2004年演奏会日記4月

4月3日 ★神奈川フィル第205回定期演奏会@MMH
4月10日 神奈川フィル特別演奏会SPRING POPS 2004@KH
4月11日 北大合唱団&横国グリーJoint Concert@MMH
4月16日 ★トリオ・リベルタ プレイズ・ピアソラ@MMSH






2004年4月3日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第205回定期演奏会『巨人』


場所:横浜みなとみらいホール
指揮:若杉弘
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚

曲目:モーツァルト/交響曲
 第29番 イ長調 K.201
三善晃/焉歌・波摘み
マーラー/交響曲 第1番 ニ長調「巨人」

★今日の指揮者・若杉弘氏は神奈川フィル初登場。それでこのプログラミングは何だろう。 モーツァルトとマーラーで三善晃をサンドイッチ。プログラムノートに寄ると「三大M」だそうだ。 そして期待通りの面白い演奏会だった。

 新年度一発目とあって、「そのりて(神奈川フィルの定期演奏会のパンフ)」が一新していた。今年のデザインはなんだか楽譜の表紙みたいにシンプルで素敵。 今回の表紙の色が真ピンクと言うのも好感度高し。この無難に行かない攻めの姿勢がいいですね。今の神奈フィルを象徴しているみたい。 次のパンフも楽しみ。

 一番始めのモーツァルトでは若杉氏とオケのコンビネーションもバッチリで、これが初共演だとは思えないほど。 若杉氏のしっかりとした指示が良かったのかもしれません。見ているこちらも若杉氏が指示した部分から 「ふゎ!」っと音が出て来るのが目に見えて面白かったです。後、今日は 若杉氏が出を指示して放置(って言ったら変だけれども)したパートも積極的に音楽を作っている感じがしましたね。好感度◎。

 第2楽章の前、どーも曲が始まらないと思ったら、若杉氏と石田様のコンタクトがイマイチ。石田様はどうやら 客席の五月蝿い咳に気を取られていた模様。確かにアレはこれでもか!ってくらいの咳の音がしていましたからねー。 アレは出演者じゃなくても気になります。別にしなくてもいい咳はしないで欲しいんですね…。
 でもそのおかげ(?)で第2楽章のしっとりとした静かな出だしが際立ったかも。 もしかしたらこれは狙いだったのかな・と言う気も。第3楽章、第4楽章は比較的直ぐ始まりましたしね。

 そして私が今日一番聴きたかった三善晃!!現代音楽好きな私はこれが楽しみでした。
 ぞくぞくするような音で始まりましたが、全体的に哀しい色をしていた気がします。これはテーマを考えたら仕方ないかも。 静かな部分と激しい部分の調和が取れていて良かったです。
 金管部隊がガンガン鳴らす部分もあって、メリハリのある曲でした。私の席は金管がガンガン響く席なので弦が遠くてちょっと残念。 中盤でヴィオラが「ねんねんころりよ」のメロディを弾く部分は弦がバッチリ聴こえたんですけどね。しかし、「子守歌」を変形させたモチーフが どこにあったのか、このビオラとその後のヴァイオリンの部分以外さっぱり分からず。やっぱり現代音楽はわからん(笑)。 ま、私は「分かる必要なんか無い」と言うスタンスですが。
 このゆったりと流れていく音楽は良いですね。この音の波に飲み込まれるような感覚が好きです。 特に三善氏の音は耳に馴染んでいるせいかすんなりと楽しむ事が出来ました。

 演奏終了後、若杉氏が右手を広げててくてくと歩いていくと思ったらなんと客席に三善晃氏が来ていました。全然気付かなかったよ…。 ど、どうしたんでしょうか。びっくりですよ。若杉氏が連れてきたのかしら。
 そしてやっぱり三善氏はカッコイイ音楽家でしたね。服装もちょっと洒落たシャツを着ていてカッコイイ。石田様とも握手をしていました。 作曲家的にはどう言う演奏だったのでしょうか。ちょっと気になりますね。

 さて、本日のメインは石田様もお好きな作曲家・マーラーの一番有名な曲「巨人」。聴きなれている音楽だけに色んな部分を楽しむ事が出来ました。 やっぱり予習はすべきですね。予習した方が数倍は楽しくなるはず。

