2003年演奏会日記-11月

11月1日 ★音楽の処方箋@ひまわりの郷
11月3日 ★神奈川文化賞・スポーツ賞贈呈式・祝賀音楽会@KH
11月10日  NECコミュニティコンサート@MMH
11月14日 ★神奈川フィル第200回定期演奏会@MMH
11月21日 ★SHONAN DAN CONCERT@よこすか芸術劇場
11月29日 茂木大輔の音楽ガイドブックVol.3@第一生命ホール



11月1日 音楽の処方箋


場所:港南区民文化センター『ひまわりの郷』
出演:富田隆(お話)
YAMATO弦楽四重奏団
竹村浄子(ピアノ)
曲目:
ハイドン/弦楽四重奏曲「ひばり」より第一楽章
アンダーソン/シンコペティッドクロック
アンダーソン/踊る仔猫
ジョン・ウィリアムス/
 「シンドラーのリスト」のテーマ
ショパン/革命のエチュード
ピアソラ/タンゴ・バレエ
山田耕筰/からたちの花
フリードリッヒ・グルダ/アリア
シューマン/ピアノ五重奏曲より第一楽章
アンコール
 「ソーラン節」(幸松肇/編曲)
 シュトラウス/ラデツキー行進曲

★今日のコンサートは音楽と心理学の関係を解説しつつ、音楽をしっかり聴く、と言うコンセプト。
 富田氏の始めの解説で心に残ったのは「楽しむ事ができるのも能力である」と言う事。音楽にしろ何にしろ、 楽しむには健康じゃないとできないしなぁ、と思った。

 さて、始めにYAMATOの4人が出て来てスッと演奏を始めた。2日前と同じハイドンの「ひばり」である。 今日も軽やかで、石田様のきびきびした動きがなんだかコミカルで可愛かった(<フィルタかかりまくり)。ホール正面の上には金色の小鳥が2羽停まっていて、 なんだか雰囲気もバッチリ。
 富田氏のMCを挟んでアンダーソンを2曲。踊る仔猫は1st Vnがグリッサンドを多用し、猫の鳴声のよう。最後に浜野氏(?)が猫の鳴声を真似て(?)「うお〜ん」と言う 声が。誰がやったのか館風は良くわからなかったのですがとても可愛らしく面白い曲でした。

 「シンドラーのリスト」はピアノとヴァイオリンで。ヴァイオリンは浜野氏。一瞬でも「石田様がソロやらないかしら?」と思った館風が馬鹿でした。ごめんなさい(笑)。
 えー、そんなわけでどうしても一年前の石田様の「シンドラーのリスト」と較べてしまう館風。うう。コメントし難いなぁ…。

 ピアノの竹村嬢は黄色の爽やかなドレスで登場。ショパンは譜面台を外していたので音がバンバン飛んできて気持ちよい。弾く前に「す…」と一瞬下を向いて 手を膝の上で組んで精神統一。こういう所作がカッコよいですねぇ。大きな手がひらひらと鍵盤の上を舞って、視覚的にも素敵でした。 指も長いのですが、掌もおおきく、迫力の演奏でした。

 休憩後のMCは富田氏と浜野氏と竹村嬢の3人で。ドビュッシーとバッハとパラディスを弾いて心理テスト。 「今はどの曲の気分ですか?」と言う質問で、そこから自分の性格・性質(かもしくは憧れる性質)がわかってしまうと言うもの。 でも「自分の性格・性質」と「憧れる性質」では大分違うと思うのですが…(笑)。 これ、演奏家2人のトークが面白かったです。

 その次のピアソラと山田耕筰は弦楽四重奏で。ピアソラはやっぱりいいですね。でも2nd Vnがリズム担当なのは頂けないなぁ…まあ、魅せ場は あったんですけど、あれだけじゃ満足できないって言うか…むにゃむにゃ。

 MCに、最近の子どもは情緒的・感情的な音楽を聴くとイライラしたりパニックを起こしたりする、と言うのがあった。 きっと、そう言う音楽を聴いてこなかったのだろう。若者の音楽の傾向は基本的に「J-POP」が好きで、さらに突っ込んで聴いても 特定のアーティストの音楽しか聴いていなかったりするらしい。自分を振り返ってみても「J-POP」と言うジャンルではカリガリかイエモンしか聴かないと言う 偏った嗜好性があるし、この話はどうやら信憑性があるようである(<いや、嘘は言わんだろ...)。

