浦賀和宏



彼女は存在しない 時の鳥籠






2003年2月5日 彼女は存在しない


出版社:幻冬舎(2001)

★視点が色々と変わるので、場面が変わるたびに視座がどこにあるのか考えないといけないので読みやすい文章なのに 大混乱しながら読んだ(<言い過ぎ。ちゃんと分かりましたって!)

 解離性同一性障害の少女を巡る物語。
 いわゆる多重人格が引き起こす事件の数々。犯人が「亜矢子」と言う少女だと言う事が分かりきっているので、どう事件が収拾するのかと 思いながら読んでいたのだが、それこそ「あっ!」と驚く結末が用意されている。
 友人に「丁寧に読んで下さい。そうするとしてやられます。」と言われていたのですが、まさかああくるとは。気持ちよく騙されたい人にお薦め。

 ちょっと事件の背景が暗いのが気になりますが、トリックはピカイチですね。デビュー作も読んだのですが、どうも フジテレビの昼メロみたいな背景が多いのは何故ですかね(笑)。


2003年2月6日 時の鳥籠


出版社:講談社ノベルス(1998)

★浦賀和宏2連ちゃんは流石にきつかった(笑)。でも面白かったので良い。きつかった、と言うのは体力的に、と言う意味だ。 なんせこの本506Pもあるのだ。それが面白いから途中でやめられないため(<馬鹿)一気に読む。自然睡眠時間が短くなり辛い(爆)。
 まあそんなこんなで読みきった。やっぱりこの人の話は暗い。ずん・と腹にくるものがある。まあ、これが良いのだろうけど

 初めて会った少女がこれから自殺することを知っていた主人公。自分の記憶が現在と矛盾する。自分は未来から来た人間なのか。それならば何故そんな事になったのか。 謎が明かされるとき、主人公は自分が過去に送り込まれた理由を知る。

 なんだか北村薫の《時と人》三部作にありそうな1作だった。ついでに言うと、あっちは全て(割と)ハッピーエンドだけどこれは「いいのかそれでっ!」って 叫びたくなるようなラストだった。いくら知らないとは言え・・・うーん。しかも端から見て全体的に幸せだとは思えないし。お父さんの神経も良く分からないし。
 まあ、これが浦賀節って事かもしれませんけどね

 テクノとかインストゥルメンタルとかの曲名がいっぱい出てくるけど、全く知らないのでこの小説を読むときに聞くのに 良いのかどうかは知りません。誰か聴きながら読んだ人が居たら感想をお願いします(笑)。



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