2002年演奏会日記‐11月(1)

11月1日 題名のない音楽会21@東京厚生年金会館
11月3日★ 神奈川文化賞スポーツ賞贈呈式祝賀音楽会@神奈川県民ホール
11月4日 栗山文昭だかあぽこんさあと@タケミツメモリアル
11月6日★ 連続講座 ベートーヴェンを考える2002 レクチャーコンサート@国立音大
11月7日 安藤泰史 フルートリサイタル@神奈川県立音楽堂
11月9日★ SWEET AUTUMN AFTERNOON@アミュー立川








11月1日題名のない音楽会21(公開録画)


場所:東京厚生年金会館
司会:羽田健太郎(指揮・pf) 村上祐子 出演者:東京交響楽団
ゲスト:Aプログラム:西城英樹 布施明
Bプログラム:辛島美登里 サーカス ラファエル・フォン・ブライドン(pf)
曲目:
Aプログラム:バラードで綴る永遠のエルヴィス
Bプログラム:華麗なる調べ・ロマンティックX’mas

★またしても母が整理券をゲットしたのでいそいそと出かける。今日から演奏会週間の始まりである。さあ!気合を入れなくては。

 Aプログラムはエルヴィス・プレスリーの魅力に迫る、と言う事でエルヴィスのバラードばっかり。曲目は本放送までお楽しみに。ちなみに11月24日放送。
 私はエルヴィスをリアルタイムに知らない為よくわからないのですが、中々良かったと思います。

 今日は整理券を引き換えてから食事をしたのですが、近くのテーブルで食事をしていた人の話によると、今日の整理券の初めの方は布施明氏のファンがどっと詰め掛けて すごい列になっていたのだとか。実際、本番でも西城英樹氏よりも布施明氏の方が拍手が多かったような気が・・・。流石ファン魂ですね。館風の石田氏みたいなものなのでしょう。

 ファンと言えば、東京交響楽団のコンマスにもファンが付いていますね。彼女が出てくると会場から拍手が・・・。それにつられて他のお客さんも拍手を。うーん。ファンならあそこまでやらなきゃだめか。 次の定演では石田氏に拍手を送ろうかな(笑)。

 さて、Bプログラムはクリスマスソングがいっぱい。日本のポップスのクリスマスソングメドレーなどもあって、盛り上がりも上々。 それにしてももうクリスマスか。まだ11月も始まったばかりだと言うのに(笑)。ちなみに本放送は12月1日。

 そっれにしても、辛島美登里嬢は歌がうまーい!きゃー。しかも華奢でちっさくてカワイイ!顔とかね、つるつるなの。ぴちぴち。やっぱり普通の人とは違うんですね。 クリスマスソング特集とだけあって、辛島美登里嬢の「サイレント・イヴ」もご本人が歌って、とても良かったです。

 ラファエル・フォン・ブライドン氏は、今年から売り出したピアニスト。プロデュースはあの葉加瀬太郎氏だとか。なかなか面白そうなピアニストでしたが、 弾いた曲が二曲ではね・・・。おっとこまえなのでこれからどんどん露出が増える事でしょう(笑)。
 でも彼、どうもピアニストって顔ではないなあ。もっと違う仕事してそうな顔ですよね。(さあ!本放送で確かめよう!)




11月3日神奈川文化賞スポーツ賞授賞式祝賀音楽会


場所:神奈川県民ホール
出演者:神奈川フィルハーモニー管弦楽団 神奈川フィル合唱団 鈴木慶江(ソプラノ)
指揮:現田茂夫
曲目:第1部 プッチーニ
 『ラ・ボエーム』から「わたしの名前はミミ」 『ジャンニ・スキッキ』から「私のお父さん」 『マノン・レスコー』から第三幕間奏曲 『トゥーランドット』から「氷のような姫君の心も」 『ヴィッリ』から妖精の踊り
 第2部:ヴェルディ
 『シチリア島の夕べの祈り』序曲 『トロヴァトーレ』から「朝の光がさしてきた(アンヴィル・コーラス)」 『椿姫』から第一幕への前奏曲・「ああ、そは彼の人か〜花から花へ」・「乾杯の歌」
 アンコール:神奈川の合唱曲「ふるさとの風になりたい」

