2003年演奏会日記-5

10月2日 ★渡辺雄一ピアノカフェ@津田ホール
10月3日 アジアオーケストラウィーク2003@タケミツメモリアル
10月18日 ★神奈川フィル第199回定期演奏会@KH
10月30日 ★YAMATO弦楽四重奏団@津田ホール





10月2日 渡辺雄一 ピアノ・カフェ


場所:紀尾井ホール
ピアノ:渡辺雄一
ゲスト:石田泰尚(Vn)
演奏:オーケストラ ビアチェーレ
サックス:滝上典彦Kumamaru Hisanori
ドラム:Kumamaru Hisanori
曲目:第1部(基本的にpf+strg)
1:出逢い
2:Piano Bellissimo
 NHKドラマ「盲導犬クイールの一生」より
3:子守歌
4:遊ぶクイール
5:人間とあたたかく信頼し合うクイール
6:初夏の散歩(Piano Solo)
7:夢の始まり(Piano & Cello)
8:別れのクイール
9:穏やかな日々のクイール
10:夜空を見上げるクイール
第2部(基本的にpf+strg)
1:少年の9月の歌(pf+Vn)
2:星降る海(pf+Vn)
3:Winter Piano(Piano Solo)
 NHKドラマ「愛の家」より
4:七色の翼
5:ささやかな幸せ
6:Valentine's Memory
7:Road to Dream
8:夕映えの海
アンコール(基本はpf+strg+Dr)
1:ソレイユ(Sax Solo)
2:ラストキッス
3:情熱のヴァイオリン(Vn Solo)
4:Brave your Heart(Piano Ver.)
5:僕のピアノ(Piano Solo)

★今日は響きの良い紀尾井ホール。先日のロビコンは雑音が五月蝿かったし、 ヴァイオリンもピアノもマイクを通した音だったのでそれと較べると今回は天国のような環境で、 演奏もとても素晴らしかった。やはり音楽は生音が一番vv。

 第1部は「盲導犬クイールの一生」をメインに。石田様はダブルのスーツに黒のクロスタイ。チーフは赤でキラキラ光るバッジをつけてました。 左手首にクリスタルの、右手首に極彩色の数珠ブレスレットをしていました。あー、久々にこんな所までチェックした気が(笑)。 髪は先日見たときよりも短くなっていました。それに全体的に茶色くなってるし。金髪石田様復活?(笑)
 ストリングスはオケと言うか石田様含めヴァイオリン5、ビオラ1、チェロ2の8人編成のアンサンブル。 このオーケストラ ビアチェーレはあれでしょうか。石田様のCDで弾いている方々と一緒なのでしょうか。ちょっとその辺プログラムにも載っていないのでわかりません。
 一曲目が始まってすぐに思ったことはやはり石田様は別格だと言う事。うーん。アンサンブルの中で演奏すると石田様の音の良さが際立ちますね。
 ピアノソロの曲が始まると石田様はすっと目を瞑って待機。存在感を無くして風景の一部に溶け込むようにしていました。ああ、そんな姿もカッコ良い…(<駄目ファン)

 第2部は石田様のソロから!!衣装も先日と同じスラッシュの入ったシャツ。だからそれは背中とかお腹とかチラ見えするから気になって仕方ないんだってば!今日はサスペンダ付き。CDのジャケットと同じ服装って事ですね。
 「少年の9月の歌」も「星降る海」も石田様のCDに収録されている曲。CDで聞いていたら分からなかったのですが、石田様のボウイングの素晴らしさに感動。 ロングトーンで手首を返しても音が全くブレず、滑らかに音が続くのは目で見ていたから返しに気付いたけど、音で聞いていただけでは全く分からない。もしかしたらあたり前のことなのかもしれないけれど、 とても感動しました。すごいなぁ・・と。
 あ・それと「少年の9月の歌」はかなりゆっくりめに弾き始めました。じっくり1音1音確かめるように、踏みしめるような弾きだし。全体的にゆったりとした暖かな雰囲気だったと思います。 「星降る海」も石田様が入る所でかなり溜めましたし、綿密な打ち合わせの上での演奏だったのだと思います。やっぱりライヴじゃないとわからない間がありますよねぇ。このヴァージョンはライヴじゃないと 分からない良さがあると思います。生だけの特権ですね。
 後半は渡辺氏も衣装替え。いつもの白の丸首シャツに黒ジャケット。ピアノソロの後に出てきた石田様はソロの時と同じ格好でした。

