2003年演奏会日記-7月(1)

7月3日 ★題名のない音楽会21公開録画@MMH
7月6日 第23回カジュアルコンサート@AH
7月9日 Music Tomorrow 2003@タケミツメモリアル
7月12日 ★クラウン・クラシックコンサート@MMH
7月18日 ★森川修一リサイタル@津田ホール









7月3日
題名のない音楽会21 公開録画


場所:みなとみらいホール
司会:羽田健太郎 村上祐子
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 新音楽協会
サックス:宮越悠貴 宮越敦志
マリンバ:新良貴敏公
ヴァイオリン:青木尚佳
ピアノ:斉田愛美
講談師:神田山陽
ソプラノ:半田美和子
曲目:
第1部:「未来の大器」
第2部:「神田山陽のピノッキオの冒険」

★今回の公開録画は御馴染みみなとみらいホール。いつもは遠いから行かないけど近いから来たわって人も居たみたい。 おかげでいつもより少し遅いだけでいつもよりとても人が並んでいました。むむ。恐るべし公開録画。
 無事前のほうの席をゲット。もしかして私、みなとみらいのこんないい席で聴くの、初めてじゃないかしら?(<いつも学生席を駆使)

 まず第1部。放送は8月10日。
 入ってすぐ眼に入ったのはピアノと一番前にマリンバ。「もしかして、ソリストありっすか?」
 予想通りソリストの連続。このサックス、マリンバ、ヴァイオリン、ピアノのソリストたちは皆10代前半か10歳以下。上手いとか下手とか言う以前に みんなかわいいなぁ、と言うのが感想(笑)。男の子たちは半ズボンだし、女の子たちは二人とも可愛らしいドレス。 いや、演奏は流石にこんな所に出てくるだけあって目を見張る物があります。みんな演奏を始めると別人です。
 皆で合奏して、その後それぞれがソロの曲をやったのだけれど、これがみんな凄い。収録に1時間ぐらいかかったのだけれど、どうやって短くするのだろう? トークを縮めるのかな?それにしたって演奏は大迫力で凄かった。
 特にマリンバの新良貴敏公氏なんかは手首が回る回る。よく訓練されたトレモロによるクレッシェンド・デクレッシェンドがメリハリが利いていて、 迫ってくるような音楽が心地よかったです。彼、10歳ですよ?
 更に彼のトークは最高に面白く、10歳とは思えないくらいアドリブが利いてました。 もしあのやり取りが仕込みじゃないなら、彼は本当に凄い。ネタバレになるのでここには書きませんが。。。(放送ではカットだろうか…なんせ羽田氏が 床に手をついて笑うわ、そんな羽田氏を見て石田様も笑うわ、会場中が思いもしなかったやり取りに大爆笑。放送、あるといいなぁ。。。)

 しかし第1部。ソリストのおかげで石田様はちらちらとしか見えず。いや、最後にやったピアノソロの時は見えたのですけど。 私の席は石田様の真正面で、演奏終了後立ち上がるとまっすぐに石田様が見えるのですが、ソリストの立ち位置がそこらしく(立ち位置のテーピングが石田様のまん前でやんの…)石田様に被って ソリストはバッチリだけど石田様が見えない…(涙)。まぁ、そんな事もありますわな。そこは2部に期待。

 今日はなんだか石田様の笑顔が多く見られたように思います。羽田氏のオヤジギャグに笑ったり、子どもたちに対して微笑ましいなぁ、という感じの視線を向けたり。
 特に印象的だったのはヴァイオリンの青木尚佳嬢の演奏後、何度も頷きながら拍手を送ったところでしょうか。やっぱりヴァイオリニストは気になるんですかね〜?
 前半は子どもたちの力演に神奈フィルもダイナミックな演奏。現田先生の背中がカッコ良かったです。やっぱ指揮者は背中ですよね〜。今日も踊ってました。
 なんか久々に現田先生と石田様のコンビが見れてとても嬉しかったです。やっぱりこの二人の信頼感はいいですねぇ。 聴いていて安心感があります。