★本番は押しに押して出演予定時間より遅い時間から始まりました。楽団員の皆様はいつもの事なのか、ゆったりと構えてらっしゃいました。 流石。舞台が日常になっているのですね。ああいう風に構えられるといいなあ。とまあ、私事は置いておいて。

 コンマスはもちろん石田泰尚様★
 今日もカッコ良かったわ〜。前日のリハーサルはシンプルに白い長袖Tシャツだったのですが、本日のゲネプロは真っ赤! 真っ赤な長袖Tシャツ!とにかく派手でした。
 そしてココだけの話ですが、石田氏、ゲネで弾き間違えたんですよ!トロヴァトーレの似たような音形の繰り返しのところで、1stヴァイオリンが誰も弾いてないのに 石田氏だけ弾いちゃって、合唱団からちょっとした笑い声が・・・。そりゃそうだ。楽譜見てたら間違えたの一発で分かるもん。 現田先生も一緒に笑いながら指揮をしていて、石田氏は「やっちゃった」と言った表情でちょっと恥ずかしそうに誰も居ない客席の方へ顔を向けていました。く。可愛いぞ石田氏(<馬鹿)。

 本番の石田氏はダブルのスーツに白いネクタイ、チーフは赤。左胸に金色のちっさなヴァイオリンの形をしたバッジのようなクリップのようなもの。今日は1つだけ。
 今日幸運な事に、待機中の私の横を石田様が通り過ぎた為、間近で石田様を見る機会があったので気付いたのですが(しかし、舞い上がりすぎてご尊顔はよく見れなかった。。。<馬鹿)、 あの真っ赤なチーフ、真っ赤だ真っ赤だと思っていたのですが、なんと黒で模様が入ってるんですよ。石田氏ったらそんな細かい所でお洒落さんなんだからっ!

 申し訳ないのですが、館風は合唱団員なため、第1部の曲を会場で聞いていないんですよ。うう。せっかく石田様が弾いているのに最終ダメだしを受けなきゃいけないなんて・・・(涙)。

 そんなこんなで、私が見たのは第2部から。
 合唱団が入場し終わらないうちに、上手に石田氏が現れ、ステージマネージャーに「入っていい?」と言ったような事を聞いていました(聞こえた訳ではない。おそらく。館風の予想。maybe.)。 そしてGOが出るとさっさと入ってきて席へ。そう言えば、石田氏、1部の始めはゆーっくり出てくるのに2部の始めはさっさと出てくる傾向にありますよね。 みなさん、2部の始めは石田氏はさっさと出てきちゃいますからね。早く席に戻りましょうね(笑)
 チューニングの後、石田氏は楽団員をぐるっと見回して、弦がチューニングし終わるのを待つのですが、終ってから「にっ」と笑ったんですよっ! これ、楽団員と合唱団員だけしか知らない石田氏の笑顔ですよねっ!(<馬鹿)もう笑顔がステキっ!

 ソプラノのソロがある曲があるせいで、今回石田氏と現田氏の間はいつもより離れていました。しかも、ソロが入ると石田氏と現田氏の間に鈴木嬢が立つ為、二人のコミュニケーションが出来ないっ! 石田氏はリハの時から鈴木嬢をよけて現田氏を見ていました。ちなみに本番は鈴木嬢の立ち位置が多少後ろになったため、石田氏は鈴木嬢の前を通して現田氏を見ていました。変な風に体を傾けていたでしょ?あれ、 ただ単に鈴木嬢のせいで現田氏が見えなかっただけなんです(笑)。

 アンコールの「ふるさとの風になりたい」はとにかくオケがカッコイイ曲。オケ付きを聞くときは是非とも1stヴァイオリンに注目! あのオブリガードがめちゃめちゃカッコいいんですよっ!
 石田氏は、演奏会も終わりに近付いてさっさと終らせて帰りたかったのか、現田先生が出てくるとサッとヴァイオリンを構えていました。いつもは直前まで構えないのに・・・(爆)。 しかも、他のヴァイオリンのメンバも石田氏につられて構えていました。それなのに現田氏がなかなか振ってくれないから、みんな「じりじりじり」となっていました。それに現田氏がやっと気付いて 慌てて振り出したのが印象的でしたね(笑)。

 そんなこんなで演奏会も無事終了。今日も石田氏はお茶目でカッコ良かったです。まる。(<なんじゃそりゃ!)













