探偵になりたい | 犯人にされたくない |
お人好しでもいい | 絞殺魔に会いたい |
依頼人がほしい | 陪審員はつらい |
撃たれると痛い | 俳優は楽じゃない |
脅迫なんか恐くない | 脚本家はしんどい |
裁判はわからない | 罠から逃げたい |
サスペンスは嫌い |
2004年7月30日 探偵になりたい出版社:早川書房(1989) ★スタンリー・ヘイスティングスシリーズ第一弾。 と、書いたらとてもカッコ良いのだが、スタンリーはとても臆病で情けない。自分では上手くやったと思っていても、
周りにはその1部始終が見透かされていたりするのである。そんなスタンリー(と言っても40歳だが)の様子がとても面白いのだ。 ミステリィと言うよりもハードボイルドなのだが、全然ハードではない。言うならばソフトボイルド?とことん情けなくて
カッコ悪い、そんな主人公なのである。 2004年8月2日 犯人にされたくない出版社:早川書房(1990) 訳:田中一江 ★スタンリー・ヘイスティングスシリーズ第二弾。 相変わらずスタンリーはカッコ悪い。てゆぅか情けない。アリスには詰られるし、リチャードには助けられっぱなし。
おまけに刑事のマコーリフには全てを見透かされている。ああもう情けない。なのに何故か事件を収まる所へ収めてしまうんだなぁ。 2004年8月11日 お人好しでもいい出版社:早川書房(1992) 訳:田中一江 ★スタンリー・ヘイスティングスシリーズ第3弾。 今回も殺人事件の容疑者である。もちろんスタンリーが電話する弁護士はリチャード・ローゼンバーグ。
警察をやり込める事が大好きなリチャードはヘリコプターとリア・ジェットをチャーターし、大型リムジンで乗りつけ
ると言う力の入れっぷり。それで普通の来かたよりも15分早く来れたと鼻高々。うーん、これはもう
警察をやり込めるのが好きと言うよりもスタンリーを愛しちゃってるとしか思えませんね(笑)。
そんなこんなで今回のスタンリーは自分で駄目だー駄目だーと言いながら走り回ってます。
いっつも捜査の毎に借金を作っているけれど、あれはどうやって解消しているんだろう。。。後、時給10ドルってどーなの?(笑) 2004年8月24日 絞殺魔に会いたい出版社:早川書房(1992) 訳:田中一江 ★スタンリー・ヘイスティングスシリーズ第4弾。 今回も笑ってしまうぐらい空回りするスタンリー。主人公がコレでよくぞ物語が成り立つ物だ(<褒めている)。
きちんとスタンリーも推理しているのだけれど、常にその上を行く警察。物語はスタンリーの一人称なので
警察がどう動いているか等は良く分からない。その為に今まで見ていた絵が全く違うモノだったりして、驚かされる。
なんだかズルイ!と思うかもしれないけれど、スタンリーがヘボだけに気にならない(笑)。 今回のお薦め(笑)は泥棒のリロイ。何だかとっても魅力的なキャラクタなので次回以降も出番を期待したい。ステキ★ 2004年9月5日 依頼人がほしい出版社:早川書房(1993) 訳:田中一江 ★スタンリー・ヘイスティングスシリーズ第5弾。 可笑しいのは捜査する刑事みんながスタンリーの事を「この上なく怪しいが、この間抜けに殺人など出来るはずがない」と判断する事だ。
そんな印象で容疑者から外していいのか!!(笑)。 2004年9月25日 陪審員はつらい出版社:早川書房(1994) 訳:田中一江 ★今回スタンリーは陪審員に選ばれてしまう。この陪審員と言う制度、今はまだ日本にはないけれど、
こんなもの、やるもんじゃないです。スタンリーが脅えるのもそのはず、事件を裁くのは自分と同じ普通の人
なんですもの。通常招集された人は二週間拘留される程度で、運悪く裁判に駆り出された人だけが面倒な裁判に出席しなければならない。
そんな中知り合った女性にスタンリーは朝迎えに行く事を承知させられてしまう。妻・アリスには散々皮肉られ、嫌な思いをしながら
スタンリーが女性のアパートに行くと女性は死んでいた。 初めて少しでも知っていた人間の死体を見るのが初めてのスタンリーは、少なからず落ち込むのだが、そこでアリスがとっても
優しいのに感動した。物分りが良すぎるアリスだったが、この時の
アリスは本当にスタンリーの事を想っているのが解って、なんだか嬉しかった。スタンリーってば
アリスに愛されちゃってますね。 今回は珍しくスタンリーが推理した結末がストレートに真相になっている。でもスタンリーがカッコイイって、何だか似合わない(笑)。 2004年9月29日 撃たれると痛い出版社:早川書房(1995) 訳:田中一江 ★今回のスタンリーはちょっとかわいそう。恋人の素行調査を依頼され、
浮気を報告したら首にされ、挙句の果てに尾行までした男は殺される。勿論
スタンリーの依頼人が第一容疑者として逮捕された。スタンリーは自分の報告が人を殺させたのではないと
証明する為に頼まれもしていない調査を開始する。 しっかしスタンリー、いらんことしいですね。
スタンリーが何もしなければ何も怒らなかったはずなのに。。。。 2004年10月12日 俳優は楽じゃない出版社:早川書房(1996) 訳:田中一江 ★今回スタンリーは昔の仲間から欠員が出たと言われ、役者をやることに。元々は役者を目指していたスタンリー、