 さて第2部。
 今年はピノッキオの物語が生まれてから120年らしく、それにあやかって(?)ピノッキオのストーリィに合わせて神田氏が選曲した 曲を演奏しつつ、講談をする「題名」得意のストーリィ仕立て。こういうの、面白いんですが、どうしても話を聞いてしまうので曲が中々聞けないんですよね。。。しかも今日の 講談は話が面白いものだからつい笑ってしまったりして。でも会場全体も笑い処ではしっかり笑ういい雰囲気だったと思います。おかげで思いっきり笑っちゃいましたけど。
 選曲は色々ありますが、スターウォーズのテーマ有り、タイタニックのテーマ有り、と映画音楽を中心に親しみのあるものばかり。
 流石神奈フィル。やっぱり映画音楽上手いですよ。聴かせどころを知ってる演奏でした。編曲も館風の大好きな藤野先生が手がけた物がいくつか。 やっぱり藤野先生のオケ編曲は派手で聴かせるツボが押さえてあっていいですねぇ。。。
 中にはギャグで受けを狙った選曲があって、神田氏と現田氏、羽田氏とのやりとりがとても面白いのです。照れた様に頭を掻く現田先生。なんか可愛かったです。
 そんな面白いやり取りを目の前で見ている石田様は時折左手で口元を抑え、ちょっと下を向いて舞台の奥へ顔を向けてどうやら笑っている御様子。 笑ったらまずいと思ったのでしょうか。それともそんなに笑ってる顔を見せたくないんですかね(笑)。石田様の笑ってる顔ってのはちょっとレアな感じ(だって演奏中の真面目モードしか知りませんもん)がして とても素敵でした。

 でも。演奏中、そんな事よりも何よりもぶっ飛ぶ出来事が!
 ソロがっ!!!!!
 石田様のソロがありましたっ!!!しかも2箇所っ!!!。。。まぁ、同じようなメロディなんですけどね(どちらも「星に願いを」の一部。 2回違うアレンジで弾いた)。
 この石田様のソロがまた・・・!!1回目のソロで館風は「ソロがある・・・!!!」と言う理由で感涙(<ヲイ)。
 しかも!2回目のソロで石田様にスポットライト!!げふん。これ、TV放映の時絶対アップですよね〜vvうわ。今から楽しみ★ ちなみに放映予定は8月17日。ひと月以上も向こうじゃん。。。
 さて、肝心の石田様の演奏なのですが、ますます高音に磨きがかかったって感じです。高音部の伸びが以前より良かった気がしますがどうでしょう?。 それで音量もアップしましたよね。。。?なんとなくそんな気が・・・。
 やっぱり情感豊かに弾かせたらこの人の右に出るものは居ないって感じですね〜。曲を聴くだけでその背景が分かるって言うか、何を伝えたいのかが 胸の真ん中にストレートに入ってくるって言うか。2回目のソロでは館風は冗談じゃなく感動で涙が出ました(さっきのは冗談なのでよろしく)。
 もう、石田様のソロが始まった瞬間に石田様のゾーンに引き込まれてしまって、私の中で他はもう全て伴奏状態。しかも「講談邪魔っ!!石田様の時だけは 喋んないでっ!!」とかすらも思いつか無かったんですよ。ただただ演奏に引き込まれました。むしろ演奏終了後「ああ、あの喋りが無ければなぁ。。。」とか ぼんやりと思ってから「無ければもっと石田様のソロが…」とか段々深みにはまって行きました。深く考えない方が良いですね〜(笑)。 でもまぁ、私もあの講談にかなり楽しませていただいたのですけれど。

 とにかく今日は石田様のソロが聴けただけでもめっけもんって感じで、本当に行って良かったです。最近益々パワーをつけて 乗りに乗ってる神奈フィル。そしてそれを引っ張っていく石田様。最近の神奈フィルのパワー、クオリティは目を見張る物があります。
 石田様&神奈フィルファンの自分としては、これ以上の喜びは無いのです。






7月6日第23回カジュアルコンサート
七夕に願いを〜弦楽アンサンブル


場所:かながわアートホール
司会・コンマス:尾花輝代允
神奈フィルメンバーによる弦楽アンサンブル
曲目:パッヘルベル/カノン
モーツァルト/
 ディベルティメント ニ長調K.136
レスピーギ/
 リュートのための古風な舞曲とアリア
 第3番より「シチリアーノ」
バッハ/G線上のアリア
バルトーク/ルーマニア民族舞曲集
チャイコフスキー/弦楽セレナード
アンコール/夏の思い出

