2003年8月22日 赫い月照
出版社:講談社(2003)
★メインテーマは阪神淡路大震災と神戸児童殺傷事件。これらの事件がその地に暮らす人々へどんな風に
影響を与えたのか、更にはそれをどうやって乗り越えていくかを模索する。
そして、神戸児童殺傷事件、所謂『酒鬼薔薇聖斗事件』が何故起こったのか、事件の動機は何だったのか、と言う事への
ひとつの解答を示している。
全体的に連続殺人事件やその犯人に対する言及が多く含まれ、神戸児童殺傷事件だけでなく、同時期に起こった事件や、過去に
おける猟奇殺人事件等にも触れている。
実際に起こった事件と直接関係ないとは言え、それらを意識して書かれた小説である。しかも、作中作として出てくる
『赫い月照』は神戸児童殺傷事件のトラウマから抜け出す為に書かれたと設定してある。
結構読むのが大変だが、段々と風化していく事件を思い出すのも良いかもしれない。
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