2004年演奏会日記8月

8月1日 合唱団MIWO 東京演奏会@第一生命ホール
8月21日 ★石田泰尚ソロコンサート@多摩市民館
8月27日 ★みんなのコンサート@MMH
8月28日 ブルーアイランド氏のお喋りコンサート@ミューザ川崎(17時)




2004年8月1日 MIWO in Tokyo


場所:第一生命ホール
指揮:大谷研二(1,3,4)
岩本達明(2)
チェロ:西澤央子(1)
ポジティブオルガン:能登伊津子(1)
合唱:合唱団MIWO
曲目:1st stage:J.S.バッハ
来たれ、イエスよ、来たれ
(Komm,Jesu,komm BWV229)
主に向かいて歌え新しき歌を
(Singet dem Herrn Ein neues Lied BWV225)
 2nd stage:F.プーランク
ミサ曲 ト長調
 3rd stage:C.V.スタンフォード
3つのモテット
 4th stage:鈴木輝昭
無伴奏混声合唱のための
リリケ アモローゼ
古代エジプト恋愛抒情詩より
(LIRICHE AMOROSE)
 アンコール
F.プーランク/サルベ・レジーナ
鈴木輝昭編曲
 Over the Reinbow

★岐阜の合唱団MIWOの東京公演である。合唱団MIWOはアマチュアの中では(と言っても、日本で「合唱だけで食べている」と言う意味のプロは東混しかないのであるが) 上手い上手いと評判の合唱団である。が。如何せん演奏会が岐阜でしか無かったので今まで聴いた事が無かった。そして今日、 どうしてこんなに上手いと評判なのか解った。
 本当に上手いのである。もう、どのパートも声が揃っていて、まるく、温かみのある、響きの深い声なのだ。 テノールとアルトなんてどちらがどちらなのか解らないくらいのまろやかな声。これだよこれー!! ソプラノもキンキンしてなくて柔らかな音質。どうしてあんな高音があんなに柔らかく出るのか。上手すぎです〜。

 さて、1ステージはバッハ。この二曲目、歌った事があるのですが、いやはや、こんな曲だったのですね〜(笑)。 各パートのバランスがとても良く、8パート(2群4声)が一体となって音楽を作っているのが良かったです。 指揮者と歌い手が一体となっているのも見ていてわかりましたし、上手いだけでなく、雰囲気もとても良い合唱団だと感じました。

 2ステージのプーランクは指揮者の違いか、合唱団の雰囲気もガラリと変わりました。何と言うか勢いが増えて、十歳くらい雰囲気が若返った感じがしましたね。 そしてより感情表現が豊かになった気がしました。
 最後の曲のアニュス・デイのソリストがめちゃうまで、素晴らしかったです。合唱団にこんなに素晴らしい歌い手がいるって言うのは素晴らしい事ですね。

 3ステも4ステも上手くて言う事なし。素晴らしかったですー。後半もダレる事無く、演奏のクオリティを保っていて、 演奏者としてのプロ意識を感じました。
 4ステの前には作曲者の鈴木輝昭氏と指揮の大谷研二氏が漫談インタビューをしたのですが、 それがとても面白かったです。鈴木氏も大谷氏もすごく面白い人です。なんだか、その後の演奏とのギャップが凄いな・と思ったのは 私だけでしょうか(笑)。

 ちなみに、アンコール曲は表示が無かったのですが、聴きにきていた先輩に聞いたらあっさり教えてくれました。 鈴木輝昭編曲のオーバー・ザ・レインボウなんて、マニアック過ぎなのにどうして知っているのか(笑)。合唱界侮りがたし(笑)。








2004年8月21日
第二回コミュニティコンサート2004
 夏の出逢い 星空の部
〜ヴァイオリンの音色と共に〜


場所:多摩市民館
ヴァイオリン:石田泰尚
ピアノ:中岡太志
曲目:ヴァイオリン小品名曲集
J・S バッハ
 管弦楽組曲第V番 第二曲
 「G線上のアリア」
クライスラー
 愛の悲しみ
 愛の喜び
マスネ
 タイスの瞑想曲
サラサーテ
 チゴイネルワイゼン
チャイコフスキー
 アンダンテカンタービレ
ジョン・ウィリアムズ
 シンドラーのリスト
モンティ
 チャルダーシュ