 アンコールは2日前にも演奏された「ソーラン節」。今日やっと編曲者が分かりました〜。幸松肇氏と言うらしい。 個人的には彼の編曲でYAMATOのCDを一枚出して欲しいと思います。それくらいこの「ソーラン節」の編曲は良い。

 石田様は2日前の悪夢を思い出されたのか演奏前にちょっと自分で笑いを堪えていました。いや、ホント、思うよね。そりゃあ2日前に間違えた 事を思い出して苦笑いもしますがな。 そんでもってそれを見てクスクス笑ったのは2日前にもYAMATOを見に行った人だな(ニヤリ)。そんなプレッシャにも耐え(笑)ての演奏。 本当に、この曲はYAMATOの才能を引き出していてとっても素敵。これは耳で聴くだけでなくて目でも楽しまないと絶対損ですね。 石田様始めはソロだし(<やっぱりそこ)。
 もう1曲の「ラデツキー行進曲」は御馴染みって感じですよね。ちゃっかりみんな手拍子してるし(笑)。 弦楽四重奏とピアノだけなのに結構しっかりと厚みのある音楽になっていて感動でした(<オケヴァージョンしか聞いた事がなかったもので)。

 心理学と音楽を取り合わせて解説しながらの演奏会、と言う企画はとても面白かったと思います。文句を言うならそうですね…、1曲くらい石田様にソロを弾かせなさい! って事でしょうか(笑)。まあ、後半のMCの部分は石田様は絶対にやりたがらないんでしょうけど…。それでも「シンドラーのリスト」くらい…と思ったのは私だけではないはず(笑)。

















































11月3日 第52回
神奈川県文化賞スポーツ賞贈呈式
 祝賀音楽会


場所:神奈川県民ホール
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:デュオ・プリマ
 (礒 絵里子・神谷未穂)
曲目:
G.H.ヘンデル
 組曲「水上の音楽」(ハーティ版)より
 Allegro
 Bourree
 Horn-Pipe
 Allegro deciso
J.S.バッハ
 二つのヴァイオリンのための協奏曲
 ニ短調
F.リスト/ハンガリー狂詩曲第2番
P.サラサーテ/ツィゴイネルワイゼン
アンコール
 モンティ/チャールダーシュ

★賞の贈呈式の後、祝賀音楽会。久々に石田様と現田氏のコンビ!が見れます。やっぱコレですよぅ!
 で、当選ハガキをチケットに交換しに行ったのですが…あれれ?12時から交換ってなってるのに11時半には既に交換が始まってる…何故…。 こんな事ならさっさと行くんでした。しかも今日は双眼鏡忘れて石田様のお姿が良く見えないし…(涙)。

 ヘンデルはよく知っている曲でした。意識して聴いたこと無かったです(汗)。3曲目のホルンが良かったです。1曲目ではどうなるかと思いましたから…。 多分、曲が進むに連れてそれぞれノって来たんでしょうか。

 バッハの二つのヴァイオリンのための協奏曲では「デュオ・プリマ」の2人が白のドレスと黒のドレスで登場。思わず「オセロ」と呼んでしまいました。友人は黒いほうを「中島」とか呼び出すし…違うって(笑)。
 石田様はソリストの2人を立てるべくいつもよりかなり大人しめ。ううー。石田ファン的にはつまらん(<今日は正直ですね)。しかし、石田様のその努力(笑)にも関わらず イマイチソリストが立たず。今日はオケの勢いがありましたから、そのせいかもしれませんが…。

 今日のイチバンはリスト!こっれはホント、神奈フィルに向いていますね。エネルギッシュでいて重々しい所もあり、勢いに乗ってもオッケーな曲。現田氏もノリノリです。 だって指揮している時に指示出しながら足をぴょこんと上げたり、勢い余ってジャンプしてたりしましたから。とっても楽しそうに指揮しているのが背中を見ていても分かりました。 そして、現田氏がノリノリの時、石田様はもっとノリノリなんです!
 石田様は前2曲の鬱憤を晴らすかのようなかなりイッちゃってる演奏(<褒めてます)。曲の始めから腰浮いてます!コレコレコレー!!!観客の眠気を吹っ飛ばす(笑) 素晴らしい演奏。鳴り物も多いし、寝てる暇なんてありませんよ!(笑)
 何が良かったって、勿論演奏が良かったのですけれど、目で見ていても飽きない演奏だった・と言う事です。神奈川フィルは稀に見る「ヴィジュアル系」オーケストラなのかも。

