2004年演奏会日記9月

9月13日 第4回東急グレイトコンポーザーシリーズ@オーチャードホール
9月17日 ★柴山陽子ソプラノコンサート@三鷹芸術文化センター風のホール
9月19日 ★神奈川フィル第209回定期演奏会@MMH
9月20日 第11回新しいうたを創る会演奏会@目黒カトリック教会
9月23日 パシフィック・コーラルデイズ2日目@タケミツメモリアル
9月24日 ★トリオ・リベルタ Live in TAMA@せいせきアウラホール
9月26日 ロイヤルストックホルムフィルハーモニ―管弦楽団@サントリーホール




2004年9月13日
 第4回東急グレートコンポーザー
 シリーズ
ヨハン シュトラウスT・U


場所:Bunkamura オーチャードホール
指揮:松沼俊彦
ソプラノ:澤畑恵美
テノール:福井敬
トークゲスト:岡本和子
司会:頼近美津子
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団

曲目:第1部
ポルカ『雷鳴と稲妻』作品324
 (ヨハン・シュトラウスU)
ポルカ『トリッチ・トラッチ』作品214
 (ヨハン・シュトラウスU)
ギャロップ『中国のギャロップ』作品20
 (ヨハン・シュトラウスT)

トークコーナー

『ベニークテ・アンネン・ポルカ』
 (ヨハン・シュトラウスT)
『アンネン・ポルカ』
 (ヨハン・シュトラウスU)
ワルツ『ローレライ、ラインの調べ』作品154
 (ヨハン・シュトラウスT)
ワルツ『美しく青きドナウ』作品314
 (ヨハン・シュトラウスU)
第2部:オペレッタ 『こうもり』
 (ヨハン・シュトラウスU)
「序曲」
「お客を呼ぶのはわたしの趣味で」(テノール)
「侯爵様、あなたのようなお方は」(ソプラノ)
「このしとやかさ」(デュオ)
「いなか娘の姿で」(ソプラノ)
「シャンパンの歌(ぶどう酒の燃える流れに)」(デュオ)
アンコール
 ラデツキー行進曲

★今日の演奏会は全席ご招待。今年の倍率はなんと20倍だったそうな。ちなみに 館風は初めてのオーチャード。一度来てみたかったんですよねぇ……。東急に感謝感謝。

 前半はどうも音がノリきらない感じがしたのですが、段々と盛り上がって来た感じがしました。 トークコーナーで作曲者やその時代の音楽について解説してくれたので曲にも入りやすく、中々に面白かったです。 『トリッチ・トラッチ・ポルカ』等は形式で見ると本当はギャロップに含まれる曲なのだそうです。でも お父さんのT世がギャロップの大家だった為に息子は父が生きているうちは「ギャロップ」と冠した曲は 書かなかったのだとか。お父さんの事を尊敬しているって、中々いいではないですか。

 トークの後の「アンネン・ポルカ」2曲は偶然親子が同じタイトルの曲を書いたとの事。ちなみに「アンナのための」とかそう言う意味らしいです。

 後半の「こうもり」は序曲は何度も聴いた事があったけれど、中身のアリアを聴くのは中々無いので良かったです。でも 「侯爵様、あなたのようなお方は」は、澤畑嬢の足をぴらりと見せるパフォーマンスで以前聴いた事があると気がつきました。 この曲、誰がやってもぴらりと足を見せるのね〜(笑)。
 他にも「このしとやかさ」と言う曲では二人がそれぞれ演技を見せてくれました。時計を取り出すシーン等は 演技たっぷり、とても楽しめました。

 しかも、このコンサートの素晴らしい所は全てのアリアやデュオが全て日本語だった事!日本語で意味が解る様に歌う・と言うのは 考えるよりずっと難しいので、この二人の歌唱力の素晴らしさが良く解りました。やっぱり、 聴いている時何を歌っているか解った方が楽しめますよね。
 こう言ういろんな人が来るコンサートで、日本語で歌ったりする試みは素晴らしいと思いました。そう言うところから 親しみが持てて興味が持てたりしますからね。とても楽しかったです。