ピアソラの調べ
 来るべきもの
 オブリビオン―忘却―
 鮫
 勝利
 バルシシモ(ピアノのみ)
 ル・グラン・タンゴ
 リベルタンゴ

アンコール
クライスラー
 美しきロスマリネ
川の流れのように

★待ってましたソロコンサート。主催は「みんなのためのコンサート実行委員会」。どうも 川崎市多摩区を中心に音楽文化の発展を・と言う事らしい。それで呼んで来たのが我らが石田泰尚と言う訳。 よくやった!!が、主催側にダメ出しもしたい(笑)。ま、それはおいておいて。

 本日のプログラムは前半はヴァイオリン小品名曲集と銘打って、誰でも知っているような名曲ばかり。 中岡氏はMCで「ヴァイオリン有名小品曲集」と言っていましたが……それもまあ、間違ってない(笑)。
 まるで「ヴァイオリン名曲集」みたいなCDを聴いている様な贅沢なラインナップの上に、それが生なんですよ! CDはこの感動に勝てませんね。やはり生演奏はたまらない。願わくば次はオケ伴で(笑)。

 「愛の悲しみ」のラストがアッサリ風味な所とか、石田様独特ですよね。なんて言うか、どの曲も 「とっても石田風」なのです。聴きなれた曲ばかりなのでアレンジが効いているとすぐ分かり、それがまた面白かったりして。

 タイスの瞑想曲は石田様の演奏で一度は聴きたい!と思っていた名曲。先日の夏休みコンサートでも演った曲目ですが、 行けなかった私はこのコンサートでの演奏を楽しみにしていたのです。
 やっぱりええなぁ……。心なしか石田様の演奏も凄く丁寧な気がします。丁寧に丁寧に心の中に入ってくる音楽だと思いました。 押し付けがましくなく、とても自然だったと思います。

 ツィゴイネルワイゼンやチャルダーシュではアレンジ炸裂。
 ツィゴイネルワイゼン、前半はいつもよりも丁寧な演奏で、後半、いつもより加速していた気がしました。伴奏の中岡氏が 付いていくのに必死な感じが伝わりました。
 個人的に左手の小指で弦を弾(はじ)く所が大好きなのでそれが間近で見れてとても嬉しかったです。

 そんでもって今回の奇跡(笑)。プログラムに「シンドラーのリスト」があるではないですか。 私がHPで聴きたい聴きたいとわめきまくったのが良かったのか(笑)プログラムに入っている。。。この願いが通じたと「勝手に」思う事にします(笑)。
 2年前に聴いた時も泣きましたけど、今回もちょっとうるっと来てしまいました。短い曲ですが、深い情感を引き出した演奏に泣かされました。

 石田様の演奏の特徴として、弾き始める直前まではしれっとした顔をしているんですが、演奏が始まった瞬間に曲の中にぐっと入り込むんですね。 前半の曲目は殆ど目を閉じて曲目に入り込んで演奏していた感じでした。譜めくりはしていましたがあまり譜面は見ていなかったと思います。 流石「有名小品曲集」(笑)。きっと弾き慣れて自分の物になっている曲目が多かったのでしょう。

 さて後半。トリオ・リベルタファンにはお馴染みのピアソラの曲目を。
 こっちのプログラミングも好きな曲ばかりで嬉しい所。でも個人的にはキリ…もとい、ミケランジェロ'70が聴きたかった。いや、好きな曲ってだけなんですけど(笑)。 ココに書いておいたらもしかしたら実現するかも知れないから書いておこう(笑)。

 オブリビオンはやっぱり好きな曲です。ヴァイオリンソロで聴くとまた違いますね。
 リベルタで聴いた曲もサックス無しのヴァイオリンソロなのでおいしい所を全て石田様が演奏しててとても嬉しかったです(<酷い。松原ファンの気持ちも考えろ)。 でもやっぱり三人で演奏している方が音が厚くて良いかもしれません。これはもう、仕方の無い事ですね。
 でも後半は石田様、始終楽しそうな顔をして演奏して居た様に感じました。ぐいっと左側を振り返って中岡氏とアイコンタクトを取ったりしていました。

 中岡氏が曲目解説を色々してくれましたが、噛んだとかそう言う事しか憶えてません。ゴメンナサイ。
 しかし、1部・2部通してMCはずーっと中岡氏。アンコールになってやっと石田様がMCに登場。中岡氏が促してやっと石田様もマイクを握りました。 何でマイクを2本用意しておかなかったのか……。
 マイクを握った石田様は「えー……頑張りました。」会場内は石田ファンしか居ませんから(笑)この台詞、前に言ったって言うの知ってるんですかね。微妙に暖かい雰囲気になりました。 その後はアンコールのタイトルを言って、MC終了。それだけ?!と思ったのは館風だけではないはず。
 それにしても石田様の声って低くていいですねー。何だか落ち着く声をしています〜。