 第1楽章はじっくりと弾(はじ)けるパワーを温存した出だし。オケからも「早くハジケたい!」と言う空気が伝わってくるほど抑制された演奏でした。
 始めのペットのバンダは始めは袖の中で。下手の袖が開いた奥からファンファーレが聴こえて来ました。このファンファーレ、 結構良かったと思います。今日のファンファーレの中では一番かも。
 1楽章のラストはまるでフィナーレの様な激しいフィニッシュ。石田様もカッコいいし、オケもカッコ良いし、素晴らしい。 この曲って、各楽章毎に拍手したくなっちゃうんですよねぇ。

 第2楽章になるとオケはノリノリ。2楽章の出だしってこんなにフォルテでしたっけ?と言うくらいのしっかりとした出だし。 ベースのどっしりとした音の上にヴァイオリンが乗るのですが、そこでもフォルテシモ。木管が入って少し弦の音が控えめになるのですが、それでも メゾフォルテと言うか、やっぱりちょっと大き目の音。もうオケが盛り上がりまくっているのが分かるのです。
 そうそう。この部分、だったかな?コンバスの入りに合わせて石田様が頭振ってました。多分この人ほっといたら全部弾いちゃうんじゃないでしょうか(笑)。 本当に曲の隅々まで研究し尽くしていて、大好きなんだな・と言うのが伝わってきました。だって石田様終始にこにこ(と言うかニヤニヤかも)してるんですもん。 演奏者が楽しそうだと聴いてる方は幸せですよー。他のオケメンも楽しそうでしたしね。素晴らしいことだと思います。

 マーラーの楽譜には不思議な指示が沢山あって、第4楽章でホルンがイキナリ全員立ったりするのですが、3楽章でもそのオモシロ演出はあります。
 やっぱりホルンなのですが、ラッパの部分を高く持ち上げて胸を張るような演奏をしたり、ちょっと吹きにくそう。更にその上を行くのがクラリネット。 三人がぐいっとクラリネットが地面に水平になるように持ち上げ、殆ど上を向くような角度で吹くのです。これが三人揃ってぐい!と上げるので 上から見ているととても面白い。吹きにくそうでちょっと気の毒なのですが、コミカルでとてもカワイイです。
 それにしても、マーラーは何を考えてこんな事を指示したのでしょうか。ここは目立って欲しいって事だったのかなぁ…。不可解ですけど面白いのでオッケーです。 面白くなければ誰もやりませんよね。

 3楽章では石田様のソロがチラリとあったり(1プルの裏の人も弾いていたし、ビオラもソロあったよ…それには言及しないのね…)。 ソロの時の石田様の音って相当大きいのではないかと思いました。
 管楽器って結構大きい音が出るのですが、それにヴァイオリン一本で対抗して渡りあってましたから。 しっかりとした音にいつでも優しい音色を乗せる事を忘れないのが石田様ですよねぇ…。なんか、ガンガン行くだけじゃないって言うのが好きです。

 ラスト第4楽章はけたたましいシンバルの音で幕開け。平尾氏がコレでもか!と言う感じでたたきつけていました。気持ち良さそ〜!
 パーカッションはフルメンバーで、ティンパニは2台。2台目は大分暇してましたけどね(苦笑)。
 そうそう。今日の公演でティンパニの藤本氏が退団。東京芸大の助教授になるそうです。そうか…忙しくなるからオケには乗れないのね…。 神奈フィルパーカッションの平尾・藤本コンビが見れなくなるのはとても残念(だからって終演後うっかり藤本氏に話し掛けちゃうのはどーかと思うよ?)。 でももしかしたらこれからも客演と言う形で登場する事があるかも知れないとの事。それを楽しみにしておきます…。あのキビキビした演奏する姿が毎回見れないのはとても残念ですが、 これからの活動も頑張って欲しいですね。

 中盤から後半にかけての部分で登場するヴィオラが重々しい音でカッコ良かったです。今日もトップの方が秋山氏ではなかったですよね(ちなみに女性の方でした…顔全然見えなかったんですけど)。
 今日のヴィオラは魅せ場が沢山でしたね。あ、コンバスもか。コンバスは黒木氏が一人で持って行っちゃった感がありますけどね(笑)。館風の席からはトップに居る黒木氏は 全く見えませんでした…(涙)。

