2003年1月14日 試験に出ないパズル
出版社:講談社(2002)
★毎度ながら、この千葉千波シリーズに出てくるパズルは解けない。
今回の「山羊・海苔・私」みたいなのは割と考えれば出来そうなんだけど、今回のパズルはそんな簡単な物ばかりではなかった。
だってタンジェントだよ?!タンジェント使わないと解けないのなんてパズルじゃないもん!
(笑)。館風はしっかり理系から脱落した人間なので、
最早タンジェントの使い方なんて忘れてしまいましたよ。だからじゃないですが、今回もパズルは解けませんでした(笑)。
ストーリィはスラリ・サラリ・パサリの高校生・千葉千波君と、八丁堀ことぴぃくんこと語り手(本名不明)の浪人生と、同じく体育会系浪人生の饗庭慎之介とが
パズルそのままの事件に遭遇すると言う一風変わったもの。短篇集で、毎回軽くてサクっと話が展開する。
脇に出てくる登場人物もなかなか面白くて、なんじゃそりゃ、とか思いつつ読んでしまう感じの雰囲気が素敵。
パズルを前面に押し出して、ストーリィは割と二の次なのですが、今回はストーリィがぐぐっと前に出てきた感じの作品もありました。好感度◎です。
でもでも悲しいかなタタルさんファンの館風は「山羊・海苔・私」で一瞬だけ出てきたタタルさんに心をとらわれてしまったのでした(笑)。
2003年3月5日 QED 竹取伝説
出版社:講談社(2003)
★久々のQEDシリーズですね。読み始めてからと読み終えて思った事ですが、なんか
前作(と次作)に続いてないかい?(笑)。うーん、お話に関連は無いけど、前のをさらっておいた方が面白く読めるかも。
ちなみに館風は読んでいる最中にも今回の説明を端から忘れていきましたからね(苦笑)。どうしょうもないです。
言い訳をさせて頂ければ、タタルさんの話はどこからが関係あってどこからが関係ないのがわからなすぎる!
ったく、そりゃあ小松崎氏も困るってもんです(笑)。でも、しっかり会話についていく辺り、奈々ちゃんも小松崎氏も
頭いいんですねー。すごいな(笑)。
ところでこれ読んで改めて思ったのだけど、タタルさんって、氷川透(登場人物のほうね)と似てるなぁ。。。あ、でもこっちが先か(笑)。
それにしても探偵は顔が見えていてはいけない、っていう決まりでもあるんでしょうか?タタルさんといい、氷川透といい、桜井京介といい、
なんで髪の毛ぼさぼさで顔見えないんですかね?ちなみにその顔が美形なのかどうなのかわかってないのは氷川氏だけです。どーなんですか?その辺の所(笑)。
つーか、話に関係ないですね(笑)。
さて、お話の感想を。
今回タタルさんが解明するのは「竹取物語」の真実。今回も夢も希望もすべてタタルさんがぶち壊してくれます(笑)。
これを読んだ後は正月もひな祭りも七夕も、祝う気になれませんね。なんか悲しくなってしまいます…。はぁ。
そんな訳で、今回もタタルさんが実際の事件も竹取物語の謎もバッチリ解決してくれます。二つの謎がリンクしつつ、
分離しつつ、ゆらゆらと真相解明に向けて話が進む酩酊感は最高です。
今回のタタルさんは〜(結局タタルの話かよ!)、殴られて流血しちゃったりとかしてちょっちワイルドです(<なんだそれ)。
と言うか、ホント、相手の神経逆なでするの上手いですね(笑)。ホント、あれで薬剤師じゃなかったら駄目な人だと思います。ハイ(笑)。
2003年9月15日
麿の酩酊事件簿 花に舞
原作:高田紫欄
イラスト:望月玲子
出版社:講談社(2003)
★講談社刊の同名コミックスのノベライズ。酔えば酔う程(?!)推理が冴える勧修寺家当主・勧修寺文麿が主人公。
バーが多く出てくる上に、カクテルも沢山出てくるこの題材はお酒好き(笑)の高田崇史にはぴったり?!