 館風の「もしかしたらソロを石田様が弾いてくれるかも…」と言う儚い(笑)希望はあっさり無視され、勿論ツィゴイネルワイゼンのソロは デュオ・プリマ。2人でどうやって??と思われるでしょう。ツィゴイネルワイゼンのソロを二つのヴァイオリンで弾くように分けてしまったのです。 ・・・これは・・・編曲者の失敗でしょう。あの曲は超絶技巧を独りで弾くからノリにノってカッコ良いのであって、2つに分けたらカッコ悪いわけです。 合いの手じゃないんですから…。なんだかなぁ…。あんな編曲で弾かされてソリストがちょっとかわいそうでした。
 オケは石田様効果かいつもより音が一つになっていました。出だしの弦など、1stヴァイオリンを筆頭に鳥肌が立つような音が押し寄せました。 あの音は素晴らしかったなぁ…。

 アンコールは御馴染みチャールダーシュ。リストのハンガリー狂詩曲がハンガリー・ジプシーの音楽であるチャールダーシュがモチーフに なっていたからの選曲でしょう。これもデュオ・プリマの2人がソロ。こちらの分け方の方が好感を持てたかな。 ただ、もっとハジけてくれても良いなぁ、と言う印象でした。まあ、今日の神奈フィルはかなり勢いがありましたからね…。 ノッている時の神奈フィルは結構危険かもしれません…(笑<褒めてますよ)。

 今日はリストのハンガリー狂詩曲を聴きに行ったようなものです。ですが、それだけで私は満足できました。 この「幸せ石田週間」の締めがこの演奏会で良かったです。



11月10日 NEC
 コミュニティコンサート
 展覧会の絵


場所:みなとみらいホール
指揮:小林研一郎
ピアノ:小菅優
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
コンサートマスタ:大川内弘
曲目:ドヴォルザーク/スラブ舞曲集
 作品46より 第1番 ハ長調
ショパン/ピアノ協奏曲 第1番
 ホ短調 作品11
<ピアノアンコール>
 ショパン/ノクターン《遺作》

ムソルグスキー(ラヴェル編曲)
 組曲「展覧会の絵」
アンコール
 マスカーニ
「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲

★NECによる全席ご招待のイベントだけあって客席は殆どが埋っていました。久し振りにみなとみらいホールのC席で聴いたかも…(<いつも石田様見たさにもっと前…(笑))

 ドヴォルザークは、とにかくコバケンこと小林氏の迫力がすごくて、フィニッシュで右手を突き上げるようにする所はカッコイイ。ラストへ向かうクレッシェンドは圧巻。

 ショパンでソロを弾いた小菅嬢は館風より年下…。すごいなぁ…。写真より実物の方が可愛い方でした。ピアノを弾き始めると作品の中に入っちゃって一心不乱。 指がよく回るようで、トリルがすごかったです。コロコロと転がすような音が綺麗でした。
 しかし演奏が終わるとやっぱり20歳の若者、と言う感じ。礼の仕方とか、退場を伺う様子が若々しくて好感が持てました。これからも頑張って欲しいですね。

 「展覧会の絵」を生で聴くのは何度目かだが、やっぱりこれは金管が難しい。金管楽器はプロムナードのメロディになるところも多いし、チューバがメロディを吹く曲もありますからね。
 今回特に良かったのは第2曲[古城]のサックス!これはとても良かったです(あ、金管じゃないや…)。甘い音が良いですねぇ。サックスは意外に大きな音が出る楽器だという事が分かりました。他のパートに埋もれないで 、それでいて浮きすぎないで、バランスが良かったと思います。でもサックス、それくらいしか出番無いんですよね…。その後ずっと待機ですか…???
 後、第6曲[サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ]のトランペットで表現された貧乏人の早口も良かったです。