 後半になればなるほど石田様は笑顔。もう、すごい楽しそうなんですよぅ。弾きたくて仕方ない、って感じでしょうか。普通にしているつもりでも 顔が笑顔になるのをとめられません(笑)。笑顔が素敵でしたわ〜。笑顔が!「にま」と笑ってるんです。
 アクションもいつもよりもオーバー。魅せる演奏がカッコイイ!!!フィニッシュのボウイングとかカッコ良すぎです。自分の画力が無いのが悲しいです。
 あまりに激しい演奏で、脳震盪を起こさないかちょっと心配になりました。頭もヴァイオリンも振りすぎだと思います。 でも石田様がこう言う曲で頭振ってなかったら「どうしちゃったの!?」と思うかも…。石田様がノってる印、かも。
 待機中もノリノリでした(羨ましい…客席だってノリたい!!)。 ここまで音楽楽しめるって幸せだよなぁ。演奏者側がコレだけ楽しんでいれば聴いている方も幸せです。

 若杉氏の指揮ともバッチリ呼応し合っていて、目でも楽しめましたし、神奈フィルらしいエナジィ溢れる演奏だったと思います。
 惜しむらくは会場に空席が目立った事。こんな面白いプログラムを聴き逃すなんて!絶対勿体無い!そう思いました。



2004年4月10日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 Spring Pops 2004
 藤野浩一&西村由紀江
 ジョイントコンサート


場所:神奈川県民ホール
指揮・司会:藤野浩一
ゲスト:西村由紀江(ピアノ)
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ソロ・コンサートマスタ:桑野聖

曲目:
第1部 POPS on Stage
ミュージカル「ジプシー」より
Everything's Coming Up Roses
映画「荒野の七人」より
The Magnificent Seven
忘却Oblivion(クラリネット・ソロ:森川修一)
映画「ディック・トレイシー」より
Dick Tracy
テレビ映画「サンダーバード」より
Thunderbird
映画「めぐりり逢い」より
An Affair to Remember
組曲「惑星」より
Jupiter
第2部 NISHIMURA YUKIE on Stage
あなたに最高のしあわせを(ピアノ・ソロ)
テレビでおなじみメドレー(ピアノ・ソロ)
風のスキップ
クラシック名曲メドレー
明日のために
扉をあけよう

★本日の県民ホールは中々に盛況。確かにちょっと空席がありましたけど、 藤野氏ファンの私としてはきちんとしたホールで演奏が聴ける・と言うのはとてもうれしい事でした。 やっぱり音がドームシアタより素晴らしく良い。これはまた後々書きますけど。

 第1部は日本のボストンポップスこと神奈川フィルの本領発揮。このオケはピットも入ればポップスも 出来る素晴らしいオケなのです。こんなオケ、そうそう無いぞぅ〜ファンながらと思ってしまう。
 藤野氏はいつものとおり真っ赤なタキシードで登場。にこにこ笑ってて素敵!最初の2曲は運動量の多い曲(笑)で、藤野氏もちょっと 肩で息をしちゃったりして、興奮気味。曰く「指揮者が興奮する演奏は三流なんですってね。そうでなくても演奏者が興奮してしまう 演奏は、それでもまだ二流。一流の演奏って言うのは指揮者も演奏者も冷静なんだけれど、お客さんだけ興奮している、そう言う演奏なのだ そうです。あれ、今日のお客さんは静かですね。」ですって。く。確かに静かでしたけど(笑)。 でも拍手は暖かかったと思います。これ、神奈川フィルファンの特徴かも。拍手暖かいよなぁ…。

 ピアソラの「忘却」では首席クラリネット奏者の森川氏がソロを担当。クラリネットの音ってスカンと明るいイメージばかりがあったのですが、 中々に気だるい雰囲気も醸し出せるんですね〜。こう言うしっとり系のピアソラもいいなぁ(<来週へ向けての発言かい?)。