★カジュアルコンサートだけあって誰もがどこかしらを知っているような曲を中心に据えたコンサートプログラムだった。
 しかも、有名だからこそのしっかりとした演奏で少人数アンサンブルの凄みがあった。全体的に力強い演奏で、ひよりがちな高音部もしっかりと していたのが印象的だった。

 今回のコンサートは尾花氏のお喋りコンサートのようなノリで、曲目の解説を尾花氏が。
 尾花氏は度々次の曲目を忘れたり、何番からの抜粋なのかと言った事を忘れたりして弦楽のメンバに教えてもらっていたりしていました。 特にヴィオラの秋山氏とのやり取りが打ち合わせでもしてあるように面白かったです。
 尾花氏のお喋りも面白いし、曲目も知っている物ばかりなので気軽な感じで楽しめました。

 今回G線上のアリアは普段耳なじみのバッハオリジナルではなく、尾花氏のソロと数を減らした弦楽アンサンブルで。 尾花氏のソロは勿論G線上のみで行なわれるヴァージョン。どうやらこのヴァージョンでの演奏は珍しいのだとか。 ちょっと得した感じ(笑)。
 流石にG線(ヴァイオリンで一番太い弦)だけでの演奏なのでメロディラインがかなり低い。
 ヴァイオリン特有の高音はあまりないが、ギシギシとしたソロの見せ場は盛り沢山。こういう自己主張の強い音色は好きなので嬉しいです。

 休憩を挟んで本日のメイン。チャイコフスキー「弦楽セレナード」
 スタッフサービスのCFで用いられて一躍メジャー曲(クラシックを聴かない人にとっても、と言う意味)になった曲(そう言えば池袋ウエストゲートパークでも使われてましたね)。
 出だしの主題がとても印象的なこの曲であるが、この主題が出るのは第1楽章の始めと終わりと、第4楽章の最後のみ。
 第1楽章におけるこの主題は勢いづいた力強いメロディであると同時になんとはなしにざわざわと哀しくなるようなメロディに聴こえる。
 しかし、残りの部分はこの主題とは全く違う音楽である。軽やかで華やかなヨーロッパ的な音楽があるかと思えば、エスニックな雰囲気漂う音楽がある。 そんな、色んな窓を開くような音楽たちは第4楽章で主題に戻ってくる。
 この、第4楽章で戻ってきた主題が不思議と哀しくないのである。2楽章、3楽章と経る毎に何かを掴み、前向きになったようである。 こんな爽やかな終末が待っているとはこの曲を聴き始めた時には思いもしなかった。
 そして神奈フィルはこの色んな音楽が詰まったような曲を色鮮やかに描き出してくれたと思う。
 

 アンコールは「夏の思い出」。なんと弦楽の伴奏で会場全員でコーラス。う〜ん。こんな贅沢な伴奏、そうそうないですね。

 無料コンサートにも関わらず(だからこそ?)、ハイテンションな演奏でした。
 こう言った舞台と客席の距離が近いコンサートは直に演奏者の気迫を感じる事が出来るので好きです。 なんとこの演奏会、応募倍率5倍だったらしいです。自分の幸運に感謝しつつ…。






7月9日 Music Tomorrow 2003


場所:東京オペラシティ・コンサートホール
指揮:マティアス・バーメルト
Vn:竹澤恭子
笙:宮田まゆみ
管弦楽:NHK交響楽団
曲目:
新実徳英/ヴァイオリン協奏曲
 ―カントゥス・ヴィターリス―
 (N響委嘱作品・世界初演)
湯浅譲二/内触覚的宇宙 第5番
 ―オーケストラのための
権代敦彦/愛の儀式
 ―構造と技法― 作品70
M.-A.ターネイジ/絶叫する3人の法王
 ―フランシス・ベーコンによる大オーケストラのための

★新実氏の新曲が聞きたくて「新実氏のファンです。 新曲が聴きたいです」と書いて気合で当てたチケットにて(笑)。
 本日は作曲家さんを迎えてのプレ・トーク有り。なんか、合唱曲関連でしか新実氏を見た事が 無かったから新鮮な感じ(笑)。

 新実氏がオケを作るとああなるのですね。。。なんとなく、分かる様な気がします。 合唱曲に見られる”分かりやすさ”は皆無(笑)。
 竹澤嬢の使うヴァイオリンはストラディヴァリウスなのだとか。ホント、音の抜けが違いますね。いや、誰のと較べて、と言われても分からんですが(笑)。
 全体は波が迫るように引くように、ソロとオケの呼応が面白くて、響きが心地よいです。更に、ソロに被さるように ビブラフォンだかシロフォンだかの柔らかい鉄琴の音がかぶさって、響きを増幅してなんとも言えない響きがしていました。 面白い組み合わせかも知れません。この組み合わせ注目かも。