 第2部の始めからでていたドラムセット。やはり活躍はアンコールからでした(笑)。
 えーと、サックスとドラムのゲストの方のお名前が定かではありません。多分。と言うレベル。でも今までやってきた人と一緒でしょう。と言う事でかなり予想で書いてます。ごめんなさい。
 なんだかアンコールに入ってから石田様の演奏する姿勢がなんだか変わったんですけど?それまでの癒し系〜なゆったりとした演奏からきびきびしたカッコ良い弾き方に変わりましたよね? これはやっぱりドラムが入ってポップになったからでしょうか。なんだか石田様も活き活きしている気がします。伸び伸び演ってる石田様を見るのはこちらとしても気持ちがいいです。

 3番目に石田様の「情熱のヴァイオリン」を演奏したのですが、ドラム付きなので石田様もピックアップマイクで演奏。これが素晴らしい演奏で、やはり石田様はこれでなくては! もうくらくらするような演奏で、今日はこれに4000円出したと言っても過言ではないくらい。素晴らしい!この演奏でこの後CDを買おうって気になった人も多いのでは。
 この演奏直後石田様は自分でも納得の出来栄えだったのかまたしてもくるっとヴァイオリンを回しました。でも今日はマイクが付いてるからちょっと控えめ(笑)。 でも、この演奏は本当に素晴らしかった。石田様はその後渡辺氏と握手をするとさっさと舞台袖にはけてしまいました。しかしその後1曲あったんですが…良かったのでしょうか(笑)。 渡辺氏も戸惑いながら見送っていました。そう言えば3曲目に石田様を紹介した時も石田様ったら全然気付いてなくて渡辺氏に「あの、スタンバイお願いします…」とか言われてスタンバイしてました。 なんかマイペースな感じが石田様らしいですね(笑)。

 今回も演奏終了後、渡辺氏のCDと一緒に石田様のCDも先行発売されていて、その脇でやっぱりサイン会してました。いいな〜。私がとてもお金持ちだったらもう一枚CD買うんだけど…。と思いながら見ていたら 4枚買ってるお姉さまが居ました。流石!きっと配るんだね!流石石田ファン!石田様も4枚全部にサインして、4枚眺めて「やりとげた!」って表情でした。いや、でもすごいでしょ。。。それは。。。(<本当は羨ましいんです…)
 でもなんか石田ファンのお姉さま方の熱気に押されてさっさと帰ってきてしまいました。まあ、CDも買わないし、サインしている所見てても仕方ないのですが(笑)。いやぁ、でも石田様はサインしててもカッコ良かったなぁ(<ファンですから…)
 今回のコンサートはCDの良いプロモートになったと思います。やっぱりいい演奏を魅せる事が一番のプロモートなんでしょうねぇ。頑張れ石田様!次のCDも期待してますから!(<気が早いよ!)




10月3日 アジア
 オーケストラ ウィーク2003
モンゴル国立
 フィルハーモニック交響楽団


場所:東京オペラシティ コンサートホール
管弦楽:モンゴル国立フィルハーモニック交響楽団
指揮:ナムスライジャヴ・ブテンバヤル
 1  山下一史
ソプラノ:ザヤート・オユーンビレグ
バリトン:プレブジャヴ・ガンバット
馬頭琴:デルゲルサイハン・トブシンサイハン
曲目:
ナスライジャヴ・ツェグメデ
 「草原の祭り」(1971)
ソプラノ
 1 G.プッチーニ「蝶々夫人」より
 「ある晴れた日に」
 1 ドナイエフスキー「春」
 「乾杯の歌」
ビャンバスレン・シャラフ
 馬頭琴協奏曲(1991)
馬頭琴アンコール(ソロ)
 「輝く草原」
バリトン
 1 G.ロッシーニ「セビリャの理髪師」より
 「私は街の何でも屋」
 1 ビゼー「カルメン」より
 「闘牛士の歌」
R.ワーグナー
 歌劇「リエンツィ」序曲(指揮:山下一史)
 歌劇「タンホイザー」序曲
アンコール
 ナツァグドルジ「白鳥山」(ソプラノ)
 チンゾリグ「ふるさとの川の流れ」(バリトン)
 チョローン バレエ「オラン・ハス」より
 "ワルツ"