2004年9月17日 柴山陽子(ソプラノ)
&オーケストラゼッフィロコンサート


場所:三鷹市芸術文化センター(風のホール)
指揮:小崎雅弘
ソプラノ:柴山陽子
オーケストラ ゼッフィロ
1stVn.:石田泰尚 村井俊明
2ndVn.:福井啓太 小松美穂
ヴィオラ:榎戸崇浩 内山隆達
チェロ:阪田宏彰 宮坂俊一郎
コントラバス:青木賢一郎
オーボエ:藪恵美子 名雪あかね
ファゴット:加藤秀一 森田信子
チェンバロ:平塚洋子
編曲:上田真樹
曲目:第1部
カルダーラ/親愛なる森(Sop,Cen,Vc.)
カッチーニ/アマリッリ(Sop,Cen,Vc.)
スカルラッティ/すみれ(Sop,Cen,Vc.)
ヴィヴァルディ/わたしはジャスミン
ヘンデル/歌劇「ジュリアス・シーザー」より
 私は運命に涙するでしょう(Sop,Strings,Cen.)
「メサイア」より、br>  喜べ、シオンの娘よ(Sop,Strings(-Vl),Cen.)
第2部/モーツァルト
ディヴェルティメント ヘ長調、K138 第1楽章(Strings)
コンサートアリア
 私は行くわ、でもどこへ?(-Cen)
 愛しい人よさようなら
ディヴェルティメント ニ長調、K136 第2楽章(Srg)
モテット
 踊れ、喜べ、幸いなる魂よ
アンコール
カッチーニ/アヴェマリア
ちいさい秋
ヘンデル/私を泣かせて下さい
(特別に書いていない物はフルメンバでの演奏。)

★初めての三鷹市芸術文化センター風のホール。こぢんまりとした綺麗なホールでした。 舞台の大きさも広すぎず、狭すぎず、今回くらいの編成のオケに丁度いいですね。
 オケの編成は低音重視で、とても歌いやすかったのではないかと推測。第1部の前半は チェンバロとチェロが伴奏で、チェロはYAMATOでもおなじみの阪田様。結局ソプラノの柴山嬢よりも 多い曲目に出演した事になりますね(笑)。

 柴山嬢は「すみれ」くらいになってやっと上り調子になったのか、1段階音量が上がったような感じで、 中音域から高音域の声がノって素晴らしい歌声でした。とても楽しそうだったのでもしかしたらこの曲が 好きなのかも。それまでの曲と明らかに笑顔が違う(笑)。

 オーケストラがフルで出てくると我らが(笑)石田様と共に、YAMATOの榎戸氏も。 噂の宮坂氏はあのイラストそっくりでした(Tune The Cello!参照)。

 ソプラノの柴山嬢はヘンデル等がお得意とだけあって、 メリスマが素晴らしかった。あの音量を保ちつつのあの歯切れの良い メリスマには感動。合唱をやっている手前思わず視線はお腹に集中(笑)。 もう、ブレスが凄いんですよ。息の使い方がとても効率が良くて、お腹を見ているだけでも演奏の素晴らしさがわかりました。
 柴山嬢は藤原歌劇団所属だけあって、ソプラノと言ってもひよったりしないかなりしっかりとしたソプラノで、 安定感がありました。

 後半には弦楽のみのディヴェルティメントが2曲あって、私のような邪道な聴衆には嬉しい所。でも実際には 歌手にとってもしっかり休憩が出来て良いのでしょうけど。前半がオケの椅子並べの時間くらいしか休む時間が 無かった方がおかしいんですよね。
 スタンダードな曲目ですけど、それだけにしっかりとしていて聴いていて安心感がありました。 モーツァルトってやっぱり良いなぁ。
 今日の石田様はソプラノの伴奏オケらしくちょっと控えめ。なのですが、この2曲だけは思い切り弾いていた様に 見えました。こう言う使い分けが出来るのがやっぱりプロですねぇ……。

 最後の曲の前に阪田様と宮坂氏がチェロを取り替えて居ました。何故??と思ったのだけれど、その曲で阪田様は ソロがあり、おそらくその関係ではないかと推測。本当の所はどうなのかしらないけれど(爆)。
 阪田様は着実に演奏するタイプなのか、ソロの所でもその他大勢の部分と同じ表情で弾いていて、オケとは言え、もっと目立っても良いのに!と ファンならではの感想も(笑)。
 あ、でも音はバッチリおいしい所持っていってましたね。演奏で持っていってればそれはそれで良いのか(笑)。 と言うか、ヴィジュアル重視になってしまっているのは石田様を見慣れているからか(笑)。