 今回改めて聞いて、自分でこの曲が好きだーと思っていた[卵の殻をつけた雛鳥の踊り]以外にも色々面白い曲がありました。 1曲目の[小人]なんか暗くていいですね。コントラバスがカッコ良かったです。

 NECは凄いですね。確かこの手のNECの企画には以前にも行ったと思ったんですが…あ、今年の1月に行ってますね。 こういう企画をやり続けるっていうのはとても喜ばしい事だと思いました。































11月14日神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第200回記念定期演奏会
 『プッチーニの世界Vol.U』


場所:みなとみらいホール
指揮:現田茂夫
ソロ・コンサートマスタ:石田泰尚
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
蝶々夫人(ソプラノ):木下美穂子
ピンカートン(テノール):イー・ヒョン(李R)
シャープレス(バリトン):福島明也
スズキ(メゾ・ソプラノ):大林智子
ゴロー(テノール):牧川修一
ボンゾ(バス):鹿野由之
ヤマドリ(バリトン):松本進
ケート(ソプラノ):渡辺清美
神官(バリトン):星野聡
合唱:神奈川フィル合唱団
合唱団音楽監督:近藤政伸
副指揮:上野正博
字幕:とよしま洋
曲目:G.プッチーニ
歌劇「蝶々夫人」(全二幕)
 演奏会形式/原語上演・日本語字幕付

★合唱団の私にとって、今回の舞台は生殺しだった。1幕しか出番は無いわ、結果2幕は 全く見れないわ(しかも合唱団の控え室にモニタ&スピーカは無いのである)、外に出て見りゃあ店は閉まり始める時間だわ、 悲しいにも程があった。と言うか、本番中にホールの外へ出たのなど初めてである。
 そんな訳で今回のレポートはリハーサルと1幕を中心に―と言うかそれしか書けない。

 合唱団とオケのバランスチェックを中心としたリハに石田様は真っ赤なピコのトレーナで登場。下はいつもの黒いパンツ。と言ってもだぼだぼですが(<「だぶだぶ」ではなく「だぼだぼ」である)。
 リハ・本番通してですが、歌わないところはとても暇なのでずっと石田様を見ていました。都合よく視線を向けても不自然じゃない方向に石田様が居たので良かったです。
 合唱団の出番が終わった後、休憩後の2幕、3幕のリハを2階C席で見る事が出来ました。ああ、細切れだけど見れて良かった…。石田様はトレーナを脱いで腰に巻きつけて黒いTシャツでの登場。 なんだか腕が長いのが強調されていた気がします。腰も細いしね…(<どこを見ている?)。
 さて、演奏のほうですが、ラストの石田様は盛り上がりまくりで立ち上がってましたね。 現田氏もイっちゃってるし、二人揃って大盛り上がりでした。これが本番だともっとすごかったんだろうなぁ、と思いました。

 さて本番。なんか、石田様含め楽団員全体の気合の入りが違うんですけど…音の緊張感が違います。リハが80%だとしたら本番は130%って感じです。 石田様も現田先生も全然違います。
 そんなこんなで自分石田様ばかり見ていました。たまに石田様と同じメロディラインのところがあってそう言うときには幸せを感じずには居られません。 それでもいっぱいいっぱいのトコは現田氏を見ていないと悲惨な事になるんですが(笑)。
 それにしても、石田様のソロが満載でしたね〜。うう、いい音だ〜。2幕1場のラストのハミングコーラスの所、 石田様のソロと合唱が絡んで素敵でした。石田様のソロと一緒に歌えるなんてなんて羨ましい〜(<自分はそこ歌ってないので)。
 1幕の最後のほうのソロなんかも素晴らしかったし…。ホント、こういう時どうして自分は合唱団員なのか恨めしくなります。

 ソリストの方々も素晴らしく、特に蝶々夫人の木下嬢が素晴らしかったですね。人間1人の声であそこまでオケに対抗できるものなんですねぇ。 素晴らしい演奏でした。後気に入ったのは福島氏のシャープレス。演技もたっぷりで、声も素晴らしいバリトンだったと思います。

