2004年演奏会日記-2月

2月1日 ★オーケストラコンサートfor未来のおとなたち@藤沢市民会館
2月6日 ★神奈川フィル第203回定期演奏会@MMH
2月28日 ★シュナイト音楽堂シリーズVol.4@神奈川県立音楽堂


2004年2月1日 明日への架け橋
 オーケストラ・コンサート
 for未来のおとなたち


場所:藤沢市民会館大ホール
指揮・トーク:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石田泰尚
ソプラノ:菅英三子
バリトン:成田博之
合唱指揮:藤原規生
合唱:藤沢市合唱連盟ジュニア合同合唱団
湘南市民コール
曲目:第1部
シベリウス/交響詩「フィンランディア」
チャイコフスキー/弦楽セレナードから
ルロイ・アンダーソン
 プリンク・プレンク・プランクから
モーツァルト
 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第一幕から
サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
モーツァルト
 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲から
モーツァルト/「レクイエム」ラクリモーザから
ヴェルディ/「レクイエム」怒りの日から
フォーレ/「レクイエム」天国にてから
ロッシーニ/歌劇「ウィリアム・テル」序曲
構成台本:新井鴎子
第2部
フォーレ/レクイエム

★今日は殆どの曲で石田様がコンマス!指揮が現田氏だったので心配はしていませんでしたが、やっぱり嬉しいです。 段々出し惜しみが…ね(笑)。

 オケが入る前に現田氏によるプレトーク。なんと現田氏11歳の映像を披露。真剣な表情でチェロを弾いています。目が一緒ですね。 指揮者を睨みつけるように見ています。
 この映像で弾いていたのが「フィンランディア」。この曲で今日のコンサートは幕開け。
 現田氏の重々しい曲がこの曲にピッタリ。1曲目からノっているなぁ、と思って見ていたら、次のMCで現田氏は息が上がっていました。かなり気合入っている模様。 1曲目はいつも息が上がってしまうそうです。やっぱり一番始めの音って言うのに気合を入れているんでしょうね。

 この子ども向けのオーケストラコンサートはシリーズ化したいそうで、もしそうなればとても質の高い、素晴らしい企画になるでしょう。
 第一回の今日はオーケストラの基本である弦楽器について解説。曲目も弦楽器がメインの曲ばかり。
 楽器解説もアリで、現田氏が「これがヴァイオリン」と言うと石田様がひょっとヴァイオリンを上げたり、弓を説明する時にも石田様が弓をぴこぴこ動かしたり、 普段は見られない動きが…(<すいません、石田ファンなんです…)

 2曲目の弦楽セレナードでは管楽器が居なくなったからか、弦の音がとても優しい音色に。管が居た時と意図的に音色を変えていたのでしょうか。柔らかい印象になっていました。

 次は弓を置いて演奏する「プリンク・プレンク・プランク」。
 現田氏の指揮がとても面白く、極めてpの所は手で振ることをせず、ちょっとした肩や腰の動きで指示を出していました。その様子がとても面白く、石田様も何だか笑顔。 終わってからも石田様はなんだか笑って現田氏に拍手を送っていました。
 石田様のピチカートの演奏は見ていて気持ちが良いくらいスッキリしていて良いです。手の先まで意識が行き届いていると言うのですかね。とにかく弾いている姿が綺麗。 弓を置いたピチカートが見れたのはラッキィでした。

 この曲を演奏した後、弦楽器の弓で擦る以外の音の出し方も解説したりして、とても面白い。私が特に面白いなぁ・ と思ったのは「フラジオレット」で、あまり弦を強く押さえず、表面をなぞるように滑らせ、 それを弓で擦ると倍音が出る・と言うもの。これがまた不思議な音色で、気に入りました。

 次の「ドン・ジョヴァンニ」は石田様は降り番で、オーケストラを三つに分けての演奏。同じ部屋で起こっている3つの出来事を現しているのだとか。三つの音楽がそれぞれ全く違って 一編に聴くと混乱してしまうのですが、それがまた上手く調和していて、モーツァルトってやっぱり天才だなぁ・と今更ながら実感。
 今回は一つ一つをバラして聞く事が出来たのでとても判りやすく、それを判って聴いたのでその音楽のやりとりが目に見えるようでとても面白かったです。
 こう言う企画はクラシック入門に丁度良いなぁ、と思います。子供にも判るように解説が入るのでクラシックをまーったく知らなくても判りますからね。とても便利(笑)。
 同時にクラシックを聞く時のマナーとかを書いたリーフレットでも配ればいいのにな・と思いました。折角の入門編なんですから。

