので、現田氏の指揮と言うのもいつもと違う雰囲気で面白い。
 オケ自体もハイドンの倍近い人数になって妙にテンションが上がった気も。人数が増えてもまとまりのよさは変わらず、と言うか むしろ弦のまとまりが更に良くなって音の力強さが増して、迫力があったような気がします。
 これはやはりコンマスが石田様と言うのが大きい。今日は他の弦は首席不在だったのだけれど、それを感じさせないのは やはり石田様効果。こういう時はコンマスの影響力の大きさを思い知らされる。

 アンコールはモーツァルトのドイツ舞曲より。ビオラパートが無いためにビオラパートの方々は前に出て鈴パートをみんなで 演奏していました。
 また、ポストホルンなる、ミニホルンが登場。ホルンの大体4分の1程度のサイズにも関わらず、 ホルンの10倍は派手な音だった。メロディも心なしかコミカルで、センター奥で立ち上がってのソロと言う事もあって、 おいしい所を持って行ってくれた。
 そう言えば終わってはける時に石田様がそのポストホルンのソリストに話し掛けていましたけど、 何を話しかけていたんでしょうか。気になるぅ〜。

 このコンサートは神奈川文化賞・スポーツ賞の祝賀音楽会なので、普段コンサートに足を運ばないような 方も多く聴きに来ています。こう言う機会にクラシック好きになってくれれば嬉しいなと私も思います。
 ただ、その中で正直今回のプログラムはどうだったのかな……と。ハイドンもモーツァルト華やかなんですが、 如何せん眠気を誘う様です(笑)。やっぱり分かりやすい大音量の曲が良いのか。 例えば昨年のヒットはリストのハンガリー狂詩曲第2番でしたね。アレは本当に 凄かった。ああ言う演奏をガツンとやってくれるとファンになる確率も高いんじゃないかと思うわけです。
 演奏が良かっただけに、 寝ている人が目に付いたのはちょっと残念。


















2004年11月5日
湘南信用金庫80周年記念
SHONAN DAN CONCERT 2004


場所:よこすか芸術劇場
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石田泰尚
ソプラノ:崔岩光(サイ・イエングアン)
曲目:
團伊玖磨/新祝典行進曲
リムスキーコルサコフ
 交響組曲「シェエラザード」作品35から
 "第一楽章:海とシンドバットの舟"
モンティ/チャールダーシュ
モーツァルト/歌劇「魔笛」
 夜の女王のアリア
滝廉太郎/花
山田耕筰/この道
プッチーニ/歌劇「蝶々夫人」
 ある晴れた日に
シーグワンナン/愛する小鳥よ
ソプラノアンコール
 アメイジング・グレイス
チャイコフスキー/交響曲第5番
 ホ短調 op.64
アンコール
ブラームス/ハンガリア舞曲第5番
團伊玖磨/花の街

★初っ端の新祝典行進曲から金管パートが大ブレイク。奥行きが深く、高さもあるよこすか芸術劇場は、 奥に居る金管パートが良く聴こえてくる。その元気な金管パートに対向すべく、現田氏の指揮は弦楽器を煽り、 我らがコンマス石田様も白熱の演奏だった。

 毎年恒例となったこのSHONAN DAN CONCERTだが、今年もヴァイオリンソロは石田様で、ソプラノソロは神奈川フィルファンには 御馴染み、サイ・イエングアン嬢。
 理事長のトークではこのコンサートの由来から、「話は短く」と石田様に突っ込まれた話まで披露。やっぱりこのコンサートは 熱狂的石田ファンの理事長のお陰。

 さて、石田様のソロ1曲目は「シェエラザード」より第一楽章。
 伴奏無しの完全なソロ部分では、石田様の得意の高音域をたっぷり聴かせてくれた。 その美しい音は繊細で、硝子細工の様。と、この様に書くと折れそうに華奢な音に思えてしまうのだが、 その実絶対にひよったりしないし、しなやかな強さがある。石田様の演奏は決して押し付けがましくなく、優しく包み込んでくれる様な 柔らかさなのである。勿論、技術的なものを全て備えているからこそ出きる演奏である事は言うまでも無い。

 2曲目のチャールダーシュでは、いつにも増してオリジナルアレンジが入っていた。と言うか、前回聴いたチャールダーシュからまた グレードアップしている気がします。現田氏も石田様の演奏をチラチラ気にしながらの指揮。石田様のアレンジやアドリブに翻弄されないように頑張っていたのかも。
 それにしても石田様のソロは正に怪演。ノリの良さはライヴハウス並。演奏後、思わず奇声を上げたいくらいの演奏でした。流石に上げなかったけど(笑)。 奇声を上げたいくらい観客を興奮させる演奏って言うのが本当に良い演奏ですよね(決して自己弁護ではない・笑)