 さて、この演奏会は神奈フィルの定期演奏会200回記念、と同時にみなとみらいホール来場者200万人突破記念演奏会にもなったのだとか。 抽選で座席を指定し、その座席に座っていた人は北陸の旅やらホテルの宿泊券やらを貰えたみたいです。自分の買ったチケットの近くの席が当たっていたので結構羨ましいなぁ、と思いました。いいな(笑)。
 演奏会終了後には乾杯式が行なわれ、楽団員、合唱団、定期会員の方々が参加しました。私も参加しましたが、うーん、石田様を発見できず(涙)。 自分の帰りぎわに空き缶を捨てる石田様を目撃しました(笑)。取りあえず遠くから拝見できただけでよしとします(笑)。

 乾杯式で現田先生の言葉にもあったとおり、来年から神奈川県内には新たにプロオケが進出し、神奈川フィルの「県内唯一のプロオケ」と言う看板が使えなくなってしまいました。 個人的に「神奈川県内に移るくせに東京って名乗り続けるのかよ!」とか、「毎年神奈フィルと提携して合唱連盟の企画やってきたのにいきなり乗り換えかよ!」と 言う三村的突っ込みはありますが、まあ、これが神奈川フィルにとっても刺激となって更によい演奏会が増えるといいな、と思います。
 取りあえずミューザ川崎での定期演奏会を始めましょうよ(笑)。曰く「サントリーホール並の音響の素晴らしいホール」と言う事なので神奈フィルの演奏が映えるに違いないと思うんですが…どうですか。































11月21日 SHONAN DAN CONCERT 2003


場所:よこすか芸術劇場
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:石田泰尚
ソプラノ:足立さつき
曲目:
ヨハン・シュトラウスU
 喜歌劇「こうもり」より
 序曲/「侯爵様、あなたのようなお方は」
團伊玖磨/オペラ「夕鶴」より
 「あたしの大事な与ひょう」
プッチーニ
 歌劇「マノン・レスコー」より間奏曲
 歌劇「トゥーランドット」より
 リューのアリア「お聞き下さい王子様」
エルガー
 行進曲「威風堂々」第1番
ビゼー/カルメン組曲より
 1:トレアドール
 2:ハバネラ
 3:闘牛士の歌
 4:ジプシーの踊り
サラサーテ
 ツィゴイネルワイゼン
ラヴェル/ボレロ
☆アンコール
團伊玖磨
1959年天王皇后両陛下ご成婚記念
 「祝典行進曲」
 「花の街」

★湘南信用金庫主催のこの企画、毎年行なわれているようです。ここ三年ほど、つまりSHONAN DAN CONCERTになってからは 石田様がソリストとして招かれているようです。湘南信用金庫理事長の服部眞司氏はかなりの石田ファンの模様。 こういう職権濫用(笑)は石田ファンとしてはうれしい所です。
 更にパンフレットには現田氏と同じサイズの石田様の写真が!カッコイイ!やば!カッコイイです!これ、神奈フィルHPの石田様の写真と一緒の時に撮ったのでは? と言う感じの写真。正面から見た王子石田ヴァージョンの石田様。でも今日舞台の上に居たのはワイルド石田でした(笑)。

 なんだか前半の神奈フィルはいつもと雰囲気が違います。神奈フィル得意のエネルギッシュな演奏ではなく隅々まで丁寧に造り上げた スタイリッシュな演奏。「こうもり」序曲が特にこの傾向が顕著でした。これはやっぱり現田氏のセンスなのかな。
 「侯爵様、あなたのようなお方は」ではソリストの足立嬢のパフォーマンスが光りました。私は話の内容を良く知らないのでわからないんですが、歌詞に合わせてミニスカートの上に穿いていた前開きになるロングのふわっとした スカートを「バッ」とめくり上げて足を出したのがすごかったです。その仕草が可愛くて、茶目っ気があって良かったです。サーヴィス精神満載の方なんですね〜。 声も高音がよく伸びる素敵な声だったと思います。

 前半の石田様は燕尾服で白のクロスタイ。タイピンって言うのかな?クロスタイを留めているやつがキラキラしていて、嵌っているのはダイヤかキュービックジルコニアかって感じの 宝石の輝き。今日はピアスもキラッと光って石田様光りまくり。ヴァイオリンにも赤い宝石が嵌ってますよね〜。あれは何なのかな?やっぱり石田様ってお洒落です。

