2004年演奏会日記11月-2

11月27日 東京大学コーロ・ソーノ第51回定期演奏会@川口リリアホール
11月28日 CANTUS ANIMAE THE SEVENTH@三鷹芸術文化センター






2004年11月27日
 東京大学コーロ・ソーノ合唱団
 第51回定期演奏会


場所:川口総合文化センター
 リリアメインホール
曲目
エール
 うたえ春を(作:柳川直則)
1st STAGE
混声合唱による日本の四季「朧月夜」より
1.ふるさと(詩:高野辰之/編曲:飯沼信義)
2.通りゃんせ(わらべうた/編曲:平吉毅州)
3.朧月夜(詩:高野辰之/編曲:平吉毅州)
4.茶摘(文部省唱歌/編曲:飯沼信義)
5.紅葉(詩:高野辰之/編曲:飯沼信義)
6.雪(文部省唱歌/編曲:飯沼信義)
 指揮:大科睦美
 ピアノ:徳田絵里子
2nd STAGE
混声合唱曲集「光と風をつれて」
 (詩:工藤直子/曲:木下牧子)
 指揮:田中啓道
 ピアノ:森山至貴
3rd STAGE
「Basque Mgnificat」
 (曲:Javier Busto)
 指揮:鈴木成夫
4th STAGE
混声合唱曲集「旅のかなたに」
1.しあわせよカタツムリにのって
 (詩:やなせ・たかし)
2.歌(詩:谷川俊太郎)
3.それは(詩:長田弘)★
4.足(詩:寺山修司)★
5.旅のかなたに(詩:室生犀星)
 (曲:信長貴富)
 指揮:鈴木成夫
 ピアノ:山内知子
アンコール
「逝く夏の歌」(詩:中原中也/曲:信長貴富)
 指揮:鈴木成夫
「いつかどこかで」(詩:山本一徹/曲:木下牧子)
 指揮:田中啓道
 ピアノ:森山至貴

★いわゆる大学合唱団である。友人が出演するので聴いてきました。

 ソーノは何度か聴いた事があるけれど、やはり始めの方は少し押さえ気味。文部省唱歌や わらべ歌等の曲が並んだ第1ステージにはぴったりだった。 副学生指揮者のステージで、一年間音を造って来た人って事で、ステージがあるのでしょうか。良い事です。

 第2ステージの木下牧子はキレの良いピアノで、雰囲気がとても良い。ピアノがあれだけ挑発的なのだから、 もう少し合唱団はアグレッシヴでも良かったかも。でもこの控えめな感じがソーノなのかも。

 しかし後半になると声が一変。鈴木マジック発動で声が飛ぶ飛ぶ。スカンと突き抜ける声で、とても気持ちの良い 響きだった。ソプラノが高音部で多少逃げるのが気になったが許容範囲。ブストの透明感溢れるハーモニーを 聴かせてくれた。

 しかし、その第3ステージも第4ステージの前座でしかなかった。信長貴富の柔らかく青いメロディにソーノ の声がぴったりとはまり、とても良かった。
 どの曲も盛り上がりがドラマティックで、1曲だけでも演奏できる。2番等はサビが楽しく、気に入った。 3番、4番はなんと今日は初演。
 4番の「足」は雰囲気が全く違い、少し暗い。が、歌詞を繰り返すと明るいメロディになり、その対比がまた面白い。 また、音程がとても難しい所があり、合唱団も苦労したようだった。

 アンコールは信長貴富と木下牧子。どちらも作曲者特有の和音、音を感じた。やはりこの2人の曲は良い。 どちらの曲も楽譜は出版されていないらしい。

 これからのシーズンは大学合唱団の定期演奏会のシーズンでもある。今年は今のところこれしか予定がないが、 たまに聴きにいくととても面白い。私も大学合唱団に入っていたらどうなっていただろうと夢想し、それも ちょっと良かったかも・等と思うのである。




