場所:人見記念講堂
司会:羽田健太郎 大木優紀
指揮:金聖響
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第1部ゲスト:セルゲイ・ナカリャコフ(Tp)
6月20日放送予定
第2部ゲスト
森麻季(sop)
経種廉彦(ten)
アナスタシア・チェボタリョーワ(Vn)
羽田健太郎(pf)
6月13日放送予定
★本日も曲目は放送まで秘密。石田様も忙しいし、降り番かしら〜??と思っていたのですが、やっぱり石田様が乗り番でした。
神奈川フィルとしてもやっぱり全国放送に石田様は欠かせないのですね。
第1部はセルゲイ・ナカリャコフアワーと言う感じ。指揮の金氏は彼と一緒に収録もした仲らしく、とても仲が良いのだとか。「ラスト・サムライ」を一緒に見に行った
らしいです。中々にミーハーなんですね(笑)。
ナカリャコフ氏は中々にお茶目な方らしく、かわいい冗談を連発していました。放送でどれだけ使われるかは疑問ですが……(笑)。
金氏は大阪センチュリー交響楽団の専任指揮者と言うのが影響しているのか、軽い関西弁で、とても面白い方でした。指揮を見るのは何度目かですが、
トークを聞くのは初めて。こんなに楽しい方だったんですね。指揮者はトークも出来なきゃだめなのかしら(笑)。
さて、本編の方はナカリャコフ氏の超絶技巧オンパレード。とんでもない速さのスタッカート有り、循環呼吸による50秒間吹きっぱなし
のデモンストレーション有り、とても面白かったです。
テレビ音楽の「その時歴史が動いた」や連続テレビ小説「あぐり」のテーマなど、トランペットが印象的な曲の演奏も(そう言えばどっちもNHKだがオッケーなのか??)。
この二曲では石田様もノリノリっぽい感じで良かったです。ソリストをちらりと気にしてタイミングを合わせたり、
これぞコンマス!の本領発揮。こう言う細かな調整力もコンマスには必要不可欠なんですね。
最後に演奏したJ.=B.アーバン作曲の「ヴェニスの謝肉祭」の主題による変奏曲はナカリャコフ氏のトランペットソロの素晴らしさも去る事ながら、オケも盛り上がって
演奏が素晴らしい。石田様がとても楽しそうに演奏していたのが印象的でした。金氏もノッているのか、足が跳ねていましたし、大柄で手が長いので振って居る姿が見ていて気持ちいい。爽やかな指揮でした。
金氏、笑顔も爽やかでしたよ……石田様と演奏後に握手した時とか(あ、これは第2部の後ですが)……笑顔が素敵です。
さて、少々のハプニング(ノーマル日記参照)が有りましたが無事始まりました第2部。
「クラシック・ラブソングス」と題してクラシックの「愛」を歌った曲を中心に。それぞれの演奏者が選んだ曲も演奏したりして、バラエティ豊か。
実は森麻季嬢の演奏を生で聴くのは初めてだったのですが、素晴らしい!あのほそっこい身体のどこからあんな豊かな声が出て来るのか、と言うほどの声。
動きの一つ一つもゆったりとして優雅で、風格が有りました〜。流石、ですね。今回チケットが当たらなかったのはそれで倍率が上がったのかしら……(邪推)。
森嬢はトークも正直で明るい話し方で好感が持てました。カッコ良いなぁ。経種氏も軽妙なトークで楽しい方でした。しかし
演奏が充実しているだけに、トークがどれだけ使われるのかは疑問。勿体無いわぁ〜。
収録が押しに押しましたがちゃんと最後まで観覧できて良かったです。今日は石田様がトークに笑ったりして妙に笑顔も多かったですし、得した感じでした。ファンって、
こんな事でも幸せになれるんですね……ソロが殆ど有りませんでしたけど、それでも満足できました(笑)。
2004年5月23日 第24回カジュアルコンサート-第一-
二胡・詞のしらべ
場所:かながわアートホール
指揮:邵恩(シャオ・エン)
二胡:許可(シェイ・クゥ)
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:
モンティ(許可編曲)/チャールダーシュ
チャイコフスキー(許可編曲)/ノクターン
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
王建民/第1二胡狂想曲
許可/郷間喜悦
二胡アンコール
熊ん蜂の飛行
ケイバ(二胡ソロ)
モーツァルト/交響曲第40番
アンコール
モーツァルトだとは思うけど……不明。
★全席ご招待のカジュアルコンサート。私の隣は小さい女の子だったり、お爺さんだったり、結構色んな年代の
人が来ている。普段はクラシックを聴かない様な人も来ている様で、雰囲気が和やか〜な感じ。いいですね。やっぱり、
いろんな人に神奈フィルを聴いてもらおうというこの企画、応援したいです(<だったら何回も聴いてるアンタが応募しちゃだめじゃ…)。
