2003年12月31日〜2004年1月1日
横浜みなとみらいホール
ジルヴェスターコンサート
横浜みなとみらいホール
5周年記念公演
場所:横浜みなとみらいホール
指揮:秋山和慶 飯森範親
ピアノ:野島 稔
ソプラノ:澤畑恵美
テノール:福井 敬
管弦楽:横浜みなとみらいホール・ジルヴェスター・オーケストラ
龍舞:湾龍(ベイ・ドラゴン)
バレエ(針の精):谷桃子バレエ団
大川敦子バレエスタジオ.他
振付:大川敦子(大谷桃子バレエ団)
司会:朝岡 聡
曲目:
第1部 (指揮:秋山和慶★ 飯森範親●)
コンサートマスタ:藤原浜雄■ 矢部達哉▲
池辺晋一郎:ヨコハマ・ファンファーレ ★
(横浜みなとみらいホール委嘱作品 世界初演)
オルガン:新山恵理
〜ベルリオーズ生誕200年記念〜
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
Op.9 ●■
〜ハチャトゥリアン生誕100年記念〜
ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
ニ短調より 第一楽章 ★■
リムスキー=コルサコフ:交響組曲
「シェエラザード」Op.35
第1楽章 海とシンドバットの船
第4楽章 バグダッドの祭り、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲より ●▲
べーとヴェン:ピアノ協奏曲 第4番
ト長調 Op.58より 第3楽章 ★■
第2部(指揮:飯森範親)
コンサートマスタ:石田泰尚
可羽沢美濃:月のオーラ
〜12のヴァイオリンのための
ヴァイオリン(舞台下手から)
漆原啓子、礒絵里子、漆原朝子、
石田泰尚、徳永二男、矢部達哉、
藤原浜雄、水野佐知香、梅津美葉、
神谷未穂、三浦章広、横山加奈子
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より "乾杯の歌"
ソプラノ:澤畑恵美
テノール:福井 敬
ビゼー:歌劇「カルメン」より 花の歌
"お前が投げたこの花は"
テノール:福井 敬
プッチーニ:歌劇「ジャンニ=スキッキ」より
"私のお父さま"
ソプラノ:澤畑恵美
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より
"誰も寝てはならぬ"
テノール:福井 敬
2003年から2004年へ
音楽とともにカウントダウン
指揮:飯森範親
コンサートマスタ:石田泰尚
〜プロコフィエフ没後50年記念〜
プロコフィエフ:バレエ音楽「シンデレラ」Op.87
第2幕より ワルツ、真夜中
横浜みなとみらいホール・ジルヴェスター・バレエ団
第3部(指揮:秋山和慶)
コンサートマスタ:三浦章広
〜グリンカ生誕200年記念〜
グリンカ:歌劇「ルスランとリュミドラ」序曲
モーツァルト:協奏交響曲
変ホ長調 K364より 第1楽章
ヴァイオリン:漆原啓子
ヴィオラ:今井伸子
ヨハン・シュトラウス二世:ワルツ
「春の声」Op.410
ソプラノ:澤畑恵美
アンコール
ヨハン・シュトラウス一世
ラデツキー行進曲
★今年もやってきました、ジルヴェスター。深夜なのでテンションが上がっていてまともな
感想を書ける自信がありません(笑)。かなり偏った感想になっているでしょう…その辺は諦めて頂いて…ね。
このコンサートの素晴らしい所は、神奈川県縁のトップクラス演奏者だけ集めてきて編成される
スペシャルなオケと、豪華な選曲。音楽監督はあの池辺晋一郎氏。今回は池辺氏の「ヨコハマ・ファンファーレ」で開幕。
このファンファーレ、P席の一番前の列の席をとっぱらって、そこにボーンやトランペット、チューバが並び、P席の一番後ろ
・オルガンの前にホルンが4人。オルガンと金管楽器だけで演奏されるこの曲はコンサートの始まりに相応しい。
眠気の襲ってくる(笑)10時と言う開演時間でも、眠気覚ましになること請け合いデス★
第1部はオケの魅力を存分に引き出す曲目が並ぶ。
ベルリオーズはオーケストラレーションの天才と呼ばれるだけあって、どのパートも惹き立てられていて素晴らしい!