2004年11月28日 CANTUS ANIMAE
 第7回演奏会 みみをすます


場所:三鷹芸術文化センター
 風のホール
指揮:雨森文也
ピアノ:あずまみのり
打楽器:高梨晃
合唱:カントゥス・アニメ
曲目:
T
 イタリア・ルネサンス世俗曲
西風がやってきて/マレンツィオ
波はささやき/モンテヴェルディ
こおろぎ/ジョスカン・デ・プレ
美しい林/ヴェルト
U
 J.S.バッハ
 イエス、わが喜びよ
V
 野菜畑のソクラテス
〜無伴奏混声合唱のための〜
作詞:八木幹夫/作曲:堀内貴晃
W
 おれは歌だ おれはここを歩く
〜アメリカ先住民の三つの詩〜
訳詞:金関寿夫/堀内貴晃
X
 みみをすます
〜混声合唱と打楽器のための〜
作詞:谷川俊太郎/作曲:堀内貴晃
 (委嘱初演)
アンコール
 こもりうた
詩:たてはらみちぞう/作曲:堀内貴晃

★後半全部が堀内貴晃氏の曲と言う、作曲家にとってはとても嬉しい演奏会。 そもそも、以前上野の森コーラスパークで堀内氏の曲目をカントゥス・アニメが演奏した事が きっかけで委嘱初演をするまでの関係になったとの事。新しい作曲家に出会い、その可能性に賭けて 新曲を委嘱するなんて、素晴らしい合唱団ですね。

 前半のルネサンス曲は軽く、リズミカルなものが多い。個人的にはテノールが良かったです。 ただ、この合唱団、人数の割りに声量が有る為に逆に人数が多すぎる印象を受けました。 そんなに人数が居ないのになぁ。私個人の好みではルネサンス曲は少人数がベストなので、ちょっと音が多すぎる感有り。

 バッハはいかにもバッハな音が満載で、可愛らしい。こう、キラキラしている感じのバッハって好きなんですよね。
 お葬式の時に演奏した曲だそうだけれど、そんな感じはあまりしない。現在はそう言うところからは切り離されているから そう思うだけかもしれないけれど。

 後半の堀内氏の曲は、段々と彼の作曲の歴史、変化を感じさせる。 「野菜畑のソクラテス」は朝日作曲賞で佳作を授賞した作品で、楽譜は未出版(「だいこん」「韮」を除く)。 友人が言っていましたが、譜面で見たときと実際に演奏した時の印象がかなり違うのだとか。微妙な響きが多いので、 音を取るのも大変そう。そう言えば、作詞の八木幹夫氏もいらしてました。

 2曲目の「おれは歌だ おれはここを歩く」はまたガラっと作風が変わって、激しいピアノと対決する様な 合唱が印象的。でも使われる和音が堀内氏っぽい、と言う印象。でも、「野菜畑の〜」 とは全く違うテイストですねぇ。
 個人的には2曲目の「ホピの子守唄」が衝撃的でした。綺麗なだけじゃない曲で、ピアノも面白かったです。
 そうそう。忘れる事が出来ないのはピアノのあずまみのり嬢。出てきたときからもう楽しそう。そして 演奏が始まるとウキウキした感じがこちらまで伝わってきます。本当に楽しそうに演奏されていて、この曲を歌ってみたい! と思わせました。

 最後の委嘱初演は「みみをすます」。この曲、同じ詩で鈴木輝昭氏の曲が有名ですよね。同じ詩に曲を つける気分はどう言うものなのでしょうね。
 堀内氏はこの曲を書く為にこの団に一年間在籍したとの事で、団員の事を知り尽くして書いたのですね。 だから素晴らしい演奏になったんでしょうか。パーカッションではツリーチャイムが印象的で、とても面白い曲でした。

 演奏後は作曲家の堀内貴晃氏とお話が出来ました(なんと友人の招待券は作曲家ご本人からのものでした。感謝)。 ニコニコとお話される方で、演奏者の事も考えている事が伝わってきて、素晴らしいなと思いました。合唱団と 相思相愛ですな。羨ましい。

 あ、後、作曲家の信長貴富氏もいらっしゃっていて(注:館風は歌った事が無いくせに信長氏の曲が 大好きである)、ちゃっかりお話してしまいました。いつ見ても素敵(笑)。

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