シェイ・クゥ氏は日本語も堪能で、面白いトークを繰り広げてくれました。二胡を知らない人の為に二胡の楽器解説から、楽曲解説まで事細かに手短に(笑)
解説してくれました。
チャールダーシュは演奏者自身の編曲で。コンマスの方を何度も見る等、お互いのコンビネーションもバッチリ。
オーケストラへの気遣いが見える人で好感が持てました。ノクターンも音の「泣き」方が良かったです。
二胡はアジアでは「人間の声」と呼ばれているらしく、確かに、人の歌う声の様です。特に印象的だったのはアジア的な、中国音楽っぽい
メロディの部分は京劇の女役の声のよう(すごい回りくどい例えだ……)。この音、嫌いじゃありません。
弦楽器だけあって確かにヴァイオリンに音は似ているのですが、決定的に音色が違います。うーん、なんと言うか、ワイルドだけど繊細な部分も
ある、不思議な音色でした。
真ん中2曲は中国の作曲家による曲。第1二胡狂想曲はアメリカやヨーロッパではヨーロッパのクラシックに影響されすぎていると不評だったらしいのですが、
中々どうして、いいじゃないですか。影響受けてたってなんだって。
バリバリの現代音楽の様に始まりながら、メロディアスな所あり、木魚がポクポクと鳴ってたり、中々面白い。チェレスタとハープのコンビネーションが
綺麗な曲でした。聴いている方の目を惹き付ける曲ですね。私は気に入りました。
その後のシェイ氏作曲の「郷間喜悦」は二分と短いアンコール用の曲ですが、二胡とは違う「バングゥ」と言う楽器を使っての演奏で、大迫力でした。
サイズは二胡と殆ど同じなのですが、ニシキヘビの革が張ってある部分に木の板が張ってある楽器で、二胡よりずっと大きい音が出る楽器で、
オーケストラが大迫力の演奏をしても全然負ける事無く、派手な演奏を魅せてくれました。
本当のアンコールは「熊ん蜂の飛行」と「ケイバ」の2曲。「ケイバ」は二胡を演奏する人なら誰でも通る曲らしく、
二胡の技術を全て投入した曲に思えました。右手で弾きながら左手で弦を弾(ハジ)いたりするのはヴァイオリンにも似て面白かったです。
後半のモーツァルトはちょっと速めの流れるような演奏で始まり、神奈川フィルのパワーを感じました。3楽章の冒頭などは屹然としていて格好良い
音でした。でも、強いだけではなくて、メリハリの効いた良い演奏だったと思います。指揮のシャオ氏は割りと大ぶりな感じなのですが、それが
音楽の爽やかな感じに合っていて良かったと思います。最近の神奈川フィルは何かを吹っ切った様な爽やかな弦で、好きです。
今回の様な小さなコンサートから、色々なホールでクラシックを聴いてみたい・と思う人が出てくれば良いなぁ、と思いました。
2004年6月5日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
第207回定期演奏会『大河の流れ』
場所:神奈川県民ホール
指揮:リー・サンシオ
リー・チャンユン
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ゲスト・コンサートマスタ:山本友重
曲目:シベリウス/ヴァイオリン協奏曲
ニ短調 作品47
アンコール
半収漁歌
ベートーヴェン:交響曲 第7番
イ長調 作品92
★本日の定期演奏会は久々にコントラバス首席の黒木氏もチェロ首席の山本氏も揃っている。
2ndヴァイオリンの小宮氏も居るのだが、石田様は流石に降り番でした。しかし、今日のゲストコンマス山本氏は
そう、チェロ首席の山本裕康氏のご兄弟なのだそうです。兄弟共演ってステキ……。
シベリウスのソリスト、リー・チャンユン氏は見た目びっくりするぐらいワイルドな弾き方をするのですが、音のほうは至極
誠実で真直ぐ。雑味のない澄んだ音を響かせてくれました。最初のpの部分も素直な高音になっていましたし。
第3楽章の頭、ズッズッズと言う部分(<もう少し言いようは無いのか)、チェロが2本でコンバスは1本だったんですね。CDで聴いていたのではそう言うところは解らないので
やっぱり生を聴くって言うのは良いですね。
オケとソリストの絡みもバッチリで、落ち着いて聴けました。
ベートーヴェンは管楽器が各パート二人ずつで、トロンボーンは無し。だからあまり管が五月蝿くなり過ぎないようにと言う
配慮があったのかも。でも人数が少ないのを補うぐらい大きい音が出てましたけど。それとそれを補うぐらいの
人数が弦パートに居ました。コントラバスも7本で低音までバッチリって感じです。
全体的に弦が忙しそうだな〜……と思う曲で、第1楽章から弦パートを見ているのが面白い。
指揮のリー・サンシオ氏は几帳面な人なのか、きっちりきっちり各パートへの指示が出ていました。
また、次の楽章へ移る時ももったいぶらずにさっと次の楽章へ行ってしまいます。これは全体的に速いテンポのこの曲に
