子どもの王様 | キマイラの新しい城 |
2003年9月17日 子どもの王様出版社:講談社(2003) ★かつて子どもだったあなたと少年少女のための「ミステリーランド」第一弾。これから3カ月おきに続々と配本されるらしいです。
子ども向けとあって、字もかなり大きくオールルビ、挿絵も多め。しかし内容は本当に子ども向け…なのか?(笑)。
巷では高すぎる、と言う意見もあるようですが子ども向けだからこそ高いのでは、と私なんかは思ってしまいます。 主人公は小学生のショウタ。ショウタは普通に学校に登校して友達と流行のゲームをして遊ぶような元気な小学生。
決して良い子とは言えない行動もするけれど、自宅のある団地に帰ればあまり登校しない友人・トモヤを訪れて学校であった事を報告したり、遊んだりする良い子でもある。 小学生の日常と非日常。そして団地の内と外。一見かけ離れていて区別があるように見える二つのものが滑らかに繋がっている様をサラリと
描き出している。日常の何でもないような事を書くのが本当に上手い。子どもならではの主張と、気の使い方など、子どもが親に対して使い分けている所は、自分が子どもの頃はどうだっただろう、
と思い出してそれと較べたりして面白かった。 それにしても、殊能氏の小説の感想を上げるのが初めてだったとは思わなかった。殊能氏はハサミ男から好きなので
感想くらいは上げていると思ったのだけれど…。上げてなかったんですねぇ(笑)。 2005年2月7日 キマイラの新しい城出版社:講談社(2004) ★名探偵石動戯作シリーズである。 今回の事件は中世ヨーロッパの城を再建した老人がその城に大昔住んでいたと言う騎士に取り憑かれてしまい、
その騎士の殺人事件を解き明かして欲しいと言う珍妙な依頼から始まる。老人に取り憑いた騎士の事件も解決させないうちにもう一つの
事件が起こる。警察は現場から逃走した老人を犯人として追い始めるが……。 通常の石動サイドの視点と中世の騎士エドガー・ランペールの視点とが入り混じる形式でかかれており、
同じものを見ても全く違う様に感じているのがとても面白い。中世の人の食事がどんな物だったのか等も窺い知れるようになっている。 そして今回もやっぱりアントニオ!!私はこの人が好きだ。 絶対大将より名探偵に向いてますって(笑)。 |