7月3日 題名のない音楽会21 公開録画
場所:みなとみらいホール
司会:羽田健太郎 村上祐子
指揮:現田茂夫
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
新音楽協会
サックス:宮越悠貴 宮越敦志
マリンバ:新良貴敏公
ヴァイオリン:青木尚佳
ピアノ:斉田愛美
講談師:神田山陽
ソプラノ:半田美和子
曲目:
第1部:「未来の大器」
第2部:「神田山陽のピノッキオの冒険」
★今回の公開録画は御馴染みみなとみらいホール。いつもは遠いから行かないけど近いから来たわって人も居たみたい。
おかげでいつもより少し遅いだけでいつもよりとても人が並んでいました。むむ。恐るべし公開録画。
無事前のほうの席をゲット。もしかして私、みなとみらいのこんないい席で聴くの、初めてじゃないかしら?(<いつも学生席を駆使)
まず第1部。放送は8月10日。
入ってすぐ眼に入ったのはピアノと一番前にマリンバ。「もしかして、ソリストありっすか?」
予想通りソリストの連続。このサックス、マリンバ、ヴァイオリン、ピアノのソリストたちは皆10代前半か10歳以下。上手いとか下手とか言う以前に
みんなかわいいなぁ、と言うのが感想(笑)。男の子たちは半ズボンだし、女の子たちは二人とも可愛らしいドレス。
いや、演奏は流石にこんな所に出てくるだけあって目を見張る物があります。みんな演奏を始めると別人です。
皆で合奏して、その後それぞれがソロの曲をやったのだけれど、これがみんな凄い。収録に1時間ぐらいかかったのだけれど、どうやって短くするのだろう?
トークを縮めるのかな?それにしたって演奏は大迫力で凄かった。
特にマリンバの新良貴敏公氏なんかは手首が回る回る。よく訓練されたトレモロによるクレッシェンド・デクレッシェンドがメリハリが利いていて、
迫ってくるような音楽が心地よかったです。彼、10歳ですよ?
更に彼のトークは最高に面白く、10歳とは思えないくらいアドリブが利いてました。
もしあのやり取りが仕込みじゃないなら、彼は本当に凄い。ネタバレになるのでここには書きませんが。。。(放送ではカットだろうか…なんせ羽田氏が
床に手をついて笑うわ、そんな羽田氏を見て石田様も笑うわ、会場中が思いもしなかったやり取りに大爆笑。放送、あるといいなぁ。。。)
しかし第1部。ソリストのおかげで石田様はちらちらとしか見えず。いや、最後にやったピアノソロの時は見えたのですけど。
私の席は石田様の真正面で、演奏終了後立ち上がるとまっすぐに石田様が見えるのですが、ソリストの立ち位置がそこらしく(立ち位置のテーピングが石田様のまん前でやんの…)石田様に被って
ソリストはバッチリだけど石田様が見えない…(涙)。まぁ、そんな事もありますわな。そこは2部に期待。
今日はなんだか石田様の笑顔が多く見られたように思います。羽田氏のオヤジギャグに笑ったり、子どもたちに対して微笑ましいなぁ、という感じの視線を向けたり。
特に印象的だったのはヴァイオリンの青木尚佳嬢の演奏後、何度も頷きながら拍手を送ったところでしょうか。やっぱりヴァイオリニストは気になるんですかね〜?