 前半のベストはエルガー。弦のまとまりがいつにもましてよく、石田様の気合も充分。細かく造りこんである上に神奈フィルのエナジィもノッて素晴らしい演奏でした。

 後半最初のカルメン組曲は石田様ナシなので見る方(Not聴く方)はちょっと小休止。その時その時でソロを演奏するパートを中心に見ながら聴いていました。 殆どのソロパートと一緒に第一ヴァイオリンがメロディを弾いているのですが、意図的にかな?ちょっと影が薄め。きっとソロパートを目立たせる為でしょう。
 ちょっとコケた所もありましたが、それ以外は今日の神奈フィルの管はどうしちゃったの?!ってくらい上手い! ハバネラのトランペットなんかも良かったし、クラリネットのソロもいい音がしていたし、ホルンが今日は特に良かった。こう言うすっきりした管の音が好きですね。

 そして本日の(館風的)メイン、ツィゴイネルワイゼン!この曲を石田様のソロでもう一度聴けるなんて嬉しいったらありません。ドレスダウンして出てきた石田様は[Vaiolin Appassionato]の ドレスシャツ。最近アレがお気に入りのようです。私的に燕尾でスタンディングの演奏って言うのが結構好きなんですが…。あ、そう言えばコンマスの時とソロの時では違う弓になってました。コンマスの時は弓のお尻に付いているテープが青かったんですがソロの 時にはテープが赤になっていました。弓の形の違いなどは流石にわからなかったんですが、何かコンマスの時とソロの時とでは違う事が有るのでしょうか?きっと使う技術の傾向とかによって弓から変えたりするんでしょう。きっと色々あるんだろうなぁ(<自己完結)。

 今回は始めの方はたっぷりと溜めた演奏。情感が籠った、1音1音を丁寧に扱った演奏です。もう音にぞくぞくしてしまって、石田様のソロの音しか耳に入ってきません。 その音以外はもうオマケなんですね。ソロを惹き立てるためのオマケ。耳に入ってはいてもソロが素晴らしくてそちらまで気が回りません。と言うか、ソロが耳を離させないんですね。 この求心力は石田様ならでは。何と言うか、音に重力が合ってそちらに引っ張られてしまう感じとでも言うんでしょうか。
 そして、何より見ていて嬉しいのは、本人がとても楽しそうに弾いている事ですね。前半の情感たっぷりの部分は眉根を寄せて苦しそうな表情をしたりしているんですが、それがふっと緩むととても楽しそうなのです。すぐに苦しそうな表情を作ってしまうのですが、 後半の超絶技巧オンパレード!はなんだか嬉しそう。もうヴァイオリンを弾くのが楽しくて楽しくて仕方ない・と言う表情なんです。やっぱ演奏家はこうでなくっちゃね〜。
 今日も演奏終了後にヴァイオリンをクルッと放り投げて回しました。本人にも満足の行く演奏だったのですね〜。聴いている方も幸せにする演奏でした。

 最後のボレロに移る前に、なんと石田様は早着替えして出てきました。燕尾に戻ってます。いや、それならソロも燕尾で…(<燕尾服好き)。何故かネクタイが変わっていました。 ボレロはいつもの蝶ネクタイ。クロスタイもカッコ良かったんですが、何で変えちゃったんでしょう?気分?(笑)

 始めのうちは静かに中央に配置された小太鼓が鳴っていて、段々と色んなパートが入っていくのですが、これが淡々としているのに変化に富んでいて面白い。ラヴェルはやっぱりいいですね。
 ヴァイオリンははじめ、弓を置いてのピチカート。と言ってもウクレレの様に抱えてぽろんぽろんと弾く感じ。と言うか絵、参照(笑)。 これがなんか、石田様は他の人と弦の押さえ方が違うんです。えっと、つまり左手なんですが、左手が違うんです。真上から押さえるように必要な部分だけピ!っと押さえるのです。 他の人は指が寝てたりするんですが、石田様は違います。腕をかなり捻っているので押さえ難そうなんですが、楽な方に逃げないんですね。やっぱり石田様はこだわりが違うわ〜。
 ボレロはじりじりと盛り上がってきて、最後の最後に爆発!って感じで石田様もフィニッシュがカッコイイ! この曲は始めの方をじりじりと耐えるのが良いんですよね。エナジィはあるのにそれを敢えて一気に放出しない、その耐えが後半の盛り上がりを作るのです。 きっと一番盛り上がっていたのは振っていた現田氏でしょう(笑)。

