2004年演奏会日記7月

7月3日 ★神奈川フィル第208回定期演奏会@KH
7月9日 ★第22回クラウン・クラシックコンサート@MMH
7月19日 合唱団響 定期演奏会@めぐろパーシモンホール




2004年7月3日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第208回定期演奏会『浪漫派の巨匠』


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
語り:村田健司
テノール:経種廉彦
バリトン:星野淳
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
演奏:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱団音楽監督:近藤政伸
合唱団:神奈川フィル合唱団
曲目:ベルリオーズ
 幻想交響曲 作品14
「レリオ、生への復帰」作品14bis

★今回館風は合唱団で参加。なので残念ながら前半の幻想交響曲はまるっと聴けませんでした。良い演奏だったらしいので 歯噛みする程悔しいですが、まあ、合唱団としての自分を選んだので仕方有りません。

 という訳で今回は「レリオ」の感想のみで申し訳なく。

 この曲はそもそも演奏される機会が少ない曲とのことでしたが、歌っているこちらとしては中々に面白い曲でした。 合唱団の出番が極少ないのが残念なのですが。
 形式としては主人公レリオの独白に演奏が挟まれる、劇のような形式。幻想交響曲では死に向かっていた心情が 段々と生きる方向へと動いていく過程を描いています。

 語りの村田氏は演奏会開始前の現田氏のプレトークから舞台に置かれたテーブルの所に座り、雰囲気を出していました。
 そんな感じで第2部の頭は幻想交響曲のリフレイン、と言うか、一番最後の部分を少し演奏してから始まりました。

 リハーサルを何回も重ねて本番に挑んだので、些細な違いとかも結構聴けるようになっていたので、オケの本番の気合の入り方の違いが 目に見えるようでした(<色んなツッコミは入れないように)。

 演奏していると結構ぐわーっと曲に入ってしまうので中々書ける事など無いのですが、練習の時に「あー、ここ、現田先生が チェック入れたなー」とか思いながら演奏していました。久々に冷静に演奏できたかもしれません。
 まあ、様々なアクシデント(笑)もありましたが、オケの迫力の演奏が全て帳消しにしてくれたと思います。

 ラスト、大迫力のフィナーレなのですが、その後にも演奏が続くので、そこで拍手が来ないかな……と 少し心配していたのですが、村田氏の間髪入れない演技で拍手が来る事も無く、綺麗に終われたと思います。 語りの間も客席はしんとしていて、久々に演奏していても聴いていても気持ちの良い演奏会だったと思いました。








2004年7月9日 第22回 クラウン
 クラシックコンサート


場所:みなとみらいホール
指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ピアノ:小山実稚恵
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:
F.リスト
 ピアノ協奏曲第2番 イ長調
 死の舞踏
J.ブラームス
 交響曲第3番 ヘ長調作品90
アンコール
シューベルト
 ドイツ舞曲

★本日はトヨタ主催の全席ご招待公演。昨年も石田様が乗り番だったが、今年も石田様が乗り番。 トヨタも解ってらっしゃる。

 リスト2曲はソリストの小山嬢が圧巻だった。今回久々に下手側だった館風にひあピアニストの手が良く見えた。
 グリッサンドで波打つ鍵盤は私が普段知っているそれとは全く違うものに見えたし、両手はまるでそれぞれが独立した別個の生き物の様に 動き回っていた。あの指の複雑な動きを見ているだけでもかなり楽しめた。
 オケもソリストに負けじとテンションが上がっていく。チェロ首席の山本氏(髪の毛を切ってさっぱりされていました)のソロも渋い音で素晴らしかった。ああ、やっぱり チェロの音っていいなぁ。残念ながら弾く姿はピアノとシュナイト氏に邪魔されて全然見えなかったのだけれど。
 「死の舞踏」は石田様は始めからノリノリで、ピアノの低音とティンパニのリズムにあわせて少し身体を揺するほど。勿論その後の演奏はエンジン全開フルスロットル。フィニッシュまできっちり決めて カッコイイ!!
 この曲の中で弓の木の部分で弦を弾く、と言うか叩く部分があるのだが、石田様と他の人では明かに弓捌きが違う。ボウイングは勿論同じなのだが、そう言う事ではなく、 弓のキレとでも言えばいいのか、そう言うものが違うのである。どうも見た目がカッコイイと言うだけでなく、石田様の弾き方の方がしっかりと 音が出ている様にも感じられた。この辺りは流石石田様という所だろうか。