11月4日栗山文昭 だかあぽこんさあと 17人の作曲家による新作大集合


場所:東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアル
指揮:栗山文昭
出演:栗友会合唱団
曲目:全曲委嘱初演

★これはビラを見て「是非とも行きたい!」と思い、栗友会に入っている友人に手配してもらい、チケットを取りました。
 今日はなんと満員御礼!って感じに人が詰まっていました。タケミツメモリアルにあんなに人が詰まっているの、館風は初めて見ました(笑)。東混のコンサートでも 三階席とかはガラガラなのに・・・。立ち見が出るかも、と言われていたので、座れてラッキィ。しかも、三階席のセンターシート。音が一番気持ちよく聞こえる位置です。

 栗友会だけあって、全体的に合唱団の質が良い!これ、あとちょっと音程がイマイチだったらヤバかったろうな、と思わせる曲もきちっ!と音をキメていました。ああいう風にきもちいい合唱は良いですね。
 更に、寺嶋陸也氏の曲と三善晃氏の曲は寺島陸也氏がピアノを弾いたり、藤家渓子嬢の曲はご夫君の山下和仁氏がギターを弾いたりしてかなり豪華。

 では、それぞれの委嘱曲に少しづつですが感想を。

 Javier Busto/Ego Sum Pastor Bounus
 素直な音色で、ブスト特有の芳醇な和音が○。テナーソロがカッコイイ。

 松下耕/あい 混声合唱のために(谷川俊太郎/詩)
 「あい」が波のように寄せて返す、ちょっと恥ずかしいかも、って言う曲。松下耕氏は今日もカッコ良かったです(笑)。

 鈴木輝昭/Anonym(谷川俊太郎/詩 W.I.Elliot/英訳)
 鈴木輝昭とだけあって、かなり身構えていたのだが、以外にも普通の曲。聞いていて心地よいハーモニーは流石。ただ、ちょっとでも音程が狂うとハモらなくなってしまう曲。おそろしい・・・。

 信長貴富/ぼくが死んでも(寺山修司/詩)
 館風の大好きな作曲家、信長氏の曲。歌いやすそうなメロディで、いつもみたいな現代音楽ちっくな部分は無し。それはそれで残念でしたが、親しみやすいハーモニーは◎。

 青島広志/夢の雨(詩集「夕暮れ巴水」より 林望/詩)
 さわやかな音色で、流れるように、夢のようなメロディだった。いつもの面白い要素は無し。でも、こんな青島氏もいいですね。

 寺嶋陸也/明日(与謝野晶子/詩)
 かなりきちんとした、普通の曲だな〜と思って聞いていたのですが、たまにとんでもなく技巧的な音が!ふ、不思議な音色だ。これ、結構面白いかも…。

 国枝春恵/夫婦善哉 男声合唱のための(「誹風柳多留」より)
 今回唯一の男声合唱。かーなーり!面白かった。みんなが譜面台持参で出てくるから何かと思ったら、クラッピングがありました★。

 高嶋みどり/ぬえ草の女にしあれば……(「古事記」より)
 始めの男声ソロがカッコイイ!それに対応して女声合唱が歌うのですが、これがとんでもなく難しい!音程をきちんと取らないとすごい音がしそうな曲。館風は聞くだけでいいです(爆)。

 木下牧子/the door into summmer(北園克衛/詩)
 とにかく詩が不思議。ビブラフォンがその不思議さを倍増させていました。チャイムがカワイイ音をしていて気に入りました。