 何と言うか、現代音楽聴くとなんとなく笑っちゃうんですよね。いや、不謹慎な意味ではなく。 「そこまでやるかぁ?!」「そう来るか!」みたいな感じで。楽しくて仕方ない、って感じなんですよ。 まぁ、音楽的にどうとかって言うのはさっぱり分からんのですが。。。(<オイオイ)
 ま、やっぱり音楽は聴いていて楽しいか、気持ち良いかが勝負だと勝手に思っているのでそれでいいんです(<苦情は受け付けません!)。

 湯浅氏の曲は流石御大って感じで初っ端からパワー炸裂!
 パーカッションが多種多様で、なんと和太鼓まで有り。最後のほうに祭囃子のような音形があるのですが、そこに至るまでの リズム感が面白く、かなり楽しめました。最後は夏の終わりのように、祭りが終わる寂しい雰囲気が良く出ていました。

 今日来てプログラムに含まれてて嬉しかった(新実氏の新作が目当てだったもので。)権代敦彦氏の曲。COSMIC GARDENの黒熊氏がひたすら 権代氏を薦めてくるので気になってはいたのです。
 この曲、配置が変わっていて指揮者を挟んで弦と管が2群に分かれていて、センターからチェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン、と外側に行くほど高音楽器になって、ヴァイオリンの後ろに コントラバスが一台ずつ。ヴィオラの後ろ辺りに管が居ました。タケミツメモリアルは御存知の通り一階席はフラットなので、舞台の奥側が見えないのですね。 なので詳しい事は分からず。そして、チェロの後ろにピアノとハープ、そしてパーカッションが。肝心の笙は2階席のP席に。これが孤高って感じでカッコイイのです。
 笙の音は西洋楽器には無い、独特の音色で、それがまた弦とうまく絡み合って面白い。どこで息継ぎしているのか、やたら長いフレーズも切れたと感じさせずに吹き切る。ただ、残念なのは 美人さんなのに笙は吹いてる間は顔が隠れるんですよね。。。(笑)。
 弦は何と言うか、おそらくしっかりと統制が取れて居るからなのでしょうが、まるで打ち込みのような正確さ。この統制の取れた感じが面白かったです。
 そうそう。演奏終了後舞台に御本人が上がったのですが、彼はひょいと階段を使わずに舞台に上がりました。ビビッドなライトグリーンのTシャツにGパン。若いですね(笑)。

 最後は特徴的な絶叫から始まる「絶叫する3人の法王」。リズムが面白く、あんなに五月蝿いラチェットが全然五月蝿くない(笑)。リズム隊のパーカッションとかコンバスとかが聴き所。
 そうそう。コンバス9人が全く同じ動きをしていてカッコ良かったです。頭の振り方まで一緒。きっとトップの人に似ちゃったんですね〜(トップの人が一番激しかったですから)。
 なんだか映画音楽みたいな音の造りで、現代音楽にしては聴きやすいかな、と思いました。

 笑い話が1つ。この曲、最後に木の板を叩き合わせる楽器(何て言うんですかね?アレ。)が「バチィン!」と響き指揮者も奏者もストップモーションでカッコイイ のですが、そのストップモーションの間中、後ろから妙な寝息が。。。(汗)。ね、寝てる?!長目のストップモーションの間中聴こえていて、ちょっとドキドキしました。きっと舞台には届いて無いと思うんですけど、 気まずいですよ。そりゃぁもう。何と言うか、なんて失礼な!とかそう言うことよりむしろ「あの音の洪水の中でよく寝れるな…」と思いました。イヤ、ホントに(笑)。

 久々の現代音楽のコンサートで嬉しかったです。でも、これだけ聴くと流石におなかいっぱいって感じで疲れました(苦笑)
 いやぁ、現代音楽は深いですね。。。私は気楽に楽しもうと思います。

















































7月12日
第21回クラウンクラシックコンサート


場所:みなとみらいホール
指揮:ベルンハルト・ギュラー
pf:小山実稚恵
管弦楽:神奈川フィルハーモニ―管弦楽団
曲目:シューマン
 「マンフレッド」序曲 作品115
 ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ブラームス
 交響曲第1番 ハ短調 作品68
アンコール
 ドヴォルザーク/スラブ舞曲第8番