オケの素晴らしさもあるのでしょうが、弦楽器の音にうっとり。序盤のオーボエソロも美しく(あ、これ神奈フィルの鈴木嬢ですね)、
後半のラッシュとの対比が面白い。石田様も1曲目から飛ばしてます。石田様の気合の入った演奏に思わずにんまり。
こう言う気合が見れるのがファンとしても嬉しいのです。
ハチャトゥリアンでは石田様の師匠(笑)徳永二男氏がソリストで登場。この曲、実は12月に石田様がソロを弾く曲です。
なのでどんな曲なのか、どきどきしながら聴きました。
ジプシー音楽の様ななんとも言えないメロディと雰囲気。どちらかと言うと現代音楽寄りでしょうか。
そうです。私が大好きな感じの曲です(笑)。徳永氏のソロを聴きながら12月の石田様の演奏を想像してぞくぞくしました。
徳永氏の演奏も充分ハジケてましたけど、石田様なら見目も楽しませてくれる演奏に仕上がるに違いないですから!楽しみですね。
「シェエラザード」はコンマス4人でコンマスソロを弾き分け。
石田様が担当のパートは一番最後、一番切ないメロディの部分。こういう感情を込める部分を弾かせたら石田様の右に出る者は居ませんね。
石田様はもう、音からして違うんですよね。こう、一つ一つの音がすごく丁寧で
トン!と心のど真ん中にやさしく入ってくる音って言うか。石田様の情感たっぷりな演奏は本当にそう言う気持ちにさせる演奏で、感涙ものでした。
高音がとにかく美しく、ロングトーンも弓の返しが全く分からない。石田様の音ってやっぱり美しいです。
石田様にピッタリのパートでした。まあ、石田様で技巧的な部分も聴いてみたかったけれど…。
ピアノ協奏曲では野島氏のピアノが映えました。私の席では蓋の関係上イマイチ
ピアノの音は綺麗に聴こえないのですが、ホールの残響を聴く限りでは綺麗に抜けた音だったようです。
休憩を挟んでの第2部。舞台の前の方に半円状に12本の譜面台が置いてあるだけ。
この「月のオーラ」と言う曲は12のヴァイオリンのみで演奏される曲との事。作曲者の加羽沢嬢が会場にいらっしゃっていました。
イメージしていたよりずっと若い女性で、指揮の飯森氏は旦那様なのだとか。ほぉーう。
元々この曲は2002〜2003のみなとみらいのジルヴェスタコンサートの打ち上げで徳永二男氏に12のヴァイオリンと言う構成で、
と依頼されて作曲した曲らしいです。そこで私が思ったのは「そうかー、この後出演者は打ち上げがあるのねー。」でした。
そこじゃねぇだろ(笑)。
曲自体もかなり面白い。始めの方は一人ひとりが割と形の違うそれぞれのパートを弾いているのですが、
段々と3人ずつのグループに分かれて音形をリレーしていきます。
このリレーが淀みなく滑らかで素晴らしい。これは正面の席で聴いていると音の移り変わりが視覚的にも聴覚的にも分かりやすく、面白い曲ですね。
一番この曲を聴くいい席は指揮台でしょう(笑)。
この後の第2部は石田様がコンマスでオペラのアリアがてんこ盛り。そっれにしても、
今回のオペラの選曲は凄いですね。私ですら全部の曲知ってますよ。
と言うか、4曲中3曲を何らかの形で歌った事があるってどーよ(笑)。
テノールの福井氏はもう、貫・禄!の演奏。やっぱりこの人凄いですね。いい声してるなぁ〜。
ソプラノの澤畑嬢もそれに負けない迫力で、今日のソリストはド迫力!です。
特に良かったなー、と思ったのは福井氏のカルメン「花の歌」。このラストの音が上っていく所(歌詞忘れた。カルメン・ジュテームの前。
日本語版なら「神かけて僕は」の部分。なんて言っても誰もわからないだろう)が
もう「こんな音はなんでもないさ」みたいに出しちゃって、凄い。そうかー、hくらいはどうでもない音なんだね〜。
曲が終わった所で石田様はつと上を見上げたりして、思わず一緒に上を見上げてみちゃいました(笑)。何かあったんでしょうか(笑)。
「トゥーランドット」のラストでは舞台上の誰よりもスパークしていた石田様がカッコ良かったです。
どっかから「頭振りすぎじゃない?」と言う声が聞こえてきましたがそんな事は無いです。
あれでいいんです。トゥーランドットですから(<ナニ)。
さて、今年のカウントダウンは凄い。プロコフィエフのバレエ音楽「シンデレラ」の音楽を、12時ピッタリに鐘の音が鳴るように演奏しよう、