 朝比奈尚行/暗いけどだいじょうぶ
 すごい!すごいすごい!あはははは。これ、それしか言う事無し!てか、楽譜をエクセルで書いたってどう言う事?!
 会場内が真っ暗になったかと思ったら歌と呼応して懐中電灯がぴかぴか光る。男声と女声が出会って赤い光に変わったり、意味のある言葉で歌っているわけではないのですが、感情がこもっていて面白い。
 ところで、途中で頭に電飾巻きつけて赤いライトで指揮を振りに出てきたのは栗山先生ですよね?(笑)。

 新実徳英/骨のうたう(竹内浩三/詩)
 これは、このコンサートの為ではなく、他の所で委嘱していた物をここで初演してしまおう、と言うものだったらしい。通りでかなり重い曲。始めのため息のような声が恐ろしさを増していました。

 藤家渓子/山羊脚マルシャスの物語(藤家渓子/詞)
 こちらも同じく他の所で委嘱していたものらしい。しかしこれ、山下和仁氏の為に作った曲じゃないでしょうか。間奏のギターがめちゃめちゃカッコイイ!バンバンα波がましたよー。
 ところで、山羊脚って悪魔の象徴ですからマルシャスは悪魔なのかしら?

 西村朗/両界真言
 とにかく派手!派手!派手!かっちょいい!声がいい合唱団しか歌えないような曲。和系のフォルテがめちゃめちゃカッコイイ。

 池辺晋一郎/ひどいめにあわせやがる 古代エジプト恋愛詩集による5つのマドリガル(ポリス・デ・ラケヴィルツ/編 谷口勇/訳)
 タイトルからも予想がつくとおり、コミカルな一篇。突拍子も無い声を出させたりします。テクニカルな部分はあるけど、実はハモリやすい曲かも。

 三宅榛名/IN PRAISE OF DREAMS(W.SZYMBROSKA/詞)
 軽やかで清潔な和音。流れるようなメロディが心地よい。英語がきちんと聞こえてきました。これは合唱団の成果かな。

 新実徳英/栗の実・Ondok−Ryahma(角田英一/詞)
 こちらはもう栗山先生にささげる為の曲。
 1曲目の「栗の実」は新実氏特有の優しいメロディと和音。ふんわり。って感じ。だけどソプラノが全体的に高くて大変そうだった。。。
 2曲目のOndok−Ryahmaは、歌詞が「ku ri ya ma fu mi a ki」なんですよね。クラッピングと足踏みが入り(それもかなりテクニカル)、合唱も現代音楽バリバリ って感じ。私は大好きです(笑)。
 新実氏は初演が3曲あったわけですが、その3曲ともが全部違う雰囲気で、流石、と言う感じでした。

 林光/森の番兵−K氏に(加藤直/詞)
 これ、なんと加藤氏が書き下ろした詞に林氏が曲を付けたのです。シアターピース風で、歌と朗読がサンドイッチ。朗読は林氏でした。コミカルで軽やかなメロディ。栗山先生に対する愛がいっぱいでした。

 三善晃/『なみだ』・と(宋左近「あなたにあいたくて生まれてきた詩」より 松本可奈子「なみだ」 ことばと曲 三善晃)
 そしてラスト三善晃氏!300人超の合同合唱。大迫力!一見クラシカルな合唱曲に聴こえたのですが、流石三善氏、ただの合唱曲じゃあ終りません。「まつもとかなこ小学四年生」と言う歌詞の所は女声がかわいらしい声で歌ったり、 「?」を「くえすちょんまーく?」と男声が面白い声を出して歌ったり、聴き応えのある中にもエンターテインメント性がいっぱいでした。

 全体的に気合の入ったコンサートでした。今日はこれでおなかいっぱいです。




11月6日連続講座 ベートーヴェンを考える2002 レクチャーコンサート
 若きルートヴィヒ 気分は第二のモーツァルト?


