2003年10月8日 まほろ市の殺人 春
無節操な死人
出版社:祥伝社文庫(2002)
★幻想都市「まほろ市」の四季の書き下ろし。色んな作家さんが書いています。
主人公は大学生。ある日彼女の友達から電話が入り、7階のベランダから
侵入者を突き落としてしまったかもしれないと言う。
しかし、死体も無ければ何の痕跡も無かった。警察に届けた翌日、目撃された侵入者はその時刻には
既に死んでしまっていた。
なんとも不思議な話である。死亡推定時刻の後に被害者が7階の部屋へ侵入しているのである。
凄惨なバラバラ殺人事件を扱っているにも関わらず妙に爽やかなのは何故だろう?事件の解決も
実に爽やか。論理が優先されているミステリィですが、ちゃんと探偵萌えできます(<別にしなくて良いけど…)。まほろ市シリーズの次が楽しみです。
2004年7月15日 日曜の夜は出たくない
出版社:東京創元社(1994)
★猫丸先輩がささいな謎を解いていく短編集。とても真剣な論理の謎解きが
半分足を踏み外したような適当さに包まれている短篇たち。ちなみにこれ、褒めています。
謎解きの部分はやたら本気なのに、ストーリィがとても馬鹿馬鹿しい(褒めてます)。何と言うか、凄く真剣なのが伝わってきて良い。
さて、内容の方は短編集なので待ったくのバラバラ。猫丸先輩と後輩以外は殆ど重なる人物もなし。最後の短篇二つで
2回もひっくり返されちゃいます。ああ、まさかこんな仕掛けがしてあったなんて。
これを読めたぜ!と喜ぶか、うわぁ騙された!と喜ぶか、どちらでも楽しめます。
2004年9月22日 過ぎ行く風はみどり色
出版社:東京創元社(1995)
★猫丸先輩シリーズ。猫丸が出て来るまでがちょっと長いので何がどうなるのかよく解らないかも。
しかも霊媒だなんだとオカルトな分野が出張ってくるのでちょっとびっくりしてしまうかもしれない。
離れに居た老人が殺された。犯行時刻と思われる頃、そこに出入りする人間を誰も見ていない。離れのまわりの土は
雨で足跡を残しやすくなっていた。果たして誰が犯人なのか。
密室トリックとアリバイ崩しが絡んでいて、一方向からしか
見ていないとバッチリ騙されるはず。
しかし猫丸、今回はあまり頼りになりません。いえ、犯人はちゃんと見つけるんですけどね。もっと頑張れ猫丸先輩!