鯨統一郎



タイムスリップ森鴎外 タイムスリップ明治維新
文章魔界道 九つの殺人メルヘン






2003年7月27日 タイムスリップ森鴎外


出版社:講談社(2002)

森鴎外が現代にタイムスリップしてきたらどうなるか?というとんでもない設定の本。 表紙の森鴎外がユニクロを着ているのが笑える。
 昭和初期の作家に共通する不可思議な事象に注目し、その謎を解決していく。これがまた、 ホント?という内容なのだが、それっぽいが故に面白い。

 今回はちょっと感想が書きにくい。何をどう書いてもネタバレになってしまうからだ。
 それにしても、森鴎外をモリリンと呼ぶところとかは笑ってしまう。このセンス、どうにかならないだろうか(笑)。 どんどん現代に馴染んでいく森鴎外はちょっと異様だ。現在の渋谷の風俗なども色々出て来て面白い。

 ところで「黒死館殺人事件」と「ドグラ・マグラ」と「虚無への供物」って三大アンチ・ミステリィなんですか? 私はそれに加えて「匣の中の失楽」で日本の四大ミステリィだと思っておりました。誰か詳しい話プリーズ。
 ちなみに館風は「匣の中の失楽」だけしか読んでません。後は難しいという噂を聴いたので読んでませんよ(笑)。


2003年10月16日 タイムスリップ明治維新


出版社:講談社(2003)

★『タイムスリップ森鴎外』で活躍したイマドキ女子高生・うららが今度は幕末にタイムスリップ!

 幕末にタイムスリップしたうららは元の時代に戻るべく明治維新を歴史通りに起こそうとする。しかしその前に 歴史を変化させようと企む小栗上野介(の偽者)が立ちはだかる!

 倒幕に流れる歴史のうねりに巻き込まれる現代の女子高生。なんというか、小栗と言う明確な敵が見えているせいか、 ミステリィと言うか、ファンタジィのような雰囲気だった。
 現代に戻りたいが為に体を張って維新を目指す男たちにぶつかってゆくうらら。果たしてうららは現代に無事に戻ってくる事は出来るのか。
 幕末モノが大好きな方はむしろ読むのをやめた方が良いのではないかとちょっと心配してしまうような勢いの面白歴史本です。


2003年10月21日 文章魔界道


出版社:詳伝社(2002)

★はじめに「これは読まれることを前提として戯曲である」と 注がついている。全編会話とト書きのみ。なんだかスルスルと読めてしまう。

 文章魔王に盗まれた師匠の小説を取り戻す為にみゆきは文章魔界道へと赴く。そして、門番たちと レトリックな対決をして小説を取り戻してゆく。これがまた見事に同音異義語や回文のオンパレード!
 ちょっと笑っちゃうようなネタが満載です★


2004年9月7日 九つの殺人メルヘン


イラスト:佐久間真人
出版社:光文社(2001)

★タイトルの通り、メルヘンをモチーフにした連作短編集。全てバーでお酒を飲みながら横で話を聞いているお嬢さんが 事件を解決に導く、と言うパターン。それでも九つの事件の全てがアリバイ崩しの事件であり、その全てが違うパターンと言う 凄い短編集。はっきり言ってそれ一つで1本話が書けるんだから、短編集で全てが味わえてしまうなんて、 勿体無く思えてしまうかも。

 個人的にはカバーイラストと、各話の頭のイラストが象徴的でステキでした。佐久間さん。ちょっと禍々しい感じがこの話に ピッタリなのである。



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