前半は子どもたちの力演に神奈フィルもダイナミックな演奏。現田先生の背中がカッコ良かったです。やっぱ指揮者は背中ですよね〜。今日も踊ってました。
なんか久々に現田先生と石田様のコンビが見れてとても嬉しかったです。やっぱりこの二人の信頼感はいいですねぇ。
聴いていて安心感があります。
さて第2部。
今年はピノッキオの物語が生まれてから120年らしく、それにあやかって(?)ピノッキオのストーリィに合わせて神田氏が選曲した
曲を演奏しつつ、講談をする「題名」得意のストーリィ仕立て。こういうの、面白いんですが、どうしても話を聞いてしまうので曲が中々聞けないんですよね。。。しかも今日の
講談は話が面白いものだからつい笑ってしまったりして。でも会場全体も笑い処ではしっかり笑ういい雰囲気だったと思います。おかげで思いっきり笑っちゃいましたけど。
選曲は色々ありますが、スターウォーズのテーマ有り、タイタニックのテーマ有り、と映画音楽を中心に親しみのあるものばかり。
流石神奈フィル。やっぱり映画音楽上手いですよ。聴かせどころを知ってる演奏でした。編曲も館風の大好きな藤野先生が手がけた物がいくつか。
やっぱり藤野先生のオケ編曲は派手で聴かせるツボが押さえてあっていいですねぇ。。。
中にはギャグで受けを狙った選曲があって、神田氏と現田氏、羽田氏とのやりとりがとても面白いのです。照れた様に頭を掻く現田先生。なんか可愛かったです。
そんな面白いやり取りを目の前で見ている石田様は時折左手で口元を抑え、ちょっと下を向いて舞台の奥へ顔を向けてどうやら笑っている御様子。
笑ったらまずいと思ったのでしょうか。それともそんなに笑ってる顔を見せたくないんですかね(笑)。石田様の笑ってる顔ってのはちょっとレアな感じ(だって演奏中の真面目モードしか知りませんもん)がして
とても素敵でした。
でも。演奏中、そんな事よりも何よりもぶっ飛ぶ出来事が!
ソロがっ!!!!!
石田様のソロがありましたっ!!!しかも2箇所っ!!!。。。まぁ、同じようなメロディなんですけどね(どちらも「星に願いを」の一部。
2回違うアレンジで弾いた)。
この石田様のソロがまた・・・!!1回目のソロで館風は「ソロがある・・・!!!」と言う理由で感涙(<ヲイ)。
しかも!2回目のソロで石田様にスポットライト!!げふん。これ、TV放映の時絶対アップですよね〜vvうわ。今から楽しみ★
ちなみに放映予定は8月17日。ひと月以上も向こうじゃん。。。
さて、肝心の石田様の演奏なのですが、ますます高音に磨きがかかったって感じです。高音部の伸びが以前より良かった気がしますがどうでしょう?。
それで音量もアップしましたよね。。。?なんとなくそんな気が・・・。
やっぱり情感豊かに弾かせたらこの人の右に出るものは居ないって感じですね〜。曲を聴くだけでその背景が分かるって言うか、何を伝えたいのかが
胸の真ん中にストレートに入ってくるって言うか。2回目のソロでは館風は冗談じゃなく感動で涙が出ました(さっきのは冗談なのでよろしく)。
もう、石田様のソロが始まった瞬間に石田様のゾーンに引き込まれてしまって、私の中で他はもう全て伴奏状態。しかも「講談邪魔っ!!石田様の時だけは
喋んないでっ!!」とかすらも思いつか無かったんですよ。ただただ演奏に引き込まれました。むしろ演奏終了後「ああ、あの喋りが無ければなぁ。。。」とか
ぼんやりと思ってから「無ければもっと石田様のソロが…」とか段々深みにはまって行きました。深く考えない方が良いですね〜(笑)。
でもまぁ、私もあの講談にかなり楽しませていただいたのですけれど。
とにかく今日は石田様のソロが聴けただけでもめっけもんって感じで、本当に行って良かったです。最近益々パワーをつけて
乗りに乗ってる神奈フィル。そしてそれを引っ張っていく石田様。最近の神奈フィルのパワー、クオリティは目を見張る物があります。
石田様&神奈フィルファンの自分としては、これ以上の喜びは無いのです。
7月6日第23回カジュアルコンサート
七夕に願いを〜弦楽アンサンブル
場所:かながわアートホール
司会・コンマス:尾花輝代允
神奈フィルメンバーによる弦楽アンサンブル
曲目:パッヘルベル/カノン
モーツァルト/
ディベルティメント ニ長調K.136
レスピーギ/
リュートのための古風な舞曲とアリア
第3番より「シチリアーノ」
バッハ/G線上のアリア
バルトーク/ルーマニア民族舞曲集
チャイコフスキー/弦楽セレナード
アンコール/夏の思い出
★カジュアルコンサートだけあって誰もがどこかしらを知っているような曲を中心に据えたコンサートプログラムだった。