 どうも「ディック・トレイシー」も「サンダーバード」も昔流行ったものらしいのですが、如何せん自分はリアルタイムでは知らず。 サンダーバードは辛うじて再放送の再放送とかを知っていますけど……でも見た記憶は無い…(笑)。
 「サンダーバード」ではドラムで入っていたそうる透氏が舞台端のパーカッションスペースまで移動し、スネアを叩いていました。 平尾氏の隣で。そう。平尾氏と二人揃ってダブルスネアだったのです。
 この二人の動きがビシ!と揃っていてカッコイイ!やっぱりパーカッションて面白いなぁ……(<石田様が居なければパーカッションばっかり見ている女)。

 「めぐり逢い」の‘過ぎ去りし日々’ではコンマスソロが。桑野氏の音はなんと言うか、よく「啼く」感じがします。 コンマスで弾いている時はもっとクールにやっている感じがするのでちょっと意外。
 今日の弦は素晴らしいまとまりでした。マイクが効果的に作用していて、聴きたいな・と言う所できちんと聴こえて来た印象を受けました。 逆にそれだけにもっと後ろの金管がガンガン来てもいいな・と思うところもたまにあったり。
 でも、今日の曲目は金管楽器の専売特許みたいなハッキリした音楽が多かったので今日の金管は◎。トロンボーンとか、わくわくしちゃいました。
 あ、後、気になったのは「気持ちいい〜」と思ったらハープがぽろろろろんとやっていたりして、オイシイ。ハープの音って結構響くんだなぁと実感。

 個人的に今日の一番はやっぱりコレ。1部の最後の「木星」。これは今流行ですからね(笑)。
 でもやっぱり私はこのオリジナルの方が好きだな。三拍子の次に行くぞ感がたまらなく好きです(<平原綾香のジュピターは何と四拍子)。
 今日はしっかり全体が見渡せたのですが、やっぱり見ちゃうぞパーカッション(笑)。この「木星」のタンバリン!面白いんですよ! なんか凄く楽しそう(笑)。職人技って感じでとてもカッコイイのです。自分でもたたきたくなっちゃうくらい。
 そう言えば「昔吹奏楽部でパーカッションだったの」と言っていた友人はマイタンバリンを持っていると言っていたな…やったらタンバリンもハマルのかな…(笑)。

 第2部は西村由紀江嬢が登場して2曲。どうもこの方、所謂「癒し系」の曲も作曲するピアニスト兼作曲家らしい。 始めの2曲はその曲を用いて。申し訳ない事に私はよくよく知らなかったのですが、もしかしたらテレビで流れている音楽の中に混じっているかも。

 風のスキップとクラシック名曲メドレは藤野氏のブラス重視アレンジで。クラシック名曲メドレでは西村嬢が結構弾く所を見せ付ける 難しいピアノの名曲が目白押しでした。えぇーと、何を弾いたんだっけ……(<マテ)。
 あ、そう、ガーシュウィンが混じっていて「これってクラシック?」と思ったのでした(笑)。ステキでしたけど。

 「明日のために」と言う曲は出だしの弦がカッコ良く、始めのヴァイオリン、続いてのヴィオラと弦好きにはたまりません☆
 最後の「扉をあけよう」はなんだか聞き覚えのあるメロディだったのですが、何処で聞いたのか思い出せず。ヒーリングの妖精本領発揮でしょうか(笑)。 あ、そうだ。和音の使い方が渡辺雄一氏と似ているんです。多分「癒される」音って言うのは何らかの法則があるんだと思います(笑)。
 藤野氏のアレンジらしく、チェイサーが付いていて、それがまたカッコ良かったのです。てゆかチェイサーが一番カッコ良かったかも…(笑)。 やっぱり藤野氏のアレンジは良いですね。

 藤野氏ファンの館風としては、この素晴らしいホールでの演奏会に大満足でした。やっぱり演奏会って言うのは、こう有るべきなんですよ。 やる内容が何だろうと良質のホールで良質の設備を用いれば素晴らしくなるんです。そうすればお客さんも来ます。 県民ホールでやるなら行こうかな・そう言う人、絶対居たはず(笑)。