★今回も有り難い事に招待券。入口でもらった立派なパンフレットには全公演の解説や紹介が書いてありました。 あ。三善晃氏が言葉を寄せてらっしゃる。
 モンゴル国立フィルは男性は普通なのですが、女性も黒のパンツスーツに白い開襟シャツ。全員揃いの制服のようです。
 珍しい事に1stヴァイオリンが左、2ndヴァイオリンが右の対称配置。これは正面の席で聞きたい…と瞬間的に思いました。残念ながら席はライトの2階席。 なので足元から低音が直接響いてきました。

 一曲目の「草原の祭り」は草レースみたいな可愛いメロディと一転して落ち着きのある中間部との対比が良い。その後のお祭りのような軽やかなメロディもどれもモンゴルの民俗音楽の雰囲気が 出ていてとても良かったです。派手な締めで掴みは◎。

 ソプラノの方は結構しっかりしたソプラノで、迫・力!「乾杯の歌」がとてもGood。この人の声によく合った曲だったと思います。やっぱり声に合うかどうかって言うのは大切だなぁ。 ちなみに衣装は金色に黒で地模様の入った裾の広いドレス。

 馬頭琴協奏曲は馬頭琴2本を使い分けていました。スタンドマイクが付いていました。
 馬頭琴は色んな音色が出せる楽器で、低音と高音では魅力の違う音が出ます。始まりは見事な現代音楽でしたが、全体的に民俗音楽を表現したもののようです。 激しい場面の音の細かさ、うねり、民族楽器特有の音のゆがみはとても面白みがありました。馬頭琴としてはアンコールのソロ曲の方が特徴を活かしていた感じ。

 バリトンのプレブジャヴ氏は1曲目の「私は街の何でも屋」が歯切れの良い演奏で、好演でした。

 「リエンツィ」は後半の派手な部分の金管楽器が健闘。特にボーンの音が柔らかく良かったです。指揮者が変わったのですが、 指揮者の傾向が一緒だった感じがしますね。思い切りの良い振り方を見てそう思いました。

 アンコールではソプラノのザヤート嬢が衣装替えをしてきました。と言っても先ほどの金のドレスにグリーンのサテンの長い上着を着ただけ。 これが裾が4つに分かれていて中の金色のスカートが見えてとても綺麗。
 また、アンコールの「オラン・ハス」はモンゴルでは有名な曲のようで、始まった瞬間に拍手が起こりました。モンゴルの関係者が多かった様です。 そう言えば朝青龍も来ていました。会場の雰囲気がとても暖かく、拍手も暖かかったと思います。良い演奏会でした。




























10月18日 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 第199回 定期演奏会「掉尾の想い」


場所:神奈川県民ホール
出演:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ハンス・マルティン・シュナイト
ピアノ:若林顕
コンサートマスタ:石田泰尚
曲目:
R.シュテファン
 管弦楽のための音楽(1912)[日本初演]
B.バルトーク
 ピアノ協奏曲 第3番
R.シューマン
 交響曲 第4番 ニ短調op.120
アンコール
B.バルトーク
 ルーマニア民族舞曲集(管弦楽版)

★ひ!さ!び!さ!の石田様のコンマス姿。曲目もクラシック。なんと言うか「お帰りなさい」の気分です。 やっぱり石田様はコンマスがカッコ良い。そしてクラシックの方が本領を発揮されている気がします。なんと言うか、舞台上の オーラが違いますものね。というわけで今日も石田様は気合充分!でした。ああ、やっぱりクラシックはいいなぁ。。。

 シュテファンはねっとり・じっくりとした出だしからは想像できない現代音楽。 第一ヴァイオリンの一番始めの音がビシィ!ときまって、刃の薄いナイフの様な切れ味。 今日の弦は首席奏者も全員揃って音が素晴らしく良かった。やはり石田様率いる神奈フィルは特別だ。 石田様の最も素晴らしい能力と言うのはもしかしたら周囲の能力を引き出す事のできる能力なのではないかと思ってみたり…。

