西澤保彦



実況中死 夏の夜会
人形幻戯 いつか、二人は二匹。






2003年8月4日 実況中死


出版社:講談社(1998)

★意外にも西澤氏の本の感想は初めて。実際には結構本を読んでいるんですけどねぇ。。。
 この神麻嗣子のシリーズは世界設定が変わっていて、そもそも超能力は存在する、と言うもの。 神麻嬢は超能力を悪用する人たちを取り締まる組織の一員で、今回は超能力によって犯人と視覚が繋がってしまった主婦を救う為に動く。
 これがまた、この超能力の使い方が上手い。超能力は勿論メイントリックには使われていないので ちゃんとミステリィになってます。しかもかなり論理的な手順を踏んで犯人当てがなされるんですよね。
 西澤氏ですごいなぁ、と思うところはこの特殊な設定をきちんと読者に分かるように説明し、なおかつそれをトリックの一部に取り込み、 自然に思わせるところですね。今回も凄かったです。


2003年8月13日 夏の夜会


出版社:光文社(2001)

★テーマは人間の記憶。いかに人間の記憶が恣意的に歪められているかが分かる作品。 色んなきっかけを元に完全に忘れ去っていた記憶がどんどんと思い出されていく様は異様。人間の記憶のご都合主義には びっくりさせられます。忘れたいほど嫌な事は記憶から抹消してしまうらしい。
 自分は嫌な事ほど忘れられない性質なので都合よく忘れられる脳みそがうらやましくもあるのだが、今回思い出される記憶は はっきり言って思い出したくない(笑)。こう言う記憶は忘れてはいけないのでは?と思う。
 久し振りに友人の結婚式で集まった小学校の同級生だった主人公たちだが、話しているうちに 事実(と思われる事項)が二転三転する。 うう。自分でもこんな風に忘れている事があったら怖い。


2003年9月18日 人形幻戯
 ◎神麻嗣子の超能力事件簿


出版社:講談社(2002)

★とりあえず言う事は「・・・失敗したぁ・・・」である。 何故なら、シリーズ短篇にも関わらず間を読まなかったんですね。。。し、知らないキャラクタがわんさか居た(涙)。
 さぁ!気を取り直してそれはそれとして読んだのですが、被害者とか被疑者の名前が読めないんですね…。 漢字が難しすぎるんです。読めません。短篇なのでまだマシなのですが、最早字面でしか登場人物の名前を読んでません(汗)。ごめんなさい。

 ちなみに、本編は本格パズラーです。しかも、きちっと超能力と言う土壌を生かして密室を作ったりアリバイを作ったりしてあります。超能力を使ったら 簡単やんけ、と思う事無かれ。それが上手い事超能力にも"縛り"が設けられており、何故そうしなければならなかったのか、と言う事を推理するシーンは とても面白く出来上がっている。ロジック好きの貴方にもオススメです。


2004年7月17日 いつか、二人は二匹


出版社:講談社(2004)

★ミステリーランド配本。
 主人公は眠っている間に猫の身体に憑依する事が出来る男の子。猫になった時は何故かなんとなく意思疎通のできる犬・ピーターと 一緒に話をしたり昼寝をしたりする日々を送っていた。
 しかし、前年に起きた誘拐未遂事件の延長のような事件が起こり、二匹は調査に乗り出した。

 少年が猫になって移動する場面がなんだか面白い。猫ってあんな風に動くかなーとちょっと思い出してみたりして、そう言えば 最近野良猫も野良犬も見ないなーと気付いたり。あ、まだ猫の方は見るか。
 ピーターとジェニィ(猫の時の名前)が二匹で行動している時はとても微笑ましい。ちょっと注意深く読んでいると 何がどうなっているのかはすぐ解ってしまうのだけれどそこはそれ、犯人との対決を楽しみにしていただければ良い。

 あぁ、でもちょっと最後はせつなかったな……。



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