 そして本日のメインイベント!(<第2部のフォーレクがメインぢゃないんだ…)ツィゴイネルワイゼン!
 前後の「ドン・ジョヴァンニ」は石田様は降り番ですが、このソロが素晴らしかった。
 前半のゆっくりした部分をラッサン、後半の速い部分をフレッタ(?…良く聞こえなかった)と言うらしいのですが、ただでさえ前後半のギャップの激しいこの曲、石田様&現田氏のコンビに かかればとんでもない対比になっていました。
 ラッサンは私が持っているCDよりもかなりゆっくり。フレッタはかーなーり、速め。
 前半のラッサンはゆっくり、現田氏とアイコンタクトを取りながらの丁寧な演奏。左手で弦を弾くところ等、信じられないほど大きな音が出てびっくりしました。 石田様の指の力ってすごいんだ……!!。
 高音も音がノっていて、ホールの隅々まで響いて気持ち良い。ツィゴイネルワイゼンの前半の物悲しいメロディにちょっとうるうる来てしまいました。
 後半のフレッタは超絶技巧の嵐!現田氏と時折目配せをしながらとんでもない速さの運指。くらり。ツィゴイネルワイゼンってこんなに速かったっけ? 耳がついていけない程の演奏。それでも音の一つ一つまで気を遣った丁寧な演奏なのはどうしてなのかな!どうすればあんな演奏が実現できるのでしょうか。
 石田様の超絶技巧にうっとりと酔いながらも、あっと言う間に曲は終了。楽しい時間は直ぐに終わってしまいます。。。

 次の三大レクイエムは18世紀のモーツァルトから。モーツァルトはこの「ラクリモーザ」を書いている途中で死んでしまったんですよね…。 自分の為のレクイエムになってしまったわけですね。私は三大レクイエムの中ならモーツァルトが一番好きかなぁ…。
 合唱団も抑制された声で、それでもオケに負けない音量をキープ。オケとのバランスがとても良かったです。

 ヴェルディのレクイエムからは一番有名な「怒りの日」を。バトル・ロワイヤルなどのCMで流まくっていたので 誰でも一度は耳にした事があるはず(アレは何時の間にかモツレクの「怒りの日」に変わっている と言うウルトラCをかましていましたが)。
 この曲は私が石田様のファンになった記念すべき曲なので大好きです。是非とも王子石田ヴァージョンでの演奏を見たかったです(<聴きたかった・じゃないって言うのがもう駄目)。 合唱団も盛り上がりまくりのオケに負けず大音量・大迫力で素晴らしかった。一番有名な部分だけだったのが残念と言えば残念でしょうか。
 今日の曲はどれもおいしいところ取りなので短め。満足ゆくまで聴けたのは第2部のフォーレクと第1部最後の「ウィリアム・テル」序曲のみ。

 その「ウィリアム・テル」序曲。石田様もノリノリで頭も振るし、曲も楽しいし、現田氏も踊りまくり!!うっは〜。こう言う 見て、聴いて楽しめる演奏会って言うのは良いですね。子供の頃からこう言うコンサートに触れられるって言うのは本当に幸せなんだぞ〜って言うのを噛み締めて欲しいですね。

 後半はフォーレの「レクイエム」を全曲。しっとりとした雰囲気の、透明なレクイエム。 前半には居なかった小さな子供たちが舞台に乗っていました。声もなんだか前半より若くなった様な気が…。 ちょっと生声があったのは仕方ないかな・と言う感じでは有りますが。
 ソリスト二人も健闘し、ビブラを抑え目の清潔な声がレクイエムにマッチしていて良い。清潔な空気を演出したオケも素晴らしかったです。 この曲だけ配置がちょっと違って、上手の手前にチェロ、正面奥にヴィオラ、1stヴァイオリンとヴィオラの奥に2ndヴァイオリンと言う配置でした。 当初私の席からは小宮氏が全く見えず、2ndヴァイオリンが居ないのかと思いました。こういう時コンマスのファンで良かったなぁ・と思いました(笑)。
 石田ファン的には前半石田様の出番が全くないので飽きてしまう可能性も(笑)。と言うか私は飽きた(<マテコラ!)。

 全体的に子供向けと言えど、音楽は上質、この舞台に上がった恵まれた子供たちにはとても良い経験になったでしょうし、素晴らしい企画でした。 クラシック初心者にもお薦めのコンサートです。























































2004年2月6日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第203回定期演奏会『妙なる響き』


場所:横浜みなとみらいホール
指揮:外山雄三
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石井啓一郎
ソロ・コンサートマスター:石田泰尚
曲目:シューベルト
 歌劇「悪魔の別荘」序曲D.84
外山雄三
 独奏ヴァイオリンとオーケストラのための
 「悲歌」(2004年 改定初演)
レスピーギ
 交響詩「ローマの噴水」
 交響詩「ローマの祭り」