場所:国立音楽大学 講堂小ホール 出演:ベートーヴェン・オーケストラ くにたち 他
曲目:ベートーヴェン
 ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 作品10の3
 管楽器と弦楽器のための七重奏曲 変ホ長調 作品20より
 ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19

★これは国立音大のベートーヴェン研究室の企画らしい。本当は外国から講師が来て喋るはずだったのだが、体調を崩されて来れなかったとのこと。かわりに礒山雅氏と今井顕氏が「器楽奏者としての ベートーヴェン」と言う内容で二人で喋ったのだが、これがまた面白かった。ベートーヴェンのスタートはピアニストだった、とか、指揮者もやったけどそっちは色んなエピソードがある、とか、キャッチーで面白い話し方だったため、 笑いながら聞く事が出来ました。ああいう講義をするんだったら寝る生徒もいないだろうなぁ。

 本日の石田氏は最後のピアノ協奏曲にベートーヴェン・オーケストラ くにたちとして登場。なんと2ndヴァイオリンです。もちろん1プルトのオモテなのですが、今日はいつものピアノ椅子ではなく、ただのパイプ椅子。 まあ仕方ないのですが、足の長い石田氏はパイプ椅子だと足が余るんですよ!太ももより膝の方が高いの!足長っ!そう言えば、いつものピアノ椅子もめちゃめちゃ高くしてるもんね。くはー。足長いわー。
 1stヴァイオリンのウラの方と2ndヴァイオリンのウラの方に挟まれてちょっと狭かったのか、石田氏は椅子をずずっと後ろへずらして座っていました。今日はいつもより斜だったかも。

 コンマスは読響の小森谷巧氏。7重奏は彼が弾いて、見た目も面白く(ああいうのが国立のスタイルなのか?・笑)、 演奏の方もヴィオラの方と息がぴったり(あ、ヴィオラの方も読響でした。納得。)。チェロの方も見ていて飽きない演奏でした。チェロの方、魅せる演奏を心がけているみたいですね。こういう演奏家が増えるとうれしいな〜。

 さて石田氏なのですが、今日はダブルのスーツに赤いチーフ。先日と同じ金のヴァイオリンのバッジ。タイは黒いクロスタイです。もしかして蝶ネクタイは嫌いなのかな?そう言えば定期演奏会とかで白い蝶ネクタイしてますが、あれ、 あからさまに邪魔みたいですよね。石田氏、ヴァイオリンを弾いていると蝶ネクタイがどんどん右にズレてしまってますものね。

 今回の曲は、どれもベートーヴェンの若い時の曲ということで、あまり聞いた事のない曲ばかりでした。でもやっぱりどこかベートーヴェンらしさはでていて、その中に若さを感じる音がしていたと思います。 礒山氏と今井氏が言っていたのですが、自分の力で成功しよう、と思っているパワーのある時期の 作品なので、どれも上昇しようと言う意識が強く、上昇音型が多いらしいです。確かにそうだったかも。エネルギッシュな中にも繊細さがあったりして、聞いていて飽きない曲でした。

 特に最後のピアノ協奏曲は、ピアノが大迫力で、カッコ良かったです。あ、そう言えば、この曲は作曲された当時のピアノでは演奏が不可能なんじゃないか、と言うくらいの作曲の仕方をされているらしいです。 当時のピアノだと音より雑音とかの方が多くなってしまうと言う話でした。ど、どんな譜面なんだろう。ピアノの能力の限界に挑んだ曲だったのですね。 普通だったら絶対今ある楽器の能力の範囲で作曲しちゃうと思うのに・・・。ベートーヴェンはそんな所でも型破りだったんですね。