 サイ嬢の演奏は迫力・貫禄、堂々とした演奏で、素晴らしかった。迫力、と書いたが、決して太い訳ではなく、高音域は華やかで軽い。
 夜の女王ではきれいな高音を苦もなく聞かせ、観客を魅了した。一方の日本語の曲では日本人以上に綺麗な母音で、日本語とは思えない美しい響きだった。
 最後の「愛する小鳥よ」は国連だかなんだかノ平和キャンペーンソングだったらしいのだが、どう考えても難しい曲。サイ嬢の 爽やかな歌声は簡単に歌っているように聞こえたけれど、かなりの高音も混じっており、何故にアレだけ楽々と歌えるのか……。 それだけでも彼女の技術力の高さを伺う事が出来よう。

 後半はチャイコフスキー。出だしは華やかなメロディラインと対照的に雰囲気は暗い。しかし、いつの間にか華やかなメロディが周りを巻き込み、 雰囲気も明るく華やかになっていた。
 2楽章と3楽章の間で拍手が起こったが、現田氏はにこやかに一礼してから再開。それもあってか、3楽章と4楽章の間は間髪入れずに始まり、 迫力があった。4楽章は派手の一言で、現田氏の指揮っぷりは凄かった。指揮台の上を右に左に飛び回り、屈み込んだりする場面も。現田氏と オケの息がぴったりと合って、素晴らしい演奏になった。

 アンコールはブラームスのハンガリア舞曲第5番。現田氏の指揮はここでもスパーク。かなり速いテンポで始まり、軽やかに流れるような 演奏。それでいてストップモーションはビタリ!と決まり、指揮とオケのコンビネーションは完璧。やたら1stヴァイオリンを振る現田氏だが、石田様もそれに応えて かなり派手なパフォーマンス。これでもかと言うエネルギーがぶつかり合った演奏で、チャイコフスキーでこれ以上は上がらないと思われた観客のボルテージは 更に上がった。館風はまたしても奇声を発しそうになり、思いとどまったのは言うまでもない。今思えば「ブラボー!!」と叫べば 良かったのだ(笑)。うむ。クラシックにおける奇声(笑)は「ブラボー!!」で統一されているのだな。

 最後はサイ嬢が再登場し、花の街を。サイ嬢の独唱で聴けたのはかなり得した気分。しかもその後はオケ伴奏で会場全体で合同合唱。 神奈フィルの演奏で歌える事は滅多にないので嬉々として歌ってしまいました。
 いつもいつもあの楽譜を見るたびに「下のパートを歌いたい!!」とか思うのですが、割と難しいので初見では無理!とか思って 歌えていません。来年までに練習していこうかなぁ……(笑<当る気満々デスネ)。


















2004年11月6日
湘南信用金庫80周年記念
SHONAN DAN CONCERT 2004


場所:よこすか芸術劇場
出演者、曲目は昨日に同じ。

★今日は昨日よりもずっと前のほうの席で聴く事が出来た。また、二度目と言う事もあり、昨日は気づかなかった事も 少し見えたかも。

 1曲目の新祝典行進曲では、昨日は金管がやたら元気に聴こえたのだが、近いせいか金管は私の頭のずっと 後方で鳴っている感じ。また、昨日はそんなに意識しなかったのだが、今練習している筑紫讃歌に通ずる音を感じた。 やはり團伊玖磨の音と言う感じだろうか。

 どうやら私が座った席は前過ぎた様で、響きの部分が殆ど聴こえず、 妙に音量が小さく感じた。これは不思議。近くに行けば行くほど聴こえないと言うのは音の飛びが良い証拠ですね。

 それにしても相変わらずシェエラザードは美しい音で、これを聴いて思ったのは石田様の音はとにかく綺麗だ・と言う事。 雑味が無く、純粋で、本当に奇跡のような音だ。石田様の音には歪みと言うものが全く無い。 改めて石田様の音の美しさを実感した。
 また、シェエラザードではチェロも中々においしいソロが何か所かある。これも中々良くて、神奈フィルは石田様だけじゃないぞ!と言う 勢いが伝わってきました。

 チャールダーシュは本日もノリノリ。演奏前に石田様が咳をされていたのでちょっと心配です。やはりお風邪を召されている模様。 早く良くなって欲しいですね。
 演奏の方は昨日のものとはまた少し違うアレンジ。現田氏とのコミュニケーションもバッチリで、相変わらずカッコ良い音を 響かせてくれました。

 サイ嬢も迫力の演奏。歌に入った瞬間に表情が変わりました。この、スっと歌の世界に入る感じが素敵でしたね。
 サイ嬢は立ち居振舞いがとにかく優美で華やかで、まるでどこかの女王様のよう。トゥーランドット姫がピッタリでしたものねぇ。 今日も素晴らしい演奏でした。あんなに大変な曲ばかりをあんなに歌って平静としていられるって言うだけでサイ嬢の凄さが分かりますね。