2004年4月11日
北大合唱団東京OB会クラーククラブ
横浜国立大学グリークラブOB合唱団
Joint Concert in Yokohama


場所:みなとみらいホール
合唱:北大合唱団東京OB会クラーククラブ
横浜国立大学グリークラブOB合唱団
ピアノ:佐藤美保子
曲目:
T:エール交歓
北大合唱団東京OB会クラーククラブ
 「都ぞ弥生」
横浜国立大学グリークラブOB合唱団
 「潮音歌」
U:北大合唱団東京OB会クラーククラブ
〜北の詩〜から
組曲 「吹雪の街を」より
作詞:伊藤 整 作曲:多田武彦
 忍路
 夏になれば
 吹雪の街を
 (指揮:清水富雄)
組曲 「アイヌのウポポ」より
採譜:近藤鏡二郎 作曲:清水脩
 イヨマンテ
 ピリカピリカ
 輪舞
 (指揮:東 宣ニ)
V:横浜国立大学グリークラブOB合唱団
〜トスティ歌曲〜から
 作曲:P.Tosti 編曲:飛永悠佑輝
La Serenata
Malia
Aprile
Ideale
Segreto
Addio
 (指揮:飛永悠佑輝)
W:合同合唱
〜組曲「海鳥の詩」〜
作詞:更科源蔵 作曲:廣瀬量平
 オロロン鳥
 エトピリカ
 海鵜
 北の海鳥
アンコール
Soon oh will be done
秋のピエロ
遥かな友に

★今日は神奈川フィルでも歌っている方にチケットを頂きました。
 始めはエール交歓から。ううん。この感じ、大学合唱団ですねぇ。音のまとまりは北大の勝ちですが、 勢いは横国の方が良いかな。最後の合同合唱がとても楽しみ。

 北大の演奏は、後半になればなるほどボルテージが上がって、勢いが出てきました。声も乗ってきた感じ。 「吹雪の街を」はナツメロみたいな雰囲気がして、とても面白い。和音が親しみやすいのかもしれません。
 一転後半のアイヌの歌は激しい曲。1曲目の「イヨマンテ(熊祭り)」が面白かった。檻の中の熊を元気付ける歌らしいが、 そんな……今から食べるのに……ねぇ(笑)。

 横国グリーの演奏はなんとはなしに聴いた事のあるトスティの歌曲より。これ、原語で聞いている分には 心地よいメロディですが、訳詩を見ていると……だなぁ……。女の事を歌った曲ばっかりです。あぁ、でも イタリア語歌曲なんてそんなもんか(笑)。
 横国も北大と同じく、中盤になって声が乗ってきたなーと言う感じ。最終曲のラストはとても盛り上がり「ここでこんなに 出しちゃっていいの?!」と言う感じ。特にセカンドテノールが元気が良かった。

 さて、最後の合同合唱。実はこの曲を生で聴くのは初めて。演奏者は単独演奏の時よりもずっとノリにノッた感じ。 特にエトピリカ等はよく知っている曲だけに、とても面白かった。
 ピアノの佐藤嬢の演奏が素晴らしかったです。ピアノが合唱を上手く生かしていて、全体的に演奏のレヴェルを押し上げていたと思います。

 実は今日一番の演奏はアンコールのSoon oh will be done。これ、なんだか知っているんだけどタイトルは知らない・と言う曲でした。 これが本演奏が終わっているからか、リラックスして、力が抜けていました。やっぱりアンコールが一番良い演奏ほ法則はどこでも当てはまるのでしょうか(笑)。

 今日の舞台の上の人は平均年齢がとても高い。しかし、よく考えたらあの年齢まで大学でやっていた事を続けられると言う事はとても幸せな事なのではないでしょうか。 やっぱり合唱と言うのが続けやすい事だと言う事もあるかもしれませんけど、それがずっと趣味で続いている。それは素晴らしいなぁ、と思いました。私もおばあちゃんになっても 合唱をやっていたいな。











































2004年4月16日 TRIO LIBERTAD PLAYS PIAZZOLLA


場所:横浜みなとみらいホール(小)
ヴァイオリン:石田泰尚
サクソフォン:松原孝政
ピアノ:中岡太志
曲目:第1部
ブエノスアイレス午前零時(ten)
デカリシモ(alt)
勝利 TRIUNFAL(alt)
カフェ1930 「タンゴの歴史」より(No Vn. sop)
ル・グラン・タンゴ(No Sax)
悪魔のロマンス(sop)
ブエノスアイレスの夏(alt)
 第2部
スール(南):甦る愛(alt)
レビラード(ten+sop)
ブエノスアイレスの冬(alt)
鮫 ESCUALO(alt)
組曲《タンガータ》(風神と水の精)
T:フガータ Fugata(sop)
U:孤独 Soleded(ten+alt)
V:終曲 Final(sop+alt)
 アンコール
リベル・タンゴ(alt)
ミケランジェロ70(alt)
()内は松原氏のサクスフォーンの種類。3本持ち替えでした。