 最後の曲はフルメンバなのでオケも歌手も全力!と言う感じで、迫力のフィナーレでした。これだけの曲を歌ってきてここまで体力が 残っているって言うのも、プロですから当たり前なんですけど、やはり凄いなぁ、と言う風に思ってしまいました。柴山嬢は全曲暗譜ですしね。

 アンコールのカッチーニのアヴェ・マリアでは近くに座っていたお爺さんが感動のあまり泣き出してしまって、ちょっとびっくりしましたが、 それ程素晴らしい演奏だったと言う事。
 ソプラノもオケも聴き応えのある演奏で、聴きに行って良かったです。

























2004年9月19日 神奈川フィルハーモニ-管弦楽団
 第209回定期演奏会
『我が祖国〜チェコの魂〜』


場所:横浜みなとみらいホール
指揮:高関健
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:スメタナ/連作交響詩「我が祖国」
1.ヴィシェフラド(高い城)
2.ヴァルタヴァ(モルダウ)
3.シャールカ
4.ボヘミアの森と草原から
5.ターボル
6.ブラニーク
アンコール
 歌劇「売られた花嫁」より
 道化師の踊り

★今年はチェコを代表する作曲家4人の記念年が重なったらしい。 そんな訳で神奈川フィルの定期演奏会も「チェコ音楽祭2004」にこのコンサートで参加している。 連作交響詩を一時に聴けるのはとても嬉しい。

 今日は2ndヴァイオリンを上手に、チェロを1stヴァイオリンの奥に、更にその奥にコントラバスと言う、対向配置。 2ndヴァイオリンとヴィオラの後ろには2台のハープが据えられている。
 注目は弦の首席奏者が全員揃っている所だろうか。首席不在のヴィオラは成田寛氏がゲストで、安心して聴く事が出来た。 いつも見えない黒木氏が対向配置のおかげでじっくり弾く姿をみる事が出来た。しかし、コンバスを抱え込むように弾く為に 表情は殆ど見る事が出来ず。とほほ……。

 1曲目は美しいハープのソリから。ハープの音が思いのほか力強く、大きな音でびっくり。美しさと強さを兼ね備えた音色は オープニングを飾るに相応しかった。中間部でも1stヴァイオリンと掛け合いの部分では美しい音が際立って聴こえ、2台ある意味がわかったかも。 しかもその部分、石田様は弾く度にハープの反応を窺っていた様に見えました。石田様が視線を向ける先でその直後に ぱっと音が鳴るんですよね。それが面白くて今日は石田様の視線を追っていました。
 プロなら当たり前の事かも知れないんですが、どこで何が起こるのか、全部解ってての演奏なんですよね。もしかして 頭の中に総譜が入ってるんでしょうか。凄いなぁ。

 今日の注目はパーカッションで、シンバルの平尾氏は4セットのシンバルを使い分けていました。私には何がどう違うのか良く解らなかった のですが、多分、大きさの違いかと。小さく連続で鳴らす時は小さめの物を、大きく一発響きを残す時には大きな物を使っていたように思います。 その持ち替えが忙しくてついつい注目してしまいました。
 ティンパニの女性は神奈川フィル初登場……ですよね?弾き方が所々独特な所があって、 とてもカッコ良かったです。個人的にティンパニは叩いている所を見るのが好きなので、ああいうカッコよさはステキでした。

 指揮の高関氏はパーカッションのみならず様々なパートのきっかけを一つ一つ丁寧に振っていて、 見ていてとても面白かったです。しかもとても嬉しそうに振るんですよね。その姿勢に好感が持てました。

 気に入ったのは3番のシャールカで、冒頭から攻撃的な演奏なのですが、途中には美しいクラリネットソロもあり、様々な要素が楽しめました。 森川氏のソロは暖かい音で安心して聴く事が出来ました。
 ヴィオラも地味においしい所を持って行っていましたし、ラスト直前のトロンボーンのユニゾンはとてもカッコ良かったです。 色んな楽器に見せ場があって面白い曲と言う事なのでしょう。 5曲目のターボルのオーボエのメロディにクラリネットとホルンが絡むのもカッコ良かったですしね。

