2002年10月29日 赤緑黒白出版社:講談社(2002) ★図書館で予約待ちの末にやっと読めました。Vシリーズ10作目。どうやらこれでVシリーズはおしまいらしい。
それはそれでかなり残念ですが、始まりがあれば終わりがありますから。次回作に期待、です。 ちょうど「ふっ」と息が止まるような唐突で、それでいて自然な幕切れ。いつも通り前口上で保呂草さんが色々言っていて、
どうも今回はなんとなく作者の気持ちそのものなんじゃないかと思わせるような内容。本の終り方はいつも通りの終り方で「これ、本当に
シリーズ最終作なの?」と言うような感覚すら覚えます。でも、それがまた森博嗣っぽいと言うか、Vシリーズらしいんですよね。 今回の殺人事件は発見される死体が全身くまなくカラースプレィでカラーリングされている、と言うもの。もちろん連続殺人。
でーすーが!今回の話は私、殺人事件に集中できません。 今回は始めからほとんど犯人が割れているとだけあって、色々な人間関係が錯綜して、あまり『推理小説ーっ』て感じはしませんでした。
館風はそう言う小説の方が好きなんですけど。 でも、やっぱり森博嗣の犯人の動機とか、そう言うのは恐いな、と感じました。ネタバレになるのであまり言及しませんが、
ああいう殺人者が居たらやっぱり困りますねぇ。恨まれて殺されるならまだ納得がいくかもしれないけど
(いや、絶対納得なんかいかないって!)、ああいう理由で殺されるというのは恐い。Vシリーズではこういう動機の殺人について何度も言及されて(てか、毎回こんな理由の殺人じゃなかったっけ?)
いるけど、読むたびに恐くなります。もしかしたらそう言う理由はあるのかも、と思ってしまうから恐いのです。 森博嗣の次回作が楽しみです。 | |
2003年1月17日 悪戯王子と猫の物語イラスト:ささきすばる 出版社:講談社(2002) ★これは小説ではなく、絵本。森氏は絵本と言っていたが、イラスト付き短篇集と言った方が近いかもしれない。ただ、
内容はショート・ショートのようなクスリ・と笑ってしまうような短篇と、詩的な響きが強い短篇が含まれている。 この幻想的な雰囲気は森博嗣の短篇集に通じる所がある。最後まで読んで、ああそうだったのか、とわかる物語の方が少なく、
結局よく分からないことの方が多い。その物語のほんの少ししか分からなくて、物語と言うより詩を読んでいる気分になる事もある。 | |
2003年2月20日 猫の建築家イラスト:佐久間真人 出版社:光文社(2002) ★これも小説ではなく、絵本。こちらは全編を通してのストーリィがある。猫の建築家が何を作るべきか、と言う事を考える為に「形」や「自然」そして「美」について
考えると言うもの。 | |
2003年4月7日 虚空の逆マトリクス出版社:講談社(2003) ★こちらは森博嗣の最新短篇集。シリーズものとはちょっと違ったイメージの話が主ですが、犀川&萌絵シリーズのお話も一篇入っています(最後の「いつ入れ替わった?」)。 中でも館風が気になったのは「探偵の孤影」と言う一篇で、これ、ピーター・ラヴセイの「クレッセント街の亡霊」って話に似ていませんか?もちろん、そのままではないんですけど、
最終的な所は似ているな、と。違う所は探偵にその(なんの、かは読んで確かめて下さい)自覚があったかどうかって話でして。
これも面白く読ませて頂きました。 何か、最近本屋に行くと森博嗣の新刊がたくさん出ていますね。エッセイ本が主ですけど、うー、割と森博嗣ファンなので読みたい気も。。。 | |
2003年7月26日 森博嗣の浮遊研究室イラスト:コジマケン 出版社:メディアファクトリー(2003) ★こちらは普段とは違った形式の著作。エッセイでも小説でもない(作者は度々小説かもしれないと言ってはばからないが)。
読むと分かるが、本当にエッセイでも小説でもなかった(笑)。これ、とてもポイントが高い所です。元々はネットで公開されているのでそれも良いですが
このネタバラシは本だけなのでこちらもどうぞ。 | |
2003年7月26日 アンチ・ハウス共著:阿竹克人 出版社:中央公論社 ★これ…すっごく面白い。ホント、すごく面白い。実際二日で読んだ。 ちなみにこのガレージはとんでもなく面白い。おそらく日本には森博嗣以外にこんなガレージを建てようと思うのは他に居ないだろう。 | |
2003年8月7日 迷宮百年の睡魔出版社:新潮社 ★サエバ・ミチルが主人公の「女王の百年密室」の続編。
こちらは「百年密室」のネタバレがかなりあるので順番どおりに読んだ方が良いでしょう。 今回のテーマはミチルの存在に関わる部分がテーマ。生命はどこに生きている・死んでいるの境界線を引くのか。
事件も謎もあるが、それはあくまでそのテーマを語るための道具でしかない。人間、ウォーカロン、そしてクロン。
3者の関係、そしてそれらに対する認識は。 はっきり言って女王・メグツシュカの考えている事は理解できるが同意する事は難しい。
別に同意する必要は無い。そう言う風に考える事も出来るのか、と思うだけでよい。森氏の本はそう言うスタイルで読むと良いと思う。 さて、ここからは頭の悪い(笑)感想である。 | |
2003年10月17日 四季 春出版社:講談社(2003) ★「すべてはFになる」で衝撃的な真相をもたらした真賀田四季4部作の第一弾。
彼女は5歳で既に世界から独立していた…。 興味深いのはやっぱり真賀田四季の思考であろう。何に価値をおくのか、と言うのがとても興味深い。
そしてまた、四季と一緒に居る栗本其志雄の気持ちも興味深い。四季についていけなくなった自分を認め、四季の側を離れなければならない
のを怖れる気持ちは理解できた。彼と彼女の特殊な関係がこの後どう変化するのか、後の3作を待ちたいと思う。 | |
2003年12月18日 森博嗣の浮遊研究室2 | |
2003年12月22日 四季 夏出版社:講談社(2003) ★天才・真賀田四季の奇跡の続きである。この巻は大体13歳から14歳の四季の選択と行動が描かれている。 これを読んで「すべてがFになる」を読んでいない人は居ないと思うのだが、あの切り口では見えなかったモノが見えてきます。 | |
2004年2月27日 ZOKU |