 バルトークはピアノが拍子抜けするほど明るく、爽やか。明るい華やかなメロディとオケのコンビネーションが面白かった。

 しかし、今日の最高はやはりシューマンだろう。始めから終りまでぎゅうっと音楽が詰っていた。 力強く勢いのある演奏で、石田様のソロがとても映えていました。
 そう。石田様のソロがあったんです。シュテファンでもソロがありましたし、アンコールでもソロがありました。なんだか 今日の演奏会は石田様の為の定演だったのか!?と思うくらい(笑)。
 石田様のソロは益々キレ味鋭く、音の精度が上がっています。うあ〜。もう、ぞくぞくするような演奏でした。 自分の文章力では表現できませんのでゴメンナサイ(笑)。
 毎回毎回石田様は前回を越える演奏をしてきますねぇ〜。彼にとってはあたり前の事なのかもしれませんが ファン的には嬉しい所です。これもある種のファンサービスか?(笑)

 アンコールは可愛らしいルーマニア民族舞曲集。シュナイト氏がやたらノリノリで(笑)指揮だけじゃなくてお尻も振ってました(笑)。 こちらは本編とは打って変わって軽く、楽しく。石田様のソロもあるし〜、本編が短かったから今回はアンコールが 多め。なんだか得をした感じでした。(でもまぁ、本編が素晴らしかったのでこちらは無くても…と思いましたが)

 演奏終了後、22日発売の石田様ファーストアルバム「Violin Appassionato」の先行発売&サイン会をしてしていました。 ロビーで長蛇の列。良かった〜CD売れてるんだ(<他人ごとなのに嬉しいvv)。
 石田様は上手の方から現れ、CD売り場横でサインを…と思ったら通りすぎて売り場の方に挨拶。ありがとうございます・と、とてもにこやかに (そしてとても腰が低く)挨拶していました。石田様ってすごく良い人なんだなぁ、と思いました。
 所定の席に着くと石田様は何事かを周りの人に言って徐に上着を脱ぎました。あ〜、燕尾服脱いでいいか聴いたのね。 そう言えば演奏中から額の汗を拭ったり、顎当ての汗をズボンでグイっと拭いたりしていましたものね。おそらく舞台ライトで汗だくだったと 思います。実際今日は客席もかなり暖かかったですし。白カマーなのにサスペンダと言うちょっとレアな石田様が見れました。うーん、かわい…(以下自主規制)
 ちなみにサイン会が始まると回りは写メールの嵐(笑)。みんな、撮りすぎよ…(笑)。 サイン会をしている時の石田様は終始笑顔。 あ〜、いいものが見られました(笑)。
 それにしても5枚しかないイラストのうち2枚サイン会ってどーよ自分(笑)








10月30日
 結成10年を迎えて〜
 YAMATO弦楽四重奏団
 2003コンサート


場所:津田ホール
出演:YAMATO弦楽四重奏団
 1st Vn:浜野考史
 2nd Vn:石田泰尚
 ヴィオラ:榎戸崇浩
 チェロ:阪田宏彰
曲目:
ハイドン/弦楽四重奏曲「ひばり」
 ニ短調 作品64-5
ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲
 第8番 ハ短調 作品110
ブラームス/弦楽四重奏曲
 第2番 イ短調 作品51-2

アンコール(1st Vn:石田泰尚)
 YAMATO弦楽四重奏団10周年特別企画
 (編曲:飯田俊明)
 日本民謡/ソーラン節(編曲:幸松肇)

★1年10ヶ月振りになるだろうか。やっとこの日がやってきた。昨年一月、YAMATOの演奏を聴いてからは 石田様の才能が存分に発揮できる場はこう言う場なのだろう・と漠然と思ってきた。そして再びその舞台で石田様の演奏を 聞く事ができた。そして、一年待たされただけはある、中身の濃い、素晴らしい演奏会だった。