★本日のお客さんは凄い。何って17時にはホールのモール口に列を作ってるんですよ!凄すぎです。 花束持ったお姉さま満載でとっても華やかです。

 さて、トリオ・リベルタ、凄いのはお客さんだけでは有りません。ご本人たちの演奏が素晴らしいんです。
 今日の演奏は特に凄かった。三人の息はぴったり、客席と出演者が一体になった瞬間があった演奏会でした。

 さて、タンゴと言う曲の性質上、曲に対してどーのこーのと言えるものではないので、今回は(も?)雑感中心になります。
 ただ一つ言うならば、今日のトリオ・リベルタは自身を持ってお薦めできます!このタンゴと言う刹那的な要素を多く含む ジャンルですから、是非とも一度生で聴いて頂きたいです。次回は5月末に静岡、6月20日に原宿です!

 1曲目の「ブエノスアイレス午前零時」では真っ暗な中三人が登場。ライトの一つも点く前に演奏が始まります。
 次第にぼんやりとしたスポットライトが当り、タイトルにぴったりの演出でした。まるで本当に深夜に演奏を聞いているかのような感じ。 サックスの松原氏は左手でサックスを操作しつつ、右手でなにやら風の音を出す楽器を動かしていました。 た、大変そう……。
 証明が真上からのスポットライトのみだったので石田様の表情はよく見れなかったのが残念でしたが、この神秘的な 雰囲気で1曲目を始めたので掴みはバッチリでした☆

 「デカリシモ」では石田様は軽やかにステップを踏んだり、出番を待っている間もノリノリでした。
 いやー、石田様、弾いてる時は勿論なんですが、出番待ちの間も早く弾きたい!みたいな空気が漂ってました。 楽しんで弾いているのがこちらにも伝わってきました。

 「ル・グラン・タンゴ」ではサックス無しでヴァイオリンとピアノで。元々はチェロの曲で、とても有名な曲です。
 これは見ているこちらが楽しくなってくるくらい石田様が楽しそう。弾きながら口あけて笑っていましたね。その笑いを押さえ込もうとするのですが、 思わず出てる、みたいな笑顔が見られました。
 そして笑いながら楽しそうに難しい事をやってのけるんですよ!この人は! きっと難しいフレーズとかを弾くのが楽しくてたまらないんでしょうね。中岡氏とのコンビネーションも抜群で、しばしば後ろを振り返り、 背中で合わせ、信頼した関係なんだな〜と言うのを感じました。
 そして演奏終了後には勿論出ました「ヴァイオリン回し」。なんだかいつもよりクルクル回ってた気がします。石田様的にも上出来の 演奏だったみたいです。くぅ!こういう時に立ち会えるって最高です。

 前半は三人とも真っ黒なシャツで。石田様はサテン地の開襟シャツに黒のカマーバンドでサスペンダーと言う格好でした。この衣装初めて見るなぁ……。
 前半は中岡氏のちょっと硬めのMCが入りました。ピアソラの音楽の変遷を見た感じがします。ピアソラってクラシックに転向しようと していた時期があったのですね。でもそれを「お前の音楽は個性がない。昔やってたタンゴを弾いてみろ」と言われ、そこに 自分の音楽を見つける……それでもずっとクラシックに憧れがあったらしいです。うぅん。切ない話じゃないですか。