 後半はチャイコフスキーの交響曲第5番。音が多く、弦が厚いので、メロディの木管等が結構大きく来てもうまくバランスが取れていました。 曲の最後の方では現田氏は踊りだしていましたね。指揮台の上で飛び跳ねる様に指揮をしていたのが印象的です。
 現田氏は演奏後、疲れているでしょうに、とても素敵な笑顔を見せてくれました。

 アンコールは昨日と違い、現田氏、ちょっと大人しい(笑)。昨日は時間が押していたので派手だったんでしょうか。プリプリお尻を振りながらの指揮が 見られなくてちょっと残念。そう言えば、石田様との掛け合いも無かったし……。ちえー。

 今回は同プログラムを2回、と言う事で、一回目であまりにも石田様しか見ていなかったところとか、 気づかなかった事とか、1回目の差異とかも見つけられて面白かったです。
 チケットを下さった皆様、本当にありがとうございました。










2004年11月13日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第211回定期演奏会
 『古典への憧れ』


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:タチヤーナ・ヴァシリエヴァ
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
曲目:ブラームス/大学祝典序曲 作品80
プロコフィエフ/交響的協奏曲 ホ短調作品125
ブラームス/交響曲第4番 ホ短調作品98

★本日のプログラムはブラームスでプロコフィエフをサンドイッチ。

 大学祝典序曲は演奏会の幕開けに相応しい立ち上がり。久々に弦の首席奏者が揃い、 充実した音を聴かせてくれた。いやぁ、やっぱり弦の首席奏者が全員揃うと頼もしいなぁ。
 ホルン首席の森氏が不在のものの、後ろ上手に座った茶髪のお兄さん(若い!)が中々に良いソロを聴かせてくれた。 そう言えば彼は後半の4番は降りていましたが、どう言う事なんでしょう??

 本日のソリストのヴァシリエヴァ嬢はプレトークにて現田氏がベタ褒めだったのだが、演奏を聴いて納得。
 見るからに難しいこの曲を軽々と、そして正確に弾きこなす。チェロの割に高い音域が多い曲で、奏法も色々な奏法を用いていて 面白い(多分演奏者にはたまったもんじゃないだろうけど)。私が一番面白かったのは、弓で弾きながらその合間に弦を指で弾(はじ)いてギターの様な 可愛らしい音を出す所で、演奏者はとても忙しそうだった。

 古典を意識した曲との事だが、チェロの伸び伸びとした歌に対し、オーケストラはかなりアグレッシヴ。途中なんて現代曲っぽい所とか有りましたし。 現代、と言うよりも近代か。ま、どっちでも良いけど(<いいの?!)
 そう言えばオープニングから石田様はノリノリで、ソロと一緒に遊んでやろうみたいな感じでしたね。
 協奏曲はやっぱりオケvsソリスト!みたいな構図が良い。別にオーケストラがソリストに勝ったりとかするわけじゃないけれど、 ソリストの気迫に負けてはいけないと思うのだ。同じくらいの気合があって、それがぶつかり合う事でいい演奏になるんじゃないかと、私は思うのだ。

 そう言えば3楽章では弦首席によるクインテットがありましたね〜。だから今日は首席が揃い踏みだったんですね!やっぱりこう言う部分があると 神奈フィル弦首席陣のファンとしては嬉しいなぁ。
 そうそう。ノーマル日記の方で疑問に思っていた3楽章の鉄琴ですが、やはり生で聴いたら一発で解りました。 チェレスタです。そう、弦の後方にチェレスタが居てポロンポロンやっていたのです。あの可愛らしい音はチェレスタ だった訳です。言われれば納得……。まあ、チェレスタも鉄琴みたいなもんですから、間違っては居なかった、と言うことで……(笑)。

 とにかくヴァシリエヴァ嬢の演奏は素晴らしく、オケと現田氏のそれに負けない演奏がぶつかり合って素晴らしい演奏になった。 その証拠にヴァシリエヴァ嬢は4回以上も舞台に引っ張り出された。ちょっといつになく多い。来月が楽しみだ(ニヤリ)。

 最後はブラームスの交響曲第4番。
 1楽章は現田氏の指揮が躍動的で力強く、ピ!と一瞬止まる所なんかもオケがよく付いてきていて、神奈川フィルと 現田氏のコンビネーションの良さを見せ付けてくれた。現田氏の指揮は華があって良いですね。 見ていてこちらもわくわくしてきます。

 2楽章はホルンソロから始まり、弦パートはみんな弓を置いてのピチカート(コンバスは弓持ってたけど)。 石田様も弓を置いてのピチカートでした。弦パートが弓で弾く部分になると段々盛り上がって来るのですが、 現田氏の音楽の創り方が本当にドラマティックで良かったです。交響曲全般で2楽章が苦手な館風ですが(<ダメな人だ……)、この曲の 2楽章は結構好きかも。