 今回のコンサートは主催に呼ばれて演奏・と言う事もあり、割と一般のクラシック好きの人や、クラシック初心者向けなプログラミングだったのですが、 次にソロコンサートをする時は石田様の好きな曲目などを演奏して欲しいなぁ〜と思いました。個人的にはサラサーテの「カルメン幻想曲」が聴きたいです。 オケ伴で(笑)。取りあえず次回に望む事は「オケ伴」って事でしょうか。来年のB→Cが楽しみです。










2004年8月27日
〜神奈川フィル楽器ワークショップ〜
みんなのオーケストラ 発表コンサート
みんなの★コンサート
 神奈川フィルのメンバーと
 受講生のみんなによる合同演奏会


場所:横浜みなとみらいホール
指揮・音楽監督:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 楽器ワークショップ受講生
司会:岩崎里衣
曲目:第1部(☆は神奈フィルのみの演奏)
ブラームス/ハンガリー舞曲 第5番
☆ドヴォルザーク/スラブ舞曲 第8番
ビゼー/「カルメン」組曲より トレアドール
☆ドヴォルザーク/スラブ舞曲 第10番
チャイコフスキー/スラブ行進曲
 <第2部>
☆ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」

★正直な所、子どもと一緒の演奏だからどうかな・と思っていた。 だが、なかなかどうして、ステキな演奏を聴かせてくれた。
 どのパートもプルトの表に子どもたちを座らせて、裏にオケの団員たちが付くと言う、 なんとも贅沢な編成。石田様も1プル裏に座ってコンサート・ミストレスをサポート。 譜めくりまでしちゃったりして、ちょっとレアな感じ(笑)。 しかし演奏中は石田様はいつも通りの真剣そのもの。聴いているこちらにも伝わってくる気迫でした。 かっこえぇ〜!

 各曲の間のMCでは色々なパートから受講生に一人ずつ出て来てもらってのインタビュー。講師の先生に 話を聞くと言う回もありました。
 印象的だったのは一番始めのパーカッションの女の子。彼女を送り出す時の平尾氏の娘を見守るパパの様な顔が忘れられません。 彼女が何か言うたびに嬉しそうでした。やっぱり先生としては自分の教えた生徒は可愛いんですねぇ。
 他にも今回のワークショップで初めてヴァイオリンに触った男の子に対するインタビューで彼が「変な音が出てしまった所も あったけど……」と言った所では石田様がその後ろで「ええ?!」みたいな顔をしていました。何だかそんな素っぽい感じの表情が珍しかったので 印象的でした。
 それにしても、皆誰がインタビューされるのかとか多分事前に決まってるんだから、何を喋ろうかとかもう少し考えてきた方がいいと思いました(笑)。頑張れ。

 スラブ舞曲の8番は、受講生無しの演奏で、いきなりぐっと人数が減ったのですが、そこは流石プロ。 むしろ迫力がありました。やっぱり洗練されていたからでしょうか。心なしか石田様も裏で弾いていた時よりも 動きが派手。あ、もしかして裏だと動き難いとか?(多分それはある)

 受講生と一緒の演奏では途中どきりとした所もあったり無かったりだったのですが、大体のところは人数の勝利と言うのか、 大迫力の演奏でした。
 そう言えばチャイコフスキーのスラブ行進曲で「1812年」と同じメロディが出て来てやっぱり同じ作曲家だナァと思いました。 と言うか、あの部分ってもしかしてロシア国歌なのかな??(<よく知らない)
 今日の曲目は「一部分は知っているけど、全曲ってそう言えばきちんと聴いた事が無いかも」と言うラインナップで、 良い感じでした。

 そしてその「一部は知っているけど〜」の代表格。本日のメイン。ベートーヴェン交響曲第5番「運命」。
 この曲、あの主題以外殆ど知りませんでした(笑)。オケの面々も本日のメインだけあって気合の入り方が違います。 石田様が指揮を確認する視線は刺さるかの様。かっこぇえー!!!と思ったのは私だけではないはず。
 勿論演奏の方は何と言うのですかね、大人の魅力ですか。若い人たちには負けませんよ的空気が 出ていましたねぇ。神奈川フィルも中々やるな!と言う感じ。久々に神奈川フィルを聴いた気がしますが、いい演奏で良かったです!