 後半はそれぞれ好きな衣装を着て。石田様はライトが当った部分は青く光る不思議な生地の薄紫の開襟シャツで、その上に黒いベストを着ていました。 黒ベストの右胸に小さなヴァイオリンのブローチが付いています。こんな所まで石田様はオシャレ。
 中岡氏は白地にグレイで模様の入ったシャツ、松原氏はクリーム色っぽい白地に茶色で細かい花柄(?)の入ったシャツでした。 三人三様の個性がありますね〜。
 そう言えばMCで中岡氏が松原氏の体型のことに触れると「反論させて下さい!」とマイクを奪い取りトーク。タンゴって体力使うんですね(笑)。
 その後に中岡氏が「後で石田くんにも喋ってもらいましょう」と言ったのですが、その時は「絶対無理無理。どうせ喋んないよ。」と半分諦めモードでした。 これでもファンです(笑)。

 後半1曲目の「スール:甦る愛」では哀愁漂うメロディのヴァイオリンソロがあったり、中々に石田ファンには嬉しい曲。 そう、後半の曲はヴァイオリンソロ、サクスフォーンソロのそれぞれが多い曲(つまり、そう言う編曲にしている曲)が多かったと思います。
 「ブエノスアイレスの冬」等はラストに向けての盛り上がりがとても楽しめましたし、「鮫」では石田様のヴァイオリンが光りました。もう、この曲だけは申し訳ないけれど「石田 on STAGE!」状態。 ガシガシ弾く石田様も高音部を思い切り弾き倒す石田様も繊細な動きも、全て楽しめます。ああ、石田ファンで良かった……。

 最後の組曲《タンガータ》は第1部と第2部が切れ目無しに演奏されました。その為、第2部が終わった所で拍手が来ちゃったりしたのですが、 私はその後の第3部が素晴らしかったと思います。これ、前半は第2部の「孤独」の様な寂しげな雰囲気を引き摺っているのですが、 後半、段々と盛り上がる様は正にタンゴかくあるべし!と言う大迫力。これ、好きですね〜。

 アンコール前のMCで中岡氏がとうとう(笑)石田様を喋らせました!お決まりのご挨拶の後「トリオを組んでから3年……いや違う4年目?(ここで二人に確認)になるのですが、 これまで喧嘩もせず(ちょっと笑う。会場も暖かく笑う)やってきました。これからも長くやっていきたいので宜しくお願いします。」と言うような事を仰いました。 そうか〜。これからも「長く」やっていくつもりなのね!これからが楽しみだわvv
 更に中岡氏に振られたソロアルバムの件については「まだ買ってない人は買って帰って下さい。」とオチャメな発言も。そうしたら「今年の秋に二枚目が出るかもしれないので。」 とか言ってました。本当に二枚目が出るんですか?出るならいくらでも買います!(笑)。そして二枚目は是非ともクラシックで!タンゴでもいい!

 さて、アンコールは超有名曲の「リベル・タンゴ」から。
 これ、ピアノもサックスもノリノリで、始めヴァイオリンが飲まれかけたんです。しかし、流石石田様。ヴァイオリンが主役の部分にきた瞬間に音が溢れ出し、 一番目立っちゃいました。流石……カッコ良すぎです。メロディの主導権を握ったヴァイオリンは堂々としていて、それでいて 他のパートに譲る時は譲って、とてもカッコ良かったです。
 そしてこの曲でも出ました!演奏が上手く言った時の印「ヴァイオリン回し」!先ほどのグラン・タンゴの時よりは控えめな回り方でしたが、 良い演奏だったのでしょう。はい。私もいい演奏だと思いました。

 最後の「ミケランジェロ70」では中岡氏が演奏前のMCで「石田君がいつもキリマンジャロとか呼ぶから間違えて言いそうになっちゃうんだけど、ミケランジェロです。」と 石田様のお茶目なところを暴露。く……もう私、この曲の事、キリマンジャロって呼びますから!もう誰がなんと言おうとキリマンジャロで!
 そして演奏も最後だからか、全体的に激しい演奏で、大満足でした。やっぱり最後にこう言う「気持ちいい」曲を聴けるといいですね。

 今日の演奏会は会場の雰囲気もなんだか暖かく、アットホームな感じの演奏会だったと思います。トリオ・リベルタが有名になると嬉しいけど、 こう言う雰囲気の演奏会が出来なくなっちゃうと淋しいな・と思いました。だから今くらいで……(笑)。

 昨年のジャズプロに出たのが相当効いたみたいで、今年もジャズプロに参加するとの事。今年こそは聴きに行くぞぅ!と心に決めた館風なのでした。









































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