なんだかお酒を飲むシーンに力入っているのは気のせいデスカ…(笑)。
ことろでこの勧修寺家には「婚姻家訓」があり、前文7か条、本文86か条に従わなければならず、自力でパートナーを見つけてこなければならない。
見合いは厳禁。更に身分をバラしてはならず、相手の女性と知り合うのも一苦労。そんな中綺麗な女性を見つけてはアプローチをかける文麿。しかし、
いつもいつも謎の言葉とお礼を残し去られてしまう。。。
それには彼の特殊な酒癖が関わっている。少しのお酒ですぐ酔ってしまう文麿は一定以上の酒を飲むと記憶を無くす代わりに素晴らしい推理力を
発揮するのだ。その時の推理によって女性を助けるも自分の恋は実らない、と言う不幸な結果を生むのである。
しかしながら本人は忘れている為何故振られたのか分からない…。
高田崇史氏はこう言うまったりした恋愛小説を書かせたら上手い。もどかしい感じとかが良いのである。あんまりうまく行ってもつまらないし(<ヒドイ!)。私は
こう言う高田氏のゆったりと構えた作品の雰囲気が好きである。今度は別にミステリィが絡まなくても良いので恋愛小説を書いて欲しい(笑)。
ところで高田氏があんなにハードボイルドなのに作品がとても柔らかいのは何故だろう?と思ってしまうのは私だけだろうか(笑)。
2003年12月29日
麿の酩酊事件簿 月に酔
原作:高田紫欄
イラスト:望月玲子
出版社:講談社(2003)
★同名コミックスのノベライズ第二弾。
酔えば酔う程頭脳が冴える文麿。悲しいかな文麿は酔っている時の記憶が全く無い。
しかし周りから見ればお酒が進むようになった文麿は返ってしっかりしているので、決して酔っているようには見えない。
おかげで記憶が全くないと主張しても信じてもらえない。
今回は文麿の家族に(と言っても同じ家で生活すると言うだけの意味だけれど)執事の大原の孫娘・七海が執事その2として加わり、
文麿の行動もかなり変わってくる。
あー、これ、文麿と七海がくっつくのかなー。遠山刑事の入り込む余地はあるのか!(無いな…)
まったり風味の高田ワールド、次作も楽しみです。
2004年5月26日 鬼神伝 鬼の巻
挿画:むらかみゆたか
出版社:講談社(2004)
★ミステリーランドより配本。だから図書館で入っているのも児童書に入っていたりします。その割に
高田氏もかなりマニアックな知識がガシガシ出てきます(も、と言うのは他のミステリーランドも割りと似たり寄ったりだから)。
主人公は現代から神話の時代にタイムスリップしてしまった少年。そして、タイムスリップした先で知ったのは、歴史とは全く違う
事だった?!
「人」と「鬼」の狭間で揺れる主人公の選択は?!
高田氏の「鬼も人間であった」と言う論理は、いつもながらため息が出てしまう。「人」である貴族達が自分たちと同じ考えでない(もっと厳密に言うと
今までの信仰を捨てようとしない)人々を差別し「鬼」であるとして一方的に攻撃を始めると言う構図は世界史の授業でも似たような構図を
見た覚えがある。どこにでもあるような事ながら、人間の浅ましさが知れる構図である。とても悲しい。
桃太郎はどうして鬼退治をしたのか、等、考えさせられる例えも満載である。あえて答を出さない事で読んでいる人間の知識欲を
かきたてるようにもなっていて好ましい。
後書きにはちょっとした仕掛けが。私は15秒もしないで気付きましたが、メッセージは……なんと言うか、そうなんだよねぇ……(苦笑)。
是非とも暗号を見つけて下さいね。
2004年6月4日 鬼神伝 神の巻
挿画:むらかみゆたか
出版社:講談社(2004)
★ミステリーランド第二弾。ミステリーランドで2冊目出しているのって、高田氏以外居ないんじゃないだろうか。
今回は、前回放りっぱなしで帰って来てしまった神と人との戦いを主人公がその時代に戻る話。
「鬼」として討伐されそうになる神々と民たちは主人公の力を借りて「人」との戦いを続けていくのだが、
その中で主人公は「鬼」と「人」とが和解し、戦争をやめる道を何とか見いだそうとするが……。
前回が「出題編」なら今回は「回答編」。前回疑問で仕方なかった
「桃太郎はどうして鬼退治をしたのか」の回答も出ています。
今回の後書きの暗号、分かりませんでした(汗)。しょぼぉん。
2004年9月10日 QED ventus
鎌倉の闇
出版社:講談社(2004)
★久し振りのQEDシリーズ。って、これ、QEDの度に書いているなぁ(笑)。
やはり私はかなりタタルさんが好きらしい(笑)。
今回の舞台は鎌倉。源頼朝が開いた鎌倉幕府、しかしてその実態は……。そして
ある会社では本質が同じ事件が起こる……。
今回もタタルさんは喋る喋る。事件の話をするパートになるとほとんど喋っていないのに、
歴史関連の事になるとやたら喋る。鎌倉で起こっていた事はどんな事だったのか、段々と理解するうちに
鎌倉のイメージが変わっていく。
歴史モノの常であるが、やはり歴史は勝者のもの。鎌倉もまた、そう言った騙りで満たされていたのだ。
それにしても、毎回毎回その事柄に関してイメージを180度転換させる説をぶち上げてその論理と同じ論理で
事件の本当の姿を描くのだから、このシリーズは本当に凄い。そりゃあシリーズが寡作にもなるってものです。
次に出るのは来年なんでしょうか。でも最後の方に岡山旅行の話が出ているから、今度は桃太郎伝説の謎かしらん。楽しみ
2005年6月21日 パズル自由自在
出版社:講談社(2005)
★千葉千波シリーズの最新作。短編集。先に「QED鬼ノ城伝説」を読んでいたのだけれど、感想を書くのを忘れました。再読したら書きます。
相変わらずぴぃくんはシスコンだし、千波くんの常識人的部分は無視されるし(でもパズル狂だけど)、出て来る人は
変な人ばかりなのだけれど、今回は中々素直に読めた。
いつもはパズルが気になりつつも解けなくて(と言うか解こうとしていない)終わるのだけれど、今回は結構私でも解ける問題があったし、
何よりちょっとジンとくる話があったりして、とても良かった。勿論私のお気に入りは「似ているポニー・テイル」です。
ただ、この話に出て来るチョコちゃんの行動って、9歳くらいの子どもってこう言う行動するんでしたっけね。。。
すごい怖いです。