★このコンサートの企画は神奈川トヨタの企画で、抽選で当たると聴く事が出来る。 ええ、そりゃあもう、当てるのに必死でしたよ(笑)。それはさておき。
 ホールは中々の出足。P席まで人で埋って居ました。満員御礼、って感じです。コンマス席がピアノ椅子なのを見てにんまり。 期待通りコンマスは石田氏。
 本日の石田氏は―って演奏に夢中であんまり服とかは見てなかったんですが…。まぁ、いつもと変わるはずも無く。こんな→感じ。

 「マンフレッド」序曲はどこかできちんと聴いた、と思ったのですが、日記に無いですねぇ。。。何時聴いたんだろ…(汗)。
 久々の石田様に目は釘付けなんですけど、今日の席は正面からやや右よりだったのですが、石田様はずぅーっと舞台奥の方へ顔を向けていたので殆ど 顔は拝見できず。激しいアクションの時や指揮者を見上げる時だけ横顔が見えました。あー、石田様を見たいならP席がベストかもしれませんねぇ(苦笑)

 今日は気合を入れてチケット引き換えに行ったのでかなり前のほうの席。これがあだとなったのが2曲目のピアコン。
 上手いピアニスト程音がどんどん飛んで行くのでピアノの音は始めから諦めていました。案の定、強いアタック音まで聞こえてくるぐらい近い。近すぎて生音が聞こえてしまうのですね。 そう言えば、私の後ろに並んでいたおじいさんは事務室の人に「なるべく二階席で見たいんだが…」と相談していました。そうですよね。音を聴くなら二階席ですよね(石田様を見たいと言う不純な動機の館風は前でも全然かまわないと思っていますが)。
 しかし。ピアノの悲劇はそれだけでは終わらなかった…!!!
 それは割り合いすぐに判明しました。ピアノの蓋が全開なので舞台正面の木管組とチェロの音がくぐもる・・・!!!
 ピアノの蓋が気持ちよく飛んでくる音を疎外するのですね。。。おそらく前のほうから15列ほどはいいバランスで聞けなかったと思われます。ちなみに館風は10列前後に座っていた為 ノックアウト。うわー。。。この曲はもっと後ろで聞きたかった・・・!!

 シューマンはなんと言うか、派手じゃない感じ。うーと、えーと、地味って言うと何か印象が悪いのでそんな変な言い方ですが、 一緒に行った黒熊氏曰く「持続の音楽だよね」との事。あー、そう言えばいいのか(笑)。
 それと、今日はなんだか弦が絶好調。気持ちいいくらいに突っ走って盛り上げてくれました。今日の弦は二重○。

 そして後半のブラームス。
 パンフに「ブラームスはベートーヴェン音楽の後継者として賞賛されました」とあったのだが、 第1楽章を聴いて納得。ああ、こういうところがベートーヴェンなんだ。と思いました。なんと言うか、音楽の造りとかが似ている感じがします。 何処よ?!って言われると専門家じゃないんでわかんないんですが(笑)。きっと、聞くより聴いた方が早いです。

 2楽章は石田様のソロ有り!繊細な高音のソロだったのですが、やっぱり石田様はこういうソロを弾かせると上手いですねぇ。一気に場の主役になってしまいますね。
 石田様のソロは本当に繊細でまっすぐで、誠実な感じ。なんと言うか、ピュアな感じがするのです。 石田様は一旦オケの中に入るとそれはもう見た目が派手なだけではなく音色も激しい音色を出したり、一転1stヴァイオリンをまとめて一本のヴァイオリンで弾いているように高音部の繊細な メロディを弾いたり、と多彩な魅力を見せ付けるだけに、ソロでの石田様はなんだか意外な印象を受けます。 今日のソロはむしろ綺麗過ぎたくらいかも。あ、でもこのソロは こう言うソロだからあれでいいのかな。。。