と言う試み。
時間きっちりに鳴らなければならないので司会の朝岡氏も緊張気味。一番面白かった一言が「これに失敗すると私の来年の司会はありません。
飯森さんも来年はないでしょう」。この一言には石田様も笑っていました。今日の石田様はMCも楽しそうに笑ってらして、ファンとしてはなんだか幸せな気分です。
12時3分前くらいから始めて、ちょっと暗めのワルツが段々と明るく、派手な音楽になっていった所で
12人のバレリーナが時計の針の精としてP席に登場。白ベースに薄いブルーのチュチュがかわいいのです。
でもP席はちょっと狭いので踊りにくそう。
ウッドストック(であってましたっけ?)の音がぽくぽくと時計の針の音を表現していてとても面白い。
パーカッションが派手な印象を受けましたが…秒針や鐘の音と言う重要なパートがあるからですかね。
ライティングもとてもハデハデで可愛いですし、もうこのコマが一番演出に凝っていました。
12回鐘が鳴ると新年なのですが、その1回1回の鐘に合わせて針の精が一人づつポーズを決める様が可愛いかったです。
11回目が鳴った辺りで正面のオルガンの両脇に3秒前からのカウントダウンの数字が光で映し出されました。
微妙に駆け足にカウントダウンしましたが、大体新年になった瞬間に最後の鐘が鳴って、
最後の妖精がポーズを決めました。そしてフィニッシュ。か、かっこいいー。もう、
この演出には感動して涙が出て来てしまいました。パァン!と銀テープが発射されたりして、もうお祭り状態。
で、もう終りかな?と思ったら龍舞が登場。会場は真っ暗になり、上からブラックライトが照らし、
ブラックライト用の塗料で塗られた龍が珠を追って客席に登場。そのままぐるりと回り、
舞台の上へ。1stヴァイオリンは後ろへ避難。あれ?石田様は?と思ったらちゃんと石田様も後ろへ避難していました。
この龍舞もかっこいいんですよー。真っ暗な中でオレンジと黄緑色に浮かび上がる龍は大迫力でした。
第3部は新年に相応しい曲を。ロシアの作曲家グリンカの「ルスランとリュミドラ」の序曲は流れ出したら止まらない・と言うような
勢いのある、元気のある曲。
石田様のタカタカとよく回る指と弓捌きが見逃せない所です。石田様の超絶技巧曲も聴きたいーと見ていて思ってしまいました。
モーツァルトでは、なんだか石田様がやったらノリノリ。
すっごく楽しそうに演奏していました。好きな曲なんでしょうか。弾いていない所でも音楽に身を任せていました。
ソロの漆原嬢は小鳥が啼く様な音。弦楽器とホルン、オーボエだけのシンプルな
構成のこの曲、それだけにソリストが目立ちました。
ヨハン・シュトラウス二世の「春の声」はソプラノの澤畑嬢が登場。この曲、ソプラノソロが付いているんですね…そうだっけ…(笑)。
始めの方はずっと弾きっぱなしだったオケの高いテンションに戸惑っていたような澤畑嬢も後半になるとノリにノってきて、もう
「私の歌を聞け!」状態。いえ、いい意味で、ですよ。耳が惹き付けられました。やっぱりこれくらいでないと〜。
この曲が終わると石田様は上を向いて一息。やっぱり終わったーって感じなのでしょうか。しかしあと1曲残っているんですが(笑)。
最後は新年らしく「ラデツキー行進曲」。会場も一緒に手拍子を入れたり、出演者と一緒に演奏できた〜!って感じで素晴らしいラストでした。
石田様も最後だからか通常より頭振ってる気がします。
曲のフィニッシュと同時に演奏者達が持っていたクラッカーをパァン!と鳴らして終了。
石田様も……あれ?あれ?どうやらクラッカーが不良品だったようで不発。
石田様はちょっと首をかしげた後何事もなかったかのように譜面台にクラッカーを置いてました。
ちょっと寂しそうでした。来年はちゃんとしたの上げて下さい(笑)。
館風は演奏が終わった後は暫く放心状態でした。す、凄すぎです。これだけの演奏が聴けたら取りあえずお正月はこれだけで生きていけますvv。
素晴らしい演奏を有難うございました。
昨年は石田様を追っかけた一年でした。もう少し落ち着いたファンになる為にも(笑)もっと音楽の事勉強しなきゃなぁ〜。
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