 後半に入るとどの曲も情熱的で迫力のフィナーレなので、1曲毎に拍手をしたい!と言う気持ちになりました。 最後の曲のフィニッシュではP席寄りのバルコニーから「サイコー!!」の声。いや、気持ちは解りますけど……ブラボーでも無く「サイコー!!」ですか(笑)。 その人も自分で気付いたのかブラボーって言い直していましたね(笑)。
 私は演奏会で「サイコー!!」って言うの、初めて聞きましたけど、まあ、それもアリでしょう。石田様は苦笑いしていましたけど(笑)。 だって演奏は「サイコー!!」でしたもの。



2004年9月20日
 第11回新しいうたを創る会演奏会
「創世神話劇〜祈りの彼方に〜」


場所:カトリック目黒教会
曲目: 権代敦彦《「A」 ―阿―》
 (2004)委嘱新作世界初演
 指揮:田中信昭
 ソプラノ:半田美和子
 カウンターテノール:彌勒忠史
 打楽器:池上英樹
 合唱:新しい合唱団
高橋悠治〜スイジャクオペラ〜《泥の海》
 (1999)委嘱作品
 藤井貞和詩集
 「ピューリファイ、ピューリファイ!」による
 語り:藤井貞和
 女ソロ:山口道子
 男ソロ:近藤政伸
 打楽器:池上英樹、入交泉
 合唱:新しい合唱団
 演出:田中信昭

★私が所属する神奈川フィル合唱団の音楽顧問の近藤先生が出演と言う事もあって権代敦彦好きの友人と 一緒に聴きに行ってきました。
 現代音楽と言うことだけあってどんな演奏になるのやら……と思っていたのですが、期待以上の面白い演奏でした。

 1曲目の新作初演は合唱団が4方に分かれての演奏。教会の2階回廊の左右に3人ずつ女声、後方にも女声が4人、 前方は女声3人に男声全部。その前に上手にカウンターテノールソロ、下手にソプラノソロが。合唱団の後ろには 打楽器の池上氏。

 圧巻は打楽器の池上氏。大太鼓をティンパニの様に叩くのを初めて見ました(笑)。 マリンバの演奏も激しく凄かったのですが、左手で大太鼓を叩きながら右手でチューブラーベルを叩き、 挙句の果てにその合間に楽譜をめくると言う神業でした。両手で違う楽器を演奏するだけでも凄いのに、 譜面までめくっちゃうなんて……いやはや、素晴らしかった。

 この曲は9つの章から成っていて、その一つ一つと歌が対応しているのがなんとなく(笑)わかりました。 8章の「ひろがってゆく愛」と言う所では合唱団員がホール全体に散るので実際にも「ひろがって」ゆくのが眼に見えて面白い。

 ソリストが素晴らしく、ソプラノの半田嬢はインパクトのある歌声で楽しませてくれました。力強いのにソプラノらしい 声で、感動でした。ラストの高音なんて、もう、鳥肌が立つほどの迫力。素晴らしかった!!
 カウンターテノールの彌勒氏も柔らかな声で、アルトかと勘違いするほどの綺麗な歌声。ピッチも素晴らしく良く、感動。 ビブラートの無い清潔な音が私の好みにはまっていて聴いていて心地よかったです。
 合唱団もよくぞあんな難しい曲をしっかり歌いきったと思います。歌いながら鳴り物を叩く合唱団員も居て、 合唱団員一人ひとりの能力の高さが判りました。

 そして後半はスイジャクオペラ。女声ソロと男声ソロは確かに単に「ソロ」としか書き様が無いかも。 ただ単に高音が出るだけでは務められないような内容のソロで、ソロはお二人とも本職はソプラノとテノールですが、 しっかりした声に存在感があって、普段の演奏とは違う感じがしました(って、私近藤先生のボイトレの時の声しか知らないけど)。
 ソプラノの山口嬢は会場後方に据えた視線に鬼気迫るものがあり、ぞくぞくしました。衣装も変わっていて、特に白いストッキングに 真っ赤な紋様が入っていたのには驚きでした。チラっと見えるだけなんですが、とってもカッコ良かったのです。

 合唱団員個人個人も少しづつ演技があったりして、面白かったです。特にグリーンの衣装を着ていた二人はソリストのリードとして台詞っぽいものが沢山 あったので大変だったのでは。それぞれがそれぞれのパートを持っていたので、おそらく1人1パートだったのではないかと推測。 それを全員が暗譜なのだから凄い。