これが嬉しくないはずは無い。最近借金を返す為に働き詰だったスタンリーは休暇も兼ねて代役をする事に。 今回はいつもと違いスタンリーは探偵らしい探偵として扱われる。警察署の署長は何を思ったかスタンリーに捜査協力をし、
スタンリーはスタンリーで自分の演技を褒められたからと言って署長に協力する。何て素敵なんだ。 でもなんだか被害者やら加害者やらの事情がせつなくなっちゃったなぁ……。スタンリーのやり方は私は好きじゃないけど、
他にどうしろって言われたらどうも出来ないんだよね。 2004年10月18日 脅迫なんか恐くない出版社:早川書房(1997) 訳:田中一江 ★スタンリーの事務所で待っている依頼人と言うのはいつも不幸な目にあう。どんな目かと言うと、
大抵が死体になるのである。勿論スタンリーが殺している訳ではないが、スタンリーを容疑者に
する刑事もいる。 スタンリーは何度も何度も「人種差別主義者と罵られても構わない」とか「性差別主義者だと言われるだろう」とか断ってから
色々言うクセがあるのだが、それを読んでいるとアメリカにおける人種差別とか、そう言うものの実態が少し分かる気がする。
なんと言うか、表面的にはリベラルなふりをしているけれど、実質の所では違うかもしれない自分とを
言い訳がましく(笑)書いている。こういう角度から本を読んでみても面白いかもしれない。 2004年10月23日 脚本家はしんどい出版社:早川書房(1998) 訳:田中一江 ★ついに脚本家の仕事が舞い込んだスタンリー。しかし、求められた脚本は持って行ったものとは似ても似つかない物だった。 いい加減学習しろよと言いたくなるが、そこはスタンリー、ゴタゴタに巻き込まれるのが(むしろ容疑者にされるのが?)仕事。
またもや余計な事をしてマコーリフやクラーク部長刑事に怒られる。 2004年10月30日 裁判はわからない出版社:早川書房(1999) 訳:田中一江 ★とうとうスタンリーの雇い主の敏腕弁護士リチャードが殺人事件の弁護を引き受けた。
警察をやり込めるのが大好きなリチャードだから、専門外だろうと何だろうと嬉々として引き受けたのである。
スタンリーはその下請けとして依頼人のアリバイを確固たる物にすべく証人に聞き込みをして回った。いつもの
訴訟以来を取り付けるのと同じくらい簡単な仕事……が、証言は迷走を極め、段々と依頼人の立場と共にスタンリーの立場すら危うくなって行く……。 毎度の事だけれど、どうしてスタンリーは行く先々で殺人事件が起こるのだろう。行く先々で、と言うか、立ち去った後に起こっていることの方が多いけれど。
それはつまりスタンリーが真相に近付きつつあったから殺されていると言う事であって、実はスタンリーはぼんくらじゃないんじゃないかとか言う
理論になりかけるけれど、やっぱりぼんくらだよな(笑)。 スタンリーは毎度毎度リチャードと対立したり色々するけれど、今回はなんと時給とマイル給の値上げ交渉に成功する。しかも時給10ドル、1マイル35セントから
時給20ドル、1マイル70セントに格上げだから、二倍のお給料だ。それでも貧乏探偵を抜け出せないのは何故だろうか(笑)。 そして今回も事件解決の鍵を拾ってくるのはアリス。スタンリー、アリスが居なきゃ事件を解決できてません。もっとアリスに感謝するように(笑)。 2004年10月31日 罠から逃げたい出版社:早川書房(2001) 訳:田中一江 ★今度のスタンリーはちょっといつもと違う。
まあ、今回も犯人にされるのは同じだけれど。 「足元をすくわれそうなんです」と調査を依頼してきた依頼人を調べていくうちに、スタンリーは段々とその仕事が嫌になって来る。
依頼人は重要な手がかりを調べるなと言ってくるし、フラストレーションが溜まっていく。そのうちに依頼人を
他殺死体で発見!そして、調べて回っていた人間たちが次々と死ぬ!!やっぱり死神でも憑いてる
んじゃないだろうか。 スタンリーは今回初登場の刑事に
ハメられている!と思って色々と調査をしたりして足掻くのだけれど、足掻けば足掻くほど疑いをかけられるばかり。しかも
証拠物件がスタンリーの車から見つかったり、スタンリーの立場はどんどん危うくなって行く。果たしてスタンリーをハメているのは誰なのか。
スタンリーは罠から抜け出せるのか!! 最近スタンリーの解決編は派手になっている。つーか、派手すぎ(笑)。今回はなんと……と。これは言わない方が良いのか。
それにしても、マコーリフとのコンビが益々良い感じ。頑張れスタンリー。 2004年11月7日 サスペンスは嫌い出版社:早川書房(2004) 訳:田中一江 ★またしても依頼を受けてしまったスタンリー。今度は売れっ子作家の妻が依頼人。脅迫を受けているという
彼女の依頼を受け、様々な人の助けを受けてスタンリーは調査を始める。 今回、話の中でサスペンスについての考察があるのだが、そこで「一人称でサスペンスを書く事は出来ない」と言う
結論が出ている。スタンリーはそれを聞いて「いつか一人称でサスペンスを書いてやる」と思うのだが、今回見事に
体現してくれている。これが凄い。一読の価値アリ。 |