 後半のブラームスの3番はなんだか不思議な感じ。盛り上がるのを意図的にセーブしているようにも感じた。 とっても有名な第3楽章では、しっとりとメロディを渡していく。難しいホルンのソロも美しく決まり、実に嬉しくなった。
 最後のほうは石田様も無意識のうちか、椅子から腰を浮かす大熱演。座る時にはいつも気にして椅子の背もたれの隙間に放り込んでいる 燕尾服のしっぽが立ち上がりかけるせいでお尻の下に敷かれ、挙句の果てにはぺろんと椅子の脇に垂れておりました。

 アンコールはシューベルトのドイツ舞曲。リズムパートでメロディパートを挟んだ構成で、メロディを色々な楽器がかわるがわる演奏していく。
 このメロディパートではコンマスソロが有り!石田ファンへの大サーヴィスである。
 繊細でいて芯のある音色に館風が阿呆の様に口を開けたまま聴き入ってしまったのはここだけの秘密。後ろにつけたヴァイオリンが束になってピチカートをしても、 石田様の音だけはしっかりと浮かび上がってくる。オケがかなりの音量を出しても輪郭がくっきりした石田様のソロは実に絶妙なバランスである。
 ソロの後のリズムパートはソロとは打って変わって力強く、そのギャップにぞくぞくさせられた。音だけでなく、弾く姿まで演出するのは石田様だけだ。
 やはりアンコールの方が全体的にリラックスしているのか和やかな雰囲気を感じた。ソロがあったので演奏後、石田様が客席へ向かってお辞儀。するとシュナイト氏が「あっちあっち」と言う感じでP席を示し、 石田様は少し照れた様子でP席にもお辞儀。ホール全体が柔らかな雰囲気になり、シュナイト氏の笑顔と共に素敵な幕切れとなった。



2004年7月19日 合唱団 響
 ―演奏会 2004―


場所:めぐろパーシモンホール
指揮:栗山文昭
ピアノ:浅井道子
メゾ・ソプラノ:田中淑江
曲目:ブルックナー/正しき人の口は
シューベルト/詩篇23
 セレナーデ
ブラームス/五つの歌 作品104より
夜警T
夜警U
シェーンベルク/地上の平和
信長貴富/寺山修司の詩による6つのうた
 思い出すために (寺山修司 詩)
 (混声合唱版編曲初演)
三善晃/合唱組曲 五つの童画
 (高田敏子 詩)

★実は前半部分は今年の「東京カンタート」で聴いた曲。それでもお金を払って聴きに来たのは(と言っても学生券は1000円という めちゃ安のチケットなのだが)三善晃の「五つの童画」があるからである。
 実は館風も高校時代に一度歌った事があって、その時全曲歌えなかった(当然。凄く難しいのである。うちの先生もよく高校生に 歌わせようと思ったものだ。)ので、今回全曲を生で聞く事が出来てとても嬉しい。

 さて、合唱団響は尻上り型の合唱団のようで、前半は少し重かった音も後半になるに連れて段々と盛り上がっていった。

 信長貴富の「思い出すために」は女声版と男性版では2声だったのが混声版になって4部合唱に。 かなり音が多くなっているので女声版の初演を聞きに行った友人としては違いが凄かったらしい。
 私が気に入ったのは最終曲の「種子」かなぁ。前奏では暗かった音が、後奏では明るくなっている所とか、凄く好きです。 前の曲のピアノも合唱団も盛り上がりまくり・みたいな曲ではないけれど、このしっとりした感じが良かったです。

 さて、私が楽しみにしていた「童画」ですが、演奏が難しい上に楽譜は絶版、殆ど伝説のように名曲と語り継がれている印象が あるのですが、改めて聞いて、やっぱり名曲だ・と思いました。ええ。惜しむらくは最後の「どんぐりのコマ」でもっとハジケて 欲しかったなーと思いました(<それはアナタの思い入れが強すぎるせいじゃあ……)。 ソプラノなんか最高音hだしね!もっとイってても良かったのでは……と思います。まあ、全体的に 曲目が重かったので声が疲れてきていたのかも知れませんけど。そんなわけで今日もおなかいっぱいです(笑)。








このページのトップに戻る

クラシック日記のトップに戻る

日記のトップに戻る

トップページに戻る


アクセス解析 SEO/SEO対策