 個人的に気に入ったのは聴く前から歌詞カードでちょっと気になっていた式八番の「ジープ」。
 6人の白い衣装の男声が、前二人は跪き、後ろ四人は頭上に茶色い布をみんなで支え、ジープを表現。 走って揺れているのを表現する為に小刻みに揺れる細かい演出つき。その中でもしっかり歌っているのだから凄い。 しかも歌詞に対応して潰れたりするのですよ。眼で見て楽しめる曲でした。

 コンクリート打ちっぱなしの教会で、かなり響き過ぎる感じだったのですが、演奏者側が それも考慮して歌っている感じがしました。合唱団がハモる所はハモるかハモらないかのギリギリの音(そう言う風に 譜面が書かれているのです)で、不思議な心地よさを作り出していました。何と言うか、 麻薬的な気持ち良さが有りました。現代音楽も癖になりそうです。



2004年9月23日
 パシフィック・コーラルデイズ
第二夜
 <自然><祈り><愛>をテーマに


場所:タケミツ・メモリアル
合唱団:
アデレイド・チェンバー・シンガーズ
 (指揮:カール・クロッシン)
ヴァンクーヴァー室内合唱団
 (指揮:ジョン・ワシュバン)
東京混声合唱団
 (指揮:松原千振)
曲目
>自然
スティーヴン・リーク/コンダリラ[滝の精](ACS)
R・マリー・シェイファー/ミニワンカ[水の瞬<とき>](VCC)
池辺晋一郎/チカプ・レキ-「東洋民謡集U」より
 (北海道アイヌ伝承民謡・TPC)
>祈り
千原秀喜/「おらしょ-カクレキリシタン3つの歌」よりV(TPC)
黒人霊歌・ジョン・ワシュバン編曲/ギレアドの香油(VCC)
カール・クロッシン/カリタス[いつくしみ](ACS)
>愛
ポール・グラボウスキ/生きよう、ぼくのレスビア(ACS)
間宮芳生/知覧節「合唱のための12のインヴェンション-日本民謡による」より
 (鹿児島県民謡による・TPC)
リオネル・ドネ/ミラボー橋(VCC)
>平和への祈り―現代の「アヴェ・マリア」(合同演奏)
ヨナス・タムリオニス(リトアニア)/アヴェ・マリア(指揮:松原千振)
エイトール・ヴィラ=ロボス(ブラジル)/アヴェ・マリア(指揮:カール・クロッシン)
イマント・ラミンシュ(カナダ)/アヴェ・マリア(指揮:ジョン・ワシュバン)
>ゾルターン・コダーイ/オルガン賛歌(合同演奏)
指揮:松原千振
オルガン:小林英之
>アンコール
モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス(指揮:カール・クロッシン)
パブロス・カザルス/O vos omnes(指揮:ジョン・ワシュバン)

★以前応募したチケットが外れたお陰で(笑)招待券を頂いた。招待券だけあって 座席はとんでもなく前でしたけれど、それだけ合唱団員が身近に感じられた演奏会でした。

 どの合唱団もその国の代表、と言う位置付けなのか、とても上手い。特にオーストラリアが凄かった。 ソプラノのソリストの女性は何でも無い顔をして凄い音を出していました。彼女は本当に凄かったです。
 一番気に入ったのは一番初めに歌った「コンダリラ」。舞台上は男声だけで、女声は二階席と三階席のバルコニーに散って 殆どソリスト。と言うか、全てのパートが違う事をしていたと思います。女声の一人ひとりの声がそれこそ 滝のように流れ落ちてくる感覚で、前のほうに座っていた私は思わず上を見上げてしまいました。

 合同合唱は上手い合唱団が合わさっていて、凄い人数になっているので音圧が凄い。前のほうに座っていた為 殆どの音が頭上を越えていきました(涙)。合唱団のお姉さんのお腹がボコボコ動くのが見えました。なんだか凄いなぁ。。。

 オルガン付きの曲は、なんと言うか、この人数、この上手さじゃないと出来ないなぁ、と思いました。オルガンの音がどうしても 大きいので人数が必要ですし、何よりハモる部分も多いので音感の良さが要求されると思うんですよね。
 ただ、問題はどの合唱団も上手すぎて眠りの世界へ誘わ……ごふんごふん。

 どこをとっても素晴らしいハーモニーの演奏会でした。やはりプロは違います。ただ、惜しむらくは チケットを私が頂いたみたいに撒かないと席が埋らないと言う現実でしょうか。新聞に毎週応募が出ているのが 管弦楽、合唱のコンサートの現実……。もっといろんな人が聴いてくれればいいのに、と思いました。