 アンコールは團伊玖磨氏の曲を2曲。「花の街」はプログラムに楽譜と歌詞が載っていて客席も一緒に合唱。 えーと、3部の楽譜が書いてありますけど…誰が歌えるんだろう(笑)。ちなみに私は途中まで下のパートを歌って挫折しました(爆)。 そうそう、現在高校二年生の友人を連れて行ったのですが(<勿論石田様を見せるため)、彼女はちゃんと音取れたみたいです。流石現役(笑)。 更に「花の街」を知らないと言っていました。私は中学の時に音楽の授業でやったんだけどな〜。5年やそこらでここまで世代差が出ているなんて…とちょっとせつなくなりました(笑)。
 でも、こう言う風に音楽は受け継がれていくものなのかもしれませんね。




















































11月29日
 ライフサイクルコンサート10
 茂木大輔の音楽ガイドブックVol.3
アドヴェント「の」コンサート


場所:第一生命ホール
指揮:茂木大輔
合唱:東京混声合唱団
ソプラノ:山田英津子
オルガン:室住素子
曲目:第1部「クリスマスを待ち望む」
プーランク
 ノエル(クリスマス)の季節のための
 4つのモテット
J.S.バッハ
 クリスマスオラトリオBWV.248より
 3つの賛美歌
第5番コラール
 どうやってあなたをお迎えしましょうか?
第12番コラール
 美しい朝の光、空に暁を呼べ!
第17番コラール
 みてごらん!
モーツァルト
 モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
ブルックナー:アヴェ・マリア ヘ長調 VAB.6
プーランク/小さな声
 (詩:Madeleine LEY/訳詩:横川晶子)
1:おりこうな女の子
2:迷い犬
3:学校の帰り道
4:病気の男の子
5:ハリネズミ

第2部
バッハ:ロ短調ミサより「kyrie」「Agnus dei」
モーツァルト:ハ短調ミサ曲より
 Kyrie
 Gloria
 Laudamus te
 Qui tollis peccata mundi
 Jesu Christe=Cum sancto spiritu
 Et incarnatus est
バーバー:Agnus dei
プーランク:ト調の無伴奏ミサ(全曲)

★久し振りに合唱のコンサートである。しかも私の大好きな東混。そう。私は東混の演奏が大好きです。でもだからこそ言いたいことも出来てしまって…。 というわけで今回はちょっと辛口になる予感…。

 茂木氏と言うとどうもオーボエのイメージが強いのだけれど、現在はオケ指揮者と言う色の方が強いよう。最近は今回のように東混を指揮して合唱指揮者としても やっている模様。
 このコンサート、茂木氏の解説を挟みつつのまぁ、トークコンサートの様なもの。この解説がまた、細かい。 そりゃあもう細かい。そしてまたマニアック。まあ、今回のパンフをふっと見ただけでも「あー、マニアックな」と思う内容である。
 どの辺がマニアックって、合唱団の後ろに大きなスクリーンがあり、歌にあわせて歌詞の対訳が出たりする。歌詞のバックには色々な絵画が映し出されていて 正にキリスト教社会的クリスマスの静かな雰囲気を演出してくれる。キリスト教徒でない私でもなんとなく静かな気持ちにさせてくれるほどであるからすごい。

 1曲目のプーランクのクリモテ(と私は勝手に略している)は結構知っている曲だったのでかなり楽しめました。ただ残念なのは東混にしては倍音の鳴りが弱いかなぁ、と言う所。 まあ、いつも初めはそこそこで後半スパークする東混ですから普通っちゃあ普通なんですが(と言ってもそこいらに転がっている合唱団より断然上手い演奏なのですが)、知っている曲だけに もう少し〜と思ってしまいました。うーん、後半でスパークする癖やめて欲しいな。好きな曲が前半にあって泣いた事が何度かあります(笑)。
 バッハのクリスマス・オラトリオは先のプーランクの曲と同じような場面を切り取って演奏。普通に演奏すると3時間を越えるえんそうになるのだとか。すご。
 どちらも マリアがイエスを産むまでを描いたもの。解説を聞けば聞くほどマリアがどうしてイエスを産めたのか分からなくなりました。いえ、これを言い出すと宗教談義になってしまいますから止めて置きましょう。

