2003年11月5日 ペルシャ猫の謎
出版社:講談社(1999)
★国名シリーズの5作目。有栖川作品は安心して読めるのでかなり好きだが、意外にも日記にはこれが初登場となった。
表題作を含む全7編の短篇集。いつもながら語り手の有栖川と犯罪社会学者の火村が活躍するのだが、森下刑事が主役の話もあったり、
バラエティに富んだ内容。ラストに収録された「猫と雨と助教授と」は2人の側面を描いたもの。
表題作はとんでもない題材を扱った作品で、私も真相を知った時は目が点になった。この真相に納得できない人もいたんじゃないのかなぁ、とぼんやり
思ったり。これを書いてしまう有栖川氏は本当に凄いと思う。それともこれにオッケーを出した編集者がすごいのか(笑)。
私が気に入ったのは「暗号を撒く男」。理由は単純。謎を解いて凹んでいる火村センセが可愛いのです。そんな所見ている自分…もうダメだな、自分(笑)。
ところで、過去に国名シリーズを読んだ時はそんなに気にならなかったのだが、作中の有栖川って関西弁なんですね…。
まあ、それ以上に気になったのは火村センセが有栖川の事をアリスって呼ぶ事
でしょうか。アリスって…まあ、有栖川有栖ですから間違っては居ないんですが、なんか字面が可愛いです。そんでもって二人とも
30過ぎでしょうが(笑)。・・・ちょっと萌・・・。
あー、こんな所ばっかり目が行っちゃうからいけないんだよなぁ…(笑)。
2003年11月17日 朱色の研究
出版社:角川書店(1997)
★火村先生が活躍する本格長編。
火村は生徒に二年前の殺人事件の解決を依頼される。その捜査に着手して直ぐに次なる事件へ巻き込まれた。
それは犯人の火村への挑戦だった?!!
とにかく色んな要素の詰った本格ミステリィである。フーダニットあり、心理トリックあり、アリバイ崩しあり。
これだけ色々あればこの一冊でお腹いっぱいである。しかも事件は一筋縄では解決しません。その辺りがやっぱり
有栖川有栖と言った所か。
2003年11月23日 マレー鉄道の謎
出版社:講談社(2002)
★火村英生シリーズの本格長編。
マレーシアの友人に招かれてキャメロン・ハイランドへ赴いた火村とアリス。
犯罪臨床学者と推理作家が引寄せたのか関わった人間が自殺なのか殺されたのかわからない状況で発見される。
それと同時にその男と諍いがあった男も死体で発見される。火村とアリスの帰国まであと30時間!火村は謎を解くことが出来るのか!
休暇中なのに犯罪臨床学者しちゃってる火村先生。しかもマレーシアの警察に訊けば教えてくれると言うナイスな関係まで築いちゃって、なんというやら。
民間人どころかただの一旅行者なのにそんなに教えていいのか?と言う所まで教えるマレーシア警察。
火村が捜査しやすいようにそう言うことに大らかな土地へ旅行したのでは、と思ってしまうのは私だけか。
目張り密室はびっくりするようなトリックで、考え付きませんでした。いや、まさかあんな事までするとは思いませんから。
それにしても記述者のアリスが早口の英語を聞き取れなくて「××××(聞き取り不可能)」とか出て来てしまうので笑ってしまいます。
「×××(推理?聞き取り不可能)」とかホント、真面目にやってくれアリス!と言いたくなります(笑)。
2003年12月14日 月光ゲーム Yの悲劇'88
出版社:創元推理文庫(1994)
★江神シリーズ1作目の長編。キャンプを張っていた山が突如噴火し、孤立を強いられた英都大学推理小説研究会の面々と、その時同じ場所にキャンプに来ていた大学生17人。
そして噴火に脅える中、殺人事件が起こった。
「雪の山荘」モノと言うのをまさかこんな形で作ってしまうとは。火山って…。ちょっとびっくりです。
所謂犯人当てがメインとされた物語であるが、夜に事件が起こるため誰が何処に居たか等のアリバイも成立せず、
中々犯人当てには至らない。この回りくどさが有栖川有栖である(<ってそんな事言っていいのか…)。でも
回りくどくても有栖川氏の本は読みやすいからすぐ読めちゃうんだよなぁ。
ところで、作中人物の有栖川有栖って本名なんだ…。初めて知りました。変な名前(笑)。
江神さんもカッコ良いし、江神シリーズもバリバリ読んでいきたいです。
2004年3月12日 46番目の密室
出版社:講談社(1992)
★火村シリーズ1作目。図書館で目に付いて(と言うか、初見の作家の本を借りたのでもしつまらなかった時の為の口直しの為)借りた
のですが、まさか第1作目だとは。
先に国名シリーズを読んでいたので現在の火村&アリスとは違う雰囲気の二人がちょっと新鮮です。
アリスが虐められっこ(笑)な所は変わりないんですけどね〜。火村さんはちょっとワイルドですね…。
この話を読んで初めて知ったのですが、江神シリーズは作中の有栖川有栖の作品として存在しているんですね。へぇ〜(30へぇ〜)。
面白い入れ子構造になっていたんですね。それを知らなかったので以前の月光ゲームはどう言う位置付けなんだろう…と思っていました。
これで納得。
お話の方はタイトル通り密室がテーマ。この密室の構成法を是が否かと言われれば私はOKですが、きっと「許せん!」と言う人も居るはず。
それは読んで判断してみて下さいね。
2004年7月28日 白い兎が逃げる
出版社:光文社(2003)
★火村シリーズ。微妙な長さの作品が多いので短編集と言うよりも中篇集っぽい。もうこってこての
本格推理小説のネタが詰ってる。なんせ、アリバイ崩しにダイイングメッセージ、時刻表とかなりこってこて。
それが火村&アリスシリーズだとこんな風にアレンジされてしまうのだ!
何と言うか、アリバイ崩しでこんな風に崩したのにびっくり。後、ダイイングメッセージは今までに無い残し方。
でも確かに、こう言うのってどんどんマニアックな残し方しかなくなってくるナァ。
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