 始めのハイドンは思ったよりもサラリ、とした風合いだった。ソロ扱いである1st Vnの影で下3パートの連携が素晴らしい。 支えあい、お互いを確認しあう空気が感じられてアンサンブル好きの館風的には大満足。このお互いを思いやる空気、そして緊張感がたまらないのです。これぞ少人数演奏の醍醐味。
 2楽章では、1楽章の軽やかな感じから一転、すこしゆっくりとしたメロディ。石田様の表情も音色と同じ表情に。あんな貌をされたらこちらまで 悲しくなってしまいます…。実際何がなにやら分からないまま館風は2楽章で泣いてしまいました。うーん。なにか違うだろう自分(笑)。
 3楽章になると、2nd Vnも大活躍★なんだか浜野氏と較べて石田様の音色(おんしょく)はかなり優しい音色みたい。なんだか、きっちり音は立っているんだけど包み込むような、不思議な音色です。 これがきっと館風が石田様のヴァイオリンを好きな理由なんでしょうねぇ。石田様にしか出せない音色って言うのが好きなんでしょう。
 予習したCDでは1stの音だと思っていた音も実際は2ndが弾いていたり、かなり楽しめました。これからは予習もDVDで行なうか楽譜を見ながらする必要があるかな…。
 4楽章は段々演奏者も乗ってきたのか、最後の最後に石田様もスパーク!いや、ちょっと頭振りすぎでしょ!?って感じに頭も振ってフィニッシュ!ああ、だめだ。カッコ良すぎ(<は?)

 ショスタコーヴィチは予習したCDより断然良い。生と言うのもあるだろうけど、感じたエネルギィが半端じゃなく違いました。各演奏者から発せられる音圧が凄い。これはCDでは体験できません。
 陰鬱なチェロのソロから始まるこの曲、阪田氏が表情まで沈鬱に始めるものだから、周りものまれてなんだか重い雰囲気に。下3パートは暫くの間暗い音を弾き続けるにも関わらず、 1st Vnだけは妙に明るいメロディをそれに合わせていく。この場違いな組み合わせが妙に落ち着かない、不安な気持ちを聴いている方に与えるのだが、こういった不安定さが館風は大好きだ。 はっきり言ってこのショスタコーヴィチはかなり好きな部類に入る。弓で弦を叩くように、舐めるように弾く部分や、ギシギシと弾き鳴らす激しい演奏が続くのだが、そう言った 心にひっかかるような音楽にどんどんと惹き込まれた。1st Vnがロングトーンを小さくだしている横で2ndの石田様がビブラートをかけつつ単音を弾く部分等は鳥肌ものの気持ち悪さがあるが、 それが石田様の音色だからたまらなく良い(<我ながらちょっと変態ちっくだ…)。
 3楽章辺りで、1stが速弾きで休む間もない所、石田様がぐい・と身を乗り出してひょい、と1stの楽譜をめくっていました。 しかもお互いに別にタイミングとかを計ったりしないで相手の癖はみんな分かってる、みたいな感じがしました。長年やってるだけはありますねぇ。
 そうそう。演奏中なんだかギシギシバタバタ音がするので注意して見ていたらやっぱり石田様が椅子から腰を浮かす音でした。立ちすぎ〜(笑)。いや、石田様はそれがまたいいんですけどね。 盛り上がった2楽章等は全員のモーションが大きくなっていました。1曲目のハイドンはそれ程でもなかったんですが、この辺りから石田様にひっぱられて全員ちょっと動きが 派手〜になってきていました。
 そう言えば始終ブレス音が聞こえましたが、あれは演奏者のブレス音ですよ…ね?多分一緒に呼吸するから合わさってこちらに届くような音になっていたのでしょう。 YAMATOの4人は素晴らしく息が合っていましたものねぇ…。

 ブラームスはゆったりとそれでいて留まらずずんずん先へ流れていくような音楽。今日の3曲の中では一番心が落ち着くような音楽です(笑)。 全体的に優しいんですよね。YAMATOの演奏も優しく始まって、だからこそ盛り上がる部分が惹き立てられていて、メリハリが利いていました。CDで聞いた時はなんだか平面的に聴こえて、特徴が捉え辛かった のですが、YAMATOの演奏で何か見えたような気がします(<あくまで「何か」なのがポイント)。やっぱり生演奏を聴かなきゃダメって事ですよ。うん。そう言うことなんですな。 更にその生演奏って言うのが石田様の様に魅力溢れる演奏家による演奏だったら尚良い、って事で。

