蘇部健一



六枚のとんかつ 木乃伊男






2002年12月5日 六枚のとんかつ


出版社:講談社文庫(2002)(ノベルスは1998年発行)

★うう〜なんと言えばよいのだろう。先に「動かぬ証拠」(講談社ノベルス)を読んだから、雰囲気は知っていたのだが、 この「六枚のとんかつ」はとことん軽くてかなり下品。あう。
 一番初めにこの作品が出たときは「ゴミ」だ何だと言う評価だったのだとか。まー・・・それを覚悟で出したんでしょうが、 館風的にそこまで言う必要はあるのかな、とも思います。ま、書評家はそう言う風に人とは違う事を言ってナンボですからね。
 館風的に、パズルとギャグの入り混じった短編ミステリと割り切れば普通に面白いと思うんですけどねえ。

 この蘇部氏の目指しているのは多分最高に面白い短編なんじゃないかなーと思います。その点ではかなり 成功しています。「丸の内線七十秒の壁」とかはかなり面白かったし。あと、文庫化にあたって追加されている「五枚のとんかつ」も すごいアリバイトリックで、素直に驚きました。館風的に同じトリックの「六枚のとんかつ」より好みです。
 馬鹿馬鹿しい装飾に騙されると勿体ない本だと思います。

 以下ネタバレ。
 どう考えても四国とオーストラリアの地図は見間違えないと思うのだが、どうなのだろう。


2003年4月13日 木乃伊男


出版社:講談社ノベルス(2002)

★今回もイラストで見せる(魅せる)小説だった。始めに登場人物表がついていて、その顔を覚えてから 読み始めると良い。何故なら、途中で木乃伊男の正体が明かされるのだが、それがイラストで示されるからだ。
 途中でいろんな人が木乃伊男を推理し、正体を暴いていくのだが、何回もひっくり返るので、もう誰が怪しいのだか、怪しくないのだかわからない。 館風もしっかり騙されました(笑)。

 以下ネタバレ。
 ところで最後に待っていたのは本当は誰なんですか?耳たぶをひっぱる癖があるのは 玲香ですよね〜?あのイラストでやっぱり落ちが来るとしたらあれは京子になりすました玲香なのでしょうか。



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