 そうそう、なんだか聞いた事があるけど、この曲知らないや、と思っていたメロディは4楽章のメロディでした。しかし 館風が気に入ったのはヴァイオリンが低音を乗り出してギュッギュッギュ!と弾く部分。石田様がカッコいいんだ〜(<結局それ。)
 今日の石田様は何処で立つかな、と思っていたら低音を弾く時に立ち上がってました。高音部よりむしろ低音部。なんかそれもカッコイイ。 一番最後の盛り上がりに至る所辺りなんか、ちょっと腰を浮かす、とか立ち上がる、って言うレヴェルじゃなくむしろ「跳び上がる」って感じでしたね。
 1stヴァイオリンから低音楽器へ段々とピチカートが受け継がれる部分があるのですが、それが目で見ていても楽しい。ピチカートって好きなんですよね。 ヴァイオリンのピチカートはかなり音が小さいのですが、ぴんと張り詰め感じで、1stヴァイオリンがまとまると結構な音になります。 この団体競技的な妙が良いです。ホント、今日の弦はノリノリで全てが1つの楽器で演奏しているかと思える纏まりがありました。
 あと健闘したのが木管。ソリストは押しなべて良かったです。特にフルートとオーボエ。シューマンではメッサディボーチェが狙いだったのかなんだったのか良く分からなかった(元曲を知らないので ああいう演奏が普通なのかとか知らないので…)クラリネットもブラームスのソロはかなり良かったし、今日の木管にも満足でした。
 しかし、今日は弦がブッチ切りで良い。弦軍団は何があったのでしょう(笑)。すごいですよ。あの演奏は。なんかもう、いい、しか言えません。

 今日は招待客が多いとあって、クラシック好きな人が必ずしも多いわけではなかったのか、前半は曲が終わり、指揮者が腕を下ろすまでは拍手が起こりませんでした。これは最近 神奈フィルの観客にちょっと不満を覚えていた館風的にはとても好ましい事でした。曲の余韻が楽しめて気持ちよかったです。
 しかし、ブラームスは違いました。これは、指揮者のベルンハルト氏が振り終わってすぐ振り向いたので、その瞬間に拍手が巻き起こり、 「ブラボー!」の声。これも余韻ナシで拍手、と言う部類に入れる事が出来るかも知れませんが、今日は全然不快では有りませんでした。要は雰囲気なんですよね。雰囲気。 場の空気を読んで拍手しないと。今日の「ブラボー!」はいい感じでしたよ。いつか言ってみたい…(笑)。

 今日の1プルの裏はいつものおねーさんではなく、違うおねーさん。そう言えば今日の1stヴァイオリンは石田氏以外全員女性。女性の楽団員が多い神奈フィルですが、 これはちょっと凄い。弦は低くなればなるほど男性率が上がりますが、管楽器は押しなべて男性が多い。何故でしょうね。。。
 で、演奏後ベルンハルト氏が貰った花束を1プルの裏の女性に渡したのですが、何故か拒否(笑)。困ったベルンハルト氏はその花束をうっかり(笑)石田様へ。 そりゃもらった石田様も困り顔になりますって。結局花束はアンコールの時には譜面台の横に置かれ、退場の際にも放置されたのでした(笑)。

 アンコールのスラブ舞曲は、聴いている時は何の曲か知らずにいたのですが、ベルンハルト氏、ノリノリ。それはもう、お尻まで振っちゃって超ノリノリ。 何なんでしょう、あのノリは。。。(汗)。楽団員の方も肩の力が抜けていて、セオリーどおりアンコールはかなり良かったです(私はどんな演奏会でもアンコールは絶対上手いと期待している)。
 それにしても、アンコールの為だけに増員されたパーカス三人組が気になります(笑)。まぁ、私が好きな平尾氏が見れたから嬉しい限りなんですが。 あのバスドラはアンコールの為だけに用意されていたのね。。。この曲を演奏する事で華やかな終わり方になって、とても良い印象でした。クラウンクラシックコンサート、侮れません(笑)。
 しっかり石田様のソロがあるところなんかも、きっちりお客の心を掴もうって精神で、そう言うの、嫌いじゃ無いです。 これからもこう言ういい演奏会が続いていけばなぁ、と思います。





































7月18日 森川修一クラリネットリサイタル


場所:津田ホール
クラリネット:森川修一
ピアノ:森川園美
神奈フィル首席メンバーによる弦楽四重奏
1stヴァイオリン:石田泰尚
2ndヴァイオリン:小宮 直
ヴィオラ:秋山俊行
チェロ:山本裕康
曲目
ストラヴィンスキー/三つの小品
ヴェルディ(バッシ編曲)
 "リゴレット”ファンタジー
プーランク/ソナタ
ブラームス
 クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115
アンコール
 バッハ/無伴奏チェロ組曲より「サラバンド」