★横浜みなとみらい線が開通して初めてのみなとみらいホールでの定期である。これでお客さんもアップ…したのかな? でも、フラっと寄って聴いて帰る・なんて事も出来るようになりますね。ま。京浜東北線を使っている館風には全く関係ないですが(笑)。

 1曲目のシューベルトは今回予習なしだったのですが(っていつもやんか)、短く纏まっていたのと派手な曲だったのとでとても楽しめました。 外山氏のスッキリした指揮にオケの反応がとても良くて、見ていて楽しめました。

 指揮の外山氏作曲の「悲歌」は、ソリストの石井氏が大迫力。外山氏との息もバッチリ。初演の時もこの二人の演奏だったと言うのですからそれも納得です。
 始めの気が狂ったかのようなフルートにびっくり。フルートってあんなに大きな音が出るんですね…。
 弦楽がビシィ!と揃っていて嬉しくなりました。やっぱり石田様がコンマスだと音が違います。そう言えば黒木氏以外の弦の首席は揃っていましたね。 おそらくレスビーギでそれぞれソロがあったからでしょう。嬉しい事です。

 後、ティンパニがドラム用のスティックで思い切り叩いていてびっくりしました。確かに普通のバチ(えっと、アレ何て言うんですかね…)で叩くよりずっと 鋭く派手な音になっていました。よくよく見ていると出番が無い所でティンパニの音を調節していて、それがかなり忙しそうでした。 休んでいる間もずーっとティンパニに耳を当てて音を確かめていて、休む暇なし。普段の曲ではティンパニの出番が少なかったりして座っている姿の多い藤本氏ですが、 今日の曲はどれもティンパニが大活躍だったので大忙しでした。

 中盤ではオケが日本的なメロディを奏でて、それまでのちょっとざわめいた心を落ち着かせてくれました。外山氏の曲は いつも日本的なメロディが入っていて、どこか落ち着くんですよね。

 休憩を挟んではレスピーギを2曲。これは後「ローマの松」と合わせて「ローマ三部作」と言われるものの2曲。 今回レスピーギは予習して行ったので、かなり楽しめました。・・・と言うか、予習と称して聞いた瞬間に 「これ、金管がめちゃ難しいじゃんか…。」と思って純粋には楽しめなかったり(<超失礼)。
 ところがどっこい(<ってお前いくつだよ?)。今日の神奈フィル金管は一味違います!!凄いです。特に「ローマの祭り」の3階右に居たバンダは最高!!素晴らしいファンファーレでした。 天上から降り注ぐ太陽みたいな音がしていて、思わず上を見上げてしまいました。バンダ自体はよく見えなかったんですが。
 ホルンソロも「これが金管楽器か?!」とびっくりする様なメロディをサラリと吹いていて、うっとりでした。

 「ローマの祭り」の方はパーカッションは10人、センターにマンドリンが入り、チューバ:1、トロンボーン:4(Basstrb含む)、トランペット:4、ホルン:5と言う 強化体制。バスクラやバスファゴット(でいいの?!アレ?)等、低音が強化されていた気がします。ピアノとパイプオルガンも入っていましたから、「ローマの噴水」に較べるとかなり音が重々しい。 「噴水」の方はチェレスタとハープ2台が居ましたから、上の方でキャラキャラ鳴っている音が目立ったんですが、「祭り」はかなりの重低音が響いていました。 神奈フィルの得意な大音量の部分もたっぷりで、以前神奈フィルの芸術監督だった外山氏の、オケの特徴を知り尽くした選曲でした。

 「祭り」は殆どのパートでソロがあるような曲で、石田様のソロも有りました。第4部の部分に当る所に石田様のソロがあるのですが、そこまでが結構長い。だからなのか何なのか、 石田様のソロが始まった所でちょっとウルッと来てしまいました。きっと待ち望んで聴けた・って言うのと石田様の奏でる切ないメロディがストーン!と来たんでしょう(<どんなだ)。
 もう、切ない系のメロディは石田様が弾く為にあるようなものですな!私、こう言うメロディを石田様がソロで弾く時はいつも泣いている気がします。 割と本当の話なので洒落になりません(苦笑)。