合っていたかも知れません。
前半はなんだか指揮とオケが合って居ない様な(実際に合っていないんじゃなくて、何と言うか、感覚的に)感じがしたのですが、
後半になってくるとオケもノってきて、指揮と一体になっていたと思います。あ、そうか。わかった。指揮とオケで情熱がズレていた・と言う
言い方が私の感覚に一番近い。多分シベリウスはソリストが居たからそれが触媒になっていたのでしょう。
第4楽章の一番最後、全ての楽器で鳴らすところ、私の位置ではやたら金管が鳴ってびっくりしたのですが、
正にフィナーレ!と言う迫力でした。三階席で聴いていたのですが、左手奥から正面にかけているはずの金管楽器の音が右手足元から
聴こえて驚きました。これは多分反響したんでしょうけど、今までこんな風に聞こえた事は無かったので驚きです。
今日の三階席はほぼ満席。1、2階席の様子は全く分からなかったのですが、
そちらも結構入っていた様子。ど、どうしたのかな……イープラスだか何だかで安売りしてたのは知ってるんですけど(笑)。
ま、入ってないより入ってた方が絶対いいので来月もこの調子でお願いします。いや、ホントに。
2004年6月9日
武満徹全室内楽曲連続演奏会
響きの海
場所:タケミツメモリアル
演奏:アンサンブル タケミツ
曲目:
すべては薄明のなかで(ギター)
ディスタンス(オーボエ、笙)
閉じた眼U(ピアノ)
ピアノ・ディスタンス(ピアノ)
秋のうた(クラリネット、弦楽四重奏)
(チャイコフスキーのピアノ独奏曲を編曲)
水の曲(フルート3、テープ、舞)
夢見る雨(チェンバロ)
雨の樹(打楽器3)
そして、それが風であることを知った(フルート、ヴィオラ、ハープ)
海へV(アルトフルート、ハープ)
ギターのための12の歌より
(インターナショナル、サマータイム)
ゴールデン・スランバー(ピアノ)
美トゥウイーン・タイズ(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)
アンコール
エア
★すごい演奏会である。どうやらこれはシリーズ最終回らしいが、それにしたって
一人の作曲家の室内楽曲作品を全て演奏しよう、と言うのだから、凄い。大体、シリーズでやっているはずなのに、
一回の分量がコレだけっていくらなんでも多い。アンコール前に出てきた小泉浩氏が言うには
「二回に分けると短いので一回で」らしいのだが、それにしたって。
何しろこの演奏会、休憩が2回入るものの、演奏時間だけで165分あるのだ。終了したのは22時も
迫った頃であった。
全ての曲目が初めて聴く曲でした。まあ、コンテンポラリーはコンテンポラリーなので不思議な和音が
炸裂しましたが、そこまで拒否反応を示すと言う程の曲でもなく。
最初のギターソロ曲等は不思議な雰囲気を醸し出し、綺麗な曲でした。天窓から
見える薄っすらと明度が失われて行く空が雰囲気に合っていて、これを狙ってこの曲を1曲目に持ってきたのかと思いました。
どの楽器においても初めて聴くような特殊奏法が多く、びっくりしながら聴いてしまいました。オーボエなんて、喋りながら
吹いているとしか思えない変な音を出したり、ハープも音を出した弦を掌で押して音を歪ませたり、不思議でした。
「水の曲」では能面を付けた踊り手が出て来て、踊るんですが、これがまた不思議。白い水干の様なものを着ているのですが、
それがふわりと揺れて、目でも楽しめました。この曲はフルートと水が流れたり落ちたりする音で構成されていて、ホールのあちこちから
水滴が滴り落ちるような、そんな響きがしていました。
「雨の樹」ではセンターにビブラフォン(?)、その両脇にマリンバ(?)が一台ずつ、そしてそれぞれの前にアンティークシンバルがいくつか。
センターはアンティークシンバルなんですが、両脇は譜面台から同じような小さいシンバルが吊り下げられていました。
この曲ではセンターで叩いていた吉原すみれ嬢がなんと暗譜。この曲、短くないんですよ……それなのに暗譜。迫力でした。証明も凝っていて、
叩いている人に呼応するように明滅します。舞台全体が演出されていて素晴らしかったです。
後、ギターのための12の歌は編曲なので元曲を知っていると割と楽しめました。やっぱり知っている音楽がどんなに耳に聴こえやすいかと言う事
を実感しました。コンテンポラリーも聴きなれれば耳に聴きやすくなりますかね??
実はこのコンサート、私は応募もしないのに「以前応募された方で外れた方を中心にお送りしています」と言う
文言が書かれた招待ハガキが来たんです。やはり、こう言うコンサートは人が来ないんだなぁ……と実感し、それと
同時にこれからの作曲家や演奏家を保護出来なきゃいけないんじゃないかなーと思いました。