★今日の公演は全席自由だからと開場40分前に行ったら誰も居らず、仕方ないので一旦退散してユーハイムに行った。 まぁ、この判断は英断だった(同日のノーマル日記参照)のだが、開場5分前になっても客を整列させない会場側にはちょっと はてなー?だったのだが、取りあえず座りたい所に座れたのでOK。
 クラリネットはその楽器自体の歴史が浅い(と昔どっかで聞いた。情報の出所は忘れた。確かに昔の曲は管楽器オーボエしか入ってない事多いよね。)ので、 曲は比較的新めの曲が多い。まぁ、1世紀2世紀くらいは経ってたり経ってなかったり(<どっちなんだ!)。

 1曲目のストラヴィンスキーはクラリネットだけの曲。びっくりするぐらい1曲が短い。
 パンフの解説通りの曲でした。可愛らしい2曲目が好きですね。

 2曲目のリゴレットはアリアばっかりを集めたオイシイ曲。これはピアノと一緒に。 見事にクラリネットが歌っていました。

 前半最後はプーランク。ジャズクラリネットの巨匠によって委嘱された曲だけあって、ジャジィな雰囲気を醸し出す所も。
 プーランクのイメージはどうも一歩間違えたら不協和音みたいな和音のイメージが強いので、こんなにメロディックな事に驚きました。
 前半の中だと一番気に入りました。これはもう一度聴きたいな、と思わせましたね。

 だがしかし!ブラームスはブッチぎっていた!!!演奏終了後森川氏も「神奈フィルの四人と熱い演奏が出来て良かった」と感想をもらしていましたが、 このブラームスは熱かった!
 流石いつも同じオケで弾いているメンバ。息がピッタリです。もう、すごいんです。音楽としてとても纏まっていて、それでいて個人個人の自己主張は しっかりされていて。ああ、もう自分のボキャブラリーの少なさが悔しいです。あの音楽空間は凄かった。 一人一人の音楽がぶつかり合って、統合されていって、それでも一人一人の個性は立っていて。想像以上の演奏でした(自分の想像力の貧困さにも哀しくなりますが)。

 低音部隊とクラリネットの組み合わせの部分が何箇所かあったのですが、それがとっても暖かく、丸い音がして良いなぁ、と思いましたね。 あー。そう言えばパンフに「クラリネットは秋の色調をたたえた郷愁に浸るような表現力を持つ」 と言う主旨の事が書いてありましたね。まさに秋の音でした。
 そうそう。ヴァイオリンの二人がハモリでちまちま弾く部分がとっても可愛かったですねー(勿論音が)。 ヴァイオリンのハモリって好きなんですよね。しかも二人がめちゃめちゃ揃ってるんですよ。いや、あたり前なんだけど、同じ音形の所は動きまで揃ってて面白かったです。

 そう言えば、ヴァイオリンとヴィオラの椅子はパイプ椅子で、3人はとっても椅子が低そうでした。そうですよね。三人ともいつもピアノ椅子で弾いてますもんね。 秋山氏なんかは背が高いから足が余ってるんですよ。と言うか、パイプ椅子組は背が高くて足が長くてなんか足が余ってるんですね(笑)。低い椅子から長い足がニョキっと出てて、邪魔そうでした。 石田様なんかいつもよりズズズズズっと足が広がっていっちゃったりとかして。うーん、ピアノ椅子、5台無かったんでしょうか。それだけが疑問です。

 ま、そんな事はともかく。
 いやー、ブラームスは盛り上がったなぁ。ホント、石田様も殆ど譜面見ないし、気合の入りようが違いますよ。いや、違うな、気合が入ってるんじゃなくて『つい乗っちゃった』みたいな 感じがしましたね。あのメンバが揃ったらもう『乗るしかない』って感じなんでしょうか。お互いの才能がお互いを引っ張り合って、能力を引き出して、あんないい演奏になったんでしょう。 曲も良かったし、ホント、凄い演奏でした。
 あー、自分のボキャブラリの貧困さが骨身に染みるわー(涙)。

 そっれにしても今回は幾らなんでも絵がでかいなー(笑)。





































クラシック日記のトップに戻る

日記のトップに戻る

トップページに戻る


アクセス解析 SEO/SEO対策