 3楽章4楽章は怒濤の演奏で、弦と管のバランス感覚がバッチリでした。と言うのも今日は音的にはとても良い席 だったから、音が綺麗に聴こえたのです(笑)。そう言えば3階席は殆ど満席でした。1階席の前の方が空いていたのが気になったけれど……(3階席からだと 3階席と1階席の前5列ぐらいしか見えないのです)。
 お気に入りは4楽章の歌謡曲っぽい出だしでしょうか。なんだかオーケストラっぽくないって言うか。。。好き(笑)。

 最近の神奈川フィルはなんだか聴いていて気持ちがよい。オケの「やるぞ!」みたいな空気が伝わって来るんだよなぁ。 それで、それが演奏に反映されているって言うのが素晴らしい。
 メキメキと実力を伸ばす神奈川フィルの今後に更に期待★である。












2004年11月23日
彩の国ブラームス(管弦楽)
 プロジェクト
モーストリー・ブラームス プロB


場所:埼玉会館
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
チェロ:堤 剛
曲目:ブラームス/大学祝典序曲
ドヴォルジャーク/チェロ協奏曲 ロ短調 op.80
ブラームス/交響曲第4番 op.98

★ブラームスプロジェクト最終回。現田先生が力を入れていたこのシリーズも 今回で最終回となった。今回はドヴォルジャークの曲目も入ったが、 ブラームスは先日の定期で演奏しているだけあって、演奏がかなり煮詰まってきた感があった。

 始めの大学祝典序曲は、先日の演奏よりも弦の一体感が増し、管とのコンビネーションが 更に良くなった様に思えた。同じ曲目を二度聴くと言うのは演奏者はもちろん、 聴衆にとっても良い勉強になると思いました。

 ドヴォルジャークのチェロ協奏曲は今回、ソリストの堤氏の演奏によるCDにて予習をしていたのだが、 これが大分昔の録音であるせいか、生の効果なのか、CDよりも素晴らしかった。
 堤氏の音色は深く、それでいて背景に埋没しない音色。弾いている時の表情は本当に楽しそうで、気持ち良さそうな感じ。 時々現田氏と顔を見合わせてにっこり笑ったり、曲の盛り上がりに来ると大きく弾き倒しながらも とても楽しそうに見えた。こんな風に演奏するって言うのは幸せだなぁ。

 この曲、第3楽章で二箇所コンマスソロがあるのですが、その1回目の長いほうはソロと 二重奏の様な感じで、素晴らしいソロでした!やっぱり石田様ですねぇ〜。
 それまで割りと大人しい感じで演奏していたのですが、その部分だけは超ド派手。うぅん。これでこそ 石田様です。ところで、みょーに音がきっちりハッキリ聴こえて、ヴァイオリンってこんなに音大きかったっけ?と 思いました。うーん、2階席の後ろの方で聴いていたのだけれど、繊細ながらもしっかりとした音で 届きました。
 この部分、フィニッシュも凄くカッコよくて、本当に凄かったのです。二回目のソロの方はこれはこれでソロっぽくて 素敵。こんなおいしい部分があるなんて知らなかったです(苦笑)。

 さてメインのブラームス第4番。弦のまとまりの良さは相変わらず。金管の音が2階席の入口階段室 の部分で反響してめちゃめちゃ大きく聞こえました。前2曲では気にならなかったんですけどね。でも 音がクリアに、ハッキリと聴こえました。

 そして相変わらず可愛い2楽章。ピチカートの部分、案外短いのですね。 うーむ。大好きだから長いと思っていたけれど……。ピチカートと言えば、この曲のどの部分かちょっと 失念したのですが、とてもクリアな音のピチカートがあって、それが面白かったです。ピチカートって曲の中のアクセントになりますね。

 3楽章4楽章はほとんど間をおかずに。3楽章の心機一転!みたいなメロディが良いですね。 トライアングルが彩りを添えてて、今日気付いたんですが、ティンパニ以外この曲ってここにトライアングルが出て来るしか パーカッション無いのですね。平尾氏がじーっと待っているのを目撃してしまいました(笑)。

 そしてやっぱりラストは圧巻でした。ううむ。10日間と言う時間によってじっくり醗酵された感じかな。 演奏に円熟味が増していた感じがします。
 最近同一プログラムを2回聴く機会が多いのだが、これが中々面白い。同じ演奏者の演奏を較べる事が出来るし、 一度目の方が感動は大きくても、二度目はもう少し深く曲を聴く事が出来るからだ。来月は石田様のハチャトゥリアンを 二度聴きする予定。これもとても楽しみです。








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