 その後は モーツァルトは聖なるイエスを描き、ブルックナーはその母マリアを描いています。いわく「聖母子のコーナー」なのだとか。
 モーツァルトは超有名曲ですね。解説であったのですがずっとモノフォニーだった音楽が「十字架」の部分でソプラノが飛び出し、2つに分かれる事で「十字架」 を表している、と言う事でした。へぇ〜。歌詞だけではなく音でも歌詞の意味を表しているんですね〜って、合唱やってたらそれくらいは知ってなきゃいけないのかもしれませんが。。。 このコンサート、合唱マニア向けの解説だったなぁ、と言う印象が強かったです。このコンサート、どういう層が聴きに来ているのでしょうか??謎です。

 今回拾い物だったのはブルックナー。面白い!えーと、よく分からなかったんですが基本的に混声6部だったのかな??部分的にはもっと多かったと思いますが。 これが結構声がノってきて面白かった。こう言う曲、面白いですねぇ。ただ、聴くのはともかく歌うのは遠慮したいですね(笑)。

 プーランクの「小さな声」は五つの小さな曲から構成されているのですが、この曲、今回の演奏会の為に 横川晶子嬢が翻訳されたのだとか。この演奏会の為に!すごいですね。あ、ちなみにこの曲、女声合唱曲です。見事にプーランクの和音が映える技巧的かつ美しい曲です。
 私はこの曲をフランス語ヴァージョンでよく聴いていたので(と言うか今だかつてこの曲を日本語で歌おう等と考えた人は居なかっただろう)、 かなり違和感がありました。私的には中3曲が可愛らしくて好きかもしれません。ソプラノの高音がふあーっと伸びるのが素敵でした。ああいう声がでたら気持ちいいだろうなぁ(うっとり)。

 さて後半。これからはちょっと真面目なミサ曲談義。ミサ曲は色んな作曲家が曲を書いているのですが、ご存知の通り同じテキストを使っています。 キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・デイと、この5曲が主な曲です。で、クレドはプロテスタントだと演奏されないのだとか(とか言いつつプロテスタントの作曲家が 曲書いてたりするけど…)。同じテキストで全く違う曲が出来上がるのを較べていく作業はとても面白かったです。
 モーツァルトのハ短調ミサをテキストとしながらの解説。かなりマニアックで…えと、その…たまに夢の世界へ…(<マテ)。いえ、でも隣のお姉さんも寝てたし…(<だからっていい訳じゃないだろう!)。

 ラストのプーランクは圧巻。サンクトゥスの後半で出てくる「Hosanna in excelsis」の歌詞の部分だけ全く違う音楽で、戸惑いました。この「いと高き所に今、救いたまえ」と言う歌詞にプーランクは 何を見いだしたのでしょうか。他の部分とは明らかに違う和音から導き出される解決に息を呑みました。 ここは普段のプーランクのイメージと違って分かりやすい音なんですよねぇ。。。そして強烈でもある。
 私のプーランクのイメージはどうも不協和音の中の協和音とでも言うのか、一瞬不協和音なんだけど気持ちの良い響きが含まれているイメージなんですね。その心地の良い和音が 全編にちりばめられていて気持ちよかったです。やっぱり東混は和音がキチっと嵌ってきて良いですねぇ。でも、もう少し倍音が…むにゅむにゅ。

 後、素晴らしかったのはアンコールが無かった事。不安定に消えていった音のイメージを持っていて欲しい、と言う事らしいです。 これ、他の演奏会でも時々思うんですよね〜。最後のアンコール余計だよ!とか。だからこの判断は素晴らしかったと思います。

 あぁ〜、やっぱり合唱だと長い、長い〜。無駄に長い〜。寝たくせに(笑)長い〜。



クラシック日記のトップに戻る

日記のトップに戻る

トップページに戻る


アクセス解析 SEO/SEO対策