 ヴィオラのソロもヴィオラの深みのある音を楽しめて良かったです。ちょっとしか無かったのが残念ですね。まあ、どのソロもちょびっとずつだったんですが。 山本氏のチェロのソロもカッコ良かったなぁ。石田様と一緒に合わせて弾いたりの部分も息が合っていて流石!って感じがしましたし。 そう言えば小宮氏もちょろっとソロ(と言うかアンサンブル)が有りましたね。
 トロンボーン・ソロのユニークなメロディもとても楽しく、目で見ても楽しめました。ああいうのが突然入ってたりして想像出来ない所がいいなぁ・と思いました。

 あ、後いいなぁ・と思ったのはクラリネットの二人(森川氏と斎藤氏)が「祭り」のラストで二人揃って同じ動きをしながら楽しそうに吹いていた所ですかね。 楽しそうな演奏家と言うのはそれだけでこちらも幸せにしてくれます。
 元祖・楽しそうな演奏家(笑)石田泰尚様ですが、今日もノリノリでした。これだけ面白い曲で乗るなって方が無理ですよねぇ〜。 私は一緒にノリたいのを我慢して頭振るのは石田様にお任せいたしました(笑)。

 石田様って、もう弓捌きから指遣いまでいちいちカッコ良いんですよね。他の人には無い舞台人としての気骨を感じます。体の隅々まで神経が行き渡っているところがいいんです。
 自分のパートが無い時にはじっとヴァイオリンを伏せて顎を少し引いている。 もしかしたら目も瞑っているかもしれません(そんな所は見えるわけも無く)。背筋がピ!っと伸びていて 「きっとスラリとした音が出るんだろうなぁ」と思わせる。そう言う演出がファンには嬉しい。 それで勿論演奏は極上。これぞプロ!これぞ舞台人!
 「祭り」のフィニッシュはなんとなくファンも「くるぞくるぞ〜」と思いながら聴いている訳なのですが、それで「来た〜!!」 と言う演奏をぶつけてくれるので、聴いていてとても気持ち良い。 勿論予定調和なわけではなく、想像以上のものを運んできてくれる・そう言う演奏なのです。

 今日の神奈フィルは、と言うか最近の神奈フィルはどんどん石田様の演奏のように、期待に応えてくれる・期待以上のものをぶつけてくれるオケに なっていると思います。これぞ石田効果か?!(笑)
 とにかく今日の演奏は素晴らしかった。こう言う演奏が出来るのなら7月になっても(うわ!)大丈夫だなぁ・と 思ったのでした。
 私は神奈フィルを応援します★










































2004年2月28日
神奈川フィルハーモニ―管弦楽団
特別演奏会
 シュナイト音楽堂シリーズ
「古典派の偉人達 Vol.W」


場所:神奈川県立音楽堂
指揮・チェンバロ:
 ハンス=マルティン・シュナイト
ヴィオラ:秋山俊行
コンサートマスター:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
曲目:ハイドン
交響曲第83番 ト短調「牝鶏」Hob T.83
ツェルター/ヴィオラ協奏曲 変ホ長調
モーツァルト/交響曲第41番
 ハ長調 「ジュピター」
アンコール
 モーツァルト/交響曲第1番より 第3楽章

★前回の演奏会から早22日(語呂悪!)。久し振りの神奈川フィルである(言下に言いたい事は察して頂きたい)。
 シュナイト音楽堂シリーズは毎回毎回ハズレのない名曲をこれでもか!と言うほどの素晴らしい演奏でぶつけてきて くれるので、とても楽しみにしている。

 今日の石田様はいつも通りのダブルのスーツにツートンネクタイ。いつもと違うのはスーツの右襟にちょこんと小さいヴァイオリンの ピンバッジが付いている所。左胸のチーフのすぐ下にも同じくらいの小さなヴァイオリンのバッジ。ちょっとアレンジが効いていてお洒落です。
 更に髪の毛を切ったのかライトの加減か、バシ!と立てた髪の毛が金髪に近い茶髪に見えました。髪、切っちゃったのかな〜?? なんと言うか、ヴァイオリニストと言うよりサッカー選手みたい…(カッコイイから良いけど…<結局それ)。

 こほん。さて、音楽の事。

 ハイドンの「牝鶏(めんどり)」は明るく華やかな曲。毎度の事ですが弦が綺麗に纏まっていて、1stVn.なんてまるで 石田様が一人で弾いているよう。距離が近かったって言うのもあると思いますが、やはり弦の纏まり方は素晴らしいです。
 1楽章では石田様と2ndVn.の小宮氏がアイコンタクトを取っていて、アンサンブルの精密さはこう言う所から来ているのね・と勝手に思っていました。
 特に気に入ったのは3楽章で、ヴァイオリンのメロディがとても可愛らしく軽快で良かったです。パンフの解説によると多分これが「優美なロココ風の旋律」って 事なのでしょうが…(勉強不足)。