2004年9月24日 FM TAMA G-WIND Special Live
TRIO LIBERTAD LIVE in Tama


場所:聖蹟アウラホール
演奏:トリオ・リベルタ
 ヴァイオリン:石田泰尚
 サックス:松原孝政
 ピアノ:中岡太志
曲目:アストル・ピアソラ
ブエノスアイレス午前0時
デカリシモ
アディオス・ノニーノ
悪魔のロマンス
天使の死
天使のミロンガ
天使の復活
ミケランジェロ'70
ブエノスアイレスの春
ブエノスアイレスの夏
ブエノスアイレスの秋
ブエノスアイレスの冬

タンガータ
 アンコール
リベル・タンゴ
乾杯

★本日の演奏会はエフエム多摩が企画したスペシャルプログラム。そもそも この演奏会に向けてトリオ・リベルタそれぞれのメンバーがラジオに出演していたのだから凄い。 残念ながら館風の家は電波が入らず撃沈。13日の放送だけでも聴きたかった……(涙)。

 さて、演奏会のほうはすっかりお馴染みになった「ブエノスアイレス午前0時」から。 真っ暗な会場が徐々に明るくなって行くのですが、全体的に押さえられた照明が雰囲気万点。 今日の照明は全体的に凄く曲とマッチしていて良かったと思います。会場に拍手!

 石田様はMCで地元と言う事もあって「いつもよりがんばりたいです。」との発言も。もぅ、俄然期待できるじゃないですか!! 「JAZZプロ前だからなぁ……」とか言ってた自分、謝りなさい。来て良かった!!(笑)
 中岡氏のMCはリベルタファンにはお馴染みのピアソラについて。毎回少しずつ違って、毎回勉強になります。
 今回のプログラムは天使シリーズとブエノスアイレスの四季全曲があるんですよね。天使シリーズは後2曲あるみたいですが。 いつかそれも聴いてみたいですよね。

 石田様は天を切裂くような高音と柔らかい高音とを使い分け、ヴァイオリンの色々な音色を聴かせてくれました。中低音はいつも通り柔らかく、包み込むような 音色でうっとり。これだけ色々な技術が要求される曲って言うのはやっぱりピアソラならでは・なんでしょうか。

 後半のトップは私の大好きな!「ミケランジェロ'70」。この曲、短いのですがとても好きなんですよね。 今日も良い演奏を聴かせて下さいました。大好きな曲だけに演奏会で聴けるとやっぱり感動もひとしお。

 本日の目玉、ブエノスアイレスの四季。MCで中岡氏はそれぞれに「どれが好き?」と訊いたのですが、石田様は演奏用マイクに顔を近付けボソっと「冬」と一言。 中岡氏は「マイク持ってよ」と苦笑いしながらそれでも石田様が「冬」って感じに納得していました。私も曲を改めて聴いて納得しました。理由は後ほど。
 松原氏は「秋」がお好きらしいのですが、最近「秋」は演奏して無かったらしく、今回全曲と言う事で満面の笑みを浮かべたとか。三年越しとの事で、演奏のほうもとても 楽しそうに見受けられました。
 ちなみに中岡氏がお好きなのは気だるい「夏」。中岡氏は見事なバラけっぷりに「気の合う3人で……」と軽口を叩いてました。 でも、バラけているからこそお互いに主張しあって音楽が高められているのかも知れないなぁ……と思いつつ。

 さて、「冬」を実際に聴くと、石田様がこの曲をお好きな理由が判りました。
 これ、ヴァイオリンがめちゃめちゃオイシイ。いや、勿論そう言うアレンジにしてあるって事なのかも知れませんが、ヴァイオリンソロがすぅーごく素敵なのです。 これを弾くって言うんだったらこれが好きになるわ。そりゃそうだ。
 背景のライティングも薄暗い、冬の朝みたいな薄茶色の光から曲調が変わった所でピンクと虹色に変化するんですね。 これがもう、激的な音楽と相まってとても素敵。ブエノスアイレスの四季シリーズのシメに相応しい作品でした。

 今日のホールは殆ど満席。先日の神奈フィル定期でビラが挟まれたので「大丈夫なのか?!」と心配してしまったのですが、 そんな心配は必要ありませんでしたね。今日の演奏会でコレですから、次の横浜JAZZプロムナードではどうなるのか とても楽しみです!!