 さてアンコール。浜野氏がちょっとだけご挨拶。私は始めから石田様が喋るのは諦めました…。だってシャイなんだもん…(<本当か?)
 浜野氏は「えー。ぼくらYAMATOの名前は世間に沢山あって、会社だったりアニメだったりしますが、10周年なので特別な曲を用意しました。」と言って弾きだしたのは勿論 「宇宙戦艦ヤマト」のテーマ。これがまたカッコいい。スローテンポで始まって、Aメロに入るとアップテンポでジャジィ(と言うよりタンゴっぽい?)に。これは編曲の勝利。 「宇宙戦艦ヤマト」がカッコいい曲に聞こえました。私は男声合唱のお遊びヴァージョンのイメージが強かったのでこんな「宇宙戦艦ヤマト」なら大歓迎です。カッコ良すぎ。 編曲は阪田氏が所属するTHE TANGOPHOBICS(ザ・タンゴフォビクス)のピアニスト・飯田俊明氏によるもの。 あ、タンゴっちゅうからにはアレはタンゴだったんでしょうか。タンゴとジャズの区別も付かない阿呆な観客で済みません…(汗)。
 それはともかく、この編曲はかなり良い。最高の「宇宙戦艦ヤマト」だったのではないでしょうか。全員が超絶技巧を使って観客を楽しませてくれるし、全員の能力を余す所なく引き出した、と言う素晴らしい編曲だったと思います。 しかも最後に浜野氏によって「クロネコヤマトの宅急便♪」のメロディが入ってフィニッシュ。 かなり笑いました。可愛いったらありゃしません。一瞬何のメロディか分かりませんでした(苦笑)。でも分かった瞬間 「会社って言ってたのはコレか…!!」と思いました。遊び心満載のYAMATO弦楽四重奏団。素晴らしいと思います。

 そしてアンコール2曲目は創設当初には頻繁に弾いていたと言う「ソーラン節」。へ?って感じですがそうらしいのです。 創設当初からかなりシブイカルテットだったのですねぇ(笑)。私も「ソーラン節」は結構好きで(高校の合唱部に入って一番初めに歌った曲の中にこの曲が入っていた…)思い入れもあるのですが、 この編曲はすごい。
 まず、石田様が超絶技巧(<さっきからこればっか…)のソロを披露。そしてその後に4人で、と言う構成なのですが…なんと石田様は 他の3人が入る直前にぱっとヴァイオリンから手を離したと思ったら「もう一回やります」と言って演奏を中断。・・・ま、間違えたんですか? でもそのお陰で石田様のお声が聞けてラッキィ!(<邪道)
 どうやら間違えた所を押さえた瞬間に手を離してやり直しを宣言したようです。ちょっと恥ずかしそうに笑いながらそう言った顔がとってもステキ〜vv 会場はどっと笑って、石田様のやり直しに注目していました。でも、やり直した2回目は音が合ってるとか間違っているとかに関係なく 音色まで豊かになっていた気がするんですが何ででしょう…?
 この「ソーラン節」も素晴らしい編曲なんです。全員がとてつもない速弾きを披露したり、全員の息が合っていないと上手く絡まないメロディがあったり、 正にYAMATOの為の曲!と言う感じで、素晴らしかった。石田様も演奏終了後立ち上がりながら左手でクルクルっとヴァイオリンを2回転させてましたし、会心の出来だったんでしょうか。 この「ソーラン節」の石田様、普段とは違う雰囲気で新たな魅力発見!という気分です。石田様の和風な音色をもっと楽しみたいと思いました。そう言う曲は…他にないんですかね。

 本編3曲も素晴らしく気合の入った演奏でよかったのですが、このアンコール2曲の オマケはYAMATOと言うカルテットでしか出来ない演奏なんだろうなぁ、と感じ入りました。とても得した気分です。
 YAMATOはなんだかこう言う現代音楽風の曲、向いているのかもしれません。いや「宇宙戦艦ヤマト」は置いといてね(笑)。 まぁ、私が現代音楽大好きっ子と言うのもあるかもしれませんが、こう言う現代風アレンジ「ソーラン節」とか、とても 面白い取り組みだと思いました。
 これからもYAMATO弦楽四重奏団には1年に一度くらいのペースで良いのでこのような内容の濃い演奏会を続けて いって欲しいです。演奏者の気合に引き摺られてかなり気合を入れて息を詰めて聞いてしまいました。 しかし、魂を削るような素晴らしい演奏に対して、聴く方も魂を削って聴く、と言うのも良いのではないかなぁ、と思いました。















































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