2003年2月10日 闇匣
出版社:講談社(2002) 密室本
★目が覚めると暗闇の中に椅子に縛り付けられていた主人公。何故こうなったのかを考えていくうちに、
段々と真相が明かされる・・・。
主人公は単純に、被害者だと思って読み進むうちに、どうやらそうではない事が発覚する。主人公が思い出していく
犯人や関係者達の思い出。いつのまにか見えていた構図が歪み、真相が変化する。
とにかく闇の中で音だけが聞こえる状態が怖い。闇の中で右に左に移動する犯人。
犯人の描写がとてつもなく怖い。これはミステリィを超えていますね。ホラーです。ホラー。とにかく怖い。
これ、是非とも夜中に1人で真っ暗な部屋で読んで欲しい本です。
そうすることでホラー小説真っ青の怖さが味わえると思います。
2003年11月16日 ふたり探偵
―寝台特急「カシオペア」の二重密室―
出版社:光文社(2002)
★シリーズ第一弾。ちょっと特殊な主人公が活躍する。このシリーズは第一弾から読まないと勿体ない事になるので気をつけよう。
主人公の友梨はライター・星崎綺羅の助手と言う名目で北海道旅行へついていった。そして、帰りの寝台特急カシオペアの中で婚約者が大怪我をしたと言う
連絡を受ける。更に、カシオペアの中で殺人が起こると言う。殺人予告で名指しされたのは「星崎綺羅」だった。友梨は「星崎綺羅」を護る為に
行動を開始したのだった。
とにかく探偵の形態が面白い。今までにない設定である。それは本編を読んで確認してもらいたい。
また、上手く騙されたい人には大雑把に読むことをお薦めする。ザラーといきましょう。ザラーと(笑)。
2004年5月11日 阿弥陀ヶ滝の雪密室
ふたり探偵シリーズ
出版社:光文社(2003)
★シリーズ第二弾。前回の事件で特殊な状況に陥った主人公・友梨は、
その状況に改善がみられないまま、日々を過していた。そんな中、事故で入院している
婚約者の身に危険が!!
勿論今回の話だけでも完結するのだが、是非とも前作と通して読んで頂きたい作品である。
なるべく伏線を忘れないうちに読み返すことをお薦めする(笑)。
個人的に今回は主人公の隣の部屋に住む沢渡元気くんに萌え萌えだった(笑)。
2004年5月18日 千年岳の殺人鬼
共著:二階堂黎人
出版社:光文社(2002)
★共著である。と言ってもどこからどこまでをどちらが担当したのか解らない。ちなみに同じ内容がもう片方の作者の
感想ページにも記載されているので、向こうは見なくて良いです(笑)。
「ワームホール」なる時空の捩れが存在すると言われる千年岳に日本人フミコを含めたオーストラリア人の旅行者たちは居た。
勿論、目的はスキーだったが、ある日ヘリスキーの進路を間違えた主人公たちはワームホールがあると噂される場所へ迷い込んでしまう。
そこで起こった猟奇殺人。犯人は誰なのか、そしてその目的とは。
時折サンドイッチされるアナザサイドの話はとてもヴィヴィッドな仕掛けが施されている。
外国人が大量なので慣れない人にはちょっと大変かも。しかし英語に堪能ならトリックが解ける?!かも!(笑)
二人の合作との事ですが、それ程違和感は有りません。微妙に黒田テイストが強いかなーと言う感じで、
気持ち悪いのが苦手な人は注意。しかし、二人で書いているのがさっぱりわからないのは素敵。天晴れです。
2004年6月19日 ハーフリース保育園 推理日誌 白昼蟲
出版社:講談社(2004)
★ハーフリース保育園シリーズの第二弾。
今度のテーマは「虐め」。虐められる人間の心理が犯罪にどう絡んでくるのか、それがとてもリアルで、
きっと虐められた事のない人は「何でそんな風に思っちゃうの?」と思うことだろう。しかし、絶対的な暴力によって
支配された人間はこう言う思考をするんです。
そのリアルな描写を知るだけでもこの本を読む価値はあるかも。勿論ミステリィの主要素もしっかりしているので
ミステリィファンもどうぞ。
2004年8月6日 Killer X
共著:二階堂黎人
出版社:光文社(2001)
★出版当初は「クイーン兄弟」と言う名前で出版されている。どうやら二人の著者を当てろ・と言うクイズが設けられていたものらしい。
ちなみに私は第二弾を先に読んでしまったので(あれ?3弾だっけ?)あまり意味が無かった(涙)。
今回もモチーフにキラーXと言うキャラクタが随所に出て来る。あまり可愛いキャラクタだとは思えないけれど、作中の中では人気だと言うのだから仕方ない(笑)。
物語は主人公が高校時代の恩師の住む北海道の山奥を訪れる事から始まる。同窓会だと言われ集まってみると、集まったのはたったの5人。
しかも、手紙を送ったはずの恩師は招待などしていないと主張した。
そして起こる殺人事件。雪に阻まれ、下山する事も出来ない。果たして雪が止むまでに何人が死ぬのか。。。
時折入るアナザサイドの事件は「連続突き落し魔事件」。デパートや遊園地の人気の無い階段で人を突き落す犯を追う刑事たちの物語。
こちら側の事件と本編がリンクするのは一体何処なのか。それがわかった瞬間に何があったのか理解する。
それにしても、この物語、読みながら3度は「騙されたぁ!」と叫ぶ事請け合いである。思い切り気持ち良く騙されたい人に。
この感想は共著の二階堂氏の方にも載っています。
2005年7月26日 霧の迷宮から君を救い出すために
出版社:実業之日本社(2004)
★脳の一部を損傷し、動く物を観る事が出来なくなった主人公。映画のコマ送りと同じく、六秒毎の画像しか観る事が出来ない。
しかも前の画像と違う部分には霧がかかったように白くもやがかかってしまう。視覚に異常をきたした主人公の不安と超越した様な感覚は
ちょっと怖いものがある。
しかし、何より怖いのはこの物語に出て来る人びとの恋愛観。うう。黒田節が効きまくった人々の行動が
何より怖い。ラスト3ページで明かされるタイトルの意味!!!
「そっちかぁ!!」と叫んだのは私だけではあるまい。
ちょっと怖い物語が好きな人はどうぞ。
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