しかも、有名だからこそのしっかりとした演奏で少人数アンサンブルの凄みがあった。全体的に力強い演奏で、ひよりがちな高音部もしっかりと
していたのが印象的だった。
今回のコンサートは尾花氏のお喋りコンサートのようなノリで、曲目の解説を尾花氏が。
尾花氏は度々次の曲目を忘れたり、何番からの抜粋なのかと言った事を忘れたりして弦楽のメンバに教えてもらっていたりしていました。
特にヴィオラの秋山氏とのやり取りが打ち合わせでもしてあるように面白かったです。
尾花氏のお喋りも面白いし、曲目も知っている物ばかりなので気軽な感じで楽しめました。
今回G線上のアリアは普段耳なじみのバッハオリジナルではなく、尾花氏のソロと数を減らした弦楽アンサンブルで。
尾花氏のソロは勿論G線上のみで行なわれるヴァージョン。どうやらこのヴァージョンでの演奏は珍しいのだとか。
ちょっと得した感じ(笑)。
流石にG線(ヴァイオリンで一番太い弦)だけでの演奏なのでメロディラインがかなり低い。
ヴァイオリン特有の高音はあまりないが、ギシギシとしたソロの見せ場は盛り沢山。こういう自己主張の強い音色は好きなので嬉しいです。
休憩を挟んで本日のメイン。チャイコフスキー「弦楽セレナード」
スタッフサービスのCFで用いられて一躍メジャー曲(クラシックを聴かない人にとっても、と言う意味)になった曲(そう言えば池袋ウエストゲートパークでも使われてましたね)。
出だしの主題がとても印象的なこの曲であるが、この主題が出るのは第1楽章の始めと終わりと、第4楽章の最後のみ。
第1楽章におけるこの主題は勢いづいた力強いメロディであると同時になんとはなしにざわざわと哀しくなるようなメロディに聴こえる。
しかし、残りの部分はこの主題とは全く違う音楽である。軽やかで華やかなヨーロッパ的な音楽があるかと思えば、エスニックな雰囲気漂う音楽がある。
そんな、色んな窓を開くような音楽たちは第4楽章で主題に戻ってくる。
この、第4楽章で戻ってきた主題が不思議と哀しくないのである。2楽章、3楽章と経る毎に何かを掴み、前向きになったようである。
こんな爽やかな終末が待っているとはこの曲を聴き始めた時には思いもしなかった。
そして神奈フィルはこの色んな音楽が詰まったような曲を色鮮やかに描き出してくれたと思う。
アンコールは「夏の思い出」。なんと弦楽の伴奏で会場全員でコーラス。う〜ん。こんな贅沢な伴奏、そうそうないですね。
無料コンサートにも関わらず(だからこそ?)、ハイテンションな演奏でした。
こう言った舞台と客席の距離が近いコンサートは直に演奏者の気迫を感じる事が出来るので好きです。
なんとこの演奏会、応募倍率5倍だったらしいです。自分の幸運に感謝しつつ…。
7月9日 Music Tomorrow 2003
場所:東京オペラシティ・コンサートホール
指揮:マティアス・バーメルト
Vn:竹澤恭子
笙:宮田まゆみ
管弦楽:NHK交響楽団
曲目:
新実徳英/ヴァイオリン協奏曲
―カントゥス・ヴィターリス―
(N響委嘱作品・世界初演)
湯浅譲二/内触覚的宇宙 第5番
―オーケストラのための
権代敦彦/愛の儀式
―構造と技法― 作品70
M.-A.ターネイジ/絶叫する3人の法王
―フランシス・ベーコンによる大オーケストラのための
★新実氏の新曲が聞きたくて「新実氏のファンです。
新曲が聴きたいです」と書いて気合で当てたチケットにて(笑)。
本日は作曲家さんを迎えてのプレ・トーク有り。なんか、合唱曲関連でしか新実氏を見た事が
無かったから新鮮な感じ(笑)。
新実氏がオケを作るとああなるのですね。。。なんとなく、分かる様な気がします。
合唱曲に見られる”分かりやすさ”は皆無(笑)。
竹澤嬢の使うヴァイオリンはストラディヴァリウスなのだとか。ホント、音の抜けが違いますね。いや、誰のと較べて、と言われても分からんですが(笑)。
全体は波が迫るように引くように、ソロとオケの呼応が面白くて、響きが心地よいです。更に、ソロに被さるように
ビブラフォンだかシロフォンだかの柔らかい鉄琴の音がかぶさって、響きを増幅してなんとも言えない響きがしていました。
面白い組み合わせかも知れません。この組み合わせ注目かも。
何と言うか、現代音楽聴くとなんとなく笑っちゃうんですよね。いや、不謹慎な意味ではなく。
「そこまでやるかぁ?!」「そう来るか!」みたいな感じで。楽しくて仕方ない、って感じなんですよ。
まぁ、音楽的にどうとかって言うのはさっぱり分からんのですが。。。(<オイオイ)
ま、やっぱり音楽は聴いていて楽しいか、気持ち良いかが勝負だと勝手に思っているのでそれでいいんです(<苦情は受け付けません!)。
湯浅氏の曲は流石御大って感じで初っ端からパワー炸裂!
パーカッションが多種多様で、なんと和太鼓まで有り。最後のほうに祭囃子のような音形があるのですが、そこに至るまでの
リズム感が面白く、かなり楽しめました。最後は夏の終わりのように、祭りが終わる寂しい雰囲気が良く出ていました。
今日来てプログラムに含まれてて嬉しかった(新実氏の新作が目当てだったもので。)権代敦彦氏の曲。COSMIC GARDENの黒熊氏がひたすら
権代氏を薦めてくるので気になってはいたのです。
この曲、配置が変わっていて指揮者を挟んで弦と管が2群に分かれていて、センターからチェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン、と外側に行くほど高音楽器になって、ヴァイオリンの後ろに
コントラバスが一台ずつ。ヴィオラの後ろ辺りに管が居ました。タケミツメモリアルは御存知の通り一階席はフラットなので、舞台の奥側が見えないのですね。
なので詳しい事は分からず。そして、チェロの後ろにピアノとハープ、そしてパーカッションが。肝心の笙は2階席のP席に。これが孤高って感じでカッコイイのです。
笙の音は西洋楽器には無い、独特の音色で、それがまた弦とうまく絡み合って面白い。どこで息継ぎしているのか、やたら長いフレーズも切れたと感じさせずに吹き切る。ただ、残念なのは
美人さんなのに笙は吹いてる間は顔が隠れるんですよね。。。(笑)。
弦は何と言うか、おそらくしっかりと統制が取れて居るからなのでしょうが、まるで打ち込みのような正確さ。この統制の取れた感じが面白かったです。
そうそう。演奏終了後舞台に御本人が上がったのですが、彼はひょいと階段を使わずに舞台に上がりました。ビビッドなライトグリーンのTシャツにGパン。若いですね(笑)。
最後は特徴的な絶叫から始まる「絶叫する3人の法王」。リズムが面白く、あんなに五月蝿いラチェットが全然五月蝿くない(笑)。リズム隊のパーカッションとかコンバスとかが聴き所。
そうそう。コンバス9人が全く同じ動きをしていてカッコ良かったです。頭の振り方まで一緒。きっとトップの人に似ちゃったんですね〜(トップの人が一番激しかったですから)。
なんだか映画音楽みたいな音の造りで、現代音楽にしては聴きやすいかな、と思いました。
笑い話が1つ。この曲、最後に木の板を叩き合わせる楽器(何て言うんですかね?アレ。)が「バチィン!」と響き指揮者も奏者もストップモーションでカッコイイ
のですが、そのストップモーションの間中、後ろから妙な寝息が。。。(汗)。ね、寝てる?!長目のストップモーションの間中聴こえていて、ちょっとドキドキしました。きっと舞台には届いて無いと思うんですけど、
気まずいですよ。そりゃぁもう。何と言うか、なんて失礼な!とかそう言うことよりむしろ「あの音の洪水の中でよく寝れるな…」と思いました。イヤ、ホントに(笑)。
久々の現代音楽のコンサートで嬉しかったです。でも、これだけ聴くと流石におなかいっぱいって感じで疲れました(苦笑)
いやぁ、現代音楽は深いですね。。。私は気楽に楽しもうと思います。
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