2004年9月27日 World Orchestra Series 2004-20045[Series B]
島津製作所130周年記念スペシャル
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団


場所:サントリーホール
指揮:アラン・ギルバート
ピアノ:梯剛之
曲目:
W.A.モーツァルト
 ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488
ピアノアンコール
ショパン
 ノクターン第8番-op.27-2
ブルックナー
 交響曲 第4番 変ホ長調「ロマンティック」
アンコール
ステンハマー
 カンタータ「ザ・ソング」より 間奏曲
アルベーン
 「ザ・マウンテンキング」より
 羊飼いの踊り

★5名様にチケットプレゼントと言う倍率の高そうなものだったにも関わらず当選した。 でも行ってみたらチケット引換所には5人以上の人が並んでました(笑)。それでも チケットをいただけたので聴く事が出来ました。感謝感謝。

 モーツァルトは約40人の小編成。オーボエの代わりにクラリネットが入っていてちょっと 不思議に思ったのだけれど(なんせ小編成=木管はオーボエと言うイメージがある)友人によれば モーツァルトの時代には既にクラリネットも改良が進んでいたのではないかとの事。更にこの時代は 木管は6本、と言うのがスタンダードだった為、クラリネットを2本入れるとオーボエがはじき出されると言うわけ。 って、全部友人の受け売りですが(>有難う。)。
 (追記:そもそも楽譜はクラリネットで書かれており、クラリネットが無い場合はヴァイオリンかヴィオラで代用するように、 と言うモーツァルトの指示があるとの事)

 軽やかで丸みのある音色はいかにもモーツァルトと言う感じ。
 3楽章ではヴァイオリンやフルートがやる分には驚かないけれど、それをバスーンにやらせるの!?と言うような 超絶技巧が。いかに私のバスーンのイメージが「ボエー」って言う通奏低音しかやらない・みたいなものだったか わかるエピソードですね。軽やかなバスーンと言うのは衝撃的でした。
 ソリストの梯氏は安心感を与える音色で、それでいてモーツァルトの軽やかさは失わない、素晴らしい演奏でした。

 ブルックナーは所謂ブルックナー開始というやつで、弦の上に管がメロディパートを重ねる開始だったのですが、 このメロディを演奏したホルンが素晴らしかった!!!ホルンソロだったのですが、いつ入ったかわからない位の自然な入りと、 美しいメロディ。ホルンの音はかくあるべき、と言う様に感じました。全曲を通して何度かホルンソロが有ったのですが、 思わずそのおじ様に見入ってしまいました。今日のMVPは彼に決定!!
 (追記:ホルンのおじ様が上手いのは当たり前。彼はイブ・ランツキー=オットーと言う世界的ホルンの名手でした。何も知らなくてごめんなさい……)

 編成はモーツァルトとは打って変わって80人と言う大編成。チューバにトロンボーンが3本、コントラバスが 8人、チェロが10人と、かなり重厚な構成で、音が全体的に重くなりました。
 なんと言ってもコントラバスの存在感が素晴らしく、モーツァルトとは違う魅力を感じました。そう言えば、ここのコンバスの方はみんな 深く椅子に腰掛けてまるでチェロをそうする様に演奏していました。でかいチェロだなぁ(笑)。
 全体的な音色としてはなんだか攻撃的な感じがして、ちょっとびっくりしました。ティンパニが決然として、カッコ良かったですね。

 そう言えば演奏中、2ndヴァイオリンの2プルの方……かな?の弦が切れてしまったらしく、四苦八苦していました。 こう言うの、後ろの人とヴァイオリンを取り替える、と言うのを聞いた事があったのですが、その人は隣の隣のおじさんから なにやら包みを受け取るとなんとヴァイオリンを直しはじめました。……。演奏しなくて良いんですか?(笑)。
 結局その方は延々とヴァイオリンをなにやらいじり(私の席からではその前の人が邪魔でよく見えなかった)、かなりの時間が経ってから 演奏に復帰しました。復帰した瞬間の隣のお姉さんの顔と言ったら!その慈しみに溢れた笑顔で団員同士、仲が良いんだなぁ・と言う事が凄く伝わってきました。 こう言う信頼関係と言うか、つながりがしっかりしているって、いい事だなぁ……。
















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