 このワークショップ、楽器初心者から経験者まで、ごちゃ混ぜに行なわれています。これからずっと音楽を続けていく人も、 そうでない人も、このワークショップを通して得る物があったのではないかな・と思うと、これからもこのワークショップが続いて欲しいナァ と思うばかりでした。この辺りはパンフレットの現田氏の言葉の通りだと思いました。



2004年8月28日
 ブルーアイランド氏の
おしゃべりコンサート
クラシック超入門
「知ってるクラシック!
 オーケストラ編」


場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮・ピアノ・お話:青島広志
ゲスト・コンサートマスタ:佐藤慶子
オーケストラ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:第1部
R.シュトラウス
 交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」より
ヴィヴァルディ
 「四季」より「春」(第一楽章)
モーツァルト
 トルコ行進曲(編曲:青島広志)
チャイコフスキー
 バレエ組曲「くるみ割り人形」より
 「花のワルツ」
 「こんぺい糖の踊り」
ドヴォルザーク
 交響曲第9番「新世界から」より(第4楽章) エルガー
 行進曲「威風堂々」第1番
メンデルスゾーン
 「結婚行進曲」より
チャイコフスキー
 弦楽セレナード 第一楽章より
ボロディン/だったん人の踊り
マスネ/タイスの瞑想曲
ラヴェル/ボレロ
アンコール
ビゼー/「カルメン」より「トレアドール」

★今日の演奏会はクラシック超入門編・と言うだけあって、 とっても豪華なラインナップ。タイトルだけならみんな一度は聞いた事があるし、 タイトルは知らずとも音の方は音の方で必ず聴いた事があるような曲ばかり。 ここまでメジャな曲ばかり並ぶと逆に文句を言う気もなくなります(笑)。
 会場内は完売したと言うだけあってほぼ満席。P席や2階・3階のサイドに空き席が見られましたけど、 そんなのは誤差の範囲内でしょう。夏休み最後の土曜日に親子連れでコンサート・と言う人も多く見られましたが、 案外単純に神奈フィルファン・クラシックファンも見受けられたように感じました(私の近くにそう言う人が 多いだけだったのかもしれない)。

 パンフレットも割り合い子ども向けに解りやすく書いてあり、豆知識の頁は極端に解りやすい(笑)曲目解説 と言った所だろうか。
 ところでトルコ行進曲のところに「ピアノもじょうずなブルーアイランド氏の……」と書いてありましたが、 この人めちゃめちゃピアノは上手ですからぁ!ピアノを弾いている時とトークをしている時の表情が 全然違いますね!私は鍵盤が見えたのですが、青島氏の丁寧なタッチを見る事が出来ました。うーん、 この人は本当に作曲家なのだろうか。

 ヴィヴァルディの「春」と「タイスの瞑想曲」でソロを披露したのはゲスト・コンミス・佐藤慶子嬢。 98年まで新星日響のコンミスをされていたらしい。と言う事は石田様の前任者ですね。
 彼女の演奏は力強いボウイングの、メリハリの効いた演奏。音がとってもシャープですね。余計な物が全て殺ぎ落とされた演奏でした。

 さて、本日のメインはボレロな訳ですが、あのスネアを叩くのは我らがパーカスの平尾氏★エルガーの「威風堂々」でも カッチョイイスネアを聴かせてくれましたが、ボレロのそれは本当に素晴らしかった!狂う事のないリズム、聞こえるか聞こえないかの境目の ピアニッシモからオケが最大音量になっても底辺に流れ続けるリズム。これは最早職人芸ですね。
 私はかなり前の方に座っていたので音圧を感じるばかりでなく、地面から直に振動が伝わってきました。音って振動なんだなぁと 実感しました。

 青島氏のMCは面白い中に演奏を楽しむ要素をきちんと伝えてくれて、子どもたちの興味を惹きつけていました。 子ども達もクラシック音楽に色んな楽しみ方があると気付いてくれたんじゃないかなぁ。
 今日一番印象的だったのは、最後のボレロが終わった後、二つ隣に座っていた女の子(4歳いってない位)が 身体を弾ませて拍手していた事でした。その後のアンコールのトレアドールでは椅子の上で座ったまま飛び跳ねて手拍子を打っていました。 そうそう。こう言う風に楽しめるようになってくれる子がたくさん出るといいな・と思うわけです。
 この演奏会の狙いがバッチリ上手く行っているようだったのでとても嬉しいですね。来年からも是非この 企画、続けて欲しいですね。









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