 ツェルターのヴィオラ協奏曲ではチェンバロが登場。弦もぐっと人数を減らして来ました。こうなるともう殆ど室内アンサンブルの様な雰囲気。
 チェンバロが入るのでチェンバロでチューニング。石田様がチェンバロをポーン。そうか…チェンバロって鍵盤楽器だったんだ…(音が音だけに鍵盤楽器と言うイメージが無かった人)。
 秋山氏が登場すると石田様は何やら笑顔で話し掛けていました。仲良さげです(そう言えばいつも指揮台を挟んで会話しているよね…)。

 1楽章ではメインのメロディをヴァイオリンが弾く影でこそっと(でもないか)ホルンが音を厚くしてゆくのですが、そのホルンの音がアクセントになっていて中々良かったです。
 秋山氏のソロもメロディックなパートばかりでなく、超絶技巧を駆使するようなパートが盛り沢山。全編通して忙しい曲でした。
 ヴィオラの音をそれ程まじまじと聴いた事が無かったのでどんな音なのかしら〜?と思っていたのですが、思っていたよりもずっと高い音まで出るんですね。 それなのに音色はヴァイオリンよりもチェロに近い感じで深みがある。いつもヴァイオリンとかチェロとかが目立つのでヴィオラをメインに聴く事が出来て新鮮でした。
 全編ソロが満載なので周りのオケはちょっと暇な所も。その間も石田様はノリっぱなし。ずるいです(笑)。お客さんはおろか、シュナイト氏もノルの我慢しているのに!! 弾いている時さながら頭も振るし指揮も振るし…アレは絶対脳内演奏してたね(笑)。秋山氏と一緒に弾いていたに違いありません。 でも、そこまで曲に入り込めるって言うのはいい事だよなぁ。

 本日のメイン・モーツァルトは後期三大交響曲の最後の1曲「ジュピター」。
 始まってまず思った事は「速い!!!」とにかくスピーディ。予習していたCDとは勢いが違います。流れるように留まらずそれでいて焦っている様には感じさせない演奏でした。 堅実と言うよりは挑戦的な演奏と言う感じかなぁ。
 抽象的過ぎて申し訳ないのですが、他の曲とは「音圧」が違いましたね。演奏者から感じる気迫・気合とでも言いましょうか。それと一緒に紡ぎだされる音楽の勢いが違いました。 なんと言うか、前二曲が「良い」「良い」だったとするとモーツァルトは「すごく良い」だった 感じ。オケの皆様、モーツァルトに何か思い入れでもあるのでしょうか(笑)。この曲はティンパニも入り、 大幅に人数も増強されたのでそう言う事もあるかもしれませんが、それだけでは無いと感じました。

 この勢いは4楽章まで衰える事無く持続し、2楽章等ではきっちり抑制されていたのですが、4楽章になると爆発。 ラストだし行ったるかぁ!と言う感じでオケ全体が活き活きとしていたように感じました。石田様も大スパーク。椅子から腰を浮かすし、足が「タン!」 と床を踏むし、見た目も派手で凄かったです。
 演奏終了後もあまりの迫力にぼぅっとして拍手して衝撃を緩和していた感じでした(笑)。

 今回もアンコール前にシュナイト氏が曲解説をやってくれたのですが、7割程しか解らず。ああああ。自分の馬鹿さ加減が露呈された瞬間でした。
 モーツァルトの最後の交響曲を聴いたから今度は一番始めの交響曲を聴こうって事だったと思うのですが…。ちなみにモーツァルト、初めて交響曲を作曲したのは 8つの時らしいです。ああいった時代は音楽界に天才がゴロゴロいたようですが、そんな中でもやっぱりモーツァルトは天才だったと思います。 だって8つで作曲て……(汗)。
 さて、そんな訳でアンコールのモーツァルトは交響曲第1番。軽く華やかなメロディが印象的。そうですね、その前に41番を聴いてしまっているのでそれと較べてしまって 申し訳ないのですが、やっぱり音に厚さが無いかも。それでもこれ、8歳が作曲ですか…凄いなぁ…(<さっきからそればっか)。

 今回も選曲がとても良くて、大満足でした。このシリーズは統一感があっていいですよねぇ。シュナイト氏のセンスもありますが、それに食いついていくオケの面々 の勢いも素晴らしいと思います。こう、ぶつかり合う音楽、感性、素晴らしいですよね!(<体育会系な物言いだなぁ…)
 もう次回は来年ですかー。遠いなぁ(笑)。と言うか、このシリーズって確か全6回ですよね…。と言う事は来年でお終い?なんだか名残惜しいなぁ。








































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