 石田氏は自分が待機の時でも、気持ちよさそうに目を閉じて、リズムに乗っていました。こういう風に気持ちよさそうに演奏して下さるとこっちまで幸せになりますね。

 さて余談。
 カッコイイ石田氏を見た国立音大からの帰り道、館風、石田氏に追い抜かれました。え、え??
 どうやらさっさと着替えて出てきたらしいのですが、早過ぎないですか?!だって、館風だってホールでグズグズしていたわけじゃないし、そんなに歩くの遅いとは思ってなかったのに。 あっさりするーって追い抜かれました。はりゃ。
 私服の石田氏も超カッコ良かったです。コートをばさっとなびかせて素早い足捌きで歩いて行くのですが、歩くのがとにかく速い。 プロの演奏家は歩くのが速いって言うけど、本当ですね。しかも石田氏、周りの人と全然違うんですよ!何がってよくわかんないんですけど、なんと言うか、すでにオーラが違いますね。あれは演奏家、と言うか選ばれた人間のオーラです。やっぱり、プロは違う!
 そっれにしても着替えるの早いなあ。コツでもあるんですかね。着替え(笑)。

























11月7日 安藤泰史フルートリサイタル


場所:神奈川県立音楽堂
出演者:安藤泰史(フルート) 安藤やよい(ソプラノ) 福田直樹(ピアノ)
曲目:アイルランド民謡「グリーンスリーブス」
 ドビュッシー/シリンクス
 F.フロットー/庭の千草(ソプラノ)
 А.ヴィヴァルディ/「四季」より冬
 G.ブリチアルディ/ベニスの謝肉祭
 G.プッチーニ/「トゥーランドット」よりリューのアリア「氷のような姫君の心も」(ソプラノ)
 E.ショーソン/詩曲

★またしても懸賞で当てたコンサート。実は今週かなりコンサートがあってキツイのですが、せっかく当たったので行ってきました。
 県立音楽堂はかなり好きなホール。ここで器楽を聞くのは実は初めてかも。
 とにかくめちゃめちゃ寒かったのですが、幸いホール内は人がいっぱいで、自由席の割にはみんな詰まって座ったので温かかったです。

 フルートのリサイタルを聞くのは初めて。もしかしたらフルートってあんなに華麗に見えるけど1曲吹くのって結構大変なんじゃないだろうか。 普通のオケだったら45分ずーっと吹いているわけじゃないですもんね。ソロの曲だと1曲ずーっと吹いているわけですから。 今日は1曲1曲の間に休憩かソプラノが入って、適度に休めるようになっていました。やはりフルートは体力勝負か。吹いているとき、一緒になって息を吐いたり止めたりしてしまうので 見ていても苦しかったし。。。中学校の時に吹奏楽部の仮入部でフルートもやったけどあれは腕が辛くてやれないと思ったんだっけ(笑)。
 この安藤氏、なかなか大きい方で、ちっちゃなフルートを吹いている様はなんだかかわいらしかったです。安藤氏、やさしそうなオジサマなのですが、フルートを構えるとふっと演奏モードに入るんですよね。 うーん。プロって感じだぁ。

 実は演奏が始まる前に曲目の変更があって、J.L.トゥルーのグランソロ第13番の替わりにグリーンスリーブスと シリンクスになったのです。私の大好きなドビュッシーがあったのでそれは嬉しかったですが、グランソロも聞きたかったなあ。解説を見ると やたら難しい曲らしいし。フルートの為に作られた曲って事らしいし、是非聞いてみたかったのでそれは残念。

 始めの2曲はフルートのみの演奏。思ったのはフルートって結構大きな音が出るんだな、って事。オケの中だとたまーに出てきてぴゃらぴゃら上のほうで鳴っているイメージしかないので(苦笑)。 シリンクスはギリシャのパンの神の名前だとかで、キリスト教的イメージより、ギリシャ的イメージで作曲された曲なのだとか。これ、面白い音がして気に入りました。やっぱドビュッシーはいいですね。

 後聞いていて楽しかったのはベニスの謝肉祭。ただ、演奏する方はめちゃめちゃキツそう(笑)。始めはスラッとした立ち姿で吹いているのですが、厳しい所に来ると片足を前に出して斜に構えて気合を入れて 吹きはじめるのです。それがまたカッコ良かったです。

 うーん。ちょっと無理しても行って良かったなあ。やっぱり生演奏がイチバン!




11月9日
 Sweet Autumun Afternoon


場所:アミュー立川
出演者:羽田健太郎(pf)
  1 石田泰尚(Vn)
  1 村井將(Vc)
曲目:モーツァルト/ピアノ三重奏曲 K.502変ロ長調
 ガーシュウィン(ハイフェッツ編曲)/「ポギーとべス」より
 チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲 イ短調Op.50「偉大な芸術家の思い出のために」

★きゃー!もうさいっこう!今日の演奏会は本当に最高だった。もしかしたら今まで見てきた石田様のコンサートの中で1、2を争うぐらい いい演奏会だったんじゃないかしら。とにかく石田様はカッコよくて、震えるくらいの感動を連れてきてくれた。これを見ないで石田ファンは語れません!って感じです。

 羽田氏が言うには、このトリオは昨年2001年の11月に結成されたクラシック・トリオで、名前を「Torio Appasionato(情熱のトリオ)」と言うらしい。 羽田氏は「安易なネーミングだ」と言うような内容のことをおっしゃってられたが、いやいや、石田様の演奏に(てか3人の演奏に)そのネーミングはピッタリだと思いますよ。
 次のTorio Appasionatoの舞台は来年2月28日、紀尾井ホールですよ!羽田氏はチケットを買って下さいと言っていましたが、ふふふ。もう買いましたよ★

 今日の石田様は、いつもの燕尾服。バッジはちょっと大き目の金のバッジで、三角形なんだけど、これがすっごく素敵。何か石がはまってるように見えたんだけど・・・。キラキラ光ってキレイなのです。 チーフはいつも通りの赤。靴はエナメルだったな。そう言えば先日はいてたのと違う。何か使い分けしているのかしら?

 1曲目のモーツァルト。これはピアノの独壇場!今更だけどやっぱり羽田氏は上手いわ。石田氏も村井氏もピアノを立てるための演奏がキチっとできていて、すっごくバランスがいい。 始め、ピアノが半開だったので「メインは羽田氏のはずなのに・・・」と思っていたのですが、やっぱり弦は音量が出にくい楽器ですからね。そう言う事を考慮してなのでしょう。

 でもでもっ!今日、最高だった曲はやっぱり2曲目!村井氏ファンには悪いけど羽田氏と石田氏のタイマン勝負!が良かった。
 石田氏は羽田氏の丁度前辺りにスタンディングで演奏。やっぱりスタンディングで演奏だと石田氏、一層カッコイイかもvvv
 しかも、今日の私の席は通路側で、丁度石田氏のまん前!ナイスなチケ取りでした。次回はどこだろう?何にしろ、次はもう少し前で見れるはず。く〜楽しみ。

 この曲はとにかく編曲がいい!このハイフェッツと言う人、ヴァイオリニストだったらしく、ヴァイオリン重視の編曲!さいっこう! プログラムに書いてある通り、そこここにちりばめられた超絶技巧がすごい!指が滑るように指版の上を動いてメロディをつむぎだしてゆく。難しい所や、早い場所、気合が入るようなところは石田氏、 がばっと構えて弾いていました。これがまたカッコいいんだ〜。このカッコよさは本物を見なければわかりません!是非一度ホンモノを見て!

 これは幾つかの章にわかれていて、曲と曲の間が多少開いているのです。通常の演奏会だと、ここで拍手しないはずなんです。もちろん、この演奏会でもしないつもりでした。 しかーし!あまりにその曲の終り方がカッコ良く、石田氏が「ぱあんっ!」と音がするようなカッコよさで弓を振ったものだから、客席で思わず誰かが拍手をしてしまい、それにつられて会場が拍手の渦に。 私も思わず小さく拍手。次の曲に行くのは見え見えだったけど拍手。だって石田氏がカッコいいんだもん★
 羽田氏は鳴り止まない拍手にちょっと苦笑いして「次行ってもいい?」って感じの顔でした。そうだよねえ。どう考えても石田氏へ向けての拍手だもんねえ(笑)。
 もしかしたら、ここで拍手するのが許せない!って人もいたかもしれないけど、きっと拍手してしまった人は石田氏のあまりのカッコよさに、思わず、って感じだったと思う。それって自然な事ですよね。だから、こういう形があってもいいんじゃないかなって思います。

 この羽田氏が苦笑いして次の曲に行こうとしたとき、石田氏は左手に持っていたヴァイオリンをくるっと回転させたのです。そしてパシっと持ち直す。一瞬びっくりしたけど、なんとなく石田氏らしいですよね。鉛筆回すのと同じぐらいの気軽さでくるっと回していました。 くぅ。こんな所もカッコいいんだなあ。

 3曲目のチャイコフスキーは、派手さも悲しく美しいメロディも技術もてんこもり!って感じなのです。 すご!石田氏がもう!盛り上がりまくり!いつも通り石田氏は腰を上げ、足を大いに使って演奏していました。でも、イチバンばたばたしていたのは実は羽田氏。ドン!ドン!ドン!と言う音がしたので舞台に注目していると、 羽田氏の右足が舞台を叩いていました。おお。ピアニストはみんなああですな(笑)。
 チャイコフスキーかぁ。今度神奈フィルで石田氏のチャイコンやらないかなぁ。。。やって欲しいよなあ。全国3000万人の石田ファンが見に来るのに!(笑)。

 全ての演奏が終って、挨拶。石田氏はピアノの横まで下がって、ちゃんと羽田氏をたてていました。しかも、羽田氏が先に退場してしまうと、舞台の奥のほうをゆっくりと歩くことで村井氏とはけるタイミングを同じぐらいにしていました。おお。そんな気遣いもカッコイイ(<ファン心理)。

 アンコールでは何度かはけては出てきて、羽田氏が今日唯一のソロで「星に願いを」をアンコールに。これがまた編曲がすごいんだ。羽田氏らしい、素敵な編曲。 と言うか、もしかしたら即興?(笑)。でも、最後にキラキラ星なんかが混ぜ込まれたりしていて、面白かったです。やっぱりセンスいいわ。 ジャズ系のメロントリオも見てみたいなあ★。そっちのメンバはよく知らないのですが、そっちも石田氏だったら完璧だったんだけどなぁ(笑)。

 羽田氏のアンコール後も石田氏と村井氏と3人で出てきたのですが、ゆっくりとお辞儀をして、ふっと正面を向いて、さっさとはけようとした石田氏に羽田氏と村井氏は「え?もうはけちゃうの?!」 みたいな感じで石田氏を見て、石田氏は「え?!だめだった?!」みたいな表情で苦笑い。会場からもちょっと笑い声が。もちろん館風も笑っちゃいましたけど。んもう。石田氏カワイイなぁ。 さっさと帰りたいんだね★

 石田氏は、長時間の演奏で左手が疲れたのか、何度か指版から手を離し左手をほぐしていました。それが、忙しい時にもかかわらず、パッと一瞬だけ左手を離したりとかして、その仕草が優美。 それとか、ピチカートを弾く右手が柔らかく弓を握って円を描くようにやさしーく弦を弾く時とか、動きが綺麗。その時も、ピチカートを弾くだけじゃなくて、リズムに乗って、くるん・くるんと演奏を楽しんでいます。 ああ、見ていて幸せになれる演奏ってああいうののことを言うんだなあ。

 やっぱり、観客も幸せにする演奏って言うのは、曲を余裕を持って演奏できるだけの絶対的な技術っていうのがないと話にならないと思います。感情的なところだけではやっぱりおっつかないというか。 もちろん、感情的なものは絶対に必要だと思いますけど。曲を楽しめる実力がないとやっぱり自分も楽しめないし、観客も楽しめないんじゃないかな。
 そう考えると、石田様はその全てを併せ持っていて、見ている人を幸せにしてくれる素晴らしい演奏家だと思います。やっぱり私の好きな演奏家は石田泰尚様です(石田様と一緒ですね・笑)。

















クラシック日記のトップに戻る

日記のトップに戻る

トップページに